荒沢岳〜兎岳〜中ノ岳〜越後駒ケ岳
- GPS
- --:--
- 距離
- 29.6km
- 登り
- 2,538m
- 下り
- 2,537m
コースタイム
22日 5:20 出発 〜 5:36 巻倉山 〜 6:46 兎岳 〜 9:01 中ノ岳 9:15 出発 〜 12:44 越後駒山頂分岐 〜 12:52 駒の小屋 14:10 出発 〜 15:25 小倉山 〜 16:17 道行山 〜 17:10 林道に出る 〜 17:41 国道に出る 〜 18:03 荒沢岳登山口到着
*途中、何度も休憩を入れています。かなりゆっくりしたペースです。
天候 | 21日〜晴れ 22日〜薄曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2013年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
銀山平の荒沢岳登山口には、きれいなトイレがあります。前瑤虜疹譴魯イドブックや他の方のレコを拝見して覚悟していましたが、やはり長くて体力を使いました。その後もやせ尾根の急登が続きます。 荒沢岳から灰吹山〜灰ノ又山〜巻倉山〜兎岳へのルートは、比較的新しく開かれたようで、広く刈り払いがされ、危険個所もなく快適な道。巻倉山の手前鞍部にキャンプ地があります。先着の方たちは草地に設営しておりましたが、私はササが刈り払われたスペースにテントを張りました。水場は沢を下りて行きますが、十分な水が流れている地点まで下る必要があります。自分が歩いて行ったその先にあるので、汚してしまう可能性があります。私は早朝、たぶん一番に汲みに行ったのできれいでしたが。トイレはササが適度に払われた地帯が指定されています。スコップがあり、埋めてくださいと書かれていました。 兎岳〜中ノ岳〜越後駒ケ岳はしっかりした道ですが、痩せた稜線で歩きづらい個所が多く、気が抜けません。雪の残っている時期は、難易度がかなり高くなると思われます。 駒ケ岳〜小倉山〜道行山〜北ノ又川沿い林道はしっかり整備された道。懸念した道行山から下りる道も、しっかりしていました。林道に出てから、崩落している個所がありましたが、通過には問題ありませんでした。国道352号に出たら右へ、車道を下って銀山平へ。 尚、ルート図は概略です。 |
写真
感想
荒沢岳は、「新・分県登山ガイド 新潟県の山」の表紙を飾っている、美しくも岩場の多い山だ。この表紙の写真もすばらしいが、私は山と渓谷社発行の「決定版 日本二百名山 登山ガイド 中」の中ノ岳から見た荒沢岳の写真に魅せられた。これほど登高意欲をそそる山は、あまり無いのではないだろうか。ぜひ一度、登ってみたい・・だが秋田からは遠い。せっかくここまで足を延ばすのなら、最近できたという兎岳への道を通って、中ノ岳、そして越後駒ケ岳へ縦走し、銀山平へ下る周回としたいところだ。
荒沢岳と兎岳の間には、水場のあるキャンプ地が整備されているという。消費税が上がる前に、とテントを購入し、あれこれ計画を練った。本来なら銀山平に一泊して翌早朝に登山開始、巻倉山手前キャンプ地と駒の小屋の山中二泊としたいところだが、なかなか山登りにだけ時間を割くことはできない。自分にとってはかなりの強行軍になるが、前夜車中泊、二日間で周回し、翌早朝には秋田へ戻る・・というプランを考えた。
好天が望めそうという三連休、心の声は荒沢岳へ行きたいと訴える。だが同時に、自分には強行軍過ぎるという声も強く響いてくる。体調も良いわけではない。結局はむしろそれが・・来年以降に登れるかはわからないという声が・・決め手となったかもれない。夜の9時半頃に秋田市を出発、日本海沿いに新潟へ向かった。途中、道の駅二か所で仮眠、なんとか想定内の8時過ぎに登山を開始する。
だが、とにかくザックが重い。いつもの軽い荷物に長靴で・・とは訳が違う。ゆっくり、じっくりと歩を進める。前瑤虜疹譴長いと予習はしていたが、本当に体力を使った。そろそろ日帰りの登山者が下りてくる頃だと思い、ゆっくりだが休まずに登った。登りでは恐怖感を感じなかったが、下りは大変だろう。重い荷物を背負っては下りたくない。
何度か休憩を入れながら、それでも荒沢岳山頂に立った時の達成感は格別のものがある。とにかく見渡す限り、山、また山なのだ。燧ケ岳や巨体の平ケ岳はすぐに分かったが、他は山頂にいた方に教えていただいた。二十万図を持ってこなかったことが悔やまれた。
縦走路をゆっくりと南へ向かう。針葉樹の森を抜け、草紅葉となった小湿原を通過する・・新しく開かれたという道は快適で美しい。何度も、午後の光に輝く端整な姿の荒沢岳を振り返った。
