甲斐駒ヶ岳・仙丈ヶ岳(北沢峠テン泊、丹渓新道下り)
- GPS
- 18:17
- 距離
- 29.9km
- 登り
- 3,121m
- 下り
- 3,112m
コースタイム
- 山行
- 7:02
- 休憩
- 1:52
- 合計
- 8:54
- 山行
- 7:11
- 休憩
- 2:10
- 合計
- 9:21
天候 | 両日快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
予約できる山小屋 |
|
写真
装備
個人装備 |
グローブ
防寒着
雨具
ゲイター
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調理用食材
調味料
飲料
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
食器
ライター
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
筆記用具
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
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感想
2015年から超久しぶり(30年以上)に南アルプスの山に登り出した。昔東京に居たときに登った山もあるが、ヤマレコ記録として南ア百名山+3000m峰は全山登ろうと思った。2015年8月には赤石岳、悪沢岳、塩見岳、2017年8月に光岳、聖岳に登って南部は制覇した。北部では2015年12月に日帰りで甲斐駒を登っていたので、残る仙丈ケ岳、北岳、間ノ岳、農鳥岳を2泊3日で一挙に片づける計画を立てていた。しかし2016-2018年の間は主に台風絡みで計画倒れになり、そして2019年からコロナ禍、2020年には山小屋も登山バスも営業せずで行けず。2021年今年は北部の山小屋は営業し、登山バスも基本路線は走るが、広河原-北沢峠間の林道が台風被害から復旧せず、バスも出なければ徒歩でも通れない。これは大計画の実施には大障害で、早川尾根を通る大周回案とか、広河原から仙流荘まで公共交通機関で戻る案とかもあったが、結局2つに分けて行くことにした。第一弾は仙丈ケ岳、1泊で甲斐駒も付けて。実はこちらも北沢峠までは林道が復旧中、今は途中の歌宿まで。それに合わせて丹渓新道を絡めた計画とした。梅雨明け後の安定した晴れ日を満喫した山行になった。
17日: 伊那市の登山バス起点の仙流荘に、前夜車で向かう。そこで事故に遭う。中央道西向き、伊那北インター手前で、僕の車の前で2台の大型トラックが追突事故。積荷が散乱して道を塞いだ。詳細は日記にでも書こうと思うが、事故処理で解放されるまで3時間以上閉じ込められ、仙流荘に着いたのは午前4時。1時間ほどうつらうつらしただけだった。
仙流荘の始発バスは5時半だが、5時には列に並ぶのに人が動くのに気づき、僕も車を出てバス待ち列に荷物を並べた。僕が38番目くらいで、5時半の直前には約100個のザックが並んだ。7月31日からは一応北沢峠までバスで行けるようになるので、今のうちは未だ空いていると思ったがなかなかの盛況だ。20人乗りマイクロバスの2台目に乗り、6時過ぎには歌宿バス停から出発できた。
歌宿から復旧工事個所の仮設歩道を挟んで大平山荘まではひたすら緩い舗装道路。大平山荘からショートカットの山道で北沢峠、東側に下りてテント場のある長衛小屋まで都合約90分。今日の大荷物担ぎは終了。テント張って一息ついて8時過ぎ、甲斐駒に向かってサブザックで出発する。登りは一旦北沢峠に戻り、双児山、駒津峰を経る尾根ルート。
北沢峠からしばらくは展望のない樹林帯をひたすら進む。2502m標高点手前位で、樹間に乗鞍岳、槍穂高が望めたがまだまだ樹林帯。双児山に着くと急に視界が開け、眼前にハイマツに覆われた駒津峰、その先に甲斐駒が頭を出している。北岳もこの時見えた。駒津峰へと進むと360度の大展望となり、甲斐駒は摩利支天を従えて巨大に聳える。そして直登ルートから甲斐駒山頂へ。ここは6年ぶり、北沢峠からと黒戸尾根からの両方の登山者で賑わっていた。
