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Yamareco

記録ID: 3361234
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳(北沢峠テン泊、丹渓新道下り)

2021年07月17日(土) ~ 2021年07月18日(日)
 - 拍手
体力度
8
2~3泊以上が適当
GPS
18:17
距離
29.9km
登り
3,121m
下り
3,112m
歩くペース
速い
0.80.9
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

1日目
山行
7:02
休憩
1:52
合計
8:54
距離 17.0km 登り 1,883m 下り 1,598m
6:06
16
スタート地点
6:22
6:24
42
7:06
14
7:35
8:11
3
8:19
8:20
4
9:33
9:35
8
9:43
9:48
33
10:21
10:24
16
10:40
10:44
36
11:20
11:53
2
11:55
11:57
24
12:21
12:29
20
12:49
12:56
21
13:17
13:21
42
14:03
14:08
24
14:32
28
15:00
2日目
山行
7:11
休憩
2:10
合計
9:21
距離 12.9km 登り 1,240m 下り 1,528m
4:31
5
6:13
6:16
4
7:27
7:41
44
8:25
8:39
23
9:02
10:04
6
10:10
5
10:15
10:21
28
10:49
14
11:03
11:08
128
13:16
13:31
21
13:52
0
13:52
ゴール地点
天候 両日快晴
過去天気図(気象庁) 2021年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
予約できる山小屋
馬の背ヒュッテ
北沢峠 こもれび山荘
トラック追突事故で積み荷が散乱、後ろにいて3時間以上閉じ込められた。
2021年07月17日 00:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/17 0:21
トラック追突事故で積み荷が散乱、後ろにいて3時間以上閉じ込められた。
仙流荘前バス停にザックを並べる。
2021年07月17日 04:52撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
2
7/17 4:52
仙流荘前バス停にザックを並べる。
歌宿バス停から、鋸岳を眺めて南アルプス林道を歩く。
2021年07月17日 06:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/17 6:21
歌宿バス停から、鋸岳を眺めて南アルプス林道を歩く。
工事個所の仮設歩道に上がる。
2021年07月17日 06:42撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 6:42
工事個所の仮設歩道に上がる。
7/31からはこの区間だけ歩いて北沢峠にシャトルバスで行けるようになると。
2021年07月17日 06:43撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 6:43
7/31からはこの区間だけ歩いて北沢峠にシャトルバスで行けるようになると。
大平山荘からショートカット登山道へ
2021年07月17日 07:06撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 7:06
大平山荘からショートカット登山道へ
北沢峠、こもれび山荘前に来ると。
2021年07月17日 07:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 7:17
北沢峠、こもれび山荘前に来ると。
クリンソウ
2021年07月17日 07:18撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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7/17 7:18
クリンソウ
大群落
2021年07月17日 07:19撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/17 7:19
大群落
長衛小屋のテント場に設営。
2021年07月17日 08:06撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
2
7/17 8:06
長衛小屋のテント場に設営。
北沢峠から甲斐駒を目指す。
2021年07月17日 08:19撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 8:19
北沢峠から甲斐駒を目指す。
標高2400mあたりで槍、乗鞍。
2021年07月17日 09:08撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 9:08
標高2400mあたりで槍、乗鞍。
双児山
2021年07月17日 09:41撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 9:41
双児山
北岳、間ノ岳
2021年07月17日 09:42撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 9:42
北岳、間ノ岳
双児山から駒津峰と甲斐駒
2021年07月17日 09:43撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 9:43
双児山から駒津峰と甲斐駒
駒津峰から甲斐駒
2021年07月17日 10:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 10:21
駒津峰から甲斐駒
鳳凰三山の奥に富士山
2021年07月17日 10:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 10:21
鳳凰三山の奥に富士山
仙丈ケ岳
2021年07月17日 10:22撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/17 10:22
仙丈ケ岳
甲斐駒山頂へ直登コースから。
2021年07月17日 10:42撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 10:42
甲斐駒山頂へ直登コースから。
直登コースの岩場。
2021年07月17日 10:58撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 10:58
直登コースの岩場。
駒津峰方面を振り返る
2021年07月17日 11:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 11:07
駒津峰方面を振り返る
甲斐駒山頂。
2021年07月17日 11:25撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/17 11:25
甲斐駒山頂。
山頂から摩利支天。
2021年07月17日 11:46撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 11:46
山頂から摩利支天。
八ヶ岳
2021年07月17日 11:46撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 11:46
八ヶ岳
摩利支天への分岐から
2021年07月17日 12:12撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 12:12
摩利支天への分岐から
摩利支天
2021年07月17日 12:24撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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7/17 12:24
摩利支天
摩利支天から本峰
2021年07月17日 12:25撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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7/17 12:25
摩利支天から本峰
駒津峰から仙水峠へ
2021年07月17日 13:17撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 13:17
駒津峰から仙水峠へ
