丹沢山/キュウハ沢↑みやま新道↓日高東尾根↓

2021年12月11日(土) [日帰り]

• GPS: 10:12
• 距離: 17.7km
• 登り: 1,969m
• 下り: 1,999m

コースタイム

日帰り

• 山行: 9:35
• 休憩: 0:37
• 合計: 10:12

距離 17.7km 登り 1,970m 下り 2,005m

5:52 スタート地点
6:08 6:09 天王寺橋
6:31 6:45 キュウハ沢
10:56 10:58 みやま山荘
11:00 11:09 丹沢山
13:59 14:01 不動の水
14:12 14:18 塔ノ岳
14:18 14:19 尊仏山荘
14:35 14:36 日高
14:49 ソリ出シ
15:27 15:28 キュウハ沢
15:46 天王寺橋
16:03 塩水橋
16:04 ゴール地点

天候

快晴

アクセス

利用交通機関：

自家用車

塩水橋の余地に駐車
塩水橋へのアクセスは現在宮ケ瀬湖方面からは通行止めにてヤビツ峠経由で

コース状況／危険箇所等

主脈稜線および塔ノ岳西尾根以外は一般登山道ではありません。

■キュウハ沢〜丹沢山
下流の戦闘機エンジン、ゴルジュ、中盤の大滝、連瀑、詰めは涸棚とゴーロと充実しています。
下流の堰提は全て右岸から靴を濡らさずに巻けます。
巻道は比較的明瞭な道形があります。
キュウハ大滝以降、最初の2段滝より2度左岸を高巻きました。最初の高巻きでは古いテープを2箇所で見かけました。踏み跡はありませんでした。
2度目の高巻きではマーキングや踏み跡は一切見かけませんでした。
いずれも尾根上の灌木や岩はもろく、また沢へ戻る際の下降は傾斜が特に強いので滑落に注意です。
標高1150m付近右手大ガラン沢との出合い、5mチョックストーン滝では左の垂壁から取付いてみましたが、岩が脆く危険なため、途中でクライムダウンで戻り右端より上がりました。
ここからは暫く涸れ沢の遡行となります。
やがて再び水流を見ると、渡渉を繰り返しながら詰めていきます。チョックストーン滝以降は特段難易度の高い滝はありません。
やがて涸れ沢となり現れる二俣は左手を選択しました。
ここから丹沢山山頂直下まで小枯滝が連発しますが、部分3級程度の滝が一箇所あるのみで、全体的には容易です。
枯滝が終わると広尾根の土の急斜面となり、これを詰めると深山山荘の脇に出ます。

■丹沢山〜みやま新道
廃道です。上部は傾斜がやや強く、スリップに注意です。上部に茨の植生があり不快。尾根上踏み跡あり、道迷いのリスクも少ないと思われます。全体に渡り特筆すべき難所は無くバリエーションルートとは言えません。

■箒杉沢
崩壊した廃林道です。ガレ場は歩き難いですが、広く明るい雰囲気の良い河原です。崩壊していても地図通りのルート取りで問題ありません。
総じて特に難しいところはありません。

■塔ノ岳西尾根
下部は箒杉沢からコースに合流する尾根を直登してショートカットしました。中盤まで明るくとても雰囲気の良い美尾根です。上部は水場もあります。
一般道ですが、人気がなく静かに美尾根歩きを楽しめます。

■日高東尾根
マイナールートです。
道標はなくマーキングも少ないですが、明瞭な踏み跡があるほか、下部の急斜面では九十九折りに道が切ってある等、総じて難しいところもなく快適に歩けるコースです。

写真

12/11 6:26

本谷林道は崩壊著しい...

