記録ID: 452921
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
谷川・武尊
茂倉新道から谷川岳−蓬新道の下山不能−大源太山からエスケープ
2014年05月24日(土) [日帰り]
体力度
6
1~2泊以上が適当
- GPS
- 20:53
- 距離
- 23.2km
- 登り
- 2,639m
- 下り
- 2,571m
コースタイム
5:00 茂倉新道駐車場 − 6:50 矢場ノ頭 − 8:10 茂倉岳避難小屋通過 − 8:25 茂倉岳 − 8:50 一ノ倉岳 − 9:40 オキノ耳 − 9:50 トマノ耳 − 10:52 一ノ倉岳 − 11:10 茂倉岳 − 12:40 武能岳 − 13:35 蓬ヒュッテ − 13:48 蓬新道清水 − 14:48 蓬新道下山中止 − 15:25 蓬ヒュッテ − 15:33 シシゴヤノ頭方面分岐 − 16:13 七ツ小屋山 − 17:00 大源太山 − 18:45 大源太山駐車場
天候 | 晴れ 気温 午前16−12℃前後 午後20℃以上 日の出 4:27 日の入り 18:54 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年05月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
大源太山駐車場に予定外の下山をした後、茂倉新道登山口までタクシーで移動(5000円弱) |
コース状況/ 危険箇所等 |
登山届 新潟県警察にメールで登山届を提出した。 http://www.police.pref.niigata.jp/osirase/sangaku/ 登山ポストは土樽駅付近にあるらしいが、茂倉新道登山口にはないことに注意。 道の状況 ■駐車場 − 茂倉岳 木の根の段差があったりしてきつい登りなので、息を切らさないことを意識して登った。 ところどころで雪の上を歩いた。 茂倉岳避難小屋はまだ雪に埋もれていた。 雪の上から避難小屋のドアが見えている状態だったのでドアを開けられたかもしれないが、確認しなかった。 ピッケルはあった方がよい。 ■茂倉岳 − 一ノ倉岳 ゆるい稜線上にかなり雪が残っていた。 念のためピッケルを持って歩いた。 ■一ノ倉岳 − 谷川岳 すでに雪はないが、けわしいコースなので慎重に進んだ。 谷川岳では各所にクサリが設置されている。クサリに頼って下った箇所もあった。 谷川岳の岩は乾いていてもヌルヌルする感触があり、滑らないように気をつかった。 ■茂倉岳 − 武能岳 雪の上を登るところが1ヶ所あったが、それほどの危険箇所ではなく、ピッケルがなくてもなんとかなりそうだった。 歩きやすいコースだが、疲れた状態では武能岳の登りがきつい。 ただし、武能岳に登るのは思ったほど時間がかからなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 以下、武能岳から茂倉新道登山口まで、武能岳の山頂で出会ったAさんという方と一緒だった。 Aさんが私と同じコースで下山するというので、私から話を持ちかけて同行させていただいた。 私としては、ほかの人がどんな歩き方をしているのかということに興味があった。 残雪で蓬新道が下れない可能性については、2人ともまったく考えていなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ■武能岳 − 蓬ヒュッテ ひたすら気持ちよく下れた。 ■蓬ヒュッテ − 蓬新道(中止) 蓬ヒュッテから10分ほどの清水までは道が続き、その先に雪が残っていた。 雪の先に道があらわれているので残雪が一部分にしかないことを期待して下ってみたが、尾根は完全に雪におおわれていた。 雪がややザラメ状で、ピッケル・アイゼンが十分な効果を発揮しない。 1320M付近で登山道のコースは方向を変え、茶入沢と斜面を横