ヤマレコなら、もっと自由に冒険できる

Yamareco

記録ID: 439363
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
御在所・鎌ヶ岳

イブネと雨乞岳【ヒロ沢〜クラシ北尾根〜千種街道で一泊周回】

2014年05月03日(土) ~ 2014年05月04日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
20.9km
登り
1,567m
下り
1,571m

コースタイム

5/3
駐車場(7:30)〜羽鳥峰峠(8:30)〜ヒロ沢出会い(9:15/9:25)〜
天狗滝(9:55/10:05)〜ヒロ沢出会い(10:25/10:35)〜お金明神:昼食
(11:30/11:50)〜〜お金峠(12:10)[P965?で尾根を間違え再びお金峠・
13:40]〜ワサビ峠(14:25)〜クラシ出会い(15:40/15:55)〜イブネ経由
熊ノ戸谷(16:30〜)   テント設営終了 (17:00)

5/4
起床(4:30)熊ノ戸谷出発 (6:50) 〜杉峠(7:45/7:55)〜雨乞岳・東雨乞岳
(8:30/9:40)〜杉峠(10:00)〜御池鉱山跡(10:30/10:40)〜コクイ谷出合い
:昼食(11:25/12:00)〜上水晶谷・タケ谷分岐(12:30)〜
根の平峠(12:50/13:20) 〜朝明駐車場(14:00)
天候 5/3 晴れ 時々曇り  
【気温】ヒロ沢出会い:22℃  お金峠:18℃  熊の戸谷:10℃
5/4 晴れ
【気温】熊ノ戸谷:5℃   杉峠:15℃  コクイ谷出会い:20℃
過去天気図(気象庁) 2014年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
朝明駐車場へ駐車(一泊でも500円です。)
コース状況/
危険箇所等
【ヒロ沢出会い〜お金谷出会い】
踏み跡は薄いですが常に愛知川本流の左岸高みを辿ります。

【お金谷出会い〜お金峠】
お金明神〜お金峠までは曖昧な谷地形で、踏み跡は定かでなく常にテープと
方角の確認をしながら慎重に進みました。(お金谷で水は得られます。)

【お金峠〜ワサビ峠】
尾根筋を辿りますが、二度目のピーク(P965?)で尾根を直進しがちですが、
ここで西向きの尾根を下ります。
(尾根に乗り緊張感を欠いたため、今回ここを直進(南向き)してしまい
ルートを外しました。)

【ワサビ峠〜クラシ出会い】
尾根の傾斜はきつく、テープもまばらで踏み跡もわかりづらいので
とにかく尾根芯を辿ります。(イワウチワ・石楠花の群生エリアです。)

