蔵王(七ヶ宿町長老〜不忘山〜屏風岳〜刈田峠〜刈田岳〜熊野岳〜ユートピアゲレンデ〜樹氷高原駅)
- GPS
- --:--
- 距離
- 17.9km
- 登り
- 1,656m
- 下り
- 1,016m
コースタイム
過去天気図(気象庁) | 2010年05月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
蔵王温泉バスターミナル→山形駅 \980 山形→新宿 \5,780 + 指定席特急券 \5,050 |
写真
感想
今回事情があって行きの交通は説明なしです。
さて、とある方のご厚意により車で登山口まで送っていただきました。バス停から歩くと1時間近いかもしれません。登山口は小さな小屋に水、駐車場があります。そこからやや右寄りに進むとしっかりした登山道が見えてきます。まだ5時前ですが十分明るい。最初はとにかく真っ直ぐ登ります。といっても決してきつい訳ではありません。快調に登っていくとぐんぐん高度は上がり、背後に長老湖が見えてきました。前方にはときおり不忘山のとがった山頂が望まれ、もしかすると天気良かったりして・・・とか期待してしまいます。
やがて足元がいかにも火山性の様子を示してくると、一気に森林から抜け出しました。だんだん風が強くなってきたなあ・・・とか思っていたらあっという間に濃い霧に巻かれて回りは真っ白になり、体が濡れるので合羽を着たのですが、その間にぐんぐん風が強くなって、吹き飛ばされそうな勢いに。何とか登って行きますが、かぶったフードが左のほほにぺったりと貼り付いています。それでも必死に登って分岐を過ぎ、さらに必死に登って不忘山の山頂に到着しました。
寒いなあ・・・と強風の中呆然としていると、目の前の低木に氷がたくさんくっついています。目を疑いました。余り良くない視界に浮かぶ前方の稜線をみると、ほとんどの木が氷で真っ白になっています。しかもいやになるほどの強風。こりゃ撤退しかないかな・・・と、しばらく風をよけて木の陰に座りながら思案していました。引き返してあの強風の中下るのもなあ・・・。
悩んだ結果出した結論は「前進」。理由は、この先はアップダウンもほとんどない稜線一本で、3時間くらいで刈田峠まで行けるのだから、むしろ安全かも・・・というものです。
まず南屏風へ向けて僅かに下ってからちょっとずつ登って行きます。強風に吹かれたのは最初だけで、すぐにハイマツ帯の中に溝を切ったような道となり、うまく風がよけられます。しかもひたすら一本道で迷いようもなし。
こりゃラッキー、といそいそと歩いて行きます。南屏風を過ぎ、さらに少しでも体をあっためようと飛ばしていくと、分岐を一つ越えて屏風岳に着いてしまいました。展望全くなし。
この辺になると道の右側斜面は雪が残っています。しかもある程度行ったら一気に切れ落ちてる感じで恐怖感があります。さすが「屏風岳」ということはありますね。後烏帽子への道をわけ、芝草平への下りで雪が出ました。アイゼン着
用して無難にこなします。この先は断続的に雪が残っていて、アイゼンを片手にぶら下げながら、着けたり外したりしながら歩いて行きます。やがて目の前が真っ白な平原・・・と思ったらそこが芝草平です。割と雪は残っていますね。
花など全くありませんでした。この辺は木道なので安心。杉ヶ峰への登り。この辺は名前のとおりハイマツ帯からシラベかなんかの樹林帯です。その分雪もかなり多く残っています。道がすっかり隠れてしまいルートファインディングに緊張感が出てきます。リボンとか靴跡を慎重に探しながら登り、それを越えると再びハイマツ帯となって前山。ここから道は明瞭な下りとなって、そろそろゴールも近いか、と感じられます。そして避難小屋への分岐を過ぎ、道は登りになります。踏み跡というかスキー跡がかなり多くなってきました。ときおり急なところもある登りをこなすと車道に出てきました。着いたあ、という感じですね。
ここから刈田岳まではすぐだろ、と思って登り始めましたがやや甘かったようです。どうもこの部分はほとんど人が通っていないようで、泥だらけだし滑るし。しかも意外に遠い。それでもなんとか登って行くと、やっと山頂です。大きな石塔みたいのが建ってたりしますが視界が悪くて良く見えません。しかも回りはすっかりはげ山になってしまって、風がまともに吹き付けてきます。寒さで鼻水も出てくるし、お宮にお参りだけして早々に退散。
レストハウスがあります。観光バスが停まっているし一安心。結構観光客の人たちもいます。ここならバスも来るし、もう「今日は終わり」と思って合羽も脱いでちょっとゆっくり。
さて、帰りのバスの時間は・・・と調べるとなんと1時。まだ9時なんですよね。4時間…。
かなり迷ったのですが、車道を下っても蔵王温泉まで行かない限り同じことだし、結局地蔵岳へ行くことにしました。
「早く帰るために登る」というなんかおかしな感じになってます。一旦しまった合羽を再度着込み、誰もいない熊野岳への道を行きます。50mも行かない毎に遭難防止のためか柱が立っているのは実に助かります。それにしても3本先はもうかすんでいるひどい状態でした。
軽く走るような感じで歩いていくと分岐になりました。熊野岳山頂へ行かないバイパスルートもありますが、こういうときは尾根行ったほうがいいんだろうな、と山頂方面へ。間もなく山頂へ。何も見えないし、感動もないし、とにかく先を急ぎます。
熊野岳からの下りはこれまでほど分かりやすい道ではなくなり、石ゴロゴロの道です。ペンキ印に従って歩きます。ところどころ氷か雪かが石についていて印と間違えそうになります。やがて立派な石畳の道と合流しました。どうやらさっきのバイパスの方がもっと分かりやすかったみたいですね。
そこからしばらく行くと一部木も出てきて今までほどは風が気にならなくなります。ワサ小屋跡に出ました。強風のため地蔵岳からのロープウェイは運休かもしれないと思い、樹氷高原までは登山道を行くことにしました。ここからの下りは風もやみ、斜面につけられた穏やかな道となります。僅かに雪渓を横断するところもありました。滑ったらどこまで行くか分からない感じなのでアイゼン着用でゆっくりと進みます。道は完全に樹林に入り、雪も再び出てきました。一部登山道が隠れて分かりにくくなっているのでじっくりと。ときおり木道が顔を覗かせているのでそれが良い目印になりますね。
いよいよ雪もなくなって、いろは沼に到着。ここで今日初めて人とすれ違いました。天気悪いのは確かですけど、いくらなんでも少ないような気もしました。観松平でいろんな松に感心しながら歩くと、目の前は一気に開けてゲレンデに。リフトが動いていたので乗ろうかともおもったのですが、もうちょっとだけだしゲレンデを歩いて下って樹氷高原駅にやっと到着です。
南蔵王は本当に平らな道が続いていて、天気が良かったらどんな感じだったんだろう、と思うと少し残念です。
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