弥山・八経ヶ岳 待ちに待った小屋開け
- GPS
- 27:19
- 距離
- 15.3km
- 登り
- 1,508m
- 下り
- 1,497m
天候 | 晴れ時々曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
聖宝ノ宿までは稜線沿いに所々根雪(深いところで脛程度) 聖宝八丁は中盤の木道より上は根雪が点在 山頂直下の鉄階段のところでは踏み抜くと腰〜胸まで浸かるくらいの残雪量 GWにかけて雪融けが進むので、これから一週間は踏抜き地獄になるので注意して下さい ※アイゼンが要るレベルではありません 弥山小屋の周辺の残雪量もこの10年で最多ですので、国見八方睨周辺での幕営は場所を選ばざるを得ませんが、植生インパクトの有無を確認してから幕営選定が必要です 地衣類(苔)の上だとフカフカだから良いというのは間違いです 八経ヶ岳への夏道は雪融け直後なので浮石多数要注意 下部の防鹿柵扉より夏道に根雪が被っています 夏道の柵通りについたトレース上は雪で倒されたオオヤマレンゲが点在しているので、落枝と思わずにしっかり確認して無闇矢鱈に進まないようにお願いします 防鹿柵の中に入ったらどの低木もオオヤマレンゲと思って歩かないと、何のために防鹿柵を設置しているのかわかりませんし、この山に登っていないのと同じですので、GW登られる方は少しだけでも気に留めていただけると良いかと思います |
写真
感想
山上ヶ岳・大峯山寺の戸開に先駆けて、近畿で一番標高の高いところにある弥山小屋の小屋開け。
例年よりも格段に多かった降雪、一ヶ月は遅い雪融けに山小屋の準備もトントン拍子では行かなかったみたい。
荷揚げのモノレールもレールが浮いてるところもあったり、レールが雪に埋没していたらしい。
(小屋開きの一週前に雪掻きの手伝いに行く予定だったけど、雨で中止)
今年は大峯奥駈道(紀伊山地の霊場と参詣道)が世界遺産登録されて10周年記念の年。
いつもと違うガイドツアーを催そうと色々練り込んでのシーズン初登拝は女性4名と。
弥山登山口駐車場(行者還トンネル西口)で山の先生・西岡さん(元弥山小屋管理人)と4ヶ月ぶりに再会。
GWのわりには駐車場の車も少なめ。
例年登山客の多い日には登山口より500m程数珠つなぎでの駐車になる。
西岡さんとルートの状況・天気の話など色々と情報をもらいながら登山開始。
登り始めるとミツバツツジが咲き始めていて華やかな尾根歩き。
尾根中部〜上部のシャクナゲはようやく蕾をつけたところ。
奥駈出合から弥山に向けて歩く道中、心中穏やかでない登山道に。
石休の宿手前で倒木が奥駈道を塞ぐ。
ここで気をつけてもらいたいのが、思い思いに登山道から外れないこと。
踏んでいい箇所と踏んではいけない箇所の割合は1:9。
しっかりと足元の植物の状態を見定めてようやく爪先立ちで縫い抜けるレベルです。
植生インパクトもGWの人の多さでは苔類が踏み躙られてしまうのが心配。
弁天の森の初っ端も残雪がありますが、踏み抜いても脛までなので、苔類を踏んでまでルートを逸れない。
弁天の森ピークにかけても根雪がありますが、絶対に登山道から逸れて踏み歩かないように。
常識です。踏み外してる人は登山の技術なし、自分で素人を露見しているようなものです。
この二、三年は登山道(奥駈道)の複線化が顕著ですので、どういう山に登っているか今一度胸に手を当てて下さい。
(実際目の前にいた大人数のグループがそれでしたし、往来できる幅なのにわざわざ地衣類のところを選って歩く三人のおっさん)
弁天の森下から聖宝ノ宿までは雪融け進行中の稜線。
吹き溜まりが点在していますが、特に難所になっているところはなし。
理源大師の銅像周辺はまだ根雪があります。
聖宝八丁の登り始めも複線化が激しいので、しっかりとした登山道(奥駈道)を登ってもらいたいもんです。
肝心の聖宝胸突は中間の木道付近までは浮石に注意。
要所要所で大きい浮石を整えて登りましたが、少し余裕がある方は気になる石があれば整えていただくと有り難く思います。
中間の木道が始まる辺りからは北側斜面でしつこい根雪があります。
木道の手前左側から雪面トレースがついていますが、植生インパクトを考えると木道に被った雪を蹴飛ばしながらでも除雪して階段面を出してもらえると意義ある登山になるでしょう。
大多数のみなさんが素直に正直にトレースの足型へ合わせて登っていくので、一向に登り難い雪面トラバースになってしまいます。
ここでも要所では踏み崩して登山道を露わにしておきました。
(そのほうが融けやすい)
厄介だったのは山頂直下の鉄梯子付近。
この4月末でも登山道に踏抜き跡が散見される程度の雪は残るんですが、今年はゲレンデです(笑)
鉄梯子も半分埋まっていて、そこへ覆っている雪は中も融け始めている感じ。
