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Yamareco

記録ID: 442962
全員に公開
積雪期ピークハント/縦走
白馬・鹿島槍・五竜

白馬岳主稜

2014年05月02日(金) ~ 2014年05月04日(日)
 - 拍手
GPS
56:00
距離
11.7km
登り
1,738m
下り
1,746m

コースタイム

5/2…猿倉荘12:45-14:45白馬尻(幕営)
5/3…白馬尻5:00-八峰7:30-五峰9:30-11:20頂上直下11:50-13:00白馬岳-13:15白馬山荘
5/4…白馬山荘7:20-9:10白馬尻(テント撤収)-11:00猿倉

(kozzzzy追記)
※計画時間は下記の通り
5/2…猿倉荘13:00-15:00白馬尻(幕営)
5/3…白馬尻4:00-6:00八峰6:30-8:00五峰8:30-12:00頂上直下13:00-14:00白馬岳14:30-15:00白馬山荘
5/4…白馬山荘6:00-8:00白馬尻(テント撤収)-10:00猿倉

※ルートは手入力なので、おおまかな概略です。
天候 5/2…晴れ、5/3…晴れのち氷雨、5/4…晴れのち曇り
過去天気図(気象庁) 2014年05月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車
コース状況/
危険箇所等
・登山ポスト…猿倉荘前にありました。
・水場…白馬尻山荘近くに水場があるという情報もありましたが、冬季は解体されてしまうため、そもそも小屋がどこにあったのか分かりませんでした。
猿倉から白馬尻に向かう途中で沢に下りて水を汲むこともできますが、白馬尻からはかなり遠いです。
我々は各自5リットル以上の水を担ぎましたが、いくらアプローチが短いとは言えたいへんでした。やはり雪を溶かした方がよかったのかな。
・温泉…倉下の湯を利用。源泉かけ流しの露天風呂で、600円とリーズナブルなので十分満足しました。ただ防犯のため監視カメラを設置してあると書いてあったので、そのあたりどうなんでしょう? 自分は問題ありませんが…。
白馬村も春! (kozzzzy追加、以下[k])
2014年05月02日 10:49撮影 by  iPhone 5s, Apple
5/2 10:49
白馬村も春! (kozzzzy追加、以下[k])
右下から山頂に向かって延びているのが主稜です。
右下から山頂に向かって延びているのが主稜です。
水を担ぎ上げたので、推定重量約25kg。重い…。
水を担ぎ上げたので、推定重量約25kg。重い…。
なぜかザックを二つ持って歩いている人^^。
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なぜかザックを二つ持って歩いている人^^。
幕営のため、大雪渓右岸の小高い場所へ向かいます。
始めは大雪渓に張ろうとしましたが、デブリを見てさすがに気持ち悪くなり、止めました。
この日は皆さんこの場所で幕営していましたが、翌日は大雪渓のど真ん中にテントを張っている方もいました;^^。
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幕営のため、大雪渓右岸の小高い場所へ向かいます。
始めは大雪渓に張ろうとしましたが、デブリを見てさすがに気持ち悪くなり、止めました。
この日は皆さんこの場所で幕営していましたが、翌日は大雪渓のど真ん中にテントを張っている方もいました;^^。
真ん中やや右寄りの雪の斜面を登って行くと8峰。そこから左上に向かって延びているのが主稜。
真ん中やや右寄りの雪の斜面を登って行くと8峰。そこから左上に向かって延びているのが主稜。
この日は快晴無風で、防風ブロックなんて積む必要あったのかしら?と思いましたが、翌日強風からテントを守ってくれました。エラい!
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この日は快晴無風で、防風ブロックなんて積む必要あったのかしら?と思いましたが、翌日強風からテントを守ってくれました。エラい!
陽の沈んだ白馬岳。一筋の飛行機雲が美しかった。
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陽の沈んだ白馬岳。一筋の飛行機雲が美しかった。
二日目朝食の冷凍鍋焼きうどん。前日の暑さで溶けてしまい、汁がほとんど流れ出してしまっていた。
kozzzzyさんのザックは悲惨なことに…。
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二日目朝食の冷凍鍋焼きうどん。前日の暑さで溶けてしまい、汁がほとんど流れ出してしまっていた。
kozzzzyさんのザックは悲惨なことに…。
陽が登る前の白馬岳。静寂の中、威風堂々と佇んでいます。
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陽が登る前の白馬岳。静寂の中、威風堂々と佇んでいます。
ヘッデンで出発するはずが、準備に手間取り、明るくなっちゃった;^^。
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ヘッデンで出発するはずが、準備に手間取り、明るくなっちゃった;^^。
8峰に向かうラインを見極める。先行パーティーは写真に収まらないほど右から回り込んでいましたが、我々はトレースのない、写真左から二番目の狭い雪道を選択。
8峰に向かうラインを見極める。先行パーティーは写真に収まらないほど右から回り込んでいましたが、我々はトレースのない、写真左から二番目の狭い雪道を選択。
下部を登るgeraniumさん。ズタズタに割れつつある雪面をよけながら [k]
2014年05月03日 05:54撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/3 5:54
下部を登るgeraniumさん。ズタズタに割れつつある雪面をよけながら [k]
大したことないように見えるかもしれませんが、結構急なんですよ、奥さん!
8峰への登りが一番きつかった。
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大したことないように見えるかもしれませんが、結構急なんですよ、奥さん!
8峰への登りが一番きつかった。
先行するkozzzzyさん。上にある奇妙な影は…私の指です。スミマセン;^^。
