笠新道で笠ヶ岳へ
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- GPS
- 16:15
- 距離
- 33.9km
- 登り
- 2,687m
- 下り
- 2,687m
コースタイム
- 山行
- 11:08
- 休憩
- 1:13
- 合計
- 12:21
- 山行
- 3:21
- 休憩
- 0:32
- 合計
- 3:53
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
特に問題はなかった |
その他周辺情報 | 新穂高の登山センター横の中崎山荘(奥飛騨の湯)で温泉 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
ソフトシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
予備靴ひも
ザック
ザックカバー
サブザック
非常食
飲料
地図(地形図)
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
常備薬
日焼け止め
保険証
携帯
時計
タオル
ストック
カメラ
ヘルメット
|
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感想
2021年10月2日と3日で,新穂高温泉から笠ヶ岳に行った。今回は笠新道を登り,笠ヶ岳から弓折岳経由で鏡平山荘に泊まった。そして2日目の朝イチで鏡平山荘から下山した。
今年は,立山から薬師岳と,雲ノ平から高天原経由で黒部五郎岳,と2回北アルプスを歩いた。天気予報を見ていると10月の最初の週末の天気がよさそうだったので,もう1回北アルプスに行きたくなって,笠ヶ岳に行くことにした。笠ヶ岳は,新穂高温泉から林道を行き,笠新道から登るルートと,鏡平から弓折岳に上がり,大ノマ岳,抜戸岳を経由する稜線ルートがある。どちらも抜戸岳近くの笠新道分岐からは同じ道で笠ヶ岳に向かうが,そこまでのルートが違っている。笠新道は距離は 5.6km と短いが,標高 1365m から 2795m へと標高差 1430m の急登を登らないといけない。一方鏡平経由の場合はぐるっとまわるので,距離は 12.62km 程度となる。鏡平山荘で一泊すればラクだが,そうでなければ長い距離歩いて結局は同じ高さまで登るので,そんなにラクじゃなさげ。ということで,今回は笠新道を登ってみた。
早朝に出発したかったので新穂高温泉までは車で行った。さすがに深山荘そばの無料駐車場はいっぱいだったので,鍋平の登山者用の駐車場に駐めた。到着は午前0時ごろだった。そこで午前3時頃まで仮眠し,午前3時半頃に駐車場を出発した。
鍋平からは,まず新穂高の登山センターまで下る。行きは下りだからいいが,帰りは登り返すことになるのでちょっと辛い。今回も登山届はインターネットを通じて提出したので,登山センターではトイレを借りただけで出発した。登山センターから左俣林道を笠新道入口まで 4km ほど歩く。距離的にはそこまで長くはないが,だらだらと登り続けるので意外と時間がかかり,登山センターから笠新道入口まで45分かかった。
笠新道入口では水を汲めるので水を汲んでから笠新道に挑戦した。笠新道は短い距離でぐいぐい高度を上げる。個人的には剱岳の早月尾根,甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根に並ぶ急登だと思う(それ以外を知らないだけかもしれないが…)。ただ,標高 2000m ぐらいまでは基本的につづら折りの道が続き岩登りとかはほとんどない。その点ではゆっくり一定のペースで登ればそれなりに登れた気がする。笠新道に入ったのは午前5時ぐらいで,標高 1800m の標識(地図で見ると 1850m 地点)まで1時間ちょっとだった。そこから1時間ほどで標高 2200m の標識(2220m 地点)までたどり着いた。さらに45分ほど歩くと,やっと標高 2450m にある杓子平の入口にたどり着いた。そこまでしんどい感じはしなかったが,その後の歩きを考えるとそれなりに足にダメージはあったみたい。
