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Yamareco

記録ID: 3477583
全員に公開
沢登り
京都・北摂

【若丹国境】オバタケダンとタケガダンをめぐる沢歩き (棚野川右俣・大畠谷・結藤谷)

2021年08月29日(日) [日帰り]
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GPS
--:--
距離
13.9km
登り
1,110m
下り
1,106m

コースタイム

日帰り
山行
9:20
休憩
0:00
合計
9:20
6:30
20
駐車地(堀越峠旧道の入り口ゲート)
6:50
90
棚野川右俣の右俣に入渓
8:20
30
8:50
10
9:00
50
大畠谷に下降開始
9:50
60
大畠谷本流に合流
10:50
10
オバタケダンの稜線に復帰
11:00
100
結藤谷に下降開始
12:40
30
結藤谷と棚野川の出合
13:10
80
棚野川右俣の左俣に入渓
14:30
10
稜線
14:40
70
棚野坂の六地蔵
15:50
駐車地(堀越峠旧道の入り口ゲート)
天候 晴れ
過去天気図(気象庁) 2021年08月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
堀越トンネルの1kmほど手前の東側にある堀越峠旧道の入り口付近のスペース(2〜3台駐車可能)に駐車。なお,堀越峠旧道は入り口にゲートがあり車両は進入できない。
コース状況/
危険箇所等
 今回メインで歩いたのは,国道162号線の堀越トンネルのすぐ東側,若丹国境のオバタケダン(729.0m三角点)を挟むようにして突き上げている谷。例によって谷名が不明なため,仮に「棚野川右俣」(棚野川の源流の右俣に当たるので…)と呼ばせていただきます(詳しい谷名をご存じの方,ご教示いただけると大変ありがたいです)。

【棚野川右俣の右俣】
・ 棚野川右俣の標高370m二俣の右俣(ややこしくてすみません…)。水量も少なく,ごく小さな谷だが,意外なほど小滝が多く楽しい谷。この谷の見せ場は,中間部に出てくる3段20mの滝。岩盤をらせん状にえぐった「ほら貝」のようなミニゴルジュの中に落ちる滝で,なかなか見事。
・滝は一部を除いて容易に登れるものが多く,3段20m滝の高巻きがちょっと急なくらいで,大きな悪場はない(3段20mを全て直登するなら話は別ですが…)。小滝と戯れながらの沢歩きにぴったり。
・ 下部は植林だが,滝場に入ると同時に感じのいい自然林になる。しかし,気持ちよく稜線に出られるかと思いきや,稜線直前で再び植林が出てきてしまうのが少し残念。

【棚野川右俣の左俣】
・ 棚野川右俣の標高370m二俣の左俣。右俣と同じく,最初はぱっとしないヤブ沢にしか見えず入るのがためらわれるくらいだが,入渓後すぐに滝場が始まり,3m〜10mくらいの滝が途切れることなく連続し,滝の数では右俣よりもこちらの左俣のほうが多いと思う。しかもほぼすべての滝がシャワーを浴びながら直登できて楽しい(ただし,右俣のような大滝は出てこない。)。しかし,地形図上で等高線が緩む区間に入ると急に平凡化・植林化してしまうのがやや残念。源頭部ではナメと自然林が若干復活してくれる。
・こちらも右俣と同じく,大きな悪場はなく距離も短いので,小滝登りと沢歩きが気軽に楽しめる。