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先行するkozzzzyさん。上にある奇妙な影は…私の指です。スミマセン;^^。
雪がなくなっているところもありました。
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雪がなくなっているところもありました。
雪稜を見上げるの図。
雪稜を見上げるの図。
白馬岳主稜に佇む私。
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白馬岳主稜に佇む私。
すごいところを下りてきて、また登り返してますね!
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すごいところを下りてきて、また登り返してますね!
かっこいい写真になったでしょうか?
← geraniumさん、素敵な写真ありがとうございます(笑)[k]
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かっこいい写真になったでしょうか?
← geraniumさん、素敵な写真ありがとうございます(笑)[k]
途中、岩場などもありました。
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途中、岩場などもありました。
一瞬、右に行こうかな?と思いましたが…。
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一瞬、右に行こうかな?と思いましたが…。
自重して、左の岩場へ。
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自重して、左の岩場へ。
藪もあります。
う~む、この登りはきつそう…。
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う~む、この登りはきつそう…。
まだまだ先は長い?
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まだまだ先は長い?
スノーリッジを行く私。
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スノーリッジを行く私。
崖っぷちに佇む?kozzzzyさん。
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崖っぷちに佇む?kozzzzyさん。
ここは左に巻きましたが、頭上に張り出した雪の塊が溶けて落ちてきそうで、気持ち悪かった。
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ここは左に巻きましたが、頭上に張り出した雪の塊が溶けて落ちてきそうで、気持ち悪かった。
だ、大事なkozzzzyさんの写真に水滴が;^^。
だ、大事なkozzzzyさんの写真に水滴が;^^。
越えてきたピークがよく見えます。
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越えてきたピークがよく見えます。
かっこいい写真を撮るため、わざわざ時間差をつけたのに、写真だと切れ落ちている部分が見えないですよね?
かっこいい写真を撮るため、わざわざ時間差をつけたのに、写真だと切れ落ちている部分が見えないですよね?
大雪渓を挟んで反対側。杓子岳の尾根。
白馬岳よりこっちの方がかっこいいような…。
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大雪渓を挟んで反対側。杓子岳の尾根。
白馬岳よりこっちの方がかっこいいような…。
ええーと、これは何だったっけかな?
ええーと、これは何だったっけかな?
面白い雪の付き方でした。
上にちょこんと見えているのは、グローブの紐です。スミマセン。
面白い雪の付き方でした。
上にちょこんと見えているのは、グローブの紐です。スミマセン。
いよいよ最後の雪壁です。右の方に壁を切り崩した出口が見えます。
斜度は想像していたほどではありませんでした。
むしろ2峰の方が急だったような…。
フリーでも登れましたが、せっかくロープを持って来たので、練習のため2ピッチのスタカットで登ることにしました。
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いよいよ最後の雪壁です。右の方に壁を切り崩した出口が見えます。
斜度は想像していたほどではありませんでした。
むしろ2峰の方が急だったような…。
フリーでも登れましたが、せっかくロープを持って来たので、練習のため2ピッチのスタカットで登ることにしました。
スノーバーで作った確保支点。
準備しているうちに、天候が悪化してしまいました;^^。
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スノーバーで作った確保支点。
準備しているうちに、天候が悪化してしまいました;^^。
1P目のロープを伸ばすkozzzzyさん。
この後、延々とトンカチの音が鳴り響き、寒くて凍えそうでした(笑)。
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1P目のロープを伸ばすkozzzzyさん。
この後、延々とトンカチの音が鳴り響き、寒くて凍えそうでした(笑)。
2P目支点を露岩からとる・・はずが何度やっても確かな支点がとれず、結局スノーバーを埋め直す羽目に。みぞれ雨が降り始める中、geraniumさんをお待たせしました・・ [k]
2014年05月03日 12:20撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/3 12:20
2P目支点を露岩からとる・・はずが何度やっても確かな支点がとれず、結局スノーバーを埋め直す羽目に。みぞれ雨が降り始める中、geraniumさんをお待たせしました・・ [k]
残置ハーケン。隣に自分のハーケンをうったら亀裂が広がって、ポロン・・!う〜ん・・これを当てにして来る人もいるのかもと思い、打ち直しておきましたが、ご利用は自己責任で。リスと言うより亀裂のような裂け目で、そのうち岩自体が割れる可能性もあるように感じました [k]