杓子平に入ると風景が急に開け,いかにも高山という風景になる。当日は雲が少々あったが,その辺りでは晴れ間もありテンションが上がる登山だった。杓子平ではぐいぐい高度を上げて抜戸岳(ぬけとだけ)そばまで登り,少し高度を下げて笠新道分岐に至る。笠新道手前のピーク地点に着いたのは笠新道入口を出てほぼ4時間経った,午前9時前だった。コースタイムは5時間50分なので,まずまずのペースだった。途中,杓子平の斜度が増した辺りで雷鳥に出会った。登山道脇のすぐの所にいたが,近づいても逃げなかったので,写真と動画を撮っておいた。近くで見るとなかなかにかわいい鳥だった。登山道の反対側でもクークーと鳴き声が聞こえたので,見ると草陰に隠れてもう一羽いた。立山から五色ヶ原に向かう時も見たが,あの時は 20m ぐらい先のガスの中でぼんやりとしか見えなかったが,今回はばっちりだった。むしろ,あんなに明るい時に草原にいて鷹とかに襲われないか心配になった。
笠新道を登りきった後,すぐに笠ヶ岳に向かってもよかったが,せっかくなので抜戸岳の山頂に寄っておいた。三角点もあるし…。 笠新道から行くと,ほぼ同じ高度を横移動するが,途中ハイマツと戦わないといけないゾーンがあった。ハイマツってたくましい木やよなぁ…。抜戸岳山頂に寄った後に笠新道分岐に下りたが,双六小屋にキャンセルがないか電話したのもあって,抜戸岳往復で30分ほど時間を使ってしまった。
笠新道分岐から笠ヶ岳までは,遠目には気持ちのいい稜線を歩く。確かにそこまでアップダウンもなく気持ちよく歩けるが,その少しの上りで足に疲れを感じた。やはり笠新道は結構足にダメージがくるみたい。また,途中,2つに割れた感じの大きな岩の間を行く。地図を見るとそこは抜戸岩というみたい。見た感じ,笠ヶ岳の入口の門という雰囲気だった。そこから少し下った後,テント場,笠ヶ岳山荘,笠ヶ岳,と一気に 200m ほど登り返すと笠ヶ岳山頂に着く。今回は笠ヶ岳山荘前に荷物をデポして山頂に登った。笠ヶ岳山荘から山頂までは15分ほどだった。笠新道の終盤には雲が晴れて槍ヶ岳や穂高連峰が見えていたが,笠ヶ岳に着く頃には左俣谷は雲だらけになっていて,槍ヶ岳も穂高連峰も全然見えなくなっていた。しかし,笠ヶ岳山頂付近には雲がなく,北側にある黒部川源流域の黒部五郎岳や薬師岳,双六岳などはよく見えた。また,山頂から少し北に移動した辺りにある祠にお参りしておいた。
笠ヶ岳山頂に10分ほどいた後,弓折岳を目指すべく山荘前に戻った。笠ヶ岳山荘ではアクエリアスのために水を 1L ゲットした。さすがに水が貴重な場所だけに,1L で 200円だった。それも雨水を溜めた水なので,はっきり言ってまずかった。やはり水が豊富な山小屋がいいねぇ。また,トイレを借りたが 1回 500円だった。普通は 100円だし,水が足りないところで高くても 200円だったりする。500円は高いと感じた。まぁ,それだけ浄化装置の維持管理の費用がかかるのかもしれないけどね。
笠ヶ岳山荘前を出発し,テント場を経由して稜線を逆方向に歩いてまずは笠新道分岐に向かう。その区間は行きよりも帰りの方が多少上りが多い気がした。特に笠新道分岐のある抜戸岳への上りが少しだけしんどかった。笠新道分岐からはさらに稜線を横移動する。そこはほんとにアップダウンが少なく,とても気持ちのいい稜線だった。そのまま弓折岳まで行ってくれれば何も言うことはなかったのだが,その先,大ノマ岳,大ノマ乗越,弓折岳とまあまあのアップダウンがあり,笠新道を登った足には少々しんどい道だった。抜戸岳の先,秩父岩の上にあたる 2792m のピークをすぎると,標高 2535m の秩父平に向かって一気に 250m ほど下る。そして秩父平から標高 2662m の大ノマ岳へ 140m 上り,2460m の大ノマ乗越まで 200m 下った後で,2590m の弓折岳まで130m ほど登らないといけない。特に大ノマ乗越は近づかないと見えないので,知らないで歩くと精神的にダメージを受ける感じだった。
結局,秩父岩上の 2792m 地点から2時間半ほどかけて,笠ヶ岳からだと4時間半ほどかけて弓折岳にたどり着いた。後半はしんどくなって何度も立ち止まって足を回復させながら登った。山荘で一泊してればもっとラクに歩けるのかなぁ? 弓折岳から鏡平山荘まではすぐだった。弓折岳から弓折岳分岐(弓折乗越)に行き,きつくない下りを一気に鏡平山荘まで下る。弓折岳から鏡平山荘まで40分ほどだった。
