【北ア】新穂高から行く北穂高岳・涸沢岳(白出沢→荷継沢→涸沢岳沢→涸沢岳西尾根経由)
- GPS
- 15:02
- 距離
- 27.2km
- 登り
- 3,028m
- 下り
- 3,073m
コースタイム
- 山行
- 13:46
- 休憩
- 2:15
- 合計
- 16:01
天候 | 天気@ 晴れ昼過ぎからガスのち雷雨で髱を伴う 気温@ 新穂高温泉15℃(AM4:00頃)、涸沢岳16℃(AM11:00頃)、北穂高岳14|℃(PM1:00頃) 風@ ほとんど無風のち東の風(そよ風程度) 積雪@ 白出沢本線では荷継沢出合から上に200〜300m程度の雪渓が数箇所有って、アイゼン&ピッケルまたはストックが必要。涸沢岳〜北穂高岳の間には2箇所ほど短い残雪有り、こちらはアイゼン等は不要かと思う。その他、各沢状地形には必ず残雪がある状況。 |
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過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
深山荘前の登山者用無料駐車場(市営新穂高第三駐車場※記号P5)に駐車。朝3:30時の時点で、自分を含めて5割程の埋まり具合で、最上段はほぼ満車だったが、 2段目から下はまだまだ余裕。翌日の天候悪化を嫌ってか登山者は少なめだった。なお、指導センター目の前の県営公共駐車場(注:臨時※記号はP3)は、繁忙期のみの営業。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
!注意! 今回は白出沢登山道を途中から外れ、荷継沢を詰め上がっていますが、こちらは登山道ではありません。荷継沢自体もいくつもの沢筋が派生しており、迷いやすいうえ、浮石多数の急勾配な沢筋で、行くべきルートを間違って詰め上がると進退窮まります。このため登攀装備は使う使わないにかかわらず持参するべきです。また、冬の定番ルートとしてはメジャーな涸沢岳西尾根ですが、こちらも登山道ではありません。F沢のコルから上は不明瞭な道筋ながらも歩けるレベル(ただし断崖絶壁)ですが、F沢のコルから下(蒲田富士方面)は、今の時期猛烈なヤブに支配され、進むことは困難かと思われます。 @まとめ@ この日は昼までは絶好の登山日和で、最高の眺望が楽しめたが、昼過ぎからはこの時期らしく積乱雲が急激に発生して雷雨となった。これからの時期、特に高山帯では、午前中に行動を終えるように計画するか、緊急避難先をあらかじめ幾つか設定しておいて、天候の急変に備える必要がある。 以下、各セクションごとの状況 @新穂高登山口から白出沢登山口まで@ いわゆる右俣林道のことだが、特に問題は無かった。強いて言えば斜面側からの落石に注意することくらい。 @白出登山口から重太郎橋まで@ 登山口から入ってしばらくは傾斜の緩い快適な道が続く。石畳の道なので雨後などの濡れた状況では滑りに注意。実際、この日の帰りがそういったシチュエーションだったのでよく滑って苦労した。 @重太郎橋から荷継沢出合まで@ この周辺が2年前の地震の被害を強く受けた所。重太郎橋からすぐ先にあったはずの長い木製ハシゴは無くなっており、そこから続く岩切道も崩れていて、今は低い場所から鎖を新たに設置して新しい岩切道に生まれ変わっていた。長い岩切道は雨で濡れていると滑って非常に危険。その先、鉱石沢へと向かう途中に長い鉄製ハシゴが新設されていた。鉱石沢を渡って尾根の登山道への斜面にも足場と鎖が新設。これらは非常に有り難かった。この先は荷継沢まで急登なものの快適な登山道。このように素晴らしい補修整備状況なので、ここまでであれば十分に通常利用に耐えるものと思われた。 @荷継沢出合から穂高岳山荘(復路の下りで通行)@ 穂高岳山荘(白出のコル)から降りはじめは石畳状になっていてわかりやすいが、下に進むに連れて不明瞭となってくる。