仙水峠
2021年07月17日 14:02撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 14:02
仙水峠
仙水峠からの駒、摩利支天
2021年07月17日 14:05撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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7/17 14:05
仙水峠からの駒、摩利支天
仙水峠の露岩帯
2021年07月17日 14:10撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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7/17 14:10
仙水峠の露岩帯
仙水小屋
2021年07月17日 14:32撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 14:32
仙水小屋
仙水小屋-長衛小屋間はワイルド
2021年07月17日 14:39撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/17 14:39
仙水小屋-長衛小屋間はワイルド
渡渉箇所
2021年07月17日 14:45撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 14:45
渡渉箇所
長衛小屋見えた。
2021年07月17日 14:59撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/17 14:59
長衛小屋見えた。
朝、テント場を後にする。
2021年07月18日 04:32撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/18 4:32
朝、テント場を後にする。
林道に出て直ぐ二合目コース入口。
2021年07月18日 04:36撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 4:36
林道に出て直ぐ二合目コース入口。
木間から北岳。
2021年07月18日 04:48撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 4:48
木間から北岳。
大滝ノ頭五合目。休憩地はどこも賑やか。
2021年07月18日 06:07撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 6:07
大滝ノ頭五合目。休憩地はどこも賑やか。
甲斐駒を撮ったが、光線の筋は意図せず入った。
2021年07月18日 06:42撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
2
7/18 6:42
甲斐駒を撮ったが、光線の筋は意図せず入った。
六合目から小仙丈を見上げる。
2021年07月18日 06:45撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 6:45
六合目から小仙丈を見上げる。
小仙丈からの富士山。
2021年07月18日 07:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 7:21
小仙丈からの富士山。
小仙丈から仙丈ケ岳。
2021年07月18日 07:30撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 7:30
小仙丈から仙丈ケ岳。
中アの右に御嶽、さらに右の遠くに白山。
2021年07月18日 07:38撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 7:38
中アの右に御嶽、さらに右の遠くに白山。
3033mまであと少し。
2021年07月18日 08:44撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 8:44
3033mまであと少し。
仙丈ケ岳から北岳・間ノ岳。富士には雲。
2021年07月18日 09:56撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/18 9:56
仙丈ケ岳から北岳・間ノ岳。富士には雲。
甲斐駒、鋸岳。八ヶ岳には雲。
2021年07月18日 09:56撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 9:56
甲斐駒、鋸岳。八ヶ岳には雲。
登って来た尾根。
2021年07月18日 09:56撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 9:56
登って来た尾根。
藪沢カール端を千丈小屋へ。
2021年07月18日 09:57撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 9:57
藪沢カール端を千丈小屋へ。
お花畑
2021年07月18日 10:00撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 10:00
お花畑
千丈小屋
2021年07月18日 10:15撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/18 10:15
千丈小屋
千丈小屋直下の水場。
2021年07月18日 10:18撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/18 10:18
千丈小屋直下の水場。
水源
2021年07月18日 10:18撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 10:18
水源
ヘリは6回ほど飛んで来た。
2021年07月18日 10:21撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 10:21
ヘリは6回ほど飛んで来た。
馬の背ヒュッテ分岐手前に植生防護柵。
2021年07月18日 10:42撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 10:42
馬の背ヒュッテ分岐手前に植生防護柵。
南部で見たものよりは規模が小さい。
2021年07月18日 10:44撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 10:44
南部で見たものよりは規模が小さい。
丹渓新道に行く。
2021年07月18日 10:48撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 10:48
丹渓新道に行く。
そろそろ見納めの仙丈ケ岳。
2021年07月18日 10:55撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/18 10:55
そろそろ見納めの仙丈ケ岳。
しばらくは緩くアップダウン。
2021年07月18日 11:13撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 11:13
しばらくは緩くアップダウン。
マルバダケブキはまだ蕾が多かった。
2021年07月18日 11:22撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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7/18 11:22
マルバダケブキはまだ蕾が多かった。
丹渓新道に入って唯一の道標。
2021年07月18日 11:52撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 11:52
丹渓新道に入って唯一の道標。
舗装の林道に下りる直前。
2021年07月18日 13:16撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
7/18 13:16
舗装の林道に下りる直前。
階段で林道に下り立った。
2021年07月18日 13:23撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
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7/18 13:23
階段で林道に下り立った。
歌宿バス停でザックに並んでもらう。
2021年07月18日 14:05撮影 by  TG-4 , OLYMPUS CORPORATION
1
7/18 14:05
歌宿バス停でザックに並んでもらう。
撮影機器:

装備

個人装備
グローブ 防寒着 雨具 ゲイター 着替え ザック ザックカバー サブザック 行動食 非常食 調理用食材 調味料 飲料 ガスカートリッジ コンロ コッヘル 食器 ライター 地図(地形図) コンパス 計画書 ヘッドランプ 予備電池 GPS 筆記用具 ファーストエイドキット 常備薬 日焼け止め ロールペーパー 携帯 時計 サングラス タオル ツェルト ストック ナイフ カメラ ポール テント テントマット シェラフ

感想

2015年から超久しぶり(30年以上)に南アルプスの山に登り出した。昔東京に居たときに登った山もあるが、ヤマレコ記録として南ア百名山+3000m峰は全山登ろうと思った。2015年8月には赤石岳、悪沢岳、塩見岳、2017年8月に光岳、聖岳に登って南部は制覇した。北部では2015年12月に日帰りで甲斐駒を登っていたので、残る仙丈ケ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳を2泊3日で一挙に片づける計画を立てていた。しかし2016-2018年の間は主に台風絡みで計画倒れになり、そして2019年からコロナ禍、2020年には山小屋も登山バスも営業せずで行けず。2021年今年は北部の山小屋は営業し、登山バスも基本路線は走るが、広河原-北沢峠間の林道が台風被害から復旧せず、バスも出なければ徒歩でも通れない。これは大計画の実施には大障害で、早川尾根を通る大周回案とか、広河原から仙流荘まで公共交通機関で戻る案とかもあったが、結局2つに分けて行くことにした。第一弾は仙丈ケ岳、1泊で甲斐駒も付けて。実はこちらも北沢峠までは林道が復旧中、今は途中の歌宿まで。それに合わせて丹渓新道を絡めた計画とした。梅雨明け後の安定した晴れ日を満喫した山行になった。

17日: 伊那市の登山バス起点の仙流荘に、前夜車で向かう。そこで事故に遭う。中央道西向き、伊那北インター手前で、僕の車の前で2台の大型トラックが追突事故。積荷が散乱して道を塞いだ。詳細は日記にでも書こうと思うが、事故処理で解放されるまで3時間以上閉じ込められ、仙流荘に着いたのは午前4時。1時間ほどうつらうつらしただけだった。

仙流荘の始発バスは5時半だが、5時には列に並ぶのに人が動くのに気づき、僕も車を出てバス待ち列に荷物を並べた。僕が38番目くらいで、5時半の直前には約100個のザックが並んだ。7月31日からは一応北沢峠までバスで行けるようになるので、今のうちは未だ空いていると思ったがなかなかの盛況だ。20人乗りマイクロバスの2台目に乗り、6時過ぎには歌宿バス停から出発できた。

歌宿から復旧工事個所の仮設歩道を挟んで大平山荘まではひたすら緩い舗装道路。大平山荘からショートカットの山道で北沢峠、東側に下りてテント場のある長衛小屋まで都合約90分。今日の大荷物担ぎは終了。テント張って一息ついて8時過ぎ、甲斐駒に向かってサブザックで出発する。登りは一旦北沢峠に戻り、双児山、駒津峰を経る尾根ルート。

北沢峠からしばらくは展望のない樹林帯をひたすら進む。2502m標高点手前位で、樹間に乗鞍岳、槍穂高が望めたがまだまだ樹林帯。双児山に着くと急に視界が開け、眼前にハイマツに覆われた駒津峰、その先に甲斐駒が頭を出している。北岳もこの時見えた。駒津峰へと進むと360度の大展望となり、甲斐駒は摩利支天を従えて巨大に聳える。そして直登ルートから甲斐駒山頂へ。ここは6年ぶり、北沢峠からと黒戸尾根からの両方の登山者で賑わっていた。

下り山頂からは巻き道コースで下り、駒津峰からは仙水峠に向かうことにした。最初は摩利支天に向かって砂礫の道を下りて行くが、次第に右に逸れて、摩利支天への分岐に着くともう摩利支天が遠く感じる。こんな道だったっけ? 摩利支天に行くか躊躇したが、時間に余裕はあるし、行って見ることにした。一旦少し下るが大したことは無く、予想よりは楽に摩利支天に着けた。ここからの甲斐駒本峰は、大岩壁を有して壮大、新鮮な景色で来て良かったと思った。さて摩利支天への道は、山頂から直線的に下りて行く旧道から、逸れてから水平に近い道を行く新道に切り替わっていた様だ。調べてみると、2015年までは旧道、2016年から新道になった様だ。駒津峰へのルートも同時に動いたみたいだ。