2014年05月03日 12:53撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/3 12:53
残置ハーケン。隣に自分のハーケンをうったら亀裂が広がって、ポロン・・!う〜ん・・これを当てにして来る人もいるのかもと思い、打ち直しておきましたが、ご利用は自己責任で。リスと言うより亀裂のような裂け目で、そのうち岩自体が割れる可能性もあるように感じました [k]
2P目のロープを伸ばす私。
kozzzzyさんが気を使って、最初に稜線に抜ける役割を譲ってくれました。
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2P目のロープを伸ばす私。
kozzzzyさんが気を使って、最初に稜線に抜ける役割を譲ってくれました。
抜けた!…な~んて言うほど大したことはないんですけどね^^。
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抜けた!…な~んて言うほど大したことはないんですけどね^^。
kozzzzyさんも雪壁を抜けて来ます。
kozzzzyさんも雪壁を抜けて来ます。
足早に山頂を通り過ぎようとしたら、ちょっと待って!と言われて、撮っていただきました^^。
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足早に山頂を通り過ぎようとしたら、ちょっと待って!と言われて、撮っていただきました^^。
横殴りの氷雨・・顔が痛い〜! [k]
2014年05月03日 13:07撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/3 13:07
横殴りの氷雨・・顔が痛い〜! [k]
白馬山荘にフォーストビバーク!
2014年05月03日 14:23撮影 by  iPhone 5s, Apple
5/3 14:23
白馬山荘にフォーストビバーク!
夕方には晴れましたが、雲がすごい勢いで流れていました。
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夕方には晴れましたが、雲がすごい勢いで流れていました。
いやあ、ビバークっていいなあ・・(酔) [k]
2014年05月03日 14:32撮影 by  iPhone 5s, Apple
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5/3 14:32
いやあ、ビバークっていいなあ・・(酔) [k]
劔岳方面。景色はいいけれど、風が強くて寒いです。
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劔岳方面。景色はいいけれど、風が強くて寒いです。
旭岳に陽が沈んでいきます。
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旭岳に陽が沈んでいきます。
3日目の朝。劔岳方面。
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3日目の朝。劔岳方面。
左手が杓子岳方面の稜線。
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左手が杓子岳方面の稜線。
劔岳にズームイン。
と、ここで不安になったのですが、コレ劔岳ですよね? 違っていたらゴメンナサイ。
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劔岳にズームイン。
と、ここで不安になったのですが、コレ劔岳ですよね? 違っていたらゴメンナサイ。
白馬方面を散歩 [k]
2014年05月04日 06:32撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/4 6:32
白馬方面を散歩 [k]
百貫(190kg弱)あるという有名な標石。これを人力で担いだなんて・・25kgのザックでヒーヒー言っている自分とは大違い! [k]
2014年05月04日 06:25撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/4 6:25
百貫(190kg弱)あるという有名な標石。これを人力で担いだなんて・・25kgのザックでヒーヒー言っている自分とは大違い! [k]
抜け口から主稜を見下ろす。アタック日和ですね [k]
2014年05月04日 06:29撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
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5/4 6:29
抜け口から主稜を見下ろす。アタック日和ですね [k]
出発! [k]
2014年05月04日 07:32撮影 by  DSC-WX100, SONY
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5/4 7:32
出発! [k]
ウーム、やはり白馬岳より杓子岳の方がかっこいいような…。
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ウーム、やはり白馬岳より杓子岳の方がかっこいいような…。
大雪渓を下山。続々と登山者やスキーヤーが登ってきます。
大雪渓を下山。続々と登山者やスキーヤーが登ってきます。
ボロいパンツを履いて来たので、尻セード。
尻セードなんて邪道だと思っていましたが、なかなかいいですね。楽チンです^^。
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ボロいパンツを履いて来たので、尻セード。
尻セードなんて邪道だと思っていましたが、なかなかいいですね。楽チンです^^。
テント場が見えてくる。倒壊が気になり、心なしか足が早まる [k]
2014年05月04日 09:12撮影 by  TG-625 , OLYMPUS IMAGING CORP.
5/4 9:12
テント場が見えてくる。倒壊が気になり、心なしか足が早まる [k]
幕営地に無事帰還。
防風ブロックが強風からテントを守ってくれました。
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幕営地に無事帰還。
防風ブロックが強風からテントを守ってくれました。