※ ほかにも,オバタケダン・タケガダンの北側にある大畠谷(おそらく,オバタケダンの山名の由来になった谷)と南側にある結藤谷も歩きましたが,大畠谷は地形図上で谷が狭まる区間(標高500m前後)が小さなゴルジュ状になっており,いくつか小滝あり。また,結藤谷は,源頭部は自然林が美しく穏やかで散歩にぴったりだが,下部の大半は林道化&伐採されてしまっており残念な限りでした。
ヤマレコの月間写真アップ量制限(100MB)にひっかかったため,今回はやや巻き気味に行きます 笑
堀越トンネルの1kmほど手前から別れている堀越峠旧道を歩いて行く。昔はこのダート道を車が行き交っていたのか…何だか感慨深い。
ヤマレコの月間写真アップ量制限(100MB)にひっかかったため,今回はやや巻き気味に行きます 笑
堀越トンネルの1kmほど手前から別れている堀越峠旧道を歩いて行く。昔はこのダート道を車が行き交っていたのか…何だか感慨深い。
【棚野川右俣の右俣】旧道のヘアピンカーブの橋のたもとから棚野川右俣に入渓。まずは370m二俣の右俣に入る。しかし水量も少なく,周囲も植林…。これは失敗したかなぁ,と気乗りしないまま歩を進めていくと…
【棚野川右俣の右俣】旧道のヘアピンカーブの橋のたもとから棚野川右俣に入渓。まずは370m二俣の右俣に入る。しかし水量も少なく,周囲も植林…。これは失敗したかなぁ,と気乗りしないまま歩を進めていくと…
おや? 急に滝が。
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おや? 急に滝が。
おおっ?
おおおっ?
どんどん小滝が出てくる。最初の冴えない印象を効果的に裏切ってくれた。
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どんどん小滝が出てくる。最初の冴えない印象を効果的に裏切ってくれた。
気づくと植林も途切れ,周囲は感じの良い自然林に包まれ始めた。この谷,いいね。
気づくと植林も途切れ,周囲は感じの良い自然林に包まれ始めた。この谷,いいね。
しかもほとんどの滝が直登できて楽しい。
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しかもほとんどの滝が直登できて楽しい。
ややっ,行く手が急に険悪なゴルジュに。小さな谷だと思っていたら,こんなものまで出てきてびっくり。
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ややっ,行く手が急に険悪なゴルジュに。小さな谷だと思っていたら,こんなものまで出てきてびっくり。
小滝を越えて狭いゴルジュに入り込むと,左に折れ曲がったところに5mほどの滝。しかもその上にもさらに大きな滝が続いている気配。この5m滝は直登。
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小滝を越えて狭いゴルジュに入り込むと,左に折れ曲がったところに5mほどの滝。しかもその上にもさらに大きな滝が続いている気配。この5m滝は直登。
5m滝の上でゴルジュは螺旋状に右に折れ曲がり,今度は10mはありそうな滝が飛沫を上げていた。この上に続くナメ部分も合わせれば,全段で20mくらいか。この3段目の10m滝は,頑張れば登れそうだったが,ホールドが逆層で苦労しそうなのが見て取れたため,一旦クライムダウンして右岸の急斜面から巻き上がった。
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5m滝の上でゴルジュは螺旋状に右に折れ曲がり,今度は10mはありそうな滝が飛沫を上げていた。この上に続くナメ部分も合わせれば,全段で20mくらいか。この3段目の10m滝は,頑張れば登れそうだったが,ホールドが逆層で苦労しそうなのが見て取れたため,一旦クライムダウンして右岸の急斜面から巻き上がった。
3段20m滝を巻き終えてから,落ち口からゴルジュの中を見下ろす。岩盤が螺旋状にえぐれた暗い空間の中に,水が吸い込まれていく。ほら貝の内部をのぞき込むようだ。
3段20m滝を巻き終えてから,落ち口からゴルジュの中を見下ろす。岩盤が螺旋状にえぐれた暗い空間の中に,水が吸い込まれていく。ほら貝の内部をのぞき込むようだ。
この上も小滝が連続する。
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この上も小滝が連続する。
これもきれい。2段15mくらいのナメ滝。
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これもきれい。2段15mくらいのナメ滝。
ナメ滝が多いので,それほど苦労せず水と戯れながら滝身を登っていけるのがうれしい。(ただ,滑りやすいので注意)
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ナメ滝が多いので,それほど苦労せず水と戯れながら滝身を登っていけるのがうれしい。(ただ,滑りやすいので注意)
黒く磨かれたようなナメ滝をひたひたと歩いて行く。
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黒く磨かれたようなナメ滝をひたひたと歩いて行く。