駒津峰から南に方向を変えて仙水峠へ。直ぐに樹林帯になって急勾配をずんずん下りる。道標のある仙水峠に出ると、再び摩利支天と本峰の眺め。それより僕が驚いたのは、仙水峠一帯の岩ゴロ地帯。普通峠の辺りは植生に覆われているもので、草木も生えないのは水が溜まらない岩の構造が深くまであるからなのだろう。似たような風景は、富山では毛勝三山猫又山と赤谷山の間のブナクラ峠なんかにあるが、仙水峠は規模の点で飛びぬけている。GPSで確認すると、露岩帯下端を歩く距離で600mあった。僕が見ている範囲のガイドマップなんかでは、露岩帯などとあっさり書かれていて特異的な風景の様には記されていない。

仙水峠の露岩帯を抜けて長衛小屋までは、沢沿いの緩い道をのんびり歩けば良いのだと思った。仙水小屋まではその通りだったが、その下は予想に反してワイルドな道だった。増水で動かされることが多いのだろう、道型がはっきりしないところ、崩れそうな足場、方向転換、渡渉が随所にある。テープマークは親切に多くつけられているので、気を付けていれば迷わない。

高速の事故のせいでほとんど眠っていなかったが、長衛小屋に帰りつくまで眠くて困ることはなかった。午後3時にテントに戻ってからは、ビール1本飲んで一旦夕寝、2時間ほどで起きて夕食、直ぐにまた寝て明け方3時までほぼ眠り放しだった。

18日: テント撤収して4時半に、仙丈ケ岳に向けて出発。間もなくヘッドランプは仕舞った。長衛小屋から南アルプス林道に上がったところに2合目コースの入口があり、北沢峠には上がらなくて良い。トラバース気味の山腹道から稜線に出て二合目、藪沢小屋への分岐が近い大滝ノ頭五合目までが樹林帯。今日の登り道は概ねどこでも前後に登山者がいて、休憩地も賑わう。

ハイマツ帯を登って小仙丈ケ岳。いよいよ仙丈ケ岳がカールの優美な姿を見せている。ここから山頂まで正味の標高差は200m、普通なら一気に行くところだが、ちょっとバテが来ていた。周りの軽装ピストン登山者と同じ位のペースで上がって来たが、ここではテン泊重装備者のペースになった。荷物に合わせてバテないペースで登り始めたつもりだったが、その辺の間隔が歳とってずれて来たかも知れない。途中仙丈小屋への分岐でも休憩して、小仙丈から山頂まで80分、標準タイム100%だった。超大展望が待っていてはくれた。山頂について9時、時間はたっぷりある。たっぷり1時間の大半を座りっ放しで体力の回復に努めた。

山頂から北西に下りて、藪沢カール底にある千丈小屋。小屋直下の水場は冷たく美味い水がとうとうと流れていた。水場までは大勢の登山者が近くにいたが、殆どは北沢峠に戻る。馬の背への道に入ると途端に静かになった。馬の背への登りを少し心配したが、大した標高差でなく体力は回復して問題なかった。以後丹渓新道を南アルプス林道まで標高差940m下りるのだ。2639mの独標を過ぎるまでは緩くアップダウンで距離の割に標高が下がらない。その後まともな下り道になって行くが、概ねは案外と歩き易い道だった。岩や木の大きな段差は少なく、弾力のある腐葉土的な土の割合が多くて足への衝撃の少ない、優しい道なのだ。ただ長いことは長い。100分間の下り放しで舗装の林道に下り立った。

林道に下りてから歌宿発のバス時刻表を見ると、13:25には後5分しかなくて無理。次は15:15なのでのんびり歩いて行った。歌宿バス停に着くと、時刻表に関わらず20人集まるとバスが出るので、ザックを並べておけと。僕が7番目だったが、ぼちぼち増えて2時半過ぎにバスに乗れた。

丹渓新道で落とし物を2つもしてしまった。帽子とハンカチ。千丈小屋の水場にいたご夫婦らしい2人が、荷物からして丹渓新道の筈と思い、拾って来てもらえるのではないかと少し期待したが、僕がバスに乗るまでには現れなかった。

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積雪期ピークハント/縦走 甲斐駒・北岳 [2日]
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