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Yamareco

記録ID: 6909945
全員に公開
アルパインクライミング
甲信越

佐梨川金山沢奥壁 第三スラブ

2024年06月09日(日) [日帰り]
 - 拍手
GPS
--:--
距離
12.6km
登り
1,774m
下り
1,849m

コースタイム

日帰り
山行
17:40
休憩
0:30
合計
18:10
1:50
120
スタート地点
3:50
40
金山台地
4:30
90
第二スラブ取り付き
6:00
450
第三スラブ
13:30
60
郡界尾根
14:30
135
オツルミズ沢
16:45
10
16:55
17:25
155
20:00
駒の湯
天候 曇り
過去天気図(気象庁) 2024年06月の天気図
アクセス
コース状況/
危険箇所等
第三スラブ〜ダイレクトスラブ
オールフリー
奇数P:yamakurumi
偶数P:中澤
1P(35m +) 雪渓の少ない年なので登ることになったピッチ。雪渓から第二スラブに渡り、バンドから直上。最初の一歩だけでなく、上も支点が少なくホールドもスローパーで悪い。
2P(55m 検) トラバースして、少しクライムダウン。第二スラブ右フェースへ合流してバンドまで。トラバースなのでフォローも落ちれない。
3P(50m ) 快適にトラバースして第三リッジに。
4P(80m ) 第三スラブに入り快適に登っていく。途中からコンテで伸ばす。
5P(60m 検) ロープの流れを考慮してリッジも交えてスラブを登る。
6P(45m +) 快適なスラブ、大滝近くのテラスまで。
7P(35m +) スラブからブッシュ直上。左へトラバースできず予定していたラインと変わる。
8P(55m ) トラバースできず、垂直ブッシュへ。非常に疲れた。もう少し下からスラブに戻りたかった。
9P(55m ) スラブに戻り、快適にロープを伸ばす。
10P(45m ) 快適なスラブ。中央バンドを越えて、ダイレクトスラブとの中間リッジへ。
11P(45m ) 中間リッジからクライムダウンしてダイレクトスラブに入り直上していく。
12P(55m 検) 出だしが細かいが、上は快適。テラスまで。
13P(60m ) ルンゼ状になっていき、濡れていく。沢ヤなのでそのままルンゼを詰める。
14P(45m 検) 泥や藁が滑りいやらしい。上部は腕力だより。
15P(60m 検) ルンゼ左の小リッジからスラブに入り、一気に郡界尾根まで。綺麗に抜けれた。
その他周辺情報 過度に安全マージンを求める人が来る岩場では無い
必要なのは電動ドリルではなく覚悟とハート