ブナとミズナラの美しい森。小粒ながらもこんなにいい谷だったとは,得した気分だ。入り口で引き返さなくてよかった…。
ブナとミズナラの美しい森。小粒ながらもこんなにいい谷だったとは,得した気分だ。入り口で引き返さなくてよかった…。
稜線間際までナメが続き,嬉しい限り。
稜線間際までナメが続き,嬉しい限り。
そして,ほどなくオバタケダン山頂。
そして,ほどなくオバタケダン山頂。
山頂から少し東に歩いたところから,南西方面の山々が望めた。
山頂から少し東に歩いたところから,南西方面の山々が望めた。
稜線を東進し,タケガダンへ。ちょっと植林も散見されるが,大半は気持ちのいいブナのプロムナードだ。
稜線を東進し,タケガダンへ。ちょっと植林も散見されるが,大半は気持ちのいいブナのプロムナードだ。
そして,ミズナラに囲まれたタケガダンの静かな山頂に到着。
そして,ミズナラに囲まれたタケガダンの静かな山頂に到着。
タケガダンからは,北東に落ち込む小さな枝谷を下って北側の大畠谷へ下降。この枝谷も予想以上に険しく,大畠谷との出合では3段15mくらいの滝さえ出てきた(ロープは出さず,何とか巻き下れた)。この界隈は,等高線が少しでも混んでいる谷は(たとえ小さな枝谷であっても)必ず滝があると思って間違いないようだ。
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タケガダンからは,北東に落ち込む小さな枝谷を下って北側の大畠谷へ下降。この枝谷も予想以上に険しく,大畠谷との出合では3段15mくらいの滝さえ出てきた(ロープは出さず,何とか巻き下れた)。この界隈は,等高線が少しでも混んでいる谷は(たとえ小さな枝谷であっても)必ず滝があると思って間違いないようだ。
【大畠谷】大畠谷に降り立った。この谷は,おそらくオバタケダン(=大畠谷。谷は「タン」「ダン」と読む)の山名の由来になった谷だろう。しばらく穏やかな流れが続くが…
【大畠谷】大畠谷に降り立った。この谷は,おそらくオバタケダン(=大畠谷。谷は「タン」「ダン」と読む)の山名の由来になった谷だろう。しばらく穏やかな流れが続くが…
標高500m前後の等高線が狭まったあたりに差し掛かると,急に両岸が岩がちになって切り立ち,3mほどの滝が出てきた。右壁を直登できる。
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標高500m前後の等高線が狭まったあたりに差し掛かると,急に両岸が岩がちになって切り立ち,3mほどの滝が出てきた。右壁を直登できる。
この谷は植林が多いのだが,この険しい区間だけ,気持ちのいい自然林に包まれていた。
この谷は植林が多いのだが,この険しい区間だけ,気持ちのいい自然林に包まれていた。
この後も小滝が連続する。
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この後も小滝が連続する。
まさかこんなに滝が出てくるとは…。
実は,今回わざわざ大畠谷に降りたのは,地形図上で大滝がありそうで気になっていた枝谷があったからなのだが,結局その枝谷は水がちょろちょろとしか流れておらず,期待外れであった。その代わり,本流のほうで思いがけない小滝の連瀑に出会うことができた。
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まさかこんなに滝が出てくるとは…。
実は,今回わざわざ大畠谷に降りたのは,地形図上で大滝がありそうで気になっていた枝谷があったからなのだが,結局その枝谷は水がちょろちょろとしか流れておらず,期待外れであった。その代わり,本流のほうで思いがけない小滝の連瀑に出会うことができた。
しかし,等高線が緩む区間に入ると,谷は一気に平凡化し,植林が復活してしまった。しばらく谷沿いに歩いてみたが,植林が途切れる気配はなかったため,適当なところで小尾根に取りつき,再びオバタケダンの稜線に登り返していく。
しかし,等高線が緩む区間に入ると,谷は一気に平凡化し,植林が復活してしまった。しばらく谷沿いに歩いてみたが,植林が途切れる気配はなかったため,適当なところで小尾根に取りつき,再びオバタケダンの稜線に登り返していく。
オバタケダンの稜線に復帰。
オバタケダンの稜線に復帰。
【結藤谷】さて,今度は南側の結藤谷へ。地形図を眺めていて面白い形の谷だったため,もともと気になっていた谷だったのだが,等高線ユルユルの大畠谷でさえ滝が出てきたので,こちらも何か出てくるかも,と思って立ち寄ってみたのである。結藤谷は,さっそく穏やかで気持ちのいい源頭から始まる。
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【結藤谷】さて,今度は南側の結藤谷へ。地形図を眺めていて面白い形の谷だったため,もともと気になっていた谷だったのだが,等高線ユルユルの大畠谷でさえ滝が出てきたので,こちらも何か出てくるかも,と思って立ち寄ってみたのである。結藤谷は,さっそく穏やかで気持ちのいい源頭から始まる。
あー,この谷,めっちゃ気持ちいい。何だこの爽やかさは。もしかしてこれは当たりなのでは? といい気分で下っていくと…
