庄部谷山〜芦谷山〜野坂岳☆山毛欅の美林が失われる前に
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- GPS
- 08:49
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,229m
- 下り
- 1,215m
コースタイム
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年02月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
新庄のどんぐり倶楽部を過ぎて山側の余地に除雪して駐車。 ※どんぐり倶楽部前の駐車は控える(催事がある) |
コース状況/ 危険箇所等 |
■取付き尾根は朝はクラストしている。庄部谷山南東尾根までスノーシューで足首ぐらいの沈み。標高450からブナ林が出現 ■庄部谷山南東尾根〜芦谷山分岐(Ca850):よく締まっている、ブナ回廊が続く。 ■芦谷山分岐(Ca850)〜ジャンクションピークP806:灌木は埋まり雪庇が発達、眺望がよい ■J.P.806〜野坂山:よく締まっている。ブナ林、山頂直下は大雪原と化している。 ■一ノ岳〜憩いの森:直下の尾根分かれは直進せず北東尾根へ。急坂注意、以降はグサグサの雪 |
写真
皆さんに心配かけないようにポーカーフェイスキメてました。水分とカロリー補給しながら回復させました。 s
感想
風力発電事業でブナが伐採される前に庄部谷山から野坂岳を歩こうと、yamanekoさんが計画されたのだがロングなので躊躇していた。無理なら途中で引き返しましょうと甘い罠に乗って同行することになった。今回はいつものyamaizuさんhanaさんと、初めてご一緒するsimonmasakiさんも居られるので心強い。
取付きは美浜新庄のどんぐり倶楽部の裏手、初めてのルートなのでワクワクする。送電線の巡視路なのか所々にマーキングもある。尾根に乗るとクラストしていて歩きやすくなった。スノーシューのカリカリ音が心地よい。Ca450mからはブナ林が現れる。大岩を巻いて上がると雲谷山と若狭湾を望む絶景が飛び込んで来る。
黒谷山から上がってきている主尾根に乗ると、カエデやリョウブに混じって壮麗なブナの巨樹が現れだし感嘆の声を上げる。斜度も緩やかで雪は締まっているので広い尾根はどこでも歩ける。庄部谷山へは何度も訪れて地形が分かっているので気持ちに余裕が出て来る。山名板も雪の下で積雪は2m越えといったところか。
いよいよブナ回廊が続く稜線歩きの始まりだ。下生えがないので一段と美しい景観なのだ。しんどいはずなのに勝手に足が前に出る。やがて芦谷山分岐ピークに差し掛かると今日の野坂山へのルートが一望できる。この吊り尾根は無雪期は藪で歩きにくい所なのだが苦痛を感じない。綺麗な雪庇尾根からは高島トレイルや伊吹や金糞などがクッキリと見渡せる。
やがて尾根は広くなると無粋な風力発電の風況観測塔が現れる。このCa830ピークはブナの巨樹が林立している。このタワーを建てるために既に十本以上のブナの巨樹が伐採されているので嘆かわしい。
野坂南尾根のジャンクションピークでyamanekoさんからnaojiroさんどうしますか!?と天のお声が・・。時刻は12:07だ。もう行くしかないでしょうと先をお願いする。野坂への200mの登り返しがあるが、2週間前に歩いているので何とかなるでしょう。
芦谷山までいつもは見えない東側には、江美国境稜線が随所で望めるという贅沢な稜線歩きなのだ。しかし腹が減ったー・・‥。芦谷山に着いたら嬉しいランチタイムだ。yamanekoさんから豚肉入りのポルトガル風豆ごはんを振舞って頂く。酸味が効いて美味しい。simonさんからは敦賀ふわっせ、hanaさんからは苺大福を頂く。これで疲れた身でも頑張れるというもの。
野坂山までは更にブナ回廊が続く。最後の登り返しも何とか凌ぎ山頂に到着することが出来た。今日、歩いて来た尾根を見渡しながら感慨にふける。以後は一ノ岳の北東尾根をそのまま下って行く。グサグサの雪に踏ん張りがきかず、尻餅を突きながら下山したのだった。ルート造りをして下さったyamanekoさん、気遣いを頂いたsimonさん、優しいyamaizuさんhanaさんに感謝申し上げます。。
今回もyamanekoさんが計画して下さった山行に同行させていただきました。
無雪期に庄部谷山、野坂岳までの縦走路、共に歩いているのですが、雪の時は印象が全く違い、初めて訪れたように感じました。
ブナの大木、ブナの美林、穏やかな雪原、どれも素晴らしいんです。
無雪期はそれ程無かった眺望も素晴らしい!!