《 水場 》
お金谷を過ぎてからクラシまで水場は有りません。 
【5/3】 羽鳥峰峠へ向かってスタートだ
2014年05月03日 07:40撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 7:40
【5/3】 羽鳥峰峠へ向かってスタートだ
猫谷の大岩壁
2014年05月04日 17:10撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/4 17:10
猫谷の大岩壁
ツツジ
2014年05月03日 08:23撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
7
5/3 8:23
ツツジ
馬酔木
2014年05月03日 08:24撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/3 8:24
馬酔木
タチツボスミレ
2014年05月03日 08:28撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
4
5/3 8:28
タチツボスミレ
ヒロ沢源流に広がる羽鳥峰湿原
2014年05月03日 08:33撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/3 8:33
ヒロ沢源流に広がる羽鳥峰湿原
ヒロ沢最大のナメ
2014年05月04日 17:12撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5
5/4 17:12
ヒロ沢最大のナメ
歴史の有る指標
2014年05月03日 09:11撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/3 9:11
歴史の有る指標
ヒロ沢出会いに有った避難小屋の土台。
周辺をテントサイトにする計画が有るようだ。
2014年05月03日 09:17撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/3 9:17
ヒロ沢出会いに有った避難小屋の土台。
周辺をテントサイトにする計画が有るようだ。
ザックをデポして天狗滝へ向かう
2014年05月03日 09:29撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 9:29
ザックをデポして天狗滝へ向かう
愛知川の核心部:七丈淵かな?
2014年05月03日 09:38撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 9:38
愛知川の核心部:七丈淵かな?
固定ロープで岩壁を下る
2014年05月04日 17:16撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 17:16
固定ロープで岩壁を下る
天狗滝下流の廊下
2014年05月03日 09:55撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/3 9:55
天狗滝下流の廊下
愛知川の核心部:天狗滝
2014年05月03日 09:56撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8
5/3 9:56
愛知川の核心部:天狗滝
数少ないアカヤシオ
2014年05月03日 10:12撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5
5/3 10:12
数少ないアカヤシオ
ペンキに従ってお金谷へ向かう
2014年05月03日 11:14撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/3 11:14
ペンキに従ってお金谷へ向かう
見落とさないように右折
2014年05月03日 11:27撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 11:27
見落とさないように右折
塔の上には天狗様が。「お金明神」だ。
2014年05月04日 17:20撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
11
5/4 17:20
塔の上には天狗様が。「お金明神」だ。
お金明神神域を示す立札
「古来よりここはお金の森とあがめ搭尾大明神様の神域です。書き記した掲示等一切を禁じます。滋賀県永源寺町大字佐目大字相谷」

2014年05月04日 17:20撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 17:20
お金明神神域を示す立札
「古来よりここはお金の森とあがめ搭尾大明神様の神域です。書き記した掲示等一切を禁じます。滋賀県永源寺町大字佐目大字相谷」