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あー,この谷,めっちゃ気持ちいい。何だこの爽やかさは。もしかしてこれは当たりなのでは? といい気分で下っていくと…
案の定,皆伐されてました…。そりゃあ,こんな植林しやすそうな穏やかな谷,見逃すはずがないよなぁ。切り残された斜面の上部の樹林を見ると,結構立派なブナが残っており,元はなかなか素晴らしい森に包まれていた谷だったことが想像される。残念な限り。
案の定,皆伐されてました…。そりゃあ,こんな植林しやすそうな穏やかな谷,見逃すはずがないよなぁ。切り残された斜面の上部の樹林を見ると,結構立派なブナが残っており,元はなかなか素晴らしい森に包まれていた谷だったことが想像される。残念な限り。
もしかしたら右俣は健在かも…とわずかな望みを頼りに林道を下ってみたが,結藤谷の右俣もこのとおり,皆伐されてました。ひどいや。
もしかしたら右俣は健在かも…とわずかな望みを頼りに林道を下ってみたが,結藤谷の右俣もこのとおり,皆伐されてました。ひどいや。
【棚野川右俣の左俣】結藤谷の林道をとぼとぼ歩いて国道162号線を戻り,再び旧道を歩いて性懲りもなく棚野川右俣に再入渓。今度は370m二俣の左俣に入る。こちらも最初はヤブ沢然としたぱっとしない流れで,こりゃ大丈夫かいな…と心配になりつつも進んでいくと…
【棚野川右俣の左俣】結藤谷の林道をとぼとぼ歩いて国道162号線を戻り,再び旧道を歩いて性懲りもなく棚野川右俣に再入渓。今度は370m二俣の左俣に入る。こちらも最初はヤブ沢然としたぱっとしない流れで,こりゃ大丈夫かいな…と心配になりつつも進んでいくと…
急に小滝が出てきたと思ったら,その後は3m〜10mくらいの小滝に次ぐ小滝。こちらも滝の多い谷でした。
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急に小滝が出てきたと思ったら,その後は3m〜10mくらいの小滝に次ぐ小滝。こちらも滝の多い谷でした。
大きな滝はないものの,滝の数で言ったら右俣より多いかも。大分写真は省いてますが…。
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大きな滝はないものの,滝の数で言ったら右俣より多いかも。大分写真は省いてますが…。
しかも,全部手ごろな大きさと登りやすさで,ほぼ全て直登できるので楽しい。
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しかも,全部手ごろな大きさと登りやすさで,ほぼ全て直登できるので楽しい。
こんな小さな谷で,こんなにびしょ濡れになって楽しめると思わなかった。
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こんな小さな谷で,こんなにびしょ濡れになって楽しめると思わなかった。
滝がどんどん谷の奥へ,上へ上へと続いていく。
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滝がどんどん谷の奥へ,上へ上へと続いていく。
まだまだ続く。
何となく,同じ京都北山の中山谷山にある中山谷の連瀑帯に似ている気がする。(こちらのほうが若干規模は小さめですが)
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何となく,同じ京都北山の中山谷山にある中山谷の連瀑帯に似ている気がする。(こちらのほうが若干規模は小さめですが)
この斜滝を越えると…
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この斜滝を越えると…
谷は急に穏やかに。植林も出てきてちょっと寂しくなるが,源頭では写真のような雰囲気の良い自然林に再び包まれ,そのまま気持ちよく稜線に上がることができる。
谷は急に穏やかに。植林も出てきてちょっと寂しくなるが,源頭では写真のような雰囲気の良い自然林に再び包まれ,そのまま気持ちよく稜線に上がることができる。
稜線に上がった後は,古い峠道を辿って棚野坂の六地蔵さんにお参りに行こう。ブナの巨木が寡黙にたたずみ,美しいカーブを描いて山腹を横切る古道を守っている。
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稜線に上がった後は,古い峠道を辿って棚野坂の六地蔵さんにお参りに行こう。ブナの巨木が寡黙にたたずみ,美しいカーブを描いて山腹を横切る古道を守っている。
棚野坂の六地蔵さん。丹波と若狭を結ぶ高浜街道の古道を見守ってきたお地蔵さんだ。静かに手を合わせ,しばらくお地蔵さんとその前後に続く彫りの深い古道を眺めてから,P689から南下する尾根を辿って駐車地に戻った。
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棚野坂の六地蔵さん。丹波と若狭を結ぶ高浜街道の古道を見守ってきたお地蔵さんだ。静かに手を合わせ,しばらくお地蔵さんとその前後に続く彫りの深い古道を眺めてから,P689から南下する尾根を辿って駐車地に戻った。