■先週の記録
佐梨川金山沢奥壁 第四スラブ試登(敗退) / 赤岩第一スラブ
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-6912726.html
佐梨川金山沢奥壁
3
佐梨川金山沢奥壁
暗いうちに雪渓を下る。
2024年06月09日 04:00撮影 by  DSC-RX0, SONY
1
6/9 4:00
暗いうちに雪渓を下る。
明るくなってきた。正面が第二スラブ右フェース。リッジを挟んで右が第三スラブ。
2024年06月09日 04:03撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 4:03
明るくなってきた。正面が第二スラブ右フェース。リッジを挟んで右が第三スラブ。
1P目 シュルンドを跨ぎ第二スラブへ取り付く
2024年06月09日 04:42撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 4:42
1P目 シュルンドを跨ぎ第二スラブへ取り付く
1P目 フォローする中澤
2024年06月09日 05:12撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 5:12
1P目 フォローする中澤
2P目 トラバースして第二スラブ右フェースへ
2024年06月09日 05:38撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 5:38
2P目 トラバースして第二スラブ右フェースへ
4P目 快適なスラブ 途中からコンテ
2024年06月09日 06:38撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 6:38
4P目 快適なスラブ 途中からコンテ
5P目 赤く綺麗なスラブ
2024年06月09日 07:03撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 7:03
5P目 赤く綺麗なスラブ
6P目
2024年06月09日 07:50撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 7:50
6P目
8P目
2024年06月09日 08:48撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 8:48
8P目
9P目 スラブへ復帰
2024年06月09日 10:00撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 10:00
9P目 スラブへ復帰
10P目 中央バンドが見える。左が第三スラブ。
2024年06月09日 10:35撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 10:35
10P目 中央バンドが見える。左が第三スラブ。
鉱山道がはるか下に。
2024年06月09日 10:44撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 10:44
鉱山道がはるか下に。
郡界尾根が近い。越後駒も見えた。
2024年06月09日 10:45撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 10:45
郡界尾根が近い。越後駒も見えた。
11P目 第三スラブとの中間リッジからクライムダウンしてダイレクトスラブへ
2024年06月09日 11:11撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 11:11
11P目 第三スラブとの中間リッジからクライムダウンしてダイレクトスラブへ
12P目 ダイレクトスラブを登っていく
2024年06月09日 11:25撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 11:25
12P目 ダイレクトスラブを登っていく
13P目 ルンゼ状になり、沢の詰めのような雰囲気に。
2024年06月09日 12:15撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 12:15
13P目 ルンゼ状になり、沢の詰めのような雰囲気に。
14P目 ルンゼを忠実に。越後の山らしくなってきた。
2024年06月09日 12:45撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 12:45
14P目 ルンゼを忠実に。越後の山らしくなってきた。
15P目 最終ピッチ 郡界尾根へ
2024年06月09日 13:16撮影 by  iPhone 8, Apple
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6/9 13:16
15P目 最終ピッチ 郡界尾根へ
郡界尾根に抜けた
2024年06月09日 13:34撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 13:34
郡界尾根に抜けた
郡界尾根。オツルミズ沢を挟んでマキグラノツルネ。越後駒ヶ岳をとりまく沢と尾根。
2024年06月09日 14:01撮影 by  iPhone 8, Apple
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6/9 14:01
郡界尾根。オツルミズ沢を挟んでマキグラノツルネ。越後駒ヶ岳をとりまく沢と尾根。
郡界尾根を歩き、途中からオツルミズ沢へ下る。
2024年06月09日 14:09撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 14:09
郡界尾根を歩き、途中からオツルミズ沢へ下る。
オツルミズ沢に降り立つ。素晴らしい景観。
2024年06月09日 15:02撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 15:02
オツルミズ沢に降り立つ。素晴らしい景観。
雪解け水が冷たい
2024年06月09日 15:51撮影 by  DSC-RX0, SONY
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雪解け水が冷たい
マイナーピーク "フキギ"
昨年yamakurumiは踏んでいる
2024年06月09日 15:57撮影 by  iPhone 8, Apple
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6/9 15:57
マイナーピーク "フキギ"
昨年yamakurumiは踏んでいる
越後駒ヶ岳 山頂にて。いい山だ。二人共この山が好き。
2024年06月09日 16:46撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 16:46
越後駒ヶ岳 山頂にて。いい山だ。二人共この山が好き。
雪渓を下り駒の小屋へ。奥は荒沢岳。
2024年06月09日 16:51撮影 by  DSC-RX0, SONY
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6/9 16:51
雪渓を下り駒の小屋へ。奥は荒沢岳。
撮影機器:

装備

個人装備
クライミングシューズ シュラフカバー
共同装備
ハーフロープ60m×2本 ツェルト

感想

慧さんから金山沢奥壁の提案があったのは昨秋のこと。
自分は登攀力がしょぼい自覚があるのと沢以外の経験が浅いので、金山沢奥壁なんて手も足も出ないと思っていた。故キノポンさんが電ドリ利用で登攀してるイメージが強いが、そこまでして壁を登りたい意欲も無く。それを、そんなやばいレベルではないのではと言う。
その時は提案を一蹴したのだが、5月末の適期になって再び誘いがあった。壁の状態も悪そうだし山登の方々も今年は既に期限切れと判断されたようだし無理だろうが、金山沢奥壁は一度見てみたかったし久々に慧さんに会いたかったのでとりあえず誘いに乗って行ってみた。案の定敗退したが、間近で見たことでどうしても登りたくなってしまった。
半年近く山への熱が消えていたが、久々にスイッチが入った。ただ、雪渓利用で取り付けるのはおそらく翌週が最後。二人で予報を見つつあーだこーだやり取りし、直前に予報が好転したことから、強引に予定を潰して二週連続で越後に向かった。
二人共気合いは十分。条件もこれ以上なく良い。登ってみると、覚悟したほどの悪さは無く、ただただ楽しい時間を過ごせた(とは言え、1P目のランナウト状態でのフリクション登攀は寿命が縮んだが)。
壁を抜けると郡界尾根。そしてマキグラノツルネとオツルミズの展望。これらを歩いた一年前の冬は、金山沢奥壁を登る未来は見えてなかったなあと懐かしくなった。オツルミズの雪渓をペタペタ歩く詰めも最高だった。

