【丹沢三峰】トレーニング兼ねて丹沢山域の赤線密度を濃くしに行く
- GPS
- 09:02
- 距離
- 19.5km
- 登り
- 1,797m
- 下り
- 1,811m
コースタイム
- 山行
- 8:05
- 休憩
- 0:56
- 合計
- 9:01
天候 | ▼遠征しに行く山ではない場合は、何度も天気予報を確認したりしない。数日前にこの土曜日は晴れとの予報を見てからは、以後ほとんど天気予報を再確認しなかったと思う。行先すら前日まで決まっていなかったにもかかわらず、なぜか晴れるだろうという根拠のない確信を持っていたのを覚えている。 ▼山行当日、午前4時起床。まだすっかり暗い。でも寒さは感じず。自宅発、駅までの道のりで息も白くはなかったと思う。JRへの乗換駅で東の空が茜色に染まり始めるが、浅い午前5時台ではもはや日は登らない季節の様だ。 ▼登戸駅で小田急線に乗り換える。いつの間にかすっかり明るくなっていたと思うが、乗り換え時間にあまり余裕がなく、間に合うか気が急いていたのではっきりとは覚えていない。 ▼本厚木駅着。さすがに明るくなっている。北口で5番バス乗り場に向かう。やはり寒さは感じない。翌日の衆院選挙投票日を控え、駅前では最終盤の選挙活動が展開されていた。バスは発車時刻よりだいぶ前にバス停に到着、早めに座席を開放してくれたので助かった。座席に座ること十数分、バスはゆっくりと本厚木駅を発車した。 ▼バスの乗車時間は1時間はなかったと思う。終点一つ手前の三叉路BSに定刻より数分遅れて到着。ここでも寒さは感じない。軽く出発準備を整え、登山口に向かう。登山開始後10分もしないうちに暑くなり、本格的に発汗する前にフリースを脱ぐ。以後、ずっとインナーと合繊Tシャツだけで大倉BSまで過ごした。 ▼鬱蒼とした樹林帯の中を進むので明るさはあまり感じないが、ところどころ木々の切れ間から絶好の山日和であることがわかる陽射しが漏れており、山行中雨の心配を一切しなくてよいことを確信する。登山道路面の泥濘もなく、暑すぎず寒すぎず、適温。水の消費量も少ない。金冷やしまでは快適にハイキングを続けた。 ▼金冷やし近辺の幅員の狭いトラバースや鎖場も、あまり苦にすることなく通過したまではよかったのだが、松小屋ノ頭を巻き終わったあたりから急に勾配が急になった。とてもきつい。太ももに強い張りが出るが、汗はそんなに掻かない。苦し紛れに空を仰いだり、来た道を振り返ってみたりして、疲れや足の痛みを紛らわせる。天気がいいので、ところどころに散在する紅葉は小規模だが、青空と合わさることで写真映えする。 ▼やがて丹沢山や塔ノ岳、遠くは蛭ヶ岳が見えるようになる。これも天気が良いおかげだ。天気と気温は最高だけど、太ももの状態は思わしくない。スピードも全然上がらない。苦しみながら丹沢三峰を一つ一つ踏んでいく。どこかのピークにベンチがあったら休憩したかったが、先客がいたり設置されていなかったりで結局休憩とれないまま進むしかなかった。 ▼瀬戸沢ノ頭を過ぎたあたりから、樹林帯の密度が疎らになり明るくなる。丹沢山が目の前に聳えている。最後の登りは恐れていたほどの傾斜ではなかったので、なんとか太ももがパンクする前に丹沢山に倒れこむようにたどり着いた。 ▼丹沢山に着いた直後は富士山はきれいに見えていたかもしれないが、まず優先されるべきはエネルギーチャージと休憩、特に太もものケアだ。みやま山荘でカロリー的にも、精神的にもエネルギー源となり得るコーラを購入。ついでに山小屋番の女性と短い会話。宮ケ瀬から丹沢山への登りはきついらしい。下るのがよいコースとのことだった。 ▼秋らしい優しい陽射しでいっぱいの丹沢山山頂で、コーラをちびちび飲みながら、朝コンビニで買ったパサパサのチョコチップスコーンを無理やり喉を通す。