槍穂周回ワンディ(飛騨沢-槍ヶ岳-横尾本谷-涸沢-奥穂-白出沢)
- GPS
- 19:09
- 距離
- 33.6km
- 登り
- 3,924m
- 下り
- 3,905m
コースタイム
- 山行
- 16:35
- 休憩
- 2:24
- 合計
- 18:59
天候 | 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
その他周辺情報 | 荒神の湯 |
予約できる山小屋 |
槍平小屋
|
写真
感想
日曜トラとホワイトアウトで敗退した槍穂、水曜にコーエーを誘いリベンジしてきた。やると決めたら必ずリベンジするのがポリシーだ。
寝不足確定でコーエーと運転を変わりながら新穂に23時半に着いて板を担いであるき出す。闇夜の右俣林道をカットしてズンズン進む。白出から先の夏道も雪は途切れるので適当に河原を降りた。
貸し切りの槍平はめちゃ寒かった。冬期小屋で休憩して飛騨沢をGO、中崎尾根には単独行のライトが一つ見えたがその後姿が見えなくなった。引き返したか?
今日の飛騨沢は雲ひとつなく水曜が嘘のよう。風も強くなくて飛騨乗越からは槍もドン、最高の登山日和になった。自分は数え切れないくらい雪の槍に登っているがコーエーは初めてで少し緊張気味、二人で無事ピクって大展望にマンダム。
肩の小屋も小屋開け作業中、肩の小屋から槍沢を快適滑降して天狗池経由で鞍部まで200m登り返す。横尾本谷はスベスベで快適に二股まで落ちていく。
ダイナミックな景観であった。二股からはもう日が昇り熱くて上着を風通しの良いペラペラに替えて白出のコルまで根性の登り、登山者2名がザイテンタールで力尽き引き返してきていた。
200mごとに先頭を変わりトレース作成していたが2900mで雪が固くなりコーエー進退窮まっていた。もっと早くアイゼンに替えなきゃ駄目ですよ。
2時過ぎ白出のコルに着いたが奥穂へ行くしかない!雪壁は少し緊張するがコーエーは初めてかなりビビっていた。取り付けば大したことないよ。
3時すぎ無事奥穂をピクリ、さあ急いで帰らないと暗くなっちゃう。白出沢が核心なんです。上部は少し雪がなかったがクライムダウンして板を履けばこっちのモン、スベスベ斜面を快適に落ちて行く。
中間以降デブリや石もあるが沢の端っこはスベスベだった。大滝の巻はアドベンチャー、頭大の石が顔をかすめた時はマジ生きた気がしなかった。コーエー気をつけてね。
無事林道に合流できた時は安堵した。林道はガンガン下ったがもう足が売り切れたコーエーは暗闇の下山となった。二人荒神の湯で汗を流して仲良くキカーン!
ワンシーズンに劔周回、オートルート、槍穂のビック3を完登してYSHR大満足のシーズンでした。
先週は天候不順で流れた槍穂ワンデイ周回、日曜日に先生たちは決行したが槍でガスに見舞われ槍のみになった。水曜も快晴が約束されていて前日前々日の天気も安定しているので絶好のコンディションだろう。
どちらも無雪期には登ったことがあるが、槍は2回ともガス、奥穂高に至っては雨と折角の迫力のある景色を見ていない。それを一度に楽しめるこのコースをおさらいしようと先生の記録を見た。過去2回この周回を行っているがどちらも17時間越えでかなりハード。特に何も考えずに返事したことをちょっと後悔したが、まだ厳冬期の槍も行ったことがないのでまずは残雪期の槍で経験を積もう。
前日21時30分に医院に待ち合わせて新穂高を目指し、23時30分に新穂高を出発した。槍までの道のりは滝谷の渡渉が核心と思っていたが、思ったより水量がなく石も乾いているので問題なく渡渉できた。槍平小屋で休憩し、そこからはひたすら飛騨沢を詰めていく。昨年の立山川を詰めている時も室堂乗越の稜線が見えてからが長かったので酷い眠気に襲われたが、今回も飛騨沢から酷い眠気に襲われて半分眠りながら歩いていた。
