赤岳・硫黄岳
- GPS
- 32:00
- 距離
- 21.5km
- 登り
- 2,094m
- 下り
- 2,096m
コースタイム
【2013年12月29日】07:50赤岳鉱泉-09:40硫黄岳-10:35赤岳鉱泉(休憩40分)-12:15美濃戸-12:40美濃戸口
天候 | 1日目:曇り(強風) 2日目:晴れ |
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過去天気図(気象庁) | 2013年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
帰り: 美濃戸口から路線バスでJR茅野駅、茅野駅から新宿まで電車 |
コース状況/ 危険箇所等 |
1日目: (美濃戸口-行者小屋)雪がふかふかして歩きやすいです。アイゼン・ピッケル不要ですが、ストックはあった方が便利かもしれません。 (行者小屋-赤岳往復)文三郎尾根からの上りは鎖などが出ている部分もありました。無いところはピッケルで刺しながら行きました。地蔵尾根の下りは、急ですが雪がたくさんあったので逆に下りやすかったですが、やはりここも慎重さが必要かと思いました。また、ところどころ道が分かりにくくなっている部分がありました。 2日目: (赤岳鉱泉-硫黄岳往復)トレースが無い事を心配してましたが、年末年始でたくさんの方が入られていたので大丈夫でした。稜線上は若干の岩がありアイゼンをひっかけないか心配でしたが、少しだけなのでそこだけ慎重に歩けば大丈夫です。 |
写真
感想
今週末は赤岳・硫黄岳に行ってきましたー。
東京から公共交通機関を使って茅野駅まで行って、そこからバスを使うとなると特急を使っても始発と2便目を逃がし、必然的に3便目になってしまいます。
そこで今回計画したのが、夜行便。朝イチのバスに乗るべく、3時41分茅野着のムーンライト信州に乗り込みました。途中鹿にぶつかって15分程の遅れが出たため、4時ちょっと前に到着。駅に到着すると、外は一面雪景色に変わっていました。そこから約2時間40分、始発バスが来るまでの間、どうやって待とうかというところから今回の寒い寒い旅の始まりです。私一人だけかと思いきや、同じような計画を立てている人が数名いて、慣れてらっしゃるのかすっぽりと寝袋にくるまって通路で温かそうに寝ていました。私はそういった物は持ってきておらず、地べたに座ると数分と立たないうちに底冷えしてくるので、駅の椅子で座らせてもらって朝が来るのを待ちました。ようやく朝が来て、バスも予定通りの出て、車内の暖かさと心地よい揺れにウトウト。ここで少しばかりの睡眠がとれました。ホッ。
美濃戸口バス停で降りるとすぐに、登山補導所があり、登山届の提出を促していました。私も少し相談させてもらってから行動開始です!南沢ルートを通って行者小屋に向かいますが、そこまでの道のりはアイゼン不要でした。沢や樹林の間を通りながら真っ白な雪景色の中を歩きます。キレイな景色ですが、やっぱり八ヶ岳の山中は気温が低い。髪の毛はぱりぱりに凍るし、手足の指先が冷たくなってきます。ここでもこの寒さだったら上はどんなものなんだろうとドキドキ。もしかしたら小屋で引き返すかもしれないので、とりあえず行者小屋までの道のりを楽しむ事にしました。そろそろこの景色ももうたくさん見たかなと思った頃に行者小屋到着です。小屋の前でも結構な風が吹いていたので、中に入ると部屋の暖かさが体にじんわりと伝わってきます。おいしそうなおでんも売っていたので、食べながらその後の行動を考える事に。すると赤岳からちょうど戻ってきたソロの男性が凍った顔で登場。ひぇ、すごい顔!!「いやぁーすごい風だったー、まいった、まいったー」みたいな事を言っていたので早速尻込みする私。「別に何が何でも今日行かなきゃいけない理由なんてないし、ここまでくるだけでも充分楽しかったし・・・」なんて帰る理由を頭の中で並べていると、ちょうど後から来たおじさまが赤岳頂上まで行くとの事。頭の中の理由がすべて一掃され、急に行きたい気持ちになってしまったので、さっそく出発の準備を始めます。
とりあえ足先にホッカイロ、靴下二重、目出帽、ネックウォーマー、アイゼン、ピッケル装備に。畏れ多くも、おじさまが行く所を後ろからついて行かせていただきました。行ける所まで行ってみて、ダメならすぐに引き返すつもりで。文三郎尾根の途中までは風もそれほど強くはなかったのですが、途中引き返してきた方に話を聞く