12/11 6:33

キュウハ沢出合に到着しました。奥に見えるは第一堰堤

12/11 6:48

最初の堰堤は右岸から容易に巻けます

12/11 6:48

直ぐに前方に2つ目の堰堤が現れます

12/11 6:50

2つ目の堰堤も右岸から高巻きで越えました

12/11 6:53

三つ目の堰堤。渡渉して左岸へ

12/11 6:55

右手から容易に越えられます

12/11 6:57

3つ目の堰堤を越えるとこれまた直ぐに4つ目の出現

12/11 7:17

こちらも右手から

12/11 7:18

堰堤の上から下部を撮影

12/11 7:18

奥は5つ目の堰堤

12/11 7:20

ありました。褐色なので落ち葉と同化し、遠目からでは判別が困難です。合掌

12/11 7:27

5つ目の堰堤を越えるとゴルジュとなります。左岸は詰まり、右岸へ渡ります。

12/11 7:31

右岸から上流に向かうとF1

12/11 7:36

沢装備があれば左壁から楽勝っぽいがヌルヌルでとても無理。右岸から巻くことにします

12/11 7:37

左手岩場の上方中央の木に古いロープが垂れてました。もちろん使いません

12/11 7:38

見下ろす

12/11 7:41

高巻いていくと四町四反ノ沢との出合に到着

12/11 7:44

四町四反ノ沢の上流方向

12/11 7:44

キュウハ沢前方には12m大滝

12/11 7:46

キュウハ大滝。せっかくなので間近へ寄っていきます

12/11 7:47

滝の左壁奥のチムニーから直登できるようですが、基部からしてヌルヌルでこの靴ではとてもリスキーなため、断念。

12/11 7:53

左岸から大滝を高巻きで越えます

12/11 8:00

この辺りから沢床へ向けて下降開始

12/11 8:03

改めて遡行していきます

12/11 8:08

日差しが良く届く気持ちの良い沢です。前方に見えてくる滝の近くに二つ目のエンジンがあるようなのですが、注意深く探しながら遡行しましたが結局見当たりませんでした。

12/11 8:10

ここも直登は厳しいので...

12/11 8:10

左岸尾根から巻くことに

12/11 8:14

巻きながらの観瀑

12/11 8:16

ここはクライムダウンは少々厳しい。
右の立ち木から懸垂で着床できそうだが、この辺は連瀑帯で
降りても直ぐに高巻きを余儀なくされるため、ここでの下降は見送ります

12/11 8:23

古く色褪せたテープ

12/11 8:33

沢沿いは断崖になり降りられないので木や岩を掴みながらの大高巻きに。

12/11 8:38

小さな涸れ沢を横断しました

12/11 8:42

断崖で詰まって更に上へ追いやられます。かなりの急斜面です。土があまり踏まれておらず柔らかく手掛かりの灌木や岩は簡単に剥がれます

12/11 8:43

いかにも沢へ降りられそうな感じ。ここから下降を試みます

12/11 8:49

ビンゴ。滑落しないよう慎重に下ります

12/11 8:52

無事に着床しました

12/11 8:52

沢登りを再開します

12/11 8:53

徐々に水流が乏しくなり、涸れ滝も出現

12/11 9:01

ゴルジュ帯も越えて一層明るい沢に。

12/11 9:08

12/11 9:09

ナメ

12/11 9:14

12/11 9:15

この二俣は左へ進路を取りました

12/11 9:19

直登は厳しいので左岸を高巻きます

12/11 9:20

まだまだ見応えのある滝が見られて嬉しい

12/11 9:26

ここで下降して着床

12/11 9:26

12/11 9:27

二段滝

12/11 9:29

下部は右岸側から

12/11 9:30

二段滝の上部は左岸へ渡渉

12/11 9:31

階段状で難無くクリア

12/11 9:39

前方に大ガラン沢が見えてきました

12/11 9:40

1130m大伽藍沢出合に到着です。直進すると天王寺尾根へ出ます。

12/11 9:41

左の本流に入るとCS涸滝

12/11 9:44

左側を中段まで登ってみましたが剥がれそうなので、右端から巻きました

12/11 9:53

急傾斜のザレをトラバースしながら...

12/11 10:06

沢へ戻るべく下降していきます

12/11 10:07

12/11 10:29

12/11 10:31

この二俣は左へ

12/11 10:35

小涸滝が連続します

12/11 10:36

12/11 10:37

12/11 10:46

涸れ滝を越えると単調なガレ歩き

12/11 10:48

振り返ると大山が

12/11 10:48

土留が見えると山頂が近いことを窺わせます

12/11 10:56

誘導されるように鹿柵の間を進みます

12/11 11:00

長いガレ歩きの果てに丹沢山山頂に出ました

12/11 11:01

多くの登山者で賑わう山頂。

12/11 11:12

登攀装備を解除して休憩もそこそこに山頂からみやま新道へ脱出します

12/11 11:18

眼下の箒杉沢へ向けて真っすぐ降りていきます

12/11 11:18

上部はザレガレに加えてイバラの急斜面

12/11 11:39

踏み跡もあるし特に難所も無く歩きやすい。バリとは言えない単なるマイナールートです

12/11 12:02

箒杉沢の河原が見えてきました

12/11 12:03

ロープを出すまでもなく呆気なく着床。バリとの記録も多く少しは期待しましたが拍子抜け...

