木曽駒ヶ岳 〜錦秋の千畳敷カールと濃ヶ池〜


- GPS
- 06:15
- 距離
- 6.8km
- 登り
- 618m
- 下り
- 625m
コースタイム
09:42 剣ヶ池 着
(千畳敷カールの写真撮影)
10:11 剣ヶ池 発
10:20 八丁坂分岐
10:48 乗越浄土
11:22 駒飼ノ池
12:32 濃ヶ池 着
(昼食休憩)
13:02 濃ヶ池 発
13:26 濃ヶ池分岐
14:32 木曽駒ヶ岳 山頂
14:57 中岳
15:08 乗越浄土
15:30 八丁坂分岐
15:38 千畳敷駅 着
天候 | 午前中は晴れ、午後はガスガス 気温はさほど寒くなかった |
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過去天気図(気象庁) | 2013年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
朝8時の時点では駐車余地残りわずかな感じ |
コース状況/ 危険箇所等 |
≪登山道の状況≫ ・道や道標はよく整備されているので安心して歩けます。 ・八丁坂:急傾斜を九十九折で登ります。浮石を踏んで落石を起こさないよう注意。 ・乗越浄土〜濃ヶ池:駒飼ノ池直下が少し険しく、2か所ほどハシゴ有り。高度感は無いので慎重に通過すれば問題無し。 ・濃ヶ池〜馬の背〜木曽駒ヶ岳:稜線歩きだがこう配はややきつい。やせ尾根部分もあるので足元には注意されたい。 ・木曽駒ヶ岳〜中岳〜乗越浄土:ガレ・ザレの道。滑って尻餅をつかないよう注意。 ≪登山ポスト≫ ・千畳敷駅に有り。用紙も完備。 ≪トイレ≫ ・千畳敷駅に水洗トイレ有り。 ・途中の山小屋でもトイレを借りられる。 ・乗越浄土〜駒飼ノ池〜濃ヶ池〜木曽駒ヶ岳にはトイレ無し。宝剣山荘で済ませておくこと。 ≪危険動物情報≫ ・ヤマビル:遭遇せず。 ・ヘビ:遭遇せず。 ・クマ:濃ヶ池方面は遭遇しても不思議は無い。単独行は熊鈴必携。 |
写真
感想
『山と渓谷』10月号の紅葉特集に載せられている千畳敷カールの写真。
青空をバックにそびえる錦のサギタルの頭の写真を見て、背中に電撃が走ったのを今でも覚えています。
涸沢カールにも引けを取らない絶景にすっかり心を奪われ、秋本番を迎えた木曽駒ヶ岳に出かけてきました。
自宅を出発し、中央高速をひた走ること2時間。
駒ヶ根インターからはるか谷の奥に目を凝らすと…青空をバックにオレンジ色に染まった千畳敷カールがはっきり見えました。
伊那谷が快晴でも山は曇り、というパターンも少なくないだけに、麓から千畳敷が見えるとうれしくなります。
8時少し前に菅の台バスセンターに到着。
平日ではあっても紅葉が見ごろを迎えた千畳敷を目指す人は多いようで、駐車余地はあとわずかな感じ。
シャトルバスにも長蛇の列ができていました。
定期便のバスに積み残されたものの、すぐに臨時便がきて、30分ほどでロープウェイのしらび平駅へ。
ロープウェイも10分間隔で運行してくれていて、スムーズに千畳敷駅に上がることができました。
ロープウェイが高度を上げていくと、周りの木々が徐々に色づいてきて、千畳敷駅に近づくにつれ、山肌は赤・黄色・オレンジで染め上げられていきます。
紅葉の森を流れ下る滝の美しさも格別のもの。
千畳敷駅について駅から出ると、千畳敷カールの絶景が出迎えてくれました。
青空にそびえるサギタルの頭、宝剣岳、伊那前岳が圧倒的なスケールで迫ってきます。
山肌はナナカマドの赤、ダケカンバの黄色、草紅葉の茶色で彩られ、ハイマツの緑のコントラストと相まって、言葉にならない美しさ。
絵葉書の中に飛び込んできたような錯覚に陥り、感嘆の言葉が出るのみでしばし見とれてしまいました。
我に返った後は、絶景を写真に収めていきますが、私のヘッポコなコンデジでは自分の目に映るような鮮やかな写真はとても撮れず、歯がゆい思いでした。