寒さはない。風もないのでウインドブレーカーの出番もない。ゼリー飲料にも手を付ける。太ももをマッサージしたり、足のストレッチをしているうちに、少しだけ体力が回復した。13時半まで休憩を取るつもりだったが、足の張りが和らいだので休憩を早めに切り上げることにした。丹沢山を出発する前に富士山の撮影。下部は雲に覆われていたが、ここから見える富士山はほんとうに大きく見えるので、見えてさえいればそれだけで絵になる。先にも書いたが、山頂到着直後なら全容が見えていたかもしれないが、全く後悔はない。蛭ヶ岳方面に振り返ると小さな積雲と思われる千切れ雲が浮かんでおり、心が動いたので撮影。只、この千切れ雲の寿命は恐ろしく短かったように思う。高気圧による下降気流にでも巻き込まれたのか、少し目を離した間に、大きく形が変り消えていった。もっと大きな積雲が、消えていく過程で見せた最終盤の姿があの千切れ雲だったのかもしれない。 ▼丹沢山を後にする。丹沢山から塔ノ岳間の風景は本当に素晴らしい。登山道から見る竜ヶ馬場や日高は、小高い緑の丘の様だ。丘には登山道が刻まれており、一登山者としてその丘に突っ込んでいく瞬間が好きだ。すでに大分西に傾きつつある日に照らされる、秋の晴天下の日高の姿を少しだけ歩みを止めて目に焼き付けた。 ▼塔ノ岳山頂は、風の通り道なのか寒いことが多かった。今回も塔ノ岳山頂近辺で、一瞬、そしてほぼこの山行中唯一風を感じた瞬間があった。ウインドブレーカーを着る必要があるかなと思っていたが、塔ノ岳山頂直下の登りが始まると、きつさで風のことは忘れてしまった。 ▼塔ノ岳山頂着。寒さはない。風も吹いていなかったと思う。14時過ぎでいるが、まだ山頂には多くの人。八回目だと山頂に長居したいという気持ちはさらさら起きない。足早に通過する。以後、気持ちが無機質に変わったのが自覚できた。下山に集中するためだ。もう、風景も天気も温度も風も感じない。本当に下山作業に集中していたと思う。転倒しないように、自分に問いかける以外の思念はなかったと思う。見晴茶屋を過ぎたあたりから、少しづつ緊張が解け無機質だった気持ちに血が再び通い始めたかもしれない。観音茶屋で再度コーラを飲んだあたりでは、気持ちは通常に戻っていたと思う。大倉尾根下山時の最後の難敵、意地悪石畳み舗装の登山道に、ブツブツ文句を言いながら、最後の力を振り絞りながら大倉バス停に向かう。舗装路も、石畳から歩きやすいアスファルト舗装に変わった。あと少しというところで、心が大きく動く出来事。相模湾が見えた。江の島が浮かんでいる。もう、日はほとんど沈みかけている。残光に照らされ薄く赤みを帯びた東の空の下にある相模湾と江の島を撮影する。その数分後、無事大倉バス停にたどり着いたのであった。 |
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過去天気図(気象庁) | 2021年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
電車:最寄駅 → 本厚木駅 バス:本厚木駅BS → 三叉路BS 【復路】 バス:大倉BS → 渋沢駅北口BS 電車:渋沢駅 → 最寄駅 *小田急線の乗換駅を代々木上原から登戸駅に変えたら、代々木上原乗換では不可能な5時45分新宿発の急行を捕まえることが可能であることを今更ながらに発見 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<総括> 難易度の高い箇所はないが、ある程度の体力は要求されるコースである。