お金峠に到着。いよいよクラシ北尾根だ。
2014年05月03日 12:12撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 12:12
お金峠に到着。いよいよクラシ北尾根だ。
このピーク(P965)から西向き尾根の斜面をワサビ峠へ下る
2014年05月03日 14:21撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/3 14:21
このピーク(P965)から西向き尾根の斜面をワサビ峠へ下る
ワサビ峠
2014年05月03日 14:26撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 14:26
ワサビ峠
広い大きな峠だ
2014年05月03日 14:27撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/3 14:27
広い大きな峠だ
石楠花の開花もあと少し
2014年05月03日 14:38撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3
5/3 14:38
石楠花の開花もあと少し
タムシバももう終わりかな
2014年05月03日 15:08撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/3 15:08
タムシバももう終わりかな
この岩峰がクラシのジャンダルムか?
2014年05月03日 15:13撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
4
5/3 15:13
この岩峰がクラシのジャンダルムか?
イワウチワが群生する
2014年05月03日 15:20撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5
5/3 15:20
イワウチワが群生する
石楠花の大群落を過ぎるとやっとクラシ北尾根も終わり、緊張から解放される。
2014年05月03日 15:41撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/3 15:41
石楠花の大群落を過ぎるとやっとクラシ北尾根も終わり、緊張から解放される。
クラシで一息入れよう。
2014年05月03日 15:47撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/3 15:47
クラシで一息入れよう。
苔の絨毯を踏んでイブネへ
2014年05月03日 16:00撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8
5/3 16:00
苔の絨毯を踏んでイブネへ
イブネ北端から釈迦ヶ岳を望む
2014年05月03日 16:07撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 16:07
イブネ北端から釈迦ヶ岳を望む
イブネ台地には三張りのテントが見られる
2014年05月03日 16:10撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3
5/3 16:10
イブネ台地には三張りのテントが見られる
熊ノ戸平
2014年05月03日 16:27撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/3 16:27
熊ノ戸平
イブネのヘソ:熊ノ戸平
2014年05月03日 16:28撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/3 16:28
イブネのヘソ:熊ノ戸平
今夜の泊まり場
2014年05月03日 17:10撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
13
5/3 17:10
今夜の泊まり場
水場となる熊ノ戸谷
2014年05月03日 17:28撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/3 17:28
水場となる熊ノ戸谷
【5/4】 熊ノ戸谷源流を見て早朝の熊の戸平へ上がる
2014年05月04日 06:54撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 6:54
【5/4】 熊ノ戸谷源流を見て早朝の熊の戸平へ上がる
御在所岳〜鎌ヶ岳
2014年05月04日 07:06撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/4 7:06
御在所岳〜鎌ヶ岳
イブネ台地から雨乞岳を
2014年05月04日 07:11撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/4 7:11
イブネ台地から雨乞岳を
佐目峠から東雨乞岳を
2014年05月04日 07:22撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/4 7:22
佐目峠から東雨乞岳を
杉峠の頭
2014年05月04日 07:34撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/4 7:34
杉峠の頭
シロモジ
2014年05月04日 07:41撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/4 7:41
シロモジ
馬酔木の台地から綿向山を
2014年05月04日 07:44撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 7:44
馬酔木の台地から綿向山を
雨乞岳直下の岩コブはハルリンドウの群生エリアだ
2014年05月04日 08:18撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
4
5/4 8:18
雨乞岳直下の岩コブはハルリンドウの群生エリアだ
雨乞岳山頂
2014年05月04日 08:35撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3
5/4 8:35
雨乞岳山頂
山頂の池「大峠の澤」
(おおたわのさわ)
2014年05月04日 08:36撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 8:36
山頂の池「大峠の澤」
(おおたわのさわ)
東雨乞岳へ向かう
2014年05月04日 08:40撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
4
5/4 8:40
東雨乞岳へ向かう
南雨乞岳へ続く笹の稜線(東雨乞岳より
2014年05月04日 09:15撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
4
5/4 9:15
南雨乞岳へ続く笹の稜線(東雨乞岳より
ハルリンドウ
2014年05月04日 09:19撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
8
5/4 9:19
ハルリンドウ
イブネと御池岳〜藤原岳展望。
(奥には白山が)
2014年05月04日 09:47撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
4
5/4 9:47
イブネと御池岳〜藤原岳展望。
(奥には白山が)
山が笑っている
2014年05月04日 09:55撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3
5/4 9:55
山が笑っている
釈迦ヶ岳は立派な山だな
2014年05月04日 09:56撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
3
5/4 9:56
釈迦ヶ岳は立派な山だな
杉峠から御池鉱山跡へ下る
2014年05月04日 17:32撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 17:32
杉峠から御池鉱山跡へ下る
御池鉱山跡
2014年05月04日 10:30撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/4 10:30
御池鉱山跡
佐目峠へのバリエーションルートの記載が
2014年05月04日 10:46撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 10:46
佐目峠へのバリエーションルートの記載が
新緑の中を千種街道でコクイ谷へ
2014年05月04日 10:52撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 10:52
新緑の中を千種街道でコクイ谷へ
トチの巨木(千種街道)
2014年05月04日 11:06撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/4 11:06
トチの巨木(千種街道)
コクイ谷が流れ込む出会い
2014年05月04日 11:26撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/4 11:26
コクイ谷が流れ込む出会い
徒渉した川原で昼食を摂る
2014年05月04日 11:32撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
1
5/4 11:32
徒渉した川原で昼食を摂る
タケ谷、上水晶谷分岐目印の岩
2014年05月04日 12:35撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
5/4 12:35
タケ谷、上水晶谷分岐目印の岩
きのこ岩周辺のアカヤシオ
2014年05月04日 12:40撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
2
5/4 12:40
きのこ岩周辺のアカヤシオ
伊勢谷はコイワカガミの群生エリアだ
2014年05月04日 13:43撮影 by  EX-H15 , CASIO COMPUTER CO.,LTD.
7
5/4 13:43
伊勢谷はコイワカガミの群生エリアだ