感想

GW後半は行きたかった白馬主稜へ!

実は北穂東稜という話もあったりして、二人ともそのつもりで準備していたのですが、直前になってよくよく調べてみるとそれなりの岩稜ルート。アラ?「スタンディングアックス」トカ、「肩がらみ」トカ、ボクタチ練習シタコトアリマシタッケ・・・?

雪上で満足につかえる支点が、スノーバー一択なのをうっかり忘れていました(テヘッ)geraniumさんと改めてご相談して白馬主稜にターゲットを変更しました(まあボクが行きたかっただけという説もありますが^^;)
2日前に山行計画をつくり直して下さったgeraniumさんには、いつもながら感謝です!

春の陽気も手伝ってちょいとエンクラ気分でしたが、ボロい岩稜登攀あり、厳しい風雪あり、下部ではスノーブリッジの崩壊や雪崩のリスクもはかりながら、なかなか手応えのある登攀。もう少し時期が早ければ僕たちの手に負えない局面があるかも?というところで、雪山バリエーション練習としてちょうどいいレベル。

なにより山の姿がカッコいい!特に六峰から頂上までつづくナイフリッジはゾクゾクくる美しさ。
雪の女王がつくりだす荘厳な光景を期待していたので(そう、あのディズニー映画みたいなアレです)、もう茶色い山肌が見えはじめていたのは残念でしたが、もっと実力をつけて山が真っ白な時期に再登したいな〜!
geraniumさん、本当にありがとうございました!(ペコリ)

最後に、我々が白馬山荘に逃げ込んでいた悪天候の中、遭難が発生していたようで、翌朝、大雪渓上部で100m以上に渡って続く滑落痕を目撃しました。スキーヤーのご夫婦が大雪渓上部で引き返そうとして滑落、朝に夫が心肺停止で発見されたということをニュースで知りました。急速に降下する気温で雪面がアイスバーンになり、アイゼンが浮く状態だったのかもしれません。またスキーをかついだ状態であの暴風に体ごと持って行かれたのかもしれません。
山小屋全体がゆさぶられるような風が吹きすさぶ中、一晩救助を待っていた方の心情を考えると胸が締め付けられます。山での判断には謙虚でいなくてはと改めて思うと同時に、亡くなられた方のご冥福をお祈りしたいと思います。


