中央アルプス 空木岳から宝剣岳まで縦走
- GPS
- 56:00
- 距離
- 18.1km
- 登り
- 2,893m
- 下り
- 1,201m
コースタイム
5/2 空木岳→檜尾避難小屋内泊
5/3 →極楽平から宝剣空身でピストン→極楽平から千畳敷へ下山
天候 | 5/1 晴れのち吹雪(ちょっと融けてるアラレ) 5/2 快晴 5/3 強風晴れ後ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
全部で7ピッチロープ使用(縦走中5回、宝剣で2回) 5/1 池山尾根はトレースあり 途中、急峻なルンゼ、雪付きのいやらしいトラバースなどあり、雪山に慣れた人向け 5/2 空木岳北部でロープ使用、3ピッチ(うち懸垂2回) 夏道ではフィックスロープ、鎖、はしごがある模様 付近で夏道を失い、ピークをトラバースするが悪いので2ピッチ使用(うち懸垂1回) 5/3 宝剣の同一箇所でロープ使用、行き帰りで計2回 |
写真
感想
■1日目
菅平で前泊して、暗いうちに出発。スキー場から池山尾根を登り始める。
池山小屋の周辺に来ると、雪が出てくるようになる。
大地獄周辺になると結構きわどいところも出てくる。
短いが岩のルンゼの上に積もった雪が融けて固まり、氷壁になっている。
夏は鎖場のようだが今は使えない。
寝たアイスのように、ピオレトラクションと前爪で登る。
一応、アイスクライミングしているので。
その先、迷い尾根の部分でちょっと急な雪のルンゼを登る。
パトロールが数日前にトレースと赤テープを付けてくれていたようで、踏み後はっきりだったので問題なく進めたが、トレースがないと迷いそう。
分岐を過ぎて駒石の尾根を歩くが、風雪が強くなり冬山の様相に。
と同時に自分がバテて遅れ始める。最近山から離れていたツケだ。
尾根上でテント場を整地して、さあ建てようと広げた瞬間、ガスが晴れて谷間が見えた。
谷底に空木平避難小屋の屋根が見えたので、風が強い稜線にテントを張るよりはいいだろうと、小屋を目指す。
小屋に着くと、2m近く埋まっている。入口付近を1m以上掘ってみたが、硬い氷の層に阻まれ、掘り進めることができなくなる。
仕方なく小屋横を整地してテント設営。先ほどから穴掘り雪かきをしまくりで、さすがに疲れた。
夕食はTさん作の美味しい鍋をいただき、風が強い中就寝。
■2日目
無風快晴。The Dayの予感。
ゆるやかなボウルの谷を稜線めがけて登っていく。
空木平もカール地形なんだろうきっと、スキーで滑ったら最高だろう。
紺碧の空に自分が溶けそうになる中、空木岳の山頂に着く。
深田久弥が言ったとおり、素敵な不思議な響きのある山だ。
前から何となく気になっていた。特別な日にこの山頂を踏めて私は幸せだ。
きっとこの一年、いいことがあるだろう。
そう、お山に願って誓って、頂を後にする。
コブを二つほど越えると、フィックスロープのある急な斜面に出る。
ここは懸垂したほうが良い。夏道の工作物用の大きなアンカーにロープを通して懸垂下降する。
そのあとも続けて2ピッチロープを出す。途中の支点は、全て夏用の工作物で取れる。
そこが過ぎれば、平凡な稜線歩き。
結構な部分、夏道が出ており、アイゼンの爪を減らしながら歩いていく。
やがって雪が腐りだし、踏み抜きが増えていく。
そして、越えれども越えれども、似たようなピークが続く。
やがて自分の体力が奪われていき、本格的にバテてへたり込んでしまった。
The Dayのはずが、散々なDayになってしまった。
同行のお二人にはご迷惑をおかけしました。
何とか檜尾の避難小屋まで行き、快適な小屋で一夜を過ごした。
■3日目
風が強い。今日は宝剣だというのに嫌な風だ。
稜線をテクテク歩く。天気は悪くない。極楽平に到着。
その先のケルンに荷物をデポし、ロープと登攀具以外は空身で宝剣山頂をピストンする。
やっぱり宝剣、切り立っている、結構怖い。
途中1か所、短いが切り立った雪壁をトラバースするところがあったのでロープを出した。
確保支点は、残置ハーケン2枚。
(帰り、この部分はトラバースせず正面の木が生えた雪壁を登った。木で支点が取れるので登りならこちらのほうが良い)
そのあとも気が抜けない鎖場が続く。
鎖がなければロープを出すような斜面を、鎖があるから確保なしで進む。
爪をひっかけて蹴躓いたり、蹴りこんだ足場が崩れたりでもしたら、西側の谷底へ一直線だ。
やっぱりスリルある。
しばし緊張の連続を強いられるも、宝剣山頂に到着。
眺めが良い。千畳敷から蟻のような人の列が登ってくるのが見える。
気分が良い。
写真を撮った後、来た道を引き返し、極楽平へ行く。
ガスの中、千畳敷に降りて、神社で安全登山の御礼をした。
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