感想

昨年から気になっていた「クラシ北尾根」。
朝明渓谷から「クラシ北尾根」でイブネを周回すると距離も長く、
バリエーションルートの為に余裕を持った山行計画にしたい。
ならばイブネで一泊し、前後に天狗滝・雨乞岳を絡めた計画で
ヒロ沢から入って千種街道で根の平峠へ周回する事にしよう。

【 5/3 】
流石にG/Wだ。中尾根から釈迦へ向かう多くの人を見送って羽鳥峰へ向かう。
久しぶりのテント泊装備で重荷が肩に食い込む。無理せずゆっくりと行こう。
猫谷に入ると馬酔木、ツツジ、スミレなどが目を楽しませてくれる。
羽鳥峰湿原も緑が鮮やかで良い雰囲気だ。 やはり五月は良い季節だな。

湿原から始まるヒロ沢が徐々に広がり谷らしくなり、一枚岩を滑るナメや
滝となって落ちる豪快なナメを過ぎると中流部となり、次第に大石が点在する
渓流らしくなってくる。
更に谷幅も広がり傾斜も緩むと愛知川に流れ込む出会いとなり、
一気に空が開けて白い岩ががまぶしい愛知川渓谷の右岸に出る。
(出会いの台地では、昔有った避難小屋の跡地周辺をテントサイトにしようと
青年が一人、堆積したゴミの掘り起こし作業をしていた。
実現するまで大変でしょうが感謝です。)
あっけらかんと明るさに溢れた川原にザックをデポして早速天狗滝へ向かう。

愛知川の渓谷を眼下に見ながら右岸を辿り、エメラルド色の七丈淵?を過ぎ
白滝谷コースを分けると天狗滝の上部に出る。固定ロープにすがって絶壁を
下ると目の前に轟音を響かせて落下する天狗滝や下流の廊下が眺められる。
愛知川の核心部となる渓谷美を楽しだ後、ヒロ沢出会いへ戻る。

左岸への徒渉ポイントを探すと、流れも比較的穏やかで岩伝いで行けそうだ。
靴を脱いでの徒渉を覚悟していたが、靴を濡らすことなく徒渉完了。
左岸の踏み跡は薄いが常に高身にへばりついて行くと、お金谷出会いの指標が。
いよいよバリエーションルートの始まりだ。緊張感を持って行こう。

幹の書き込みやテープに導かれてお金谷を辿って「お金の塔」を廻り込むと
岩が重なってできた天狗様が現れ、「お金明神」となる。
愛知川を睨んでいるような天狗様に登山の安全を祈った後、昼食を摂る。

一旦尾根?を高身へ上がった後、曖昧な谷地形を踏み跡・テープ・方角に
注意しながら進む。やがて斜面を短いピッチでジグザグと高度を稼ぐと
尾根に出てなんとか「お金峠」に到着だ。
これでクラシ北尾根に乗ったのでまずは一安心だ。正面を下ると谷尻谷の
コリカキ場へ、ワサビ峠は左へいきなりの急登だ。
地形図を確認すると尾根筋で顕著なピークを二つ越えた先を下るようだ。

極端にテープがまばらになった尾根筋で二つ目のピークに出た。
あとは僅かに下るとワサビ峠で残す距離も後僅かだ。一息入れよう。
(反省:ここで慎重に尾根と地形図を確認するべきだった。
尾根に出て少し気が緩んでしまった結果、ここから誤った尾根を下ってしまった。
ピークで尾根は分かれ、ゆるやかな(右)西向きの尾根を見逃し、道なりに延びる
南向きの尾根をオゾ谷?方向へ下ってしまった。)

直進方向の尾根は下ると、やがて右へ振ったように延びるので安心して進むが、
なかなか「ワサビ峠」に到着しない。半信半疑で辿ると幹に張られたテープに
「P965 高岩」の文字を発見。これで完全に確信してしまい尾根筋を進むが、
一向に峠らしい場所に出ない。しばらくして急降下の先にプレートを見つけて
読むとなんと「お金峠」の文字が!!。Uターンして逆向きに歩いていたのだ!
どこで誤ったのかすぐにわからず、地形図を見直すと二度目のピークで尾根が
分かれる事を発見。時計を見ると一時間半のタイムロスだが、まだ2時前だ。
もう一度登り返してワサビ峠を目指す事にする。