来年は絶対一眼レフカメラを買って持ってきたいと思う次第です。
千畳敷駅から少し下ってカール底の剣ヶ池へ。
千畳敷カール全体を写真に収められる定番スポットとあって、今日はカメラマンで大盛況でした。
錦のじゅうたんを纏った千畳敷の美しさもさることながら、水面に写るサギタルの頭や宝剣岳もまた趣深いものでした。
写真撮影を楽しんだら、千畳敷カールを後にして本日の目的地へ。
今日の目的地は木曽駒ヶ岳にあらず、木曽駒山腹のカールに抱かれた、濃ヶ池を目指します。
10分ほどで八丁坂へ。こう配は急ですが、見上げれば紅葉に彩られた大岩峰、振り返れば錦のじゅうたんの千畳敷。
風景を楽しんでいるうちに、20分のほどで登り切って乗越浄土に到達しました。
大半の登山者の方はここから中岳に進みますが、今日の私はここから下ってまずは駒飼ノ池を目指します。
ガレた登山道に難渋しながらも20分ほどでカールの底の駒飼ノ池へ。
駒飼ノ池は今日は水が枯れていてちょろちょろ水が流れている程度でした。
駒飼ノ池からかかる急斜面を下り、道は山腹をトラバースする形で濃ヶ池を目指します。
見下ろす谷は両岸の山腹が紅葉の最盛期を迎えて鮮やかに色づいていました。
時々横切る沢沿いには咲き残りの高山植物がちらほらと。
アキノキリンソウやウサギギク、トリカブトなどが健気に咲いていました。
濃ヶ池が近づくと道は紅葉の森の中を進み、左右には黄色く色づいたダケカンバが展開して、まさに紅葉のトンネルの様相を呈します。
ナナカマドも燃えるような赤。
進行方向右手にそびえる伊那前岳の山腹も錦に彩られ、乗越浄土から見るのとは一味違った姿を見せてくれます。
紅葉の森を抜けると、濃ヶ池カールに到着。
紅葉で鮮やかに彩られた濃ヶ池カールの美しいことと言ったら…。
今まで見てきた紅葉の中で、これほど心を打たれる風景に出会ったことはあっただろうか…。
こんな美しい自然の中に自分がいることが、とても幸せに感じました。
少し歩くと目的地の濃ヶ池に到着です。
カールに抱かれた池は紅葉に取り囲まれる感じで神秘的な美しさ。
この地上に楽園があるなら、きっとこんな場所なのだろうと思えるほどでした。
池の周りには至る所にチングルマの草紅葉が広がり、高山植物の季節もさぞ素晴らしい風景になることでしょう。
湖畔で昼ごはんを頂き、絶景を心に刻みこんでから、木曽駒ヶ岳経由で帰途につきます。
晴れていた空も、午後をまわると雲がどんどん湧いてきて、稜線に上がる頃には山はすっかりガスに包まれてしまいました。
濃ヶ池分岐から木曽駒ヶ岳までは馬の背というだけあってなかなか険しい道のり。
ところどころ岩登りややせ尾根通過などがあるので、足元に注意しながら進みます。
眼下には紅葉の中にたたずむ濃ヶ池。上から見る濃ヶ池もなんとも美しいものでした。
1時間ほどで木曽駒ヶ岳山頂に到着。
2か月前に来た時にはここから360度の大パノラマを楽しんだものですが、今日は何も見えず。
休憩もそこそこに中岳経由で帰途につき、1時間ほどで千畳敷カールに戻りました。
途中の岩陰にはイワツメクサがまだあちこちで咲いていて、厳しい環境で健気に咲く姿に心が癒されます。
戻った千畳敷カールもすでにガスの中で、午前中とは打って変わってものさみしい雰囲気でした。
やはり、山で絶景を楽しみたければ早い時間が勝負ですね。
でも、霧の中に浮かぶ紅葉や岩峰もまた乙なものだし、帰りのロープウェイが空いていてスムーズに乗車できたので悪いことばかりではありません。
千畳敷カールと濃ヶ池で最高の紅葉を楽しめた素晴らしい山旅になりました。
ちょっと体力が要りますが、濃ヶ池に足を延ばすと一層木曽駒ヶ岳を味わえるので、お勧めです。
また来年の夏そして秋に絶景に会いに再訪したいと思い岐阜へ帰投しました(←しかし、再訪の時は思いがけず早く来ることになるのでありました…)。
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