めちゃくちゃ素敵なコースです。
芦谷山では雪庇の陰で待ちに待ったランチタイム
yamanekoさんよりポルトガル風豆ごはんフェイジョアーダ(絶対に覚えられない名前だ💦)をご馳走になりました。これが絶品✨食べた事がないお味ですんごく美味しいんです。
simonmasakiさんから頂いたお菓子もうんまい!ふわふわでトロンとしてて。
ランチの後にみんなで記念撮影。これが寒い!!
ランチは雪庇の陰でポカポカと幸せタイムでしたが、芦谷山の絶景ポイント(つまり稜線)は風が吹き付け寒いのなんの。
なんとか野坂岳に到着したのは3時を過ぎていました。
きっとお昼過ぎくらいまでは大賑わいだったであろう山頂は男女ペアの方が一組いらっしゃるだけ。
いいタイミングだったと思います。
山頂からはぜ〜んぶのお山が見渡せます♡
ここでnaojiroさんからプチシューの差し入れ。めちゃいいタイミング♪
下山は普通じゃない尾根で。
踏み固められたメジャールートを下るより楽しいのであります♪
今回も本当に素晴らしい山旅でした。
yamanekoさん、naojiroさん、simonmasakiさん、yamaizuさん、ありがとうございました。
楽しい充実した一日でした♪
前回、yamanekoさんから藤倉山〜山中峠の山行にお誘い頂いたのですが、所用で参加出来ず。
そのことが残念で、ショボくれていたところに、yamanekoさんから再びお誘いのメッセージが!!!
もちろん即OKと返答👌
約1ヶ月のブランクに今期初のスノーハイク、豪脚の皆さんについていけるか少々心配でしたが、楽しみの方が勝っていました。
山では終始青空だったけど、場所によっては風が吹き、体感温度はマイナスに感じられました。
作業をするのにテムレスを外すと数分で手の感覚が鈍くなるほどでした。
おなかペコペコのお昼時には、yamanekoさんのオシャレランチ(料理名は覚えられない😅)を始め、皆さんからの差し入れもあって、楽しい時間を過ごせました。
こんな良き日に、雪山山行に誘って頂きありがとうございました。
また、面白そうなプランが練れましたら、誘っていただけると嬉しいです😆
原子力発電が完全に斜陽となる昨今、福井県の各地で大規模な風力発電計画がいくつも進行している。哀しいことにその計画のほとんどがブナの美林が広がる稜線だ。今季の冬山は近い将来、風力発電のために失われることになるブナの美林を訪ねることを最優先に考える。
庄部谷山から芦谷山にかけての尾根もその一つであり、これまでに庄部谷山には過去4回訪れているが、最後に訪れた一昨年の晩秋は野坂岳から三国岳へと続く若越国境稜線の手前ca830mピークに風況観測計を立てているところだった。以前はブナの大樹が立ち並ぶ壮麗な樹林が広がっていた場所ではあるが、辺りには伐採され寸断されたブナの樹々が無残に散乱していた。この稜線に立ち並ぶブナが同様の運命をたどることになる日もそう遠くはないのだろう。
庄部谷山に登るのは南の折戸谷林道が除雪されていないので、この時期は必然的に西側から登ることになる。美しいブナの樹林が続く芦谷山まで行きたいところであるが、ここまで行くと出発地に戻るのと野坂岳へと縦走するコースとほぼ距離が変わらない。先週末にはかなりの降雪があったであろうから、縦走できるか否かは雪のコンディションにもよるところが大きいだろう。縦走の可能性を見越して粟野のいこいの森の駐車場に車を二台デポしていただく。
当日の朝、美浜での待ち合わせの時間まで少しの余裕があったので三方五湖の一つ、久々子湖の畔に立ち寄ると庄部谷山と野坂岳の間から朝日が登ってくるところであった。美浜で他のメンバーの方達と合流し、庄部谷山のシルエットを眺めながら耳川沿いを南下する。庄部谷山が近づくにつれて道路脇の積雪が急に増えてゆく。除雪されている道路余地がほとんどないので、まずは車の駐車場所が問題となる。