と、稜線付近で顔が凍傷気味の人がいたから戻ってきたとか。行者小屋常連の人も戻るなら鎖場手前がいいとの事。帰るなら今。引き返そうかどうかの葛藤が頭の中を駆け巡りますが、登山道自体はあまり急ではなく凍結箇所もあまり無かったので、ピッケル・アイゼンをちゃんと使えば行けなくもないかな?最終的には頂上を目指す事に。阿弥陀岳を見ながら少しずつ進みます。稜線手前くらいになって、赤岳が見え始めた頃、雲行きが怪しくなり、周りは白い世界になってしまいました。頂上までの一時間、ほとんど写真を撮ることもなく、次第に強まっていく風との根比べです。風が渦を巻いているので、どの向きを向いても風が全身でぶつかってきます。前から風が来ている!逆を向くと逆からも風が。岩陰ならばと思っても、岩陰に隠れても意味がなく・・・。とりあえず待ってても固まってしまうので、何とか歩いて行きました。ようやく見えてきた山頂のサイン、どれだけ嬉しかった事か!!不安もすごく多かった分、山頂がゴールに見えてしまいましたが、この先も無事下山という課題が残っていました。
ここから先は赤岳展望荘を経由して地蔵尾根を下ります。下りに入ってからも当然ながら風は弱まらず、体の末端という末端が速攻で冷えていく感覚。小まめに手足の指先を動かしますが、あまり効果がなく冷えっぱなし。足はなるべくつま先に力を入れてあるくように意識し、手は時々手袋の指部分を抜いて手袋内で握りこぶしを作り、手のひらの体温で指先を温め感覚を戻すの繰り返し。途中アウター手袋を外して手首や足首の服を直したりするものなら、一気に手のひらが固くなります。この感覚、もしかしたら凍傷になるかもと思うと怖い怖い。不安な状態で体温が戻らないとほぼパニック状態。下山の道を急ぎます。樹林帯に入ると先ほどのおじさまと少しおしゃべり。どうやらその方、御年72歳だそう。「登りは年々ゆっくりになっていくんだよね」などと言っていましたが、その後の下り道で、ものすごいスピードで下りて行きました。その足の速い事速い事。走っているというより飛んでいるようで、あっという間に姿が見えなくなってしまいました。さっきの会話、そら耳かと疑ってしまいました。凄過ぎて開いた口が塞がりません。。。私もさきほど見た下り方を参考にし、練習がてら樹林帯を下りました。小屋まで戻り一安心して、これからの予定をあれこれ考えていると、赤岳での風に心をへし折られたせいか、この日のうちに下山したい気持ちになってしまいました。頑張って急いで下りれば、何とか最終バスに間に合う時間。準備をして途中まで半走りで下りますが、10分ほど行ったところで冷静になり考え直します。せっかくここまで来て、景色も満足に見れずに帰ってしまうのはもったいない!赤岳鉱泉の予約もしたし、お布団1つに一人寝れるし、、、明日は天気が良くなるかもしれないし、、、よし、引き返そう!無駄な下りをしてしまった事を後悔しながらまた登り返し、今度は業者小屋から赤岳鉱泉に向かいました。
赤岳鉱泉に着くとたくさんの人で賑わっています。部屋に通されると部屋にはなんとコタツが。そのコタツに入って、同じ部屋の方からたくさんのおすすめ山ルートを聞いたり、役立つ山道具話や、道具の扱い方などを教えてもらいました。みなさんほんとに優しく丁寧で、どれだけ有り難い事か。。。そのうちに夕食の時間になり、みんなが食堂に行ってしまったので、私は歯を磨いたり寝る準備を整えていると、急に眠気が襲ってきて、早い時間に眠りについてしまいました。時々人の声が聞こえるのですが、それが逆に安心感に変わってまたすぐにぐっすり眠りの世界に入り込みます。いくつかの変な夢を見たと思ったら、今度は朝になっていました。起きてからしばらく硫黄岳に行こうか迷っていると、昨日話をした同部屋の方が、樹林帯はあまり風がないから、行けるところまで行ってみたら、とのアドバイス。背中を押され行けるところまで行く事に。特に急ぐ必要もないので、ゆっくり準備をして出発です。ちょうど同部屋の女性の方が硫黄岳に行くとの事だったのでご一緒させてもらう事になりました。前日の天気とはうって変わって青空が広がっています。別世界。青い空の下だと雪で白く染まった木でさえも暖かく見えます。手足は相変わらず冷たいけど、気分的にほっこりしてきます。