<作戦面の振り返り>
高度差1400m・エスケープなしということで、計画時に特に心配したのはスピードと天候。途中で時間をめぐって焦ることがないように、過去の記録を20ケースくらいざざっと参照し、主要なピークごとに細かく通過時間を決め、かなり保守的なプランを立てました(結果的にかなり精度が高かった^^)

天候の読みとしては、アタック日の前夜〜朝はポカポカ陽気。昼〜午後に東北あたりから伸びてくる長い気圧の谷が通過するため、山頂付近では短時間の雪〜雨と強風になりそう。その後、夕方から翌日に掛けて天候は回復するが、気温が急降下、という感じでした。

というわけで、
1)八峰までの広大な雪面は早い時間のうちに通過し、雪崩リスクを下げる
2)頂上雪壁までは可能な限りロープを出さずにスピード重視で
2)できれば午前中に稜線に抜けたいが、おそらく間に合わない。頂上直下では風雪に備えて着込む用意を
3)天候状況によっては白馬山荘へ避難
4)大雪渓は雪の状態に注意。アタック日すぐに降りるか、天候が回復して気温が下がる夕刻、もしくは翌朝を待つかを判断

ということにしました。
結果としては気圧の谷(低気圧)がかなり発達したらしく、天気は想定より悪い方に転びましたが、行動計画としては想定の範囲内。うまく対応できたように思いました。反省があるとすれば、出発が予定より1時間遅れたことでしょうか。また八峰までの広大な雪面のライン取りについては、おそらくこれでいいだろうという判断でしたが、また検証してみてもいいかなと思いました。

また積雪状況や行動予定によっては、主稜線上でのテント泊も可能。リッジ上の雪を崩す、もしくは雪洞を掘る手もありますが、8峰コル下の広く平らな雪面、二峰と三峰のコル・頂上直下あたりはテントが張りやすそう。いずれも西面は白馬岳本体や各ピークに遮られているため、風を避けるにも好都合そう。次はリッジ上でビバークもいいな。

装備についてもおおむね読み通り。
・ロープ、スノーバー・ダブルアックスは、結果的になくても行けましたが、状況がわからない中では持って行って正解だったと思います。
・ハーケンはいりませんでした。というのも、露岩自体がどれもぼろぼろで、岩自体が衝撃に耐えないように感じたからです(実際、最初にハーケンを撃ち込んだ場所では岩がボロっと剥がれました・・)GW期間であれば、スノーバーやデッドマンがかなり有効そう。
・帰りに備えてソリを持参しましたが・・正直、グリセードもどきで降りられました。ソリだとあちこちに雪が入って大変なのと、角度を選ぶので、グリセードもどきの方が楽か。(雪面状態によるのでしょうが)
・持参したシュラフカバーが無駄にデカすぎ。geraniumさんに笑われました^^;。また買おう。

なお、ベースキャンプ用の装備が80Lザックにおさまらず、50Lアタックザックにも荷物を詰めた状態で歩く羽目に。気温が高い中、ハードな歩荷訓練になりました。
・以前コンビニでもらった「進◯の巨人」のお皿がなぜかザックから出て来て、怒りのあまり投げ捨てそうになる。
・春山に冷凍焼うどんは大失敗。テント内に始終かつおダシの香りがぷ〜ん・・
・水はダムの下部にある雪渓の割れ目から汲めたようです。

今シーズン最後の?雪山登山として、目標の一つにしていた白馬岳主稜にkozzzzyさんとチャレンジしてきました。
ゴールデンウィークですからトレースばっちりで、バリエーションルートとしての難易度は決して高くはありませんでしたが、積雪期にしか登れないクラシックルートを無事登りきり、また一つ経験を積み重ねることができました。

しかもこの日、主稜を登って山頂まで抜けたのは、我々のほかに先行の4人パーティだけ(たぶん)。
ほとんど貸し切りと言ってもいい、絶景の天空散歩を堪能することができました。
もちろん、ヒイヒイ言いながらですけど^^。
kozzzzyさん、ご一緒いただき、ありがとうございました!