再び問題のピークに出て観察するとやはり西向きの斜面にテープが下がっている。
僅かに下ると大きな鞍部に出て、今度こそ「ワサビ峠」のプレートを発見。
これで何とか予定通りイブネでテントが張れそうだ。

しかしこの先は厳しい尾根が続きそうなので、まだ気は抜けない。
石楠花やイワウチワの郡生する急な尾根が続く。
石楠花や松がうるさい痩せた岩稜帯を過ぎると、右手に銚子ヶ口が展望でき
目前には岩尾根がそそり立っている。「クラシのジャンダルム」だ。

幹に当たるザックに振られないように狭い足場を慎重に登っていく。
群生する石楠花の蕾はまだ固く閉じたままだが、
一斉に開花したら素晴らしい眺めだろうな。

やがて石楠花の密生を廻り込むとやっと傾斜が尽きて危険地帯を抜けると、
一転して落ち着いた笹の尾根に変わってクラシの台地に出る。
クラシのプレートが下がる山頂で、腰を降ろして緊張感を解放する。

苔の絨毯を踏んで曇り空の広がるイブネ台地に上がり
一通り展望を楽しんでいると、風は強いが晴れ間が戻って来た。
青空が広がる熊ノ戸平から熊ノ戸谷のテントサイトへ下る。
風も遮られて水場も近い、整地する必要のない絶好の場所でテントを広げる。

明るいうちに夕食を済ませ、いろいろ有った一日を整理してから寝袋に潜る。
夜空にはきれいな三ヶ月が輝いている。

【 5/4 】
寒さに目覚めると4時だ。冷えた朝を迎え気温を見ると3℃だ。 
フライシートには霜が下りて外に出しておいた水筒の水には薄い氷が。

パンとコーヒーで朝食を済ませ、少し軽くなったザックを背負ってイブネ台地へ。
今日は良い天気になりそうだ。まして今日は緊張感を伴うコースは無いので
ハイキングのような一日を楽しもう。

イブネ台地で一夜を過ごした登山者と会話を楽しんだ後、展望を楽しみながら
杉峠へ下り、雨乞岳へ向かう。
(佐目峠の岩を過ぎた辺りで谷の源流が現れる。これが御池鉱山跡へ下る谷かな?)

ハルリンドウが群生する岩にコブを過ぎ、深い笹を漕いで三等三角点の立つ
雨乞岳山頂に出る。
流石にG/Wだ、武平峠から登って来た人が次々とやってくる。

深い笹の稜線で連なる南雨乞岳、更に絵清水頭から延びる稜線の先にイハイガ・
綿向山。蛙の卵が見られる山頂の池「大峠の澤」。
更に展望を求めて東雨乞岳に立つと、霊仙山、御池岳と藤原岳の間には白山。
乗鞍岳、御嶽の手前右には釈迦ヶ岳、そして中央アルプス〜恵那山。
琵琶湖の奥には比良山地。御在所岳〜鎌尾根は言うに及ばずだ。
まさしく360度の展望を堪能して杉峠へ戻る。

後は御池鉱山が盛んな頃の飯場跡(今は絶好のテントサイトだ。)や
鉱山跡を眺めながら、新緑に包まれた千種街道でゆったりと流れる神崎川や
タケ谷の渓流を眺めながら根の平峠へ周回する。

峠でまったりコーヒータイムを過ごし、先週に続いて伊勢谷を下ると今年も
コイワカガミが可愛い花をあちこちに咲かせていた。

お気に入りした人
拍手で応援
拍手した人
拍手
訪問者数:1530人

コメント

ニアミスでしたねhappy02
こんにちは、 onetotaniさん
pochieですhappy01

ロングコース、お疲れ様でした
熊ノ戸谷泊でしたのね・・・いいなぁ、羨ましいshine
pochieもいつかテント泊!

