白馬岳主稜
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- GPS
- 56:00
- 距離
- 11.7km
- 登り
- 1,738m
- 下り
- 1,746m
コースタイム
5/3…白馬尻5:00-八峰7:30-五峰9:30-11:20頂上直下11:50-13:00白馬岳-13:15白馬山荘
5/4…白馬山荘7:20-9:10白馬尻(テント撤収)-11:00猿倉
(kozzzzy追記)
※計画時間は下記の通り
5/2…猿倉荘13:00-15:00白馬尻(幕営)
5/3…白馬尻4:00-6:00八峰6:30-8:00五峰8:30-12:00頂上直下13:00-14:00白馬岳14:30-15:00白馬山荘
5/4…白馬山荘6:00-8:00白馬尻(テント撤収)-10:00猿倉
※ルートは手入力なので、おおまかな概略です。
天候 | 5/2…晴れ、5/3…晴れのち氷雨、5/4…晴れのち曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・登山ポスト…猿倉荘前にありました。 ・水場…白馬尻山荘近くに水場があるという情報もありましたが、冬季は解体されてしまうため、そもそも小屋がどこにあったのか分かりませんでした。 猿倉から白馬尻に向かう途中で沢に下りて水を汲むこともできますが、白馬尻からはかなり遠いです。 我々は各自5リットル以上の水を担ぎましたが、いくらアプローチが短いとは言えたいへんでした。やはり雪を溶かした方がよかったのかな。 ・温泉…倉下の湯を利用。源泉かけ流しの露天風呂で、600円とリーズナブルなので十分満足しました。ただ防犯のため監視カメラを設置してあると書いてあったので、そのあたりどうなんでしょう? 自分は問題ありませんが…。 |
写真
始めは大雪渓に張ろうとしましたが、デブリを見てさすがに気持ち悪くなり、止めました。
この日は皆さんこの場所で幕営していましたが、翌日は大雪渓のど真ん中にテントを張っている方もいました;^^。
斜度は想像していたほどではありませんでした。
むしろ2峰の方が急だったような…。
フリーでも登れましたが、せっかくロープを持って来たので、練習のため2ピッチのスタカットで登ることにしました。
感想
GW後半は行きたかった白馬主稜へ!
実は北穂東稜という話もあったりして、二人ともそのつもりで準備していたのですが、直前になってよくよく調べてみるとそれなりの岩稜ルート。アラ?「スタンディングアックス」トカ、「肩がらみ」トカ、ボクタチ練習シタコトアリマシタッケ・・・?
雪上で満足につかえる支点が、スノーバー一択なのをうっかり忘れていました(テヘッ)geraniumさんと改めてご相談して白馬主稜にターゲットを変更しました(まあボクが行きたかっただけという説もありますが^^;)
2日前に山行計画をつくり直して下さったgeraniumさんには、いつもながら感謝です!
春の陽気も手伝ってちょいとエンクラ気分でしたが、ボロい岩稜登攀あり、厳しい風雪あり、下部ではスノーブリッジの崩壊や雪崩のリスクもはかりながら、なかなか手応えのある登攀。もう少し時期が早ければ僕たちの手に負えない局面があるかも?というところで、雪山バリエーション練習としてちょうどいいレベル。
なにより山の姿がカッコいい!特に六峰から頂上までつづくナイフリッジはゾクゾクくる美しさ。
雪の女王がつくりだす荘厳な光景を期待していたので(そう、あのディズニー映画みたいなアレです)、もう茶色い山肌が見えはじめていたのは残念でしたが、もっと実力をつけて山が真っ白な時期に再登したいな〜!
