橙にブナ色付く道志山塊の菜畑山・赤鞍ヶ岳(道坂隧道→上野原・無生野へ)
- GPS
- 05:30
- 距離
- 12.0km
- 登り
- 1,099m
- 下り
- 1,571m
コースタイム
天候 | 晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2021年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
高尾07:06(JR中央本線) 大月07:42/07:55(富士急行) 都留市08:09 都留市駅🚏08:15(富士急バス)¥660 ※4〜7月、9月〜12/15の季節運行 道坂隧道🚏08:45 復路: 無生野🚏14:55(富士急バス)¥900 上野原駅南口🚏15:44 上野原15:50(JR中央本線) 高尾16:08 |
写真
感想
丹沢山塊の北側、道志川と桂川の間の道志山塊の盟主といえば、その最高峰である御正体山であり、これは前に登ったことがある。
その道志山塊の最深部というか中心付近にある菜畑山と赤鞍ヶ岳あたりが前から気になっていた。
しかしこのあたりは公共交通機関でのアクセスが非常に悪い。
国道413号(道志みち)からアクセスしようとすると、東側からは神奈川中央交通で相模原市津久井地区から、西側からは富士急バスで山中湖村からになるのだが、どちらも便数が極端に少なく、コース取りが難しい。
2年前の秋に御正体山の北側にある今倉山・二十六夜山へ道坂隧道バス停から登ったことがある↓が、
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-2112609.html
結局菜畑山・赤鞍ヶ岳へもここからアクセスするしかなさそうだ。
国道413号(道志みち)方面に下ると、道志15時発のバスがあるので、山中湖、富士山駅を経て大廻りして帰ることになるなと思っていた。
が、登山地図を見ていると、赤鞍ヶ岳(朝日山)から北へ向かうと「無生野」というバス停がある。
ここは旧秋山村になるが、現在は合併して上野原市になっているので、上野原駅方面のバスが土休日なら14:55となかなかいい時間に出ているではないか。
道坂隧道バス停を9時に出発し、無生野でこのバスに乗るとするとコースタイムを巻いて歩く必要があるが、この前の土曜日に扇山から権現山を経て上野原の鶴川まで歩き↓
https://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-3686123.html
大丈夫という感触を得たのでいよいよ、この道志山塊最深部の山行を決行。
マイナーな山域なので一緒に行く人もいないだろうと思っていたのだが、会うのは7月以来となるYcがここでもOKということだったので一緒に行くことにした。
移動性高気圧に覆われ秋晴れ予報の今日だったが意外と雲が出ていて、ただ今日行く菜畑山からは富士山が見えるものの全体が見えるわけではないようなので、却ってちょうどいいかなと思った。
富士山がよく見える山に行って天気が悪いと残念だが、最初からそんなに見えない山なら天気は気にならないからだ。
高尾駅から西へ向かう中央本線は大盛況で、大月で乗り換えた富士急行も賑わっている。
登山客だけではなく富士急ハイランドへ向かう若者も多いようだ。
都留市駅から乗った道坂隧道行きのバスは満席だった。
道坂隧道から道坂峠はすぐで、そこで御正体山方向と今倉山方向と分かれるが、ほとんどの人が御正体山へ向かうようだった。
今倉山まで一気に標高を稼ぐが、周囲はミズナラやカエデ類が多く黄色く色付いていて、ときおりその中に橙色〜朱色のものがある。
真っ赤というよりも、この黄〜橙色付近のグラデーションが好きだ。
今倉山は展望が利かない山だが葉の散った梢の間から、御正体山から頭を覗かせた富士山が見えた。
今倉山から菜畑山へむかっては楽しい稜線歩きだ。
木々が茂って展望は利かないが、葉が散れば展望は良くなるのだろう。
今はその代わりに木々の色付きが美しい。
水喰ノ頭の手前に1箇所崩壊地があり、今日随一のビューポイントだった。
雪化粧した富士山が御正体山の左上に浮かんでいる。
そして富士山の南側は雲がたなびいている。
誰もいないと思っていた菜畑山には年配の団体さんが一組。
確かに公共交通機関を使うと不便なこの山域も車を使えば手軽な登山ができるのかもしれない。
菜畑山はなぜか「なばたけうら」と読むのだが、南側が開けており陽光の暖かい「うららか」な山であった。
南側の丹沢山塊は霞んでいて、今日は南側ほど雲が多いのかもしれない。
菜畑山から先、赤鞍ヶ岳へはブドウ岩ノ頭、岩戸ノ峰、岩殿山と尖ったピークをその都度アップダウンしていく。
登りはかなりの急登なのだが、ブナが増えてきていてブナ林の中を歩いていくのが楽しい。
道志川を挟んで隣の丹沢の大室山と雰囲気が似ているのはここもブナの原生林だからだろう。
だんだん雲が出てきて陽が陰ってきたのだが、薄暗くなった林床にウリハダカエデ等の色とりどりの落葉がモザイク状に浮かび上がって見える。
赤鞍ヶ岳(朝日山)に至ると、大きなブナの木にある「赤鞍ヶ岳」の山頂標が味わい深い。
ちなみに赤鞍ヶ岳という名称だが、ここより東側にあるワラビタタキというピークも赤鞍ヶ岳なのである。
国土地理院の地形図だと朝日山が赤鞍ヶ岳で、山と高原地図だとワラビタタキが赤鞍ヶ岳である。
サンショ平(棚ノ入)まで行くと「秋山ふるさと創生支援隊」による説明板があり、この山域では複数の地名が混在しているらしい。
秋山村(現・上野原市秋山地区)側は朝日山を赤鞍ヶ岳と呼んでいるとのこと。
ということは反対側の道志村側は、東隣のワラビタタキを赤鞍ヶ岳と呼んでいるのだろう。
山頂に「赤鞍ヶ岳」の山頂標を設置したのも秋山村だったのだ。
なので今日登ったここも赤鞍ヶ岳で間違いはないのだ。
サンショ平(棚ノ入)から先は破線ルートだったが、「秋山ふるさと創生支援隊」による丁寧な解説があり、ルート上にもテープに加えてラミネート紙による標識があり安心して下ることができた。
「秋山ふるさと創生支援隊」に敬意を表して自分としては朝日山を赤鞍ヶ岳と呼ぶことにしよう…。
いや朝日山もワラビタタキも含んで赤鞍ヶ岳なのだというのが、一番しっくりする考え方なのかもしれない。
無生野バス停から上野原駅まで約1時間。
窓から入る風も爽やかで、久しぶりにローカル路線バスの旅も楽しむことができた。
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