クラジャン・・・
pochieも1年ほど前、クラシからの下りに利用いたしました
その時、シャクナゲの枝にフリースを引っ掛けて落としてしまいました
ワサビ峠の手前で違う尾根を下って、おかしいことに気付き、
東方向の尾根に向かったら、ワサビ峠に辿り着きましたcoldsweats01
そこで見かけた方にフリースを拾っていただき、朝明で無事回収できた・・・
そんな思い出のあるクラジャン
シャクナゲの咲く時期に再訪したい尾根ですsmile
2014/5/5 16:52
Re: ニアミスでしたねhappy02
pochieさん コメント有難うございます。
クラジャン手前で銚子ヶ口を眺めていた頃は下山終盤だったんですね。

熊ノ戸谷の存在を知ってから、好んでここをテント場に選んでいます。
P965で尾根を外したり、終盤に危険な登りがあったりと、クラシ北尾根は
手ごたえ充分で疲れました。

鈴鹿奥部のこのエリアは一泊予定でいろいろなコースを味わいたいですね。
2014/5/5 21:00
鈴鹿の一番良い季節
こんにちは。
鈴鹿の一番良い季節に、
一番良い場所に行かれましたね
イブネでテント泊なんて、うらやましいです。
新緑が美しかったことでしょう
お疲れ様でした。
2014/5/5 17:11
Re: 鈴鹿の一番良い季節
totokさん 今晩は。
天気にも恵まれて、バリエーションルートを歩ききれて充実した山行でした。
そして新緑に包まれて辿る千種街道は、子供の頃の遠足のような気分でした。

又何処かでお逢いしましょう。
2014/5/5 21:07
鈴鹿の奥地
onetotaniさん こんにちは
賑やかな御在所からちょっと外れるだけで現れる静かな鈴鹿。
いよいよ鈴鹿の奥地がonetotaniさんのお庭になってきましたね。
流石、テン泊の場所もいいところを見つけましたね。水場も近そうですし。
しかし、あの辺りはあまり人もいないので夜は怖くないですか?
疲れていればバッタンキューなんですが・・・
どうも、最近淋しがり屋になったみたいで静かすぎると落ち着かなくて・・・
2014/5/5 17:40
Re: 鈴鹿の奥地
sugi-chanさん 今晩は。 今回のクラシ北尾根コースは手ごたえ充分で、
緊張感溢れる尾根でした。

朝起きて、テントに霜が降りているのには驚きました。
イブネの静かな一夜、人気の雨乞岳山頂。
重荷を背負って出掛けてきた甲斐が有りました。
2014/5/5 21:18
onetotaniさん、こんにちは。
onetotaniさんほど、このエリアを知り尽くされてる
方でも、道間違いがあるのですね。
難ルート、お疲れ様です。
荷物が重たくなるのが苦手で、
最近、泊まりは、小屋泊ばかりですが
人が少ない場所で、静かに過ごすのも
いいなと思いました。
このあたり、川のせせらぎが、本当
きれいですね。
2014/5/5 18:10
Re: onetotaniさん、こんにちは。
komakiさん 今晩は。
紛らわしい場所を抜けて尾根に出たことから、少し油断が生まれたようです。
やはりバリエーションルートは最後まで気が抜けません。
要所要所での地形確認が必要ですね。今回の反省点です。