自分は今は新潟を離れているが、越後の山ヤで居たいと思っている。越後の山の厳しい印象も含めて大好きで親近感があるが、金山沢奥壁だけは畏怖の対象だった。今回登らせてもらったことで、金山沢奥壁も自分の中で親しみ深い越後の山の一部となった。それが嬉しい。
ろくに眠れておらず疲労が溜まっている中、下山後の山道でタイヤがバーストしJAF案件になったり、その対応中に別件の電話対応に追われたり、蚋、チャドクガ、マダニにいっぺんにやられるという不運もあったが、心は晴れやか。慧さん、誘ってくれて本当にありがとう。
次回は5スラへ行きたい。見てこれほど心が躍ったスラブはなかなか無い。これまで縁が無かった越後の春が、少し身近になるかもしれない。

越後駒ヶ岳が好きだ。
四季折々、東西南北、いろいろな顔を持つ駒。険しい一面であろう「佐梨」に向かった。

2024/6/1(土)
第二スラブ、第四スラブは雪渓が繋がっていて取り付けたが、濡れていることを言い訳にした。要するに覚悟が足りなかったのだ。

2024/6/9(日)
雪渓の状態から今週がラストチャンスだろう。 山は逃げる。「またいつか」で登れなかった山はたくさんある。来年以降、同じモチベーションで佐梨へ向かう保証はない。天気予報とにらめっこして、直前で行くことに決めた。

二人とも気合十分の2時出発。暗い中、家ノ串尾根を登り、鉱山道へ。金山台地に到着して準備をしていると、少しずつ明るくなってきた。第二スラブの取り付きにつくと、先週は繋がっていた雪渓はすでに無くシュルンドになっていた。けれど、今日は言い訳は出てこない。雪渓を跨いで壁に取り付く。1Pロープを伸ばしてから、トラバースで第二スラブ右フェースへ合流。高度を上げると、鉱山道がどんどん下になっていき、「佐梨」にいることを嬉しく思う。途中の垂直ブッシュは、もはや木登りなのだが、私の中では一番キツかったピッチ。もう少しうまくスラブに戻りたかった。最後まで楽しく登って郡界尾根へ。

郡界尾根からは駒を取り囲む地形がよく見える。尾根と沢がこれだけの距離を並走している地形はなかなか無い。とてもいいところだ。オツルミズ沢へ降りるとヒンヤリしていて、もう天国。雪で頭を冷やし、支流の水を飲んで、はしゃぎながら雪渓を歩いていく。越後駒ヶ岳を巡る登山のルートとしても、素晴らしい。夕方の駒に着いて、馴染み深い山々を眺めた。雪渓を下ると、駒の小屋で管理人さん達に話しかけられた。
「コーヒーを飲んでいきなよ」
「明るいうちに下りようかなと」
「もうヘッドライト確定でしょ!飲んでいきなよ」
ありがたくご馳走になり、なんだかんだで20分近く楽しくお話しさせていただいた。ここに居る人みんな駒が好きなのが心地よかった。のんびり小倉尾根を歩いて、下山。越後駒ヶ岳がより身近になった。

各ピッチのビレイ点では大量のブヨに纏わりつかれ、腕はチャドクガにやられ、爪には泥が入り込む。yamakurumiはマダニにやられていた。
越後の山をやったなあ。

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