丸印や、くの字曲がり角印、矢印などは豊富にあるので、見逃さないようにしたい。その先雪渓が数か所あるが、その横のガレ場地帯を通っても良さそう。雪渓を過ぎると荷継沢出合までは、更に道筋が不明瞭となり、特に今回は降雨とガスで視界不良だったので危険な香りがした。今回は通過時に雨で濡れており、とてつもなく滑りやすくて、非常に恐ろしかった。このルートは晴れの安定した時に使うのが望ましい。 @荷継沢、涸沢岳沢、涸沢岳西尾根@ 荷継沢とその上部にある涸沢岳沢については登山道ではないので詳細は割愛するが、浮石の多い急斜面と、迷いやすい支沢が多数あり、進退窮まりやすいシチュエーションであり、危険でオススメできない。涸沢岳西尾根のF沢のコルから上は、道筋のない細尾根が続き、強風時や躓いたりして転ぶと、断崖絶壁へ藻屑と化す。オススメするようなものではないが、眺望は最高。 @涸沢岳から北穂高岳@ 常に断崖絶壁のキレット。岩稜帯に慣れていないと危険なレベルではあるが、鎖やハシゴの設置が豊富なので、それを確実に使うことができて、なおかつ高度感にも免疫があれば、慎重に行けば大丈夫だとは思う。ジャンダルムよりもこちらのほうが難しいように思う。大キレットは通ったことがないので比較できない。 |
その他周辺情報 | 中崎山荘 奥飛騨の湯 https://www.okuhida.or.jp/roten_catalog/detail?id=3311 ひがくの湯 https://shinhotaka.com/place/766 ひらゆの森 http://www.hirayunomori.co.jp |
写真
感想
2年前の地震以来、長らく通行止め状態にあった、新穂高から奥穂高岳方面へのルートである白出沢登山道。この登山道は大好きなので、通行できる日が来ることを心待ちにしていたのだが、このほど通行再開したとの情報をキャッチしたので、早速行ってきた。それに加えて今回は、この登山道を途中から外れ、荷継沢を涸沢岳西尾根へと詰め上がり、ここからでないと見ることができない北穂高岳の滝谷側風景を堪能するオプションもツアーに組み込んだ。このルートのメインである奥穂高岳はまた次の機会とした。
今回の見所はなんと言っても北穂高岳滝谷の圧倒的威容。その様子をひと言で表せば、岩の終着駅。視界いっぱいに広がる異様とも言えるその風景は圧巻だった。これを見たあとに実際に北穂高岳の頂上に立つと、更に味わい深い満足感に浸れるという、素晴らしいツアーだった。
ツアー内容の満足感とは裏腹に、夏山シーズン特有の天候の急変は恐ろしかった。特に岩稜帯だと逃げ場がなく、一旦濡れると通過が格段に難しくなってしまい、下山できなくなることも十分考えられるので、この点にはあらためて留意し安全登山をしていきたいと思った。更に今回は、カメラを落っことして壊してしまったり、落とし物をして山を汚してしまった。まったくタルんでおり恥ずかしいことで、反省している。
以下、備忘録。
@着用衣服・装備(スタート時)@
ミレーのアミアミ上下、半袖Tシャツ、アームカバー、靴下(中厚手)、ハードシェルパンツゲイター内蔵、薄手グローブ、帽子、3シーズンミドルカットブーツ
@持参装備・衣服(状況により使用する物など)@
12本爪アイゼン(使用)、ウィペット2本(使用)、登攀用具一式(ハーネス、スリング、カム、カラビナ、ATC、30mロープを使用)、ハードシェルジャケット、ヘルメット(使用)、予備化繊ベースレイヤー、予備薄手グローブ、予備ハードシェルパンツ、サングラス(使用)、ヘッドランプ2個(1個使用)、予備のGPS機、気象観測計(使用)
@飲・食料@
ポカリ4.5リットル(うち4リットル消費)、おにぎり梅干しと辛子明太子3個(全消費)、明太フランスパン(消費)、アルフォート個包装5個(紛失)、ベビースターらーめんうましお味1袋(紛失)、抹茶生なごやん1個(紛失)
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