みやま山荘の女性小屋番曰く、宮ケ瀬から丹沢山は、登りに使うときついコースであるとのことだった。ただし、同区間は大倉尾根に比べると非常に交通量が少なく、静かな山歩きを楽しむことができる。また、この時期になると山ヒルは影をひそめる模様。念のためゲーターを着用したが、結果的には必要はなかった。 <三叉路登山口〜高畑山> 勾配もきつくなく、静かで快適な山歩きが楽しめる。難易度の高い箇所はなかったと思う。高畑山を巻く道は、今回は通過していないのでコメントできないが、道標にはトラバース道が狭いとの記載あり。(写真18参照)高畑山への登りはそんなにきついものではなく、山頂にもすぐ到着したイメージあり。山頂からの下りも急ではなかったと記憶、よって巻道を使用するメリットはそれほど大きくないと思われる。 <高畑山〜丹沢山まで5.4KM道標(写真28)> 心持ち勾配がきつくなった気がするが、それでもまだ歩きやすい。ただ、幅員の狭いトラバースを木橋で渡る箇所が複数あったり、金冷やし近辺の鎖場、梯子よりの階段等々少々注意が必要な個所がある。 <丹沢山まで5.4KM道標〜本間ノ頭(東峰)> 急に勾配がきつくなる。多分今回のコース中一番の急勾配。太ももにものすごい負担がかかった。ゆっくりとしか登っていけなかったが、難易度の高い箇所はない。 <本間ノ頭(東峰)〜丹沢山> 幾分勾配は緩んだ印象あり。ただ、アップダウンがあるのであまり楽になったという感じはない。丹沢山への最後の登りは、階段が設置され傾斜も更に緩んだという感覚で、結果太ももがパンクせずに丹沢山にたどり着けたと思っている。難易度の高い箇所はない。 <丹沢山〜大倉バス停> 割愛 |
その他周辺情報 | ▼本厚木発宮ケ瀬行バスは、同駅北口の5番乗場から発車。北口を出てすぐに見える横断歩道を渡り、右に進む。 ▼大倉バス停で、下山後にお酒を提供してくれる店が再度出現。これで下山後に、味生ビールと噌田楽が楽しめる。 |
写真
感想
▼前回の山行から少し時間が空いてしまったので、足が鈍らないようここらで山行を入れようと思っていた。幸い天気も良さそうだ。もう、O登山隊での遠征登山はシーズン終了。近場の山で、久しぶりに単独行を行いたいとも考えていた。本当なら先週の土日も、ものすごく天気が良かったので山に行くはずが、直前になり気分が乗らなかったので自宅でゴロゴロしていたんだが、好天の休日を無駄にした罪悪感にしばらく苛まれた。あんな思いはしばらくごめんなので、絶対に決行しようと強く心に決めていた。
▼行先の候補は色々あったが、丹沢の赤線密度が薄いので、そこしでも濃くすべく本日のコースを決行する運びとなった。
▼後はいつものごとく後日加筆予定。備忘録をアップしておく。
・転倒記録(済)
・金冷やしの語源(済)
・太ももの強い張りとシャリバテ。コーラやセブンのわらび餅(済)
・階段下りの際のストックの使い方(次回)
【後日記】
■さあ、感想欄を書いていこうかしらね。因みに下山してから5日経っているけどまだ筋肉痛が治まっていません。
■まずは転倒についてから書いていきたい。今回は久しぶりに転倒がなかった。特別気を付けた訳ではないですが、無事に山行を終えることができました。
・転倒回数:0回(目標達成)
・転倒理由:-
・目標達成山行率(目標達成山行/全山行数 2021年8月21日以降の山行より集計開始): 2/6=33.3%
<コメント>
・実は全く危なげなかったわけではない。丹沢山から大倉に下るまでの間に、2回ほどズルっと滑って転んでもおかしくなかった場面がありましたが、ストックがあったおかげで踏ん張ることができたりしました。まあ、今回の無転倒達成は、そういう意味では実力というより、運にも恵まれたという側面があるかな?