だが、暑さの中の荒沢岳の急登は、やはりきつかった。重い荷物が肩を圧迫して、頭痛に吐き気が加わった。なんとかキャンプ地に着いて、他の登山者とは離れた位置にテントを設営し、夕食もとらずに寝袋に潜り込んだ。
夜中1時半頃になって、ようやく吐き気は治まってきた。風もなく、月明かりの明るい夜だった。山々が黒々とした姿で立っていた。はたして、体調は回復するだろうか、二日目はかなりのロングだ、歩ききることができるだろうか・・・
3時半に起床、しっかりご飯を食べる。水場で水を補給したが、結果的に駒の小屋まで2リットルではぎりぎりだった。もしもカンカン照りだったら、かなりやばいところだった。
巻倉山でちょうどご来光を迎える。兎岳へは歩き易い縦走路が続く。上越国境の稜線がどこまでも延びている。そして今日も、中ノ岳と越後駒が堂々とした、圧巻の姿を見せている。
中ノ岳への大きな登りが、二日目の核心部だと考えていた。確かに、中ノ岳の登りは、登りごたえ十分だった。だが、中ノ岳から越後駒への縦走路はそれ以上に手強く、体力を消耗し、気力が求められた。越後駒山頂部はガスっていて、山頂には立たずに、駒の小屋へ下ってしまった。
駒の小屋ではまず水を補給し、食事をとって、さらに靴を脱いで横になった。ここで体力を回復、下山はゆっくりだが余裕を持って歩き通すことができた。下山後は小出に出て夕食、食堂にあったタウンページで長岡市の安宿(3500円)を予約、翌朝10時に帰宅した。
この山行は、自分の体力ではとにかくきつかった。その分、山以外のことを考えずに済んだ二日間だった。豪雪に斜面が剥ぎ取られ、どこまでも荒々しく男性的な山々。東北の山は、どこかに優しさ・優美さ、豊かさ、あるいはユニークさがあるものだが、越後の山々は圧倒的に男性的だった。またいつの日か登ってみたいとは思うが、計画は立てられない。秋田から片道410キロは遠過ぎる。だが夢を持つことは許されるだろう。自分にとって、いつまでも心に残る山旅となったことは間違いない。
コメント
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言葉がないですね…
よく歩かれました。どの写真にも魂がこもっています。
荒沢岳、中ノ岳、越後駒ヶ岳、どの山も魅力的です。いつかワンピークでも登ってkamadamさんの軌跡を追ってみたいと思いました。
記録を読みながら、残雪期の和賀の縦走を思い出しました。
これも又、私にとってヤマレコ最高の記録の一つです。
kamadamさんが遠征されるとしたら、アルプスよりは越後三山なんだろうなと思っていました。
今年の5月に中ノ岳から見えた荒沢岳のあのトンガリ、僕もとても惹き付けられるものがありました。そしてそれよりも印象的だったのは中ノ岳の堂々とした山容とその頂きに伸びる稜線でした
僕はこの稜線の虜になったのでした
やっぱり、kamadamさんも‥
荒々しい山々と思う存分語り合われた、kamadamさん会心の山旅になりましたね
温かいお言葉、ありがとうございます。
とにかく、自分の体力ではきつかったです。いつもの長靴とは歩き方も違うし・・
一つ一つの山が実に堂々としていて、兎岳〜中ノ岳〜越後駒の稜線上の手強さは、東北ではあまり無いのでは・・と思いました。右手側が切れ落ちている部分がほとんどで、中ノ岳〜越後駒は、小又〜神室をふたまわり大きくしたような感じでしょうか(わかり辛いですが )
稜線上のキャンプ地はいい所でした。まだ新しくてきれいなうちに、kiyoshiさんも遠征してぜひテント泊を・・
帰宅してから、tooleさんのG.W遠征のレコを改めて拝見しました。積雪期に本当によく登られましたね。自分が歩いてみて改めて、tooleさんはホントにすごいな〜と思いましたよ
あの稜線上に少しでも残雪が残っていたら、難易度はかなり上がると思います。中ノ岳は標高差1600m以上の登りとのこと、積雪期の重い荷物を背負っての登山は、限られた人にだけ許されるものだと、実感しました
駒の小屋で休憩中、「八海山から中ノ岳まで辿りつけなくて、野宿をした」なんて会話も聞こえてきたり 十分な体力が求められる、でも病みつきになりそうな魅力のある山々ですね
心に残る山旅って、そうそうあるものではありませんよね。
それにしてもこのコースを日の短い秋に2日間で、というのはすごいです。その分、大変だった様子が伝わってきて、はらはらドキドキでした。
いずれによせ、ご無事での秋田帰還、おめでとうございました。
荒沢岳、中ノ岳、越後駒ケ岳・・・本当にお疲れさまでした。
山以外のことを考えずに夢中になれた2日間は充実した時間でしたね。