一雨降って水が抜ければ、GW後半は地獄絵図になるでしょう(笑)
さて、弥山小屋に到着後は小一時間のんびり。
あ、今回の弥山小屋ではイライラムカムカの非常識登山者グループが居たのであえて書きます。
当のご本人さん達が見ることになるのであれば、次もどこかの山で当たり前のようにされては困るので書きます。
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18:30過ぎ、お腹も空いてきたので、夕食を作るのに縁側の廊下奥へ。
弥山小屋前ではテン泊をしていた十数名のグループ(弁天植生インパクトのグループ)が外でガヤガヤ酒呑んでパーティー中。
玄関のところで何やらテン泊組の男一人が管理人さんに交渉中。
『外が寒いので、山小屋の縁側(扉の中)で休憩させてほしい』と言ってた。
今の管理人さんも気の良い人なので、入れてしまったのが運の尽き。
僕らは一番奥で調理を始めるが、その男女のグループは大きい声でしょーもない話。
「下のキャンプ場は5500円やのに、ここ500円ってどういうこと〜(笑)」
「サークルの中でどの女が、どの男がどう?」だとか、まぁ〜しょうもない。
小屋泊の人は夕食も済ませて殆どの方が寝始めた時間帯(19時前)
あまりに大きい声で話すのと、僕の横に座っていた男性が突然ビールの缶を床に置き「カシャ!!」っと踏みつけた。
もうさすがに堪忍できなかったので、大声で注意しようとしたが、先程述べたように寝てる人が居る。
「おまえの声も大きいやないか」とブーメランになっては最高に恥ずかしいので、小声で
『明日に備えて寝ている人もいてはるので、話すにしてももっと小さい声で』とやんわりその男性に。
そのボンクラも「もう少し小さい声で話して下さいと、アドバイスがありました〜」と全体周知。
それから5分ほどは気持ち小さい声で話すも、酒の入った10数人には効き目なし。
こうなったらどこまでルール無視するのか見てやろうじゃないかと傍観。
部屋に戻ってからも笑い声がやかましいことやかましいこと。
終いには女性だけになって廊下奥の炊事スペースへ移動。
ちなみに炊事スペースを使用できるのは山小屋への宿泊者のみです。
そして通常、山小屋内での休憩には一人一時間1000円がかかります。
火気を使えるのもその場所だけなので、そこを占領されてしまっているわけです。
その上、外のベンチとテーブルにはまだ食事中のものが散乱。
全国どこのテン場でも決まり事ですが、弥山小屋ではテント代を払うときに決まり事を書いた一枚紙も添えてもらいます。そこには「夜 食料又は残飯等をテントの外に出しておかない事(動物が荒らします)」という文言もしっかり。
多分、リーダーが全体周知してないのでしょう。
それだけで、どういうレベルのパーティーか察しがつくもの。
21時の消灯が近づいてきても自分たちのテントへ帰りそうな気配もなし。
20:55に僕も星撮りの下見に出ようと思っていたので、とりあえず外の食料&残飯だけでもどうにかしろと注意しようと玄関へ。
時を同じくして管理人さんも出てきて『○○くん(私)のとこの女の子か?』と。
いえいえそんなレベルの低い方は私のお客さんなわけありませんと『違います。テン泊のグループの人です』
そう言うと管理人さんも『もう21時で消灯やから片付けてテントへ戻って』と一喝。
直後僕に『あいつらまだおったんかいな…』と目を合わせて苦笑い。
まぁ、けったくそ悪いグループでした。
先代の管理人さんならば言語道断、しっかりと線引のしていた方でしたから輩の入り込むスキなどありませんでした。
そして、この時期にしては残雪加減からも(素人には)夜寒いのは当たり前。
こういうのを耐えられないなら意気がって山の上でテン泊なんてするもんじゃないでしょ。
何より、国見八方睨でも同じ料金(500円)を払ってテン泊している人がたくさんいらっしゃいます。
何年も弥山小屋に泊まっていますが、寒いから“無料で”山小屋の中に入れてくれ、といった人は皆無でした。
山小屋に宿泊している我々も素泊まりですら5500円かかっています。
5000円の差って果てしなく大きいですよ。
そのおかげで雨露風雨凌いで、山小屋の中で過ごせるんですから、不満持って当たり前と思います。
あの宿泊していた他の方全員に対して、不平等は勿論のこと、山での最低限のルール・常識もないような人と同じにはなりたくないです。
今まで大切に守ってきた事とこれからの事、現管理人さんの方針もありますが、この件は管理人さんと相談します。
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そんなこんなで、イライラしながら外に出ると満点の星空。
3月厳冬期に駆け込んだ時は夜間にガスが出て星の撮影はできず終い。
