【蔵王全山縦走】不忘山〜南面白山【しかし敗退・・・】
- GPS
- 32:00
- 距離
- 42.0km
- 登り
- 3,333m
- 下り
- 3,579m
天候 | 9/9 晴れ 9/10 晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
復路:仙山線で仙台駅まで1時間、740円 |
コース状況/ 危険箇所等 |
名号峰〜南雁戸山 登山道脇の藪、蜘蛛の巣甚だしく不快 道形は明瞭 カケスガ峰〜有耶無耶関 不快だが名号峰〜南雁戸山よりはまし 山形神室〜二口峠 不快だが名号峰〜南雁戸山よりはまし その他 問題なし 八方平避難小屋は綺麗でとても快適 |
写真
感想
夏休み山行第二段。本当は藪を漕いで泉ヶ岳まで繋ぐつもりだったが、色々あって計画倒れに終わった。最近こんなのばっかり。それなら故郷の初秋をのんびり楽しもうと思ってみれば、現実は藪やら蜘蛛の巣やらに阻まれ中々厳しい山行に。ついでに完遂も逃した。まあ一応笹谷峠までの蔵王全山縦走は達成したからよしとしよう。これで37/100。
9月9日
アプローチが第一の関門となる南蔵王。僕は原住民の利を生かして親に車で送ってもらった。この年になっても自分の趣味で親の手を煩わせるのだから情けないとは思う。
4:15に西道路経由で東北道に乗る。白石ICで降り国道4号線→県道254号線→県道51号線と進んで1時間15分で登山道に着く。途中凡ミスでタイムロスしなければ1時間でつけただろう。仙台市民にとっては意外と身近な山域である。助手席に乗っていただけの僕が言うのもなんだが。
準備体操をして出発。始めは疎林の中の緩やかな道で、徐々に傾斜を大きくしながら単調な登りが続く。黒土がところどころ滑りやすい。道に大石が増えてくると地味が乏しくなるのか植生が潅木に変わる。尚も行くと突然ガレ場に出て展望が開ける。麓の案内板にはガレ場に出れば山頂はすぐとあるが大嘘でまだ大分歩かねばならない。
山頂では360度の展望が得られる。山形盆地は雲海の底に沈んでいたものの太平洋、仙台平野方面はばっちりだった。吾妻山まで憧れの中央分水嶺が連なっているのも見える。・・・・・・夏に辿る気はしない。
のんびり休憩して出発。屏風岳までアップダウンの少ない快適な尾根歩き。初めて人に会う。この日はエコーラインまでで20人以上とすれ違った。この所天気がよくなかったから特に多かったのだろう。
芝草平は時期が遅く、池塘と枯れ尾花が広がっているだけでぱっとしない。夏に来ればきっと凄いんだろう。ここでものんびりする。
エコーラインまで何と言うことも無いアップダウンをこなす。途中の刈田峠避難小屋はやや狭いが快適そうだった。位置的に無雪期に使う人はほとんどいないだろうけど。
評判どおりエコーラインを横切る登山道は藪々している。登れないほどではないので我慢して登ると突然刈田岳の山頂に出ると同時に、蔵王のシンボルお釜が姿を現した。お釜には子どもの頃2回ほど家族と来たことがある。家族の出掛けたいところがバラバラな時、(誰も行きたくないのに)最大公約数的に選ばれる行き先だった。しかも決まってどんよりと曇った日の肌寒い夕暮れ時だったので、外でお釜を眺めるよりレストハウスで玉こんにゃくを食べていた時間のほうが長かったような印象である。
しかし今日は快晴。お釜や熊野岳のみならず仙台の市街地まで見渡せる。月曜日だというのにあたりは観光客で溢れるほど賑わっている(突然藪から姿を現したときはかなり奇異の目で見られた)。晴れの日に来れば割といい観光地だ。残念な思い出しかないあのお釜に、晴れの日に登山者として来れたことは実に感慨深い。のんびり写真を撮って水を汲み、出発する。