飛騨乗越が見えてくるあたりから白んできてだんだんと気合が入り眠気も吹き飛んできた。飛騨沢はスベスベで最後はクトーをつけたがスキーで登ることが出来た。そこから小屋まではアイゼン歩行となるが、夏道を行くのかと思っていたら槍沢の方を巻いて進んだ。ここは落ちたら岩にぶつかり怪我ではすまないのでかなり緊張しながら歩いた。小屋に着いた頃には先生は準備完了で感動する暇もなく山頂アタック。厳冬期と違いブルーアイスはないが、所々に雪がついているので慎重に登った。3度目の槍ヶ岳は360度景色が見渡せることが出来て感動。下山はさらに慎重に。
槍沢はちょっと固いがモナカとかではないので滑りやすい。天狗池あたりでシールを貼り200m登り返す。すでに日が昇り暑くなっている。鞍部に出ると大展望が広がっていた。右俣から横尾本谷を滑り、涸沢との出合1900mでシールをつけて涸沢に登り返す。この標高差800mの斜面がスベスベのザラメで気持ちよく滑ることが出来た。
楽しんだ後は穂高岳山荘まで1100m、そこから奥穂高まで190m登らなければいけない。200m交代で先頭を歩いた。涸沢小屋までは斜度が緩いので時間はかかるがいい景色を見ながら歩ける。涸沢小屋を過ぎて急に斜度は増す。下の方は緩んでいるので問題なく歩ける。標高が上がると段々下地は固くなりエッジがずれることもあった。雪の温度も急に下がったのかシールに下駄も出来てくる。
2900mあたりから夏道のある尾根上を行きたかったが風の通り道なのかここだけ固かった。それまで雪は柔らかかったのでクトーをつけていなかったら、固いところを進むと進退窮まった。ここで滑落するとどこまでも落ちるし、運よく怪我がなかったとしても落ちたらもう登り返す気力もない。なんとかとどまって板を脱いでブーツで蹴り込んで足場を作りアイゼン装着。スキーでの登行やアイゼン登行で落ちてはいけないというプレッシャーでかなり神経をすり減らした。
無事コルまで着いたときにはここまでの神経の消耗と実際の雪壁を見て恐怖心が出たので奥穂高に登る気持ちはなくなってしまった。しかし行かないのも後悔するという葛藤があった。一度先生にここで待っていると申し出たが、やはり行けるところまで行って本当にダメと思ったら引き返すことにした。行かないと言いつつも弱点はないか探っていたので雪壁も攻略できた。最後に核心はあったものの無事登頂。帰りの不安もあったので絶景も上の空…覚悟を決めて下山。核心も怖がらないでやることをしっかりやれば問題ない。無事穂高岳山荘まで戻ることが出来た。
まだ核心は終わっていない。暗くなる前に核心を過ぎなければいけないので小屋をあとにする。白出沢は上部の雪はないが下にはどっさりある。上から見てもデブリが堆積しているのがわかったので楽しいのは最初だけと割り切った。核心は大滝の巻きで夏道を利用して荷継沢の方に出なければいけない。夏道の入り口は出ていたが途中から雪が出てトラバース気味に進む。雪切れもあるので板を担いだりもした。雪渓は見えたのでそこに行けばいいのだけれど崖のような斜面で脆い岩や枯れた木が多くホールドが少ない。何とか合流点が見つかったがここも脆い岩があり落石を起こしてしまい先生をかすめて落ちて行ったので本当に焦った。帰りの車で最初にこのルートに来た時はロープを出したと聞いた。いつも15mのロープを持っているのでこんな時に使わないといけないと思った。
板を履けばもう大丈夫。デブリで沢が埋め尽くされているが、端は平らなところもあるので上手く滑る。沢が広くなり斜度が緩むと雪は増え左岸を快適に滑って無事林道に合流出来た。林道の雪をつないでなんとか暗くなる前に帰還することが出来た。
今回はかなりの経験値を積むことが出来た。厳冬期はラッセルもあるので先頭を交代しながら進むが、残雪期は先生が先頭を行くことが多く、核心では装備の指示もしてくれる。今回は先頭を交代しながら進んだが状況判断が出来ていなくて進退窮まってしまった。自分一人ではまだまだ厳しいと感じた。
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