半時間ほど撮ってから天の川が昇ってくるまで仮眠。。。
午前2時前に起きて全員で外へ。
小屋の前から南の空を見るとモヤモヤの天の川。
星景写真の撮影講座をしているうちに、東の空も薄明に。
太平洋上に雲があったものの、綺麗な御来光になりました。
その後は山小屋へ戻って一時間ほど仮眠。
起きてから八経ヶ岳へ向かう。
夏道で下り始めると、局所的に残雪量が多い。
それにともなって融けた後の浮石も多い。
整地しながら鞍部へ下るも、これまた登山道脇の小崩落が多い。
養生しながら下部側の防鹿柵扉へ。
ここからはオオヤマレンゲの保全区域。
例年根雪も多い場所なので、素直に夏道をトレースすれば雪に埋もれたオオヤマレンゲの枝先を歩くことになる。
登山でも何でも“頃合”というのが大切なもので、これを読み誤ると良くないことも起こってしまう。
残雪の量に合わせて植生を痛めないよう歩くルートを見つけだすのが、登山の技術でもある。
それにそぐわない人たちが沢山歩いた跡、オオヤマレンゲを踏みつけて歩いた跡。
ちょっと考えたらわかると思うんですけどね。
アホ口開けてずっと空見て歩いてるわけじゃないねんから、もっと足元に気を配りましょうよ。
天然記念物のオオヤマレンゲを鹿の食害から保護するために人間が設置した防鹿柵。
その中に入れる人間がオオヤマレンゲを踏みにじってどうする?
希少なオオヤマレンゲの自生地とは知らぬと言わせない。
これからGW残雪期に登られる方には、そんな観点と一緒に登っていただきたいと心から願います。
そんなモヤモヤした気持ちのまま八経ヶ岳山頂へ至ったものの、山頂にはそれを吹き飛ばす絶景がある。
青空快晴で360°見渡すかぎりのパノラマ。
足元の白川又川はちょうど山桜が駆け上がってきていて満開の谷に染め上げていました。
そして、時々擦れ違う“奥駈”されている人たち。
あぁ〜大峰にもやっと春が来たなという情景がそこにありました。
今回の山行はなんか色々ありましたけど、ようやく“山の家”に戻れました^^
最後に、GWに奥駈をされる方へ
安全に怪我なく完歩されることはもちろん、神仏の霊験あらたかな旅になりますよう心より祈っております。
団体さんのマナー、読んでいて心が寒いですね
お互いしか見えてないのでそんな恥ずかしいことも平気なんでしょうか?
ただ、じゃあ自分は ? と考えてみると、決して手放しで胸を張れるものではなさそう・・・
ただソロで歩いていると山と1対1で向き合うことはできます。
ここに来て自分が喜ぶのと同じだけ山にも喜んでもらいたい。
生意気にも山と一個人が対等のつもりでそんなことをいつも思っています。
山の神様に手を合わせない代わりに、無茶はしていないつもりですが・・・
この夏は初めて富士山に登ってみようと思っています。
ご無沙汰しておりますm(_ _)m
お見苦しい内容を綴ってしまいお恥ずかしい限りです。。
人数が多いとはいえども、リーダーがピリッとしないといけませんよね。
あまりにも傍若無人な方々でしたので、いらぬお節介をしてしまいました
monsieurさんの山に対する目線に感銘を受けて友達申請したようなものですから、ものすごく共感させていただいてます
「自分が喜ぶのと同じだけ山にも喜んでもらいたい」これは本当に山に色んなものをいただく我々が忘れてはいけないことですね。
夏は富士山でお待ちしております
miztrekさんのレコには、星空の写真に魅せられて時々立ち寄らさせて頂いてます。
私も普段登山道に倒木などあれば気にせず踏みつけてますが、オオヤマレンゲの植生地では注意が必要ですね。
登山道の複線化は至る所で気になります。植生の復元力を信じて?皆さん歩きやすいところを歩いてるんでしょうが、そうではないことを認識すべきですね。
キャンプ地での、ごみの放置は問題外です。こんな人たちは入山をご遠慮ください。
周りへの配慮は人間としてということですよね。
山ヤさんの良識をこれからも信じていきたいですが、無理なのかな
コメントありがとうございます^^
綺麗な山のことだけを綴れたら良いのですが、今回は看過できずについつい。
登り始めてからは複線化が気になり、植生無視の人達の足元も気になり、
山小屋に着いてからはルールやマナーが気になり、八経ではオオヤマレンゲと…。
綺麗な景色を見させていただいた反面、登山者の負の部分も見えてしまい、いつもより重いものを背負って下山してきました
同じように山登りを嗜む人に対しては口うるさく言うものでもないというのが持論でしたが、
性善説と性悪説も時には頭の中で入れ替えていかないといけないと感じました。
みなさんの良識を信じたいものですが、及ばず至らずなのでしょうね…。
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