装備

備考 ・フェルトソール沢足袋使用
・ロープ等の沢登り基本装備は念のため携行したが,使う機会はなかった。

感想

 緊急事態宣言で遠出が難しいので,今週もご近所の沢歩き。またもや若丹国境の山,早口で言うと噛みそうなオバタケダンとタケガダンである。
 今回メインで歩いた棚野川右俣は,正直,これまで沢登りの対象として見たことはなかった。なにしろ,丹波と若狭を結ぶ主要道路の一つである国道162号線の堀越トンネルのすぐ東隣の谷なのである。しかし,先々週と先週でこの近辺の谷を歩いて意外に面白かったので,地図を見直していたところ,何となくこの谷が気になってしまった。ごくごく小さな谷に過ぎないのだが,なんだか等高線が混んでいるし,なによりその奇妙な山名に以前から惹かれていたオバタケダンとタケガダンに登ることができる。まああんまり期待しないように…と思いながらも沢足袋をぶら下げて出掛けた。
 棚野川右俣は,思った以上に水量が少なく,入渓ポイントはヤブ沢のようで,正直入るのがためらわれるくらいだったが,いざ入渓してみると,370m二俣の右俣も左俣も,小滝やナメが数多く出てきて予想外の展開となった。右俣では,ほら貝のようにらせん状にえぐれたミニゴルジュに落ちる3段20m滝に驚き,左俣では,途切れることなく連続する小滝登りを楽しんだ。そもそも短い谷なので,どちらも滝場はそう長く続かないのは残念だが,こんな小さな谷でもこれほど滝が出てくるとは,やはりこの界隈は滝が多いようだ。オバタケダンとタケガダンの稜線も,ところどころ植林が混じるものの,太いブナも散見されて,なかなか気持ちのいい稜線歩きを楽しめる。棚野坂の六地蔵さんにもお参りできたし,良い一日になりました。

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