また同時に、自然の厳しさを改めて痛感しました。
登頂日は予報通り午後から天候が悪化。
ビバーク装備を持っていたとは言え、エスケープのできない切り立った尾根上で登頂が遅れたら、非常に困難な状況に陥っていただろうと思います。
自然の力には逆らえないので、天気の悪いときは山には行かないつもりですが、急に天気が崩れることもあります。
悪天候になっても乗り切ることのできる対応力を身につけること。それが今後の課題だと思いました。

昼過ぎに登頂したときにはすでにホワイトアウト。
強風に晒され、氷の礫がビシビシと顔を叩いてくるので、無理をせず白馬山荘に一泊しました(始めからそのつもりだったのでは?というツッコミはナシで!)。
その日は、夜じゅう建物を揺らすほどの強風が吹き荒れていたようです。

そして翌朝大雪渓を下山するときに、滑落、遭難した方がいたことを知りました。
点々と残る生々しい痕跡を目の当たりにし、後からニュースを見て、どんなに辛い一夜を過ごしたかと思うと涙が出そうになりました。
亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。

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コメント

おめでとうございます!
すごいですね~。やりましたね~。カッコいいですね~。
悪天候のなかご無事のご帰還何よりです。
2014/5/7 19:23
ありがとうございます!
カッコいいですか? もともと…
悪天候のときは、やむを得ず小屋でビールを飲んでおりました!キリッ

今回の条件なら、cherroさんもお誘いすればよかったなー、と現地で思いましたヨ。
2014/5/7 20:00
登頂おめでとうございます
結構急峻なルートですね〜。
山の写真もきれいですね〜。
目標をひとつ達成、おめでとうございます!
2014/5/7 22:23
mfさん、ありがとうございます!
山は景色がよくて、いいですよ~。
たまにはいかがですか?

両サイドが切れ落ちている箇所が多くて、確かに急峻でした。
トレースがなく、山小屋が営業していない時期は、全く難易度が異なるでしょうね。
初心者なので、今回はトレースありで勘弁してやりました。
2014/5/7 22:48
ソロでも行けますか?
geraさん、kozzzzy(zの数合ってる?)さんお疲れさまでした。
白馬岳主稜、楽しそうですね〜。
景色も素晴らしい。
やはり北アは南アより雪が多いですね。

着々と雪山の経験値をあげてますね!
たぶん錯覚だと思いますが、立ち姿がサマになってきた気がします

それにしても水を作るより荷揚げする方を選ぶとは!
きっとgeraさんが、「汚い雪を溶かしてのむなんて気持ちが悪い」とかなんとか言ったんじゃ?

もともと山荘に止まる予定を悪天を口実に仕方なくを装う状況判断も見事です!
2014/5/7 23:43
kanozukeさん
あ、zの数あってます(笑)

中々いい勘しておら・・おっと余計なコメントは控えます
景色はホント最高でした!

ソロはコンディション次第でしょうか。エスケープが全くないので、天候悪化時にリスクがありそうなのと、ロープを出さざるを得ない状況になったりしたら困りそうですね
2014/5/8 20:28
kanosukeさん、ありがとうございます!
さすが同じ中高年だけあって、色々と鋭いですねー。
但し、立ち姿がサマになっているというのは、錯覚ではございません。
写真を見て、自分でもそう思いました。

遠目に見ても、北アは南アより雪が多いですよねー。
主稜も雪が途切れると藪が出てきて面倒なのですが、まだほとんど雪がついていたので、雪稜歩きを楽しめました。

ソロで行けるかどうかについては一言では説明できないので、お会いする機会に直接お話しますねー。
2014/5/8 6:53
おめでとうございます!
現状でのベスト山行!って感じですか?
今年は、確実に成果を上げてますねー。