新緑のきれいな渓谷や厳しい尾根、そして静かな山頂の一夜。
計画通り歩けて大満足な山行でした。
2014/5/5 21:29
もしかしてクラジャン
onetotaniさん、お疲れさまです。
鈴鹿の最深部に潜入するのはテン泊が理想ですね。憧れてしまいますが装備がありません。
お金明神とか久しぶりに拝顔できました。神崎川の辺りもいい所ですね。
クラジャンはいつか行こうと思っておりますので参考になりました。
ありがとうございました。
ところで赤いザックはテン泊装備用の大容量ヴァージョンですか。
2014/5/5 19:34
Re: もしかしてクラジャン
higurasiさん 今晩は。

そうです。寝袋、テントを背負って歩く時は赤いザックです。
この辺りは一泊行程でずいぶんコースバリエーションが広がりますね。

あまり情報の無いこの辺りのバリエーションルートは確認を怠ると
駄目ですね。またまた反省です。

higurasiさんはしばらくはヒルゾーンの鈴鹿は敬遠ですか?
2014/5/5 21:40
クラシ北尾根 お疲れさまでした
onetotani さん こんばんわ

あの山深い中でのルートミスは焦りますよね
鉄則通り引き返して無事復帰され、よかったです。
シャクナゲが満開とまではいかなかったようですが、充分堪能されたのではないでしょうか

私もGWにイブネテン泊したかったのですが、まだ先になりそうです。
ところでイブネのコケワールドの中にリンドウは咲いていましたか?
2014/5/5 23:13
Re: クラシ北尾根 お疲れさまでした
mugiさん 今日は。 今年もまた出掛けて来ました。

鈴鹿を貫いて流れる愛知川の渓谷と険しいクラシ北尾根、
美しさと厳しさを味わい、充実した二日間でした。

溢れるほどの石楠花大群落が開花すればさぞ見事でしょう。
リンドウは雨乞岳で沢山見られましたが、イブネでは見かけませんでした。

これからはイブネのシロヤシオ、クラシの石楠花も見頃になるでしょう。
良いタイミングで出掛けられると良いですね。
2014/5/6 10:36
5/4の朝は寒かったですね
momohiroです。自分の方への早速のコメントありがとうございました。
自分は5/3の夕方に猫岳の手前の鞍部でテント張りましたが、5/4の朝、フライの上の方が凍っているのにびっくり!どうりで寒かったわけです。
でも四日市方面の夜景がキラキラ輝いてすごく綺麗でした。
鈴鹿は奥深いですね。特に滋賀側は。
名古屋あたりに住んでいたら、足しげく通うだろうと思います。
2014/5/6 18:09
Re: 5/4の朝は寒かったですね
momohiroさん コメント有難うございます。
鈴鹿は里にも近いので地図にない嘗ての炭焼きや林業用の作業道などが多く、
それが道迷いの原因にも、バリエションルートにもなっています。

かなり昔ですが、G/Wを利用して塔ヶ岳〜桧洞丸〜箒沢を縦走しましたが、
水場もありテント泊にも適した山塊だったと記憶しています。

長距離になりますが、また鈴鹿にお越し下さい。
2014/5/6 20:54
静かな鈴鹿はいかが
onetotaniさん
こんばんは
鈴鹿の奥地は本当に静かな感じですね。
sugi-chanさんも仰っていましたが
お庭みたいな感覚じゃないですか?
そのうち目を瞑っても歩けるように
なるのではないでしょうか❗
私も釈迦に近々お邪魔したいと思って
います。✌
2014/5/6 19:16
Re: 静かな鈴鹿はいかが
kazu97さん 今晩は。
今回も鈴鹿の奥深さを感じた山行でした。まだまだ未知のコースが多いです。

足の具合はどうですか?。早く治ると良いですね。
この期間を有効に使って、今後の山行に備えて下さい。
2014/5/6 21:07
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

コメントを書く

ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。
ヤマレコにユーザ登録する

この記録に関連する登山ルート

この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。

ルートを登録する

この記録で登った山/行った場所

関連する山の用語

この記録は登山者向けのシステム ヤマレコ の記録です。
どなたでも、記録を簡単に残して整理できます。ぜひご利用ください!
詳しくはこちら