東北の山しか知らない自分にとってはとても迫力があり圧倒される写真ばかりでした。凄い。魅力的。行ってみたい。・・・なんて簡単ではありませんね。
確かに・・越後の山々は男性的ですね。
私もいつか行ってみたいですが、日帰り専門の軟弱者には・・・片道410キロはちょっと・・・遠すぎます・・・しかし、夢を持つことは良いですよね。 いつか・・・
「いつまでも心に残る山旅」私もいつかそんな山旅をしてみたいです。
kamadamさん・・本当にお疲れさまでした。
昨年、燧ケ岳から見えていた峰峰でした。
平ヶ岳の大きな存在感そして越後三山の峰々。
いつか歩いてみたいと思える稜線です。
写真の一つひとつが素晴らしく山そのものの鼓動を感じてしまいました。
体調が悪い中、お疲れ様です。無理は禁物ですよ
どこか修行僧のように思える山行、とっても好みなんです
私も来年は歩けないかもしれないと思いつつ
トレンドな人気の山々ばかり少女の気分で登ってますわ〜
nomoshinさんほどではありませんが、私も遠出をしてみました
荒沢岳から兎岳、nomoshinさんは昔歩かれているようですが、当時はどんな感じだったのでしょう。ぜひレコに書き加えていただきたいな〜それと、平ケ岳から大水上山、そして巻機山。記憶を呼び起こして、書いていただきたいと思います
今回、平ケ岳から大水上山に延びる稜線をずっと見ながら歩いてました
メッセージ、ありがとうございます。
片道約410キロと距離はありますが、新潟への道路事情は昔よりも格段に良くなっていますね 酒田・鶴岡は高速で通過しますし、温海温泉まで長いトンネルが通っていてすんなり行けますし、村上市北部で、もう高速に乗ることができます。
向かう時は眠気で大変でしたが、早朝に車を走らせた帰りは、けっこう楽でしたよ
岩手山頂まで3時間で登られる健脚の750RSさんでしたら、越後の山々も余裕をもって楽しめるのではと思います
750RSさんの遠征、山旅レコ、期待してます
先日の北アのレコ、拝見しました。すばらしい山旅でしたね。槍をバックにした写真、本当にカッコいいです
meikenさんも体力的にきつかったようですが、私も長い鎖場を登り切った時は、「これだけきついのは屋根の雪下ろし以来だな〜」なんて思いましたよ
遠征をすると、登りたい山がますます増えて困ります 修行はたま〜にでいいですよ
kamadam さんへ
こんばんは。
裏越後三山での二日間。お疲れ様でした。
体調はもう回復なさいましたか?
この道は私の夢のルートの一つです。
kamadamさんのお蔭で行きたい気持ちがさらに形になりました。
山、山、山。見渡す限りの山並み。
見せて頂いてありがとうございました。
急に冷え込んできました。ワンちゃん、ネコちゃんたちも元気でしょうか?うちにもトイプーの老犬がいますので、気になります
waqueさんにとっても夢のルートでしたか。期待を裏切らない、すばらしいルートでしたよ。鎖場のある荒沢岳を登る一日目だけでも晴れる連休に、と思って出かけましたが、二日目もまずまずのお天気で、ドップリと山につかることができました
私の写真では、あの山なみをうまく表現できません。ぜひ好天をつかまえて、登ってみてください。特に荒沢岳の狭い山頂は、立っているだけで360度、大展望ですよ
越後の山の事は余り存じ上げませんが、名前くらいはそして厳しさくらいはちょっと小耳にはさんだ事があります。
なんだか深いですね^^;
どこまでも山波が続くと言う感じです。
しかし、この山山に魅了される人も物凄く多いのでしょう、大変魅力的です・・・が、
kamadamさん、すごいなあ・・・踏破されたんですね。
自分ならどうかと考えてしまいますが・・・
うーん、無理です^^;
お疲れ様でした。
有難うございました。
kimberliteさんは北アルプスまで車を運転して出かけられてるのですから・・ でも以前と比べたら新潟まで短時間で行けるようになりましたね
山登りにだけ三日間まるまる使うわけにはいかないので強行軍になりましたが、ふもとの銀山平に前泊し、巻倉山手前にテン泊、それから駒の小屋泊まりとすれば、無理なく縦走できると思います。テン場でご一緒した人たちのほとんどは、たぶんそのプランだろうと思いました。
まあ、お互いそんなに日程がとれないのが問題ですね でもkimberliteさんはまだお若いのだから、きっともっとゆっくり山歩きができる日がきますよ
写真ではうまく表現できません。山そのものの存在感は、まさに!×7、圧巻です。懸命に日程を確保して、遠路車を走らせる価値は十分ですよ
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