佐梨川金山沢奥壁 第三スラブ
- GPS
- --:--
- 距離
- 12.6km
- 登り
- 1,774m
- 下り
- 1,849m
コースタイム
天候 | 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2024年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
第三スラブ〜ダイレクトスラブ オールフリー 奇数P:yamakurumi 偶数P:中澤 1P(35m +) 雪渓の少ない年なので登ることになったピッチ。雪渓から第二スラブに渡り、バンドから直上。最初の一歩だけでなく、上も支点が少なくホールドもスローパーで悪い。 2P(55m 検) トラバースして、少しクライムダウン。第二スラブ右フェースへ合流してバンドまで。トラバースなのでフォローも落ちれない。 3P(50m ) 快適にトラバースして第三リッジに。 4P(80m ) 第三スラブに入り快適に登っていく。途中からコンテで伸ばす。 5P(60m 検) ロープの流れを考慮してリッジも交えてスラブを登る。 6P(45m +) 快適なスラブ、大滝近くのテラスまで。 7P(35m +) スラブからブッシュ直上。左へトラバースできず予定していたラインと変わる。 8P(55m ) トラバースできず、垂直ブッシュへ。非常に疲れた。もう少し下からスラブに戻りたかった。 9P(55m ) スラブに戻り、快適にロープを伸ばす。 10P(45m ) 快適なスラブ。中央バンドを越えて、ダイレクトスラブとの中間リッジへ。 11P(45m ) 中間リッジからクライムダウンしてダイレクトスラブに入り直上していく。 12P(55m 検) 出だしが細かいが、上は快適。テラスまで。 13P(60m ) ルンゼ状になっていき、濡れていく。沢ヤなのでそのままルンゼを詰める。 14P(45m 検) 泥や藁が滑りいやらしい。上部は腕力だより。 15P(60m 検) ルンゼ左の小リッジからスラブに入り、一気に郡界尾根まで。綺麗に抜けれた。 |
その他周辺情報 | 過度に安全マージンを求める人が来る岩場では無い 必要なのは電動ドリルではなく覚悟とハート ■先週の記録 佐梨川金山沢奥壁 第四スラブ試登(敗退) / 赤岩第一スラブ https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6912726.html |
写真
装備
個人装備 |
クライミングシューズ
シュラフカバー
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共同装備 |
ハーフロープ60m×2本
ツェルト
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感想
慧さんから金山沢奥壁の提案があったのは昨秋のこと。
自分は登攀力がしょぼい自覚があるのと沢以外の経験が浅いので、金山沢奥壁なんて手も足も出ないと思っていた。故キノポンさんが電ドリ利用で登攀してるイメージが強いが、そこまでして壁を登りたい意欲も無く。それを、そんなやばいレベルではないのではと言う。
その時は提案を一蹴したのだが、5月末の適期になって再び誘いがあった。壁の状態も悪そうだし山登の方々も今年は既に期限切れと判断されたようだし無理だろうが、金山沢奥壁は一度見てみたかったし久々に慧さんに会いたかったのでとりあえず誘いに乗って行ってみた。案の定敗退したが、間近で見たことでどうしても登りたくなってしまった。
半年近く山への熱が消えていたが、久々にスイッチが入った。ただ、雪渓利用で取り付けるのはおそらく翌週が最後。二人で予報を見つつあーだこーだやり取りし、直前に予報が好転したことから、強引に予定を潰して二週連続で越後に向かった。
二人共気合いは十分。条件もこれ以上なく良い。登ってみると、覚悟したほどの悪さは無く、ただただ楽しい時間を過ごせた(とは言え、1P目のランナウト状態でのフリクション登攀は寿命が縮んだが)。
壁を抜けると郡界尾根。そしてマキグラノツルネとオツルミズの展望。これらを歩いた一年前の冬は、金山沢奥壁を登る未来は見えてなかったなあと懐かしくなった。オツルミズの雪渓をペタペタ歩く詰めも最高だった。
自分は今は新潟を離れているが、越後の山ヤで居たいと思っている。越後の山の厳しい印象も含めて大好きで親近感があるが、金山沢奥壁だけは畏怖の対象だった。今回登らせてもらったことで、金山沢奥壁も自分の中で親しみ深い越後の山の一部となった。それが嬉しい。
ろくに眠れておらず疲労が溜まっている中、下山後の山道でタイヤがバーストしJAF案件になったり、その対応中に別件の電話対応に追われたり、蚋、チャドクガ、マダニにいっぺんにやられるという不運もあったが、心は晴れやか。慧さん、誘ってくれて本当にありがとう。
次回は5スラへ行きたい。見てこれほど心が躍ったスラブはなかなか無い。これまで縁が無かった越後の春が、少し身近になるかもしれない。
越後駒ヶ岳が好きだ。
四季折々、東西南北、いろいろな顔を持つ駒。険しい一面であろう「佐梨」に向かった。
2024/6/1(土)
第二スラブ、第四スラブは雪渓が繋がっていて取り付けたが、濡れていることを言い訳にした。要するに覚悟が足りなかったのだ。
2024/6/9(日)
雪渓の状態から今週がラストチャンスだろう。 山は逃げる。「またいつか」で登れなかった山はたくさんある。来年以降、同じモチベーションで佐梨へ向かう保証はない。天気予報とにらめっこして、直前で行くことに決めた。
二人とも気合十分の2時出発。暗い中、家ノ串尾根を登り、鉱山道へ。金山台地に到着して準備をしていると、少しずつ明るくなってきた。第二スラブの取り付きにつくと、先週は繋がっていた雪渓はすでに無くシュルンドになっていた。けれど、今日は言い訳は出てこない。雪渓を跨いで壁に取り付く。1Pロープを伸ばしてから、トラバースで第二スラブ右フェースへ合流。高度を上げると、鉱山道がどんどん下になっていき、「佐梨」にいることを嬉しく思う。途中の垂直ブッシュは、もはや木登りなのだが、私の中では一番キツかったピッチ。もう少しうまくスラブに戻りたかった。最後まで楽しく登って郡界尾根へ。
郡界尾根からは駒を取り囲む地形がよく見える。尾根と沢がこれだけの距離を並走している地形はなかなか無い。とてもいいところだ。オツルミズ沢へ降りるとヒンヤリしていて、もう天国。雪で頭を冷やし、支流の水を飲んで、はしゃぎながら雪渓を歩いていく。越後駒ヶ岳を巡る登山のルートとしても、素晴らしい。夕方の駒に着いて、馴染み深い山々を眺めた。雪渓を下ると、駒の小屋で管理人さん達に話しかけられた。
「コーヒーを飲んでいきなよ」
「明るいうちに下りようかなと」
「もうヘッドライト確定でしょ!飲んでいきなよ」
ありがたくご馳走になり、なんだかんだで20分近く楽しくお話しさせていただいた。ここに居る人みんな駒が好きなのが心地よかった。のんびり小倉尾根を歩いて、下山。越後駒ヶ岳がより身近になった。
各ピッチのビレイ点では大量のブヨに纏わりつかれ、腕はチャドクガにやられ、爪には泥が入り込む。yamakurumiはマダニにやられていた。
越後の山をやったなあ。
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