■金冷やしの語源について。大倉尾根の方の金冷やしについては当てはまらないのだが、今回宮ケ瀬からのルート上にある金冷やしは、ちょっとした難所なのできっと金玉が冷えるくらい怖い場所だからというのが名前の由来と最初思った。でも、怖いと金玉は縮み上がることはあっても冷えないよなあ。冷えるのは肝だなあ。そうか肝冷やしが音便で母音が落ち、金冷やしになったのではないか。だからローマ字で書くならkinhiyashiではなくkimhiyashiだろうなんて考えながら登山道を進んでいった。こんな類のことを調べてもおそらく正解は出ない。ただ、私と同じことを考えていた人が居たので、私の仮説もそれほど突拍子もないものでもないだろう。まあ、在り来たりとも言えるのだが・・・。https://hamaji.way-nifty.com/monologue/2015/10/post-502b.html
■ここ最近登り坂で、太ももが攣るというか強く張る現象が頻発していた。以前は年に1回くらいそんなことがあったかなというレベル。一番最初に体験したのは、大倉尾根・蛭ヶ岳をピストンした時。その後、大倉尾根の花立直下の天国階段でもその症状は出たし、谷川天神尾根でもそんなことあったかもね。でも、このごろは2回に1回どころか、3回に2回くらいの割合で起こっている気がする。芍薬甘草湯を服用することで事なきを得ているが、なんでこんなに強い張りが出るのだろうか?エネルギー切れがあるのかもしれないと考え始めた。山行中、胃が受け付けないからあまり行動色を食べないことが半ば習慣となりつつあった。それでもあまり支障なく山行を続けられたことが、間違った成功体験として刷り込まれてしまっていた。でもね、これだけ太ももに張りが出るとやはり食べないとだめだね。ゼリー飲料をできるだけ多く持っていくことにしているけど、あれ、カロリーの割には値段高いんだよね。で、セブンイレブンで売っている小さい羊羹なんかがいいかなと思ったりもしたのだが、甘すぎて喉が渇く。持っていくけど食べないことが多かったな。保存が効くから非常食としても使えるからいいんだけど、行動食として機能してほしいという観点からは、ちょっと難あり。で今回、疲れている時でも食べやすい行動食として注目したいのが、セブンイレブンで売っている黒糖わらび餅。羊羹より少しカロリー低いけど、非常に食べやすいのが良い。食べ終わった後黒糖がべたべたするのが難点だが、ごみ用のビニール袋を持っていけば対応可。これに加え、あとはコーラを持っていこうかな。コーラは以前も試したんだけど、筑波山十三の時かな?なんか飲んだ直後疲労感が出て、スピードがガクンと落ちてしまったので1回で辞めてしまったんだよね。血糖が急に上がったのかもという推測をしていたと思う。【2016年4月29日山行記録より抜粋】
前回O登山隊で妙義山に行った時に私はバテてしまったので、今回は対策として炭酸を抜いたコーラを持参した。これは良かったのだろうか?実は飲むタイミング、飲む分量が難しい飲料なのかもしれない。きっとカロリー的には優秀だと思う。ただ、一気に飲むと一気に血糖値が上がり、一気にインスリンが出て血糖値を下げようとする。しかし一方そこそこの強度のある運動をしているのでエネルギーもどんどん消費される。インスリンの働きとエネルギー消費の波が合わさるタイミングが悪いと、一瞬低血糖の状態になるのではないかと。【抜粋終わり】
今回丹沢山の山頂での小休止中に一気に500ml飲み干したけど、筑波山縦走の時のような症状は出なかったなあ。小休止中に飲んだから良かったのかなあ。まあいいや。マラソン選手もエネルギー源として使用しているくらいだから、もう一度試してみてもいいかなと考えている。
■これを書いている下山後5日経った今、次の山行が決まった。明日出発する。次の山行も、今回の大倉尾根と同じくらいの階段地獄の可能性があるので、今回つかんだと思われる階段降段時のストックの使い方を再度試してみたいと思う。そこで有効性が再確認出来たら、改めてその山行レコで詳細を書いてみようと思う。そうそう、コーラが行動食として機能するかどうかも試さないとね。
■という訳で、今回はこれにて。少々慌ててレコを書いて強引に終わらせたのは、そうしないと次のレコを書き始めないといけなくなるからで、レコの渋滞を防ぎたかったからというのは内緒です。近いうちに次のレコで皆さんにお会いできたらうれしいです。
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