geraniumさん、本当にありがとうございました!(ペコリ)
最後に、我々が白馬山荘に逃げ込んでいた悪天候の中、遭難が発生していたようで、翌朝、大雪渓上部で100m以上に渡って続く滑落痕を目撃しました。スキーヤーのご夫婦が大雪渓上部で引き返そうとして滑落、朝に夫が心肺停止で発見されたということをニュースで知りました。急速に降下する気温で雪面がアイスバーンになり、アイゼンが浮く状態だったのかもしれません。またスキーをかついだ状態であの暴風に体ごと持って行かれたのかもしれません。
山小屋全体がゆさぶられるような風が吹きすさぶ中、一晩救助を待っていた方の心情を考えると胸が締め付けられます。山での判断には謙虚でいなくてはと改めて思うと同時に、亡くなられた方のご冥福をお祈りしたいと思います。
<作戦面の振り返り>
高度差1400m・エスケープなしということで、計画時に特に心配したのはスピードと天候。途中で時間をめぐって焦ることがないように、過去の記録を20ケースくらいざざっと参照し、主要なピークごとに細かく通過時間を決め、かなり保守的なプランを立てました(結果的にかなり精度が高かった^^)
天候の読みとしては、アタック日の前夜〜朝はポカポカ陽気。昼〜午後に東北あたりから伸びてくる長い気圧の谷が通過するため、山頂付近では短時間の雪〜雨と強風になりそう。その後、夕方から翌日に掛けて天候は回復するが、気温が急降下、という感じでした。
というわけで、
1)八峰までの広大な雪面は早い時間のうちに通過し、雪崩リスクを下げる
2)頂上雪壁までは可能な限りロープを出さずにスピード重視で
2)できれば午前中に稜線に抜けたいが、おそらく間に合わない。頂上直下では風雪に備えて着込む用意を
3)天候状況によっては白馬山荘へ避難
4)大雪渓は雪の状態に注意。アタック日すぐに降りるか、天候が回復して気温が下がる夕刻、もしくは翌朝を待つかを判断
ということにしました。
結果としては気圧の谷(低気圧)がかなり発達したらしく、天気は想定より悪い方に転びましたが、行動計画としては想定の範囲内。うまく対応できたように思いました。反省があるとすれば、出発が予定より1時間遅れたことでしょうか。また八峰までの広大な雪面のライン取りについては、おそらくこれでいいだろうという判断でしたが、また検証してみてもいいかなと思いました。
また積雪状況や行動予定によっては、主稜線上でのテント泊も可能。リッジ上の雪を崩す、もしくは雪洞を掘る手もありますが、8峰コル下の広く平らな雪面、二峰と三峰のコル・頂上直下あたりはテントが張りやすそう。いずれも西面は白馬岳本体や各ピークに遮られているため、風を避けるにも好都合そう。次はリッジ上でビバークもいいな。
装備についてもおおむね読み通り。
・ロープ、スノーバー・ダブルアックスは、結果的になくても行けましたが、状況がわからない中では持って行って正解だったと思います。
・ハーケンはいりませんでした。というのも、露岩自体がどれもぼろぼろで、岩自体が衝撃に耐えないように感じたからです(実際、最初にハーケンを撃ち込んだ場所では岩がボロっと剥がれました・・)GW期間であれば、スノーバーやデッドマンがかなり有効そう。
・帰りに備えてソリを持参しましたが・・正直、グリセードもどきで降りられました。ソリだとあちこちに雪が入って大変なのと、角度を選ぶので、グリセードもどきの方が楽か。(雪面状態によるのでしょうが)
・持参したシュラフカバーが無駄にデカすぎ。geraniumさんに笑われました^^;。また買おう。
なお、ベースキャンプ用の装備が80Lザックにおさまらず、50Lアタックザックにも荷物を詰めた状態で歩く羽目に。気温が高い中、ハードな歩荷訓練になりました。
・以前コンビニでもらった「進◯の巨人」のお皿がなぜかザックから出て来て、怒りのあまり投げ捨てそうになる。
・春山に冷凍焼うどんは大失敗。テント内に始終かつおダシの香りがぷ〜ん・・
・水はダムの下部にある雪渓の割れ目から汲めたようです。
今シーズン最後の?雪山登山として、目標の一つにしていた白馬岳主稜にkozzzzyさんとチャレンジしてきました。
ゴールデンウィークですからトレースばっちりで、バリエーションルートとしての難易度は決して高くはありませんでしたが、積雪期にしか登れないクラシックルートを無事登りきり、また一つ経験を積み重ねることができました。
しかもこの日、主稜を登って山頂まで抜けたのは、我々のほかに先行の4人パーティだけ(たぶん)。
ほとんど貸し切りと言ってもいい、絶景の天空散歩を堪能することができました。
もちろん、ヒイヒイ言いながらですけど^^。
kozzzzyさん、ご一緒いただき、ありがとうございました!