下り山頂からは巻き道コースで下り、駒津峰からは仙水峠に向かうことにした。最初は摩利支天に向かって砂礫の道を下りて行くが、次第に右に逸れて、摩利支天への分岐に着くともう摩利支天が遠く感じる。こんな道だったっけ? 摩利支天に行くか躊躇したが、時間に余裕はあるし、行って見ることにした。一旦少し下るが大したことは無く、予想よりは楽に摩利支天に着けた。ここからの甲斐駒本峰は、大岩壁を有して壮大、新鮮な景色で来て良かったと思った。さて摩利支天への道は、山頂から直線的に下りて行く旧道から、逸れてから水平に近い道を行く新道に切り替わっていた様だ。調べてみると、2015年までは旧道、2016年から新道になった様だ。駒津峰へのルートも同時に動いたみたいだ。
駒津峰から南に方向を変えて仙水峠へ。直ぐに樹林帯になって急勾配をずんずん下りる。道標のある仙水峠に出ると、再び摩利支天と本峰の眺め。それより僕が驚いたのは、仙水峠一帯の岩ゴロ地帯。普通峠の辺りは植生に覆われているもので、草木も生えないのは水が溜まらない岩の構造が深くまであるからなのだろう。似たような風景は、富山では毛勝三山猫又山と赤谷山の間のブナクラ峠なんかにあるが、仙水峠は規模の点で飛びぬけている。GPSで確認すると、露岩帯下端を歩く距離で600mあった。僕が見ている範囲のガイドマップなんかでは、露岩帯などとあっさり書かれていて特異的な風景の様には記されていない。
仙水峠の露岩帯を抜けて長衛小屋までは、沢沿いの緩い道をのんびり歩けば良いのだと思った。仙水小屋まではその通りだったが、その下は予想に反してワイルドな道だった。増水で動かされることが多いのだろう、道型がはっきりしないところ、崩れそうな足場、方向転換、渡渉が随所にある。テープマークは親切に多くつけられているので、気を付けていれば迷わない。
高速の事故のせいでほとんど眠っていなかったが、長衛小屋に帰りつくまで眠くて困ることはなかった。午後3時にテントに戻ってからは、ビール1本飲んで一旦夕寝、2時間ほどで起きて夕食、直ぐにまた寝て明け方3時までほぼ眠り放しだった。
18日: テント撤収して4時半に、仙丈ケ岳に向けて出発。間もなくヘッドランプは仕舞った。長衛小屋から南アルプス林道に上がったところに2合目コースの入口があり、北沢峠には上がらなくて良い。トラバース気味の山腹道から稜線に出て二合目、藪沢小屋への分岐が近い大滝ノ頭五合目までが樹林帯。今日の登り道は概ねどこでも前後に登山者がいて、休憩地も賑わう。
ハイマツ帯を登って小仙丈ケ岳。いよいよ仙丈ケ岳がカールの優美な姿を見せている。ここから山頂まで正味の標高差は200m、普通なら一気に行くところだが、ちょっとバテが来ていた。周りの軽装ピストン登山者と同じ位のペースで上がって来たが、ここではテン泊重装備者のペースになった。荷物に合わせてバテないペースで登り始めたつもりだったが、その辺の間隔が歳とってずれて来たかも知れない。途中仙丈小屋への分岐でも休憩して、小仙丈から山頂まで80分、標準タイム100%だった。超大展望が待っていてはくれた。山頂について9時、時間はたっぷりある。たっぷり1時間の大半を座りっ放しで体力の回復に努めた。
山頂から北西に下りて、藪沢カール底にある千丈小屋。小屋直下の水場は冷たく美味い水がとうとうと流れていた。水場までは大勢の登山者が近くにいたが、殆どは北沢峠に戻る。馬の背への道に入ると途端に静かになった。馬の背への登りを少し心配したが、大した標高差でなく体力は回復して問題なかった。以後丹渓新道を南アルプス林道まで標高差940m下りるのだ。2639mの独標を過ぎるまでは緩くアップダウンで距離の割に標高が下がらない。その後まともな下り道になって行くが、概ねは案外と歩き易い道だった。岩や木の大きな段差は少なく、弾力のある腐葉土的な土の割合が多くて足への衝撃の少ない、優しい道なのだ。ただ長いことは長い。100分間の下り放しで舗装の林道に下り立った。
林道に下りてから歌宿発のバス時刻表を見ると、13:25には後5分しかなくて無理。次は15:15なのでのんびり歩いて行った。歌宿バス停に着くと、時刻表に関わらず20人集まるとバスが出るので、ザックを並べておけと。僕が7番目だったが、ぼちぼち増えて2時半過ぎにバスに乗れた。
丹渓新道で落とし物を2つもしてしまった。帽子とハンカチ。千丈小屋の水場にいたご夫婦らしい2人が、荷物からして丹渓新道の筈と思い、拾って来てもらえるのではないかと少し期待したが、僕がバスに乗るまでには現れなかった。
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