熊野岳山頂は30人程の中高年登山者と100人以上の遠足の子どもたちに制圧されていた。メインピークが駐車場から30分で登れるというのは・・・。まあ山形盆地の雲が切れて市街地を見下ろすことができたからいい。今日中に笹谷峠まで行くのは諦めて1時間近くのんびりする。今日八方平で泊まると完遂は絶望的なのだがまあそれはそれとして・・・。
熊野岳からコルまで下ると、樹林帯に入る。この先は、道の両側から藪が被さってきてとても歩きづらい。藪だけならまだしも、蜘蛛の巣が頻繁に顔のあたりにかかってきてとても不快。ハイキング気分で来たのに。熊野岳〜雁戸山はほとんど歩かれていないようだ。この尾根道自体エアリアに実線で載っているのが不思議なほどだが、途中エアリアに載ってすらいない枝道への分岐がたくさんあった。廃道ファンにはうってつけの山域かもしれない。
へろへろになって八方平避難小屋に着く。こんな藪中にあるのが不思議なくらい広くて立派な小屋。80人は楽に収容できるだろう。どう考えてもこの山域のニーズと釣り合っていない。小屋ノートを読む限りでは、泊まるのは年に10パーティ前後だろう。こんな小屋でも、年に一回は業者が整備に来ているらしい。流石は我が故郷仙台市。
広い小屋を独り占めにして快適に寝る筈だったが、八ヶ岳で読み残した柳田国男の「山の人生」を就寝前に読んでしまったため怖くてなかなか寝付けなかった。山人が入ってきたらすぐに気づけるように入口の見える所で寝た。
2日目
幸い山人の来襲はなかった。親に貰ったパンを食べて出発。
雁戸山付近は稜線が細くなっていて気持ちよく歩ける。山頂はなかなか展望がいい。黙々と歩いて有耶無耶関付近まで来ると地形が平らになり、送電線巡視路も交錯して迷いやすい。地形図を見ても参考にならないので直観を駆使して進む。有耶無耶関は看板と記念碑が立っているだけで往時の面影はなかった。
笹子トンネルの立派な車道を横切るとよく整備された歩きやすい登山道が始まる。峠の南側とは随分な格差だ。山形神室では先生に率いられた地元の中学生たちが大勢で休憩していた。笹子峠に停まってたバスは彼らのものか。一部は山頂で収容しきれずに神室岳との分岐まで行っていた。先生によれば、昔は鳥海とか月山とかもっと高い山に登っていたが最近は安全上のなんたらかんたらが喧しく、この程度の山にしか来れないとかなんとか。地元の子供たちが学校登山を通して山に興味を持ってくれれば、北蔵王の道ももう少しまともになるだろうに。
山頂の喧噪を離れて、再び黙々と歩き始める。尾根を横切る二口林道では法面の工事をやっていた。年中通行止めの林道で工事などして意味があるのだろうか。二口峠まで林道を使ってショートカット。糸岳までは急だが歩きやすい登り。再び黙々と歩く。特徴はないが歩きやすく、ぼんやり考え事をしながら歩くにはぴったりな道。主稜線から少し外れた小東岳はどうということのないピーク。そろそろ日没が迫って来て焦りだす。大分早足に歩いたが南面白山で日が暮れてしまった。南面白山〜面白山は残雪期にでも歩くとしよう。
南面白山からの下りは初めは急なガレで、それが終わると背丈を越える笹の間に切り開かれた道になる。ここにはかつてスキー場があったらしく、何となく人の気配を感じる。お化けのことを考えまいとするほど考えてしまうのでせめてずっとゲゲゲの鬼太郎のことを考えるようにしていた。錆びたリフトが現れると間もなく人里に着く。といってもスキー客向けの宿ばかりで、既にゴーストタウンと化しているようだった。リフトから仙山線の駅までほんの少しだけ歩く。こんな山のど真ん中から仙台駅まで乗り換えなしの一時間。何という利便性。文明の有り難さを噛みしめながら帰途についた。
まとめ:念願だった故郷の百名山が歩けて良かった。藪は不快だったが、それ以外は刈田岳レストハウス、八方平避難小屋、面白山高原駅など、何かと文明の快適さに浴する山行だった。素晴らしきかな仙台。
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