後輩塾生たちの見本ですよ。

悪天なら小屋避難ってのも、ギリギリ戦略のうち、ということにしておきましょうか(笑)。

とはいえ、次なる課題としては、
・敗退シナリオも含めて、有人小屋はナシ
・ノートレースの可能性が高い4月

数年越しのステップアップとして、
・3月の雪稜に挑戦(雪は厳冬期並み、天候は移動性高気圧が狙いやすい)

というのも、良いんじゃないと思っていますよ。
geraさんは、県界尾根の思い出がよぎっちゃいますかね(笑)。

白馬主稜に拘らずとも、他にも雪稜はありますしね。
2014/5/8 21:15
塾長ありがとうございます!
講習で教えていただいたおかげで、無事に帰れました。少し悪いコンディション、ちょっとしたプレッシャーの中でロープを出すというのも、いい練習になりました。

思ったより距離はなかったのですが、高低差はかなりありました。猿倉まで車が入れない時期、途中のラッセルも込みだと、体力をもう何ランクか上げなくてはたどり着きませんね

小屋は・・ゲホゲホ・・ 八ヶ岳東面のように、最初から営業小屋がないルートの方が割り切ることができるのですが

次はより雪が深い時期に、自分のトレース、テント泊装備を背負って行けるように、精進したいと思います。
引き続き、ご指導よろしくお願いします(ペコリ)
2014/5/8 23:27
塾長、ありがとうございます!
今回の山行は全く評価されないんじゃないかと思っていたので(トレースとか、山小屋とか、ゴニョゴニョ…)、ホッとしました。

雪山講習はもちろん、ロープの置き方一つ取っても、教えていただいたことが役に立ちました。ペコリ。

ノートレースの雪稜には憧れます。
ラッセルなしだと、なおいいのですが…。
2014/5/8 22:43
プロフィール画像
ニッ にっこり シュン エッ!? ん? フフッ げらげら むぅ べー はー しくしく カーッ ふんふん ウィンク これだっ! 車 カメラ 鉛筆 消しゴム ビール 若葉マーク 音符 ハートマーク 電球/アイデア 星 パソコン メール 電話 晴れ 曇り時々晴れ 曇り 雨 雪 温泉 木 花 山 おにぎり 汗 電車 お酒 急ぐ 富士山 ピース/チョキ パンチ happy01 angry despair sad wobbly think confident coldsweats01 coldsweats02 pout gawk lovely bleah wink happy02 bearing catface crying weep delicious smile shock up down shine flair annoy sleepy sign01 sweat01 sweat02 dash note notes spa kissmark heart01 heart02 heart03 heart04 bomb punch good rock scissors paper ear eye sun cloud rain snow thunder typhoon sprinkle wave night dog cat chick penguin fish horse pig aries taurus gemini cancer leo virgo libra scorpius sagittarius capricornus aquarius pisces heart spade diamond club pc mobilephone mail phoneto mailto faxto telephone loveletter memo xmas clover tulip apple bud maple cherryblossom id key sharp one two three four five six seven eight nine zero copyright tm r-mark dollar yen free search new ok secret danger upwardright downwardleft downwardright upwardleft signaler toilet restaurant wheelchair house building postoffice hospital bank atm hotel school fuji 24hours gasstation parking empty full smoking nosmoking run baseball golf tennis soccer ski basketball motorsports cafe bar beer fastfood boutique hairsalon karaoke movie music art drama ticket camera bag book ribbon present birthday cake wine bread riceball japanesetea bottle noodle tv cd foot shoe t-shirt rouge ring crown bell slate clock newmoon moon1 moon2 moon3 train subway bullettrain car rvcar bus ship airplane bicycle yacht

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ハイキング 白馬・鹿島槍・五竜 [2日]
猿倉〜大雪渓(秋道)〜白馬山頂〜白馬鑓温泉〜猿倉
利用交通機関: 車・バイク、 電車・バス、 タクシー
技術レベル
3/5
体力レベル
4/5

この記録で登った山/行った場所

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