鏡平山荘には午後4頃着いた。予約の際に到着予定時刻を記入するが,午後4時と書いていたので,ピッタリの時間に着けた(だから何?という気もするけど…)。着いてすぐに「自動販売機のビールが残り少ない」という話が聞こえてきたので(シーズン終盤であまり補充されない),とりあえずビールを飲んでおいた。また,宿に着いたのは宿泊者の中では遅めだったので,晩飯は3回目の午後6時半からだった。そこでシャツやタイツを乾燥室で乾かし,晩飯までの時間に鏡池に行ってみようと思った。しかし,思っていた以上に寒く,かつソフトシェルは持っていたがダウンのジャケットを忘れていたので,外に行くのはやめて布団の中で休憩しておいた。そして晩飯を食べたのち,午後7時半ごろには寝たような気がする。
2日目は快晴だった。朝ごはんは3回目の午前6時からの回にしてもらったけど,結局午前4時半前に起きてしまった。そこで出発準備をし,ご飯前に鏡池に行ってみた。まだ稜線には日は出ていなかったが,槍ヶ岳から穂高連峰にかけての山並みがきれいに見えた。しかし,鏡池には微妙に波があり,逆さ槍ヶ岳は少し滲んでしまった…。食後はさっさと鏡平山荘を出発して下山した。
鏡平山荘を出て,とりあえず鏡池で再び写真を撮った後,小池新道で一路新穂高温泉を目指した。小池新道は2年前に雲ノ平に行った時に往復したので,勝手知ったる道,という印象だった。確かに,大体は道を覚えていたし…。鏡池からしばらく行くとシシウドヶ原で開けた場所に出る。そこからは秩父沢などを含む開けた場所をどんどん下っていく。途中,上涸れ沢,イタドリヶ原,チボ岩,秩父沢,石畳涸れ沢,と下っていき,左俣谷の沢沿いに出た辺りの橋のたもとで林道に合流する。今回は快晴でどんどん対向者が上がってくるので,ちょこちょこ話をした。そのため林道に出るまでに少し時間がかかったかもしれない。
林道区間は 5.5km ほどある。2年前に雲ノ平に行った時には,行きも帰りも暗い時間に歩いたので周りはあまりよく見えなかった。しかし,今回は快晴の日の午前中で,黄緑色の木々がとてもきれいで,楽しく森林浴を楽しみながら下ることができた。途中,わさび平小屋前でパンを食べて,笠新道入口で水を補給して下った。最終的に新穂高ロープウェイ前に着いたのは,宿を出てちょうど3時間ほど経った午前 9:20 頃だった。
新穂高ロープウェイの駅でトイレを借り,土産物を買ってから,鍋平の駐車場を目指した。時間的にロープウェイで鍋平まで登ってもいいのだが,その日は鏡平山荘から下ってきただけなので歩いて登ってみることにした。道は,新穂高登山センター前からいきなり急登があり,普通に登山道,という感じだった。それでも気持ちのいい林の中を登る感じで,30分ほどかけて鍋平の登山者用の駐車場に辿り着いた。
駐車場に着いた後,登山靴を脱ぎ,シャツを着替えて,車で新穂高の登山センターのすぐ上流側にある中崎山荘・奥飛騨の湯に向かった。そこは,下山時に見つけていた日帰り温泉。前回はひがくの湯に行ったが,こちらの方が建物の雰囲気が良さそうだったので行ってみた。料金は大人一人 900円だった。タオル等は別だが,シャンプー,ボディーソープはあるので,十分だった。新穂高温泉は硫黄分が多く,湯の花が沢山入っているお湯で,木の湯船の床が滑りやすくて,すべってひっくり返ってしまった。一人だったのでよかったが,ちょっとかっこ悪かった。
今回は,急に笠ヶ岳に行ってみたくなって,笠ヶ岳に挑戦してみた。鏡平山荘に泊まったので,元気なら槍ヶ岳にも行ってみたいと思ったが,笠新道と笠ヶ岳から弓折岳への道が思ったよりもきつくてへばってしまい,2日目は早々に下山してしまった。しかし,天気のいい午前中に気持ちよく下れたので,いいリフレッシュになったと思う。
2週間後に超ニアミス
全く気づかなかったあ
全然気づきませんでしたねぇ…。
私が宿に着いた午後4時頃(到着は午後4時の直前)にもテラスで飲んでおられたのですね。
まさか,そこにおられたとは…。
秩父沢手前の苔むした岩,いいですよねぇ。私も写真撮りましたよ。
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