稜線まではほぼ無風の状態でした。途中水筒の飲み物とかも飲めたほど。でもさすがは硫黄岳。頂上までの道のりがこのまま続く訳ではありません。稜線上に出るとさすがに強風です。途中飛ばされそうになる部分もあるので、ピッケルをしっかり効かせながら行きます。でも最後の岩が少しごつごつしたところを上がればすぐに山頂でした。山頂からの景色は周り一面全貌がくっきり見える状態。このままもう少しここで見ていたい気分でしたが、強風に舞った氷の粒が飛んでくるので早急に下山です。これが痛いのなんの。ここでもあまり写真がとれませんでした。もちろんパノラマとかにする余裕なし。稜線上は風が強いものの、それほど長い距離でもないので厳しい時間は1時間弱といったところでしょうか。下りだと樹林帯に入ると、手足の感覚も比較的早くに戻ってきました。前日の天気と比較すると、こんな青空の中、もう下山してしまうのは惜しいような気がします。ご一緒させてもらった女性の方が、ここはお尻で滑って行く道だねと言うので、せっかくなので挑戦してみることに!やってみると思った以上に楽しくて、はまってしまいました。すごく楽しい時間が過ごせました。きっと一人だったらお尻で滑って、、、とかやらなかっただろうな。いい事聞きました!数回滑り台を滑ったらあっという間に赤岳鉱泉。このまま女性は下山するとの事。私は赤岳鉱泉で美味しいというカレーライスを注文。体も心も温まり、ゆっくりしたところで美濃戸口へ下山開始です。
下山の途中、たくさんの登山者とすれ違いました。みなさんお正月をここで過ごすようで、すごい荷物を担いだ方ばかりでした。そして、ピンクのリボンで道標をつけている方ともすれ違い、お仕事の現場を目撃!!嬉しい!この仕事、たくさんの登山者の支えになってますよね。登山道でリボンが無い時の不安な気持ちとリボンを見つけた時のうれしい気持ち。誰でもが少なくとも一度は感じた事だと思います。(私は一度や二度ではなく毎度ですが。)お礼を言う間もなく、さささーと通りすぎて行ってしまいました。珍しい光景を見たことに少し浮かれ気分でしばらく歩くと、美濃戸口到着です。美濃戸口のお風呂に入り、バスに乗り、茅野駅でそばを食べて今回の旅が終了となりました。今回も盛りだくさん、たくさん学んだような気がします。そして他に買い足しが必要な道具類なども新たに出てきました。散々買ったつもりだったのにまだまだ買い揃えなくてはいけないものがあったとは。。。買うものは尽きないなー。お金は尽きちゃうけど((+_+))。 これから少しずつ買い足ししていこうっと。
おしまい。
良い山行になったようですね。
私はその頃飛騨高山で活動してました。
あとで秘密山行記録でアップしますので見てください。
そうそう、四月に谷川岳一ノ倉スノーシューハイキングを計画中ですが、予定が合えば行きませんか。
bちゃんさん、4月の谷川岳スノーシューハイク、是非是非ご一緒させてくださいっ!!(> <)
極力ご迷惑をかけないようにせめて準備だけでも万端にしておきますっ。
そして、飛騨高山の秘密山行記録、何やら謎めいているところが気になります。こちらも楽しみにしています。
には、五竜で一緒になった夫妻やおっさんやじいさんやにいちゃんやらが参加予定です。
高山は今日あたりにアップし、随時画像追加予定です。
初めまして。
クリスマス前に硫黄岳に登りました。現在の南八ケ岳の様子を知りたくて情報を探していて、レコを読ませていただきました。
あまりに現実的で等身大の描写に、知らず知らずのうちに引き込まれていました。その時々の気持ちや感情を素直に書かれていてとても好感を持ちました。表裏なく誇張もなく表現されているそのスタイルに共感します。
islaycaskさん、コメントありがとうございます。いつもポイントが絞れず長文になってしまうので2014年は少し内容をまとめてからupしようかと思っていました。
お叱りのコメントならいざ知らず、お褒めいただけるなんて、予想していなかったので驚きとともに、嬉しくもあり恥ずかしくもあります(///▽///)
ところでですが、islaycaskさんのブログを読ませていただいたところ、写真も文章もすごく上手くて、ちょっと前に浮かれた自分が恥ずかしくなりました…
更新また楽しみにしています!
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