どんぐり倶楽部の前には除雪された駐車場所があるが、キャンプ客用であり、駐車禁止と記されている。naojiroさん達にここで待機してもらい、駐車出来そうな場所を探しに先に進むが、丁度、どんぐり倶楽部の方が車で通りがかり、ここに車を停めてはいけないと釘をさされる。2〜300mほど南下したところに車1台半ほどの除雪された道路余地を見つけることが出来た。naojiroさんの車から早速にもスコップを取り出すとsimonmasakiさんがスペースを広げて下さる。
まずは送電線巡視路を辿ることになるが、巡視路の取付きにはピンク・テープがつけられている。植林の中に入るとすぐにも急登となり、巡視路は谷に沿って登ってゆく。雪は水分が多く、全く締まっていない。しばらくすると左手の尾根を目指してトラバース気味に登ってゆくと尾根上に送電線鉄塔が見えてくる。
送電線鉄塔を左手に見ながら尾根を登ると、標高点351のある尾根に乗る。ここからはしばらくの間は送電線の下となるので、樹木の伐採された見晴らしの良い尾根となる。潅木が生えてはいるが、潅木の間に送電線巡視路のための切り払いがある。折しも尾根の上から朝陽が顔を出す。振り返ると朝陽に照らされた新庄の大規模の変電所と美浜の海が眼下に望む。
ca410mの送電線鉄塔を過ぎると自然林の疎林の快適な尾根となるが、すぐにもca500mのあたりから急登が始まる。尾根の斜度が緩くなり、一息ついたのもつかの間、ca620mでは尾根を塞ぐように立ちはだかる大きな堯覆ら)が現れた。
尾根の左側から瑤魎くと景色は一転し、なだらかな斜面に囲まれて小さな谷の源頭部が忽然と現れた。斜面から立ち上がる樹々の落とす樹影が雪面に複雑な模様を描いている。「なんていいところなんでしょう」とhanaさんが溜息混じりに感嘆の声を洩らす。
巻いてきたばかりの瑤謀个辰討澆襦y瑤両紊らは西側には雲谷山から大日岳、大御影山に至る大展望が広がった。右手には再び蒼い美浜の海が見えている。
先ほどの小さな谷間に降りると、雪の間から源頭の小さな流れが顔を覗かている。この流れの先には一体、どのような光景が広がっているのだろうと自然と期待が膨らむような景色だ。谷間の小さな雪庇から跳んで対岸に渡渉すると、左岸のブナの樹々が立ち並ぶ緩やかな尾根を登る。小さな丘陵の上に達すると山の陰から抜け出し、眩いばかりの朝陽が降り注ぐ明るい樹林となった。
桧ノ木谷とも呼ばれる黒谷左俣の右岸の尾根と合流するとしばらくは樹高の低いブナの若木の樹林となるが、随所に若木を従えて主のように屹立するブナの大樹が現れる。中にはあたかも雪面から株立ちしているかのように見える樹が現れる。積雪が深いせいで、実際には雪の下に樹の幹が埋もれているのだろう。
尾根が大きく曲がるポイントCa800mは二つの小さなピークが東西に連なっている。杉の樹が立ち並ぶ西側のピークを過ぎて東側のピークp804に向かうと、無雪期は灌木の藪が広がっていたところだと思われるが、潅木はすっかり雪に覆われて好展望のピークとなっており、すぐ近くになだらかな庄部谷山の山頂を見上げる。南には大谷山から赤坂山を経て三国山に至る江若国境の稜線を望むことができる。
小さなコルを過ぎるて桧ノ木谷の左岸尾根との合流点、ca830mに登りかえすと、ここは再びブナの高木が立ち並ぶ広々とした台地になっている。左手に樹間から美浜の海を見ながら、あとはひと登りで庄部谷山にたどり着く。
庄部谷山の山頂はいくつかの山名標があった筈であるが、いずれも雪に隠されているのだろうか、山名標は見当たらない。山頂の北側からは横谷川が刻む深い谷間を挟んで彼方に野坂岳の大きな山容が視界に飛び込む。その右手には彼方に雲のような純白の山が見える。白山だ。庄部谷山の山頂で一息つくといよいよ国境稜線にかけての風力発電が計画される尾根に足を踏み入れる。
次のピークca860mにかけての鞍部を過ぎると尾根には広々としと雪原が広がる。右手には大御影山、三重獄の好展望が広がる。尾根に広がる雪原はなんとも快適なところではあるが、果たしてこんな広々として雪原に変わるような場所があっただろうかと無雪期の記憶を探る。雪が低木を覆い尽くした結果であり、ブナが既に伐採された後ではなければであれば良いのだが。