12/11 12:13

みやま新道を振り返る

12/11 12:18

右岸左岸と渡渉しながら崩壊林道を下降していきます

12/11 12:19

押し流されひしゃげたガードレール

12/11 12:23

12/11 12:39

ところどころ藪中にあるイバラの通過だけが難所といえば難所

12/11 12:41

12/11 12:42

12/11 12:57

塔ノ岳西尾根の登山道は鍋割沢を二度の渡渉で大きく迂回しながら付いていますが、面倒なので尾根末端からショートカットします

12/11 12:57

尾根末端から登山道へ向けて直登します

12/11 13:03

一登りすると踏み跡が

12/11 13:23

人も無く静かで明るく雰囲気の良い美尾根です

12/11 14:00

上部に至り、いきなり通行止めの注意書きが。なるほど一般道なのに人気が無いわけだと納得

12/11 14:03

不動の水場。美味しく頂きました

12/11 14:14

塔ノ岳山頂へ到着。

12/11 14:14

ここも賑わってました。直ぐに出立です

12/11 14:40

雪解けで泥濘のひどい主脈稜線を少し歩き、日高から東尾根へ入ります

12/11 14:43

12/11 15:26

左手にキュウハ沢を見ながら林道へ向け下降していきます。

12/11 15:27

呆気なく本谷林道へ着地。この尾根も比較的明瞭な踏み跡が最後まであり、難所も無く易しいマイナールートでした

12/11 15:27

キュウハ沢出合へ周回してきました

12/11 16:05

林道始点へ。お疲れ様でした

撮影機器：

Canon PowerShot G7 X Mark II Canon

装備

個人装備

ツェルト ナイフ カメラ ポール ロープ ハーネス ヘルメット 確保機 ロックカラビナ カラビナ スリング ロープスリング ハンマーバイル アングルハーケン

感想

JetUpper

キュウハ沢にあると言われる戦時中墜落した戦闘機のエンジンの残骸

旧陸軍4式戦闘機「疾風（はやて）」に搭載されていた誉（ほまれ）というエンジンで日本でも現存するものが殆ど無く、博物館に展示される程の歴史的価値のある遺物である。

それが2つもキュウハ沢にあるという。
特に戦闘機、ましてエンジンに興味・関心があるわけではないが、山をやっていると、そこに纏わる歴史を遺構や遺物などを通して知る機会を与えられる。それが登山の楽しみの一つでもある。
この遺物も丹沢の歴史の一部と考えれば否が応にも知的好奇心が刺激される。

またこのキュウハ沢は下流の戦闘機エンジンのほか、ゴルジュ、中盤の大滝、連瀑、詰めは涸棚とゴーロと変化に富み、加えて丹沢山山頂への直登ルートでもあり、行かない理由が見つからない。

この時期は水量も少ないし、ヒルも居ないしで濡れるのが嫌で沢をやらない私には適期でもある。
エンジンを見つけられるか、沢装備を持たないずにどこまで沢沿いに忠実に辿れるか等、不安はありましたが、とにかく行ってきました。

結果、件のエンジンは最初の1つ目はなんとか発見。手を合わせてきました。
2つ目はキュウハ大滝のすぐ上流らしいのですが、残念ながらとうとう見つかりませんでした。
ルート中の滝は規模自体は比較的小さいものの、壮観の一言。
沢靴が欲しいところは幾つもあり、尾根上に巻き逃げしながらの遡行になりましたが、丹沢山へ直接達することができたため、一応の満足感は得られました。
次回はもう一つのエンジン、そしてキュウハ沢上流域にあるというプロペラの発見を目的に再訪してみたいと思います。