また同時に、自然の厳しさを改めて痛感しました。
登頂日は予報通り午後から天候が悪化。
ビバーク装備を持っていたとは言え、エスケープのできない切り立った尾根上で登頂が遅れたら、非常に困難な状況に陥っていただろうと思います。
自然の力には逆らえないので、天気の悪いときは山には行かないつもりですが、急に天気が崩れることもあります。
悪天候になっても乗り切ることのできる対応力を身につけること。それが今後の課題だと思いました。
昼過ぎに登頂したときにはすでにホワイトアウト。
強風に晒され、氷の礫がビシビシと顔を叩いてくるので、無理をせず白馬山荘に一泊しました(始めからそのつもりだったのでは?というツッコミはナシで!)。
その日は、夜じゅう建物を揺らすほどの強風が吹き荒れていたようです。
そして翌朝大雪渓を下山するときに、滑落、遭難した方がいたことを知りました。
点々と残る生々しい痕跡を目の当たりにし、後からニュースを見て、どんなに辛い一夜を過ごしたかと思うと涙が出そうになりました。
亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます。
すごいですね~。やりましたね~。カッコいいですね~。
悪天候のなかご無事のご帰還何よりです。
カッコいいですか? もともと…
悪天候のときは、やむを得ず小屋でビールを飲んでおりました!キリッ
今回の条件なら、cherroさんもお誘いすればよかったなー、と現地で思いましたヨ。
結構急峻なルートですね〜。
山の写真もきれいですね〜。
目標をひとつ達成、おめでとうございます!
山は景色がよくて、いいですよ~。
たまにはいかがですか?
両サイドが切れ落ちている箇所が多くて、確かに急峻でした。
トレースがなく、山小屋が営業していない時期は、全く難易度が異なるでしょうね。
初心者なので、今回はトレースありで勘弁してやりました。
geraさん、kozzzzy(zの数合ってる?)さんお疲れさまでした。
白馬岳主稜、楽しそうですね〜。
景色も素晴らしい。
やはり北アは南アより雪が多いですね。
着々と雪山の経験値をあげてますね!
たぶん錯覚だと思いますが、立ち姿がサマになってきた気がします
それにしても水を作るより荷揚げする方を選ぶとは!
きっとgeraさんが、「汚い雪を溶かしてのむなんて気持ちが悪い」とかなんとか言ったんじゃ?
もともと山荘に止まる予定を悪天を口実に仕方なくを装う状況判断も見事です!
あ、zの数あってます(笑)
中々いい勘しておら・・おっと余計なコメントは控えます
景色はホント最高でした!
ソロはコンディション次第でしょうか。エスケープが全くないので、天候悪化時にリスクがありそうなのと、ロープを出さざるを得ない状況になったりしたら困りそうですね
さすが同じ中高年だけあって、色々と鋭いですねー。
但し、立ち姿がサマになっているというのは、錯覚ではございません。
写真を見て、自分でもそう思いました。
遠目に見ても、北アは南アより雪が多いですよねー。
主稜も雪が途切れると藪が出てきて面倒なのですが、まだほとんど雪がついていたので、雪稜歩きを楽しめました。
ソロで行けるかどうかについては一言では説明できないので、お会いする機会に直接お話しますねー。
現状でのベスト山行!って感じですか?
今年は、確実に成果を上げてますねー。
後輩塾生たちの見本ですよ。
悪天なら小屋避難ってのも、ギリギリ戦略のうち、ということにしておきましょうか(笑)。
とはいえ、次なる課題としては、
・敗退シナリオも含めて、有人小屋はナシ
・ノートレースの可能性が高い4月
数年越しのステップアップとして、
・3月の雪稜に挑戦(雪は厳冬期並み、天候は移動性高気圧が狙いやすい)
というのも、良いんじゃないと思っていますよ。
geraさんは、県界尾根の思い出がよぎっちゃいますかね(笑)。
白馬主稜に拘らずとも、他にも雪稜はありますしね。
講習で教えていただいたおかげで、無事に帰れました。少し悪いコンディション、ちょっとしたプレッシャーの中でロープを出すというのも、いい練習になりました。
思ったより距離はなかったのですが、高低差はかなりありました。猿倉まで車が入れない時期、途中のラッセルも込みだと、体力をもう何ランクか上げなくてはたどり着きませんね
小屋は・・ゲホゲホ・・
次はより雪が深い時期に、自分のトレース、テント泊装備を背負って行けるように、精進したいと思います。
引き続き、ご指導よろしくお願いします(ペコリ)
今回の山行は全く評価されないんじゃないかと思っていたので(トレースとか、山小屋とか、ゴニョゴニョ…)、ホッとしました。
雪山講習はもちろん、ロープの置き方一つ取っても、教えていただいたことが役に立ちました。ペコリ。
ノートレースの雪稜には憧れます。
ラッセルなしだと、なおいいのですが…。
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