ca860mのピークはブナの高木の壮麗な樹林が広がり、庄部谷山から東に伸びる稜線の中でもブナの樹林がとりわけ美しいところだ。この美しい樹林を再び目にする機会があれば良いのだが、この樹々もまもなく伐採される運命にあるのだろう。
ca850mのピークで大きく北東に向きを変えると、風況観測計が立つca830mへの吊尾根を進む。尾根は右手に雪庇が張り出した尾根となり、好展望が続く。ふと尾根の左手を見ると風が雪を吹き飛ばしたせいだろう、雪の中から真新しいブナの切り株が姿を見せていた。
風況観測計の立つca830mに到達すると、先述のようにここはブナの大樹が無残に伐採されたところだが、雪がブナの切り株を覆い隠しているせいで痛々しい光景を目にしなくても済む。風ものなく陽射しが暖かく感じられるところではあるが、風況観測計の周囲は妙に寒々しい雰囲気であるの致し方ない。
ピークの東斜面はリョウブの低木が密生するところだが、リョウブの樹々はすっかり雪に埋もれており、若越国境との鞍部に向かって快適に緩やかな雪面を下降してゆく。
ジャンクション・ピークは再びブナの高木が立ち並ぶところだ。時間は12時過ぎ。naojiroさんにランチの場所のご判断をお伺いすると「芦谷山まで行きましょう」とのこと。つまりは野坂岳への縦走が決定されたということだ。
ここから芦谷山にかけてはブナの高い梢が織りなす壮麗な穹窿の下を歩いてゆく。小さなアップダウンを繰り返し、芦谷山のピークに辿り着く。山頂から東側に張り出した雪庇の上からは、芦原岳と三国山との間に芒洋とした琵琶湖が広がっている。その東には乗鞍岳の先に伊吹山、金糞岳と続く江美国境の山々の展望が大きく広がる。
なだらかな山頂にはkitayamawalkさんによる真新しい山名標が設置されていた。山頂は北西から冷たい風が吹いているので、雪庇の下に降りると風は全く感じられなくなり、陽射しが暖かく感じられる。目の前に広がる展望を眺めながらランチ休憩をとることにする。まずはファエジョアーダを温める。
フェイジョアーダはポルトガルを代表する豚肉と豆の煮込み料理だ。日本ではポルトガル料理は食する機会は滅多にないので全く馴染みのない料理と思われる。この料理を知ったのはイタリアの作家、アントニオ・タブッキがポルトガル語で書いた小説「レクイエム」の作中で紹介されていたからに他ならない。先日の藤倉山への山行で出遭った福井山岳会のH川さんがブログでこの本のことを紹介されおり、前日に料理を仕込んでおいたのだった。
ポルトガル版ポーク・ビーンズといえばそうなのだが、豆に含まれるミネラル成分のせいだろうか、疲労回復にはとても効果的な気がした。hanabanaさんからは苺大福、simonmasakiさんからは敦賀の小堀製菓のみかんのフワッセなるお菓子を頂いて、すっかり満腹になるが、フルーツのお菓子も山の上では取り分け美味しく感じられるものだ。
芦谷山の山頂に戻るとその北側からは樹間から野坂岳が正面に大きく望むことが出来る。庄部谷山から望む野坂岳に比べると、かなり近づいた印象がある。一昨年の晩秋の山行の時はここでnaojiroさんやflatwellさん、yonedaさん、hamahakoさん、hareyamaさんらと共にランチ休憩したところでもある。いよいよここからは野坂岳を目指して縦走の後半が始まる。
芦谷山からは茶屋谷山への鞍部にかけて急下降となる。この尾根を南下してきた場合、この登り返しは壁のように感じられるところだ。
鞍部からは緩く登り返して茶屋谷山に到着する・・・とはいえGPSで確認しなければそこが茶屋谷山の山頂とは認識出来ないような単なる通過点のようなところだ。意外ではあったが茶屋谷山からはスノーシューとワカンのトレースがある。雪の上にトレースが多くつけられているのは残念ではあるが、途端に歩行が楽に感じられる。
ここからは山コースへの分岐に至るまでは広々とした尾根にはブナの疎林が続く。無雪期はユズリハの藪が続くところではあるが、ユズリハの藪は全て雪に覆い隠されており、快適な尾根歩きが続く。
山コースへの分岐に至ると当然ながら尾根上のトレースの数が増える。送電線鉄塔を過ぎるといよいよ野坂岳への登りが始まる。ブナの樹林の痩せ尾根、急登ではあるが、しっかりとしたトレースがあるせいか前半の送電線尾根から庄部谷山への登りに比べれば遥かに楽に感じる。ひとしきり急登を登りつめた先のp797のピークにはひときわ大きくシンボリックなブナの大樹があるので、ここに遥拝する。p797からはしばらくはブナの樹林のなだらかな尾根が続く。
最後の野坂平にかけての登りに差し掛かると、樹林帯を抜け出して雪原が広がる。好展望が広がり、背後には庄部谷山から延々と辿ってきた尾根が一望のもとだ。右側には・・・、パノラマを見ながら蒼空に向かって伸びてゆく雪稜を辿るのは、この日の長い縦走を締めくくるのに相応しい充足感と高揚感を感じさせてくれる。
野坂岳の山頂は多くの踏み跡で広い山頂広場の雪はすっかり踏み固められおり、日中はかなり多くの人が訪れた気配があるが、1組の男女のペアがおられるのみだった。山頂の北側からは眼下に敦賀市街と敦賀湾を大きく見下ろし、北西には庄部谷山以来、再び紺碧の美浜の海を望む。常神半島から西の若狭湾の上には雲が広がっているが、雲からかすかにこぼれ落ちる午後の光が海に幻想的な色合いを与えていた。
野坂岳の山頂を後にすると再びブナの高木の壮麗な樹林を下降する。この日、朝からふんだんに堪能したブナ林の最後のリフレインだ。ブナの樹林はすっかり山影に入っている。登山道は踏み固められたガチガチのトレースとなっているので、しばらくはスノーシューを外す。
北尾根を辿るとかつて電波塔のあったp746を過ぎても尾根上には踏み固められたトレースが続いているので、果たしてこのマイナーな北尾根ルートを多くの人が往来したのだろうかと怪訝に思ったが、どうやらトレースは行者岩の方に向かって斜面をトラバースしていくようであった。
北尾根の上部は斜面には樹々が疎らにしか生えていないので、眼下に敦賀の市街と敦賀湾を見下ろしながら下降してゆくことになる。斜面を下り始めると、登りのワカンによる一人分のトレースがあるばかりだった。
尾根が高度を下げるに従って敦賀湾の光景は樹林の中に隠れ、あとは延々と雑木林が続く。この樹林が意外と長く感じられる。昨年、この尾根を登っているのだが、尾根の印象がまるで異なるのは雪が多いからに他ならないだろう。雪は降るにつれてかなり腐れ気味ではあったが、キャンプ場に至るまで雪が続いていた。
駐車場でhanaさんとお別れして車の回収のためにsimonmasakiさんの車で美浜に向かうと美浜湾の彼方に夕陽が沈んでゆく。再び耳川に沿って新庄へと南下すると庄部谷山の白い山肌が仄かにピンク色に染まっていた。
数多くの素敵な光景に巡り合うことが出来た山行ではあったが、庄部谷山から芦谷山にかけての
稜線の光景が素晴らしいだけに、なお一層のこと近い将来に失われることになるこの稜線の樹林の景色が切なく思われるのだった。
※今回のフェイジョアーダのレシピ
ニンニク2かけ、玉ねぎ1、厚切りの豚バラ肉
solleoneのミックス・ビーンズ(金時豆、白いんげん豆、ひよ子豆)1パック
1)ニンニクをオリーブオイルで炒めた後、玉ねぎのみじん切りを炒める。
2)玉ねぎがしんなりしてきたら塩小さじ1.5、クレイジーソルトを少々を加え、短冊状にスライスした豚バラ肉を炒める。
3)豚肉の表面が色が変わったところで豆の水煮1パック投入し、あとは20分ほど煮込んで完成。
レクイエムをご紹介されているH川さんのブログ
http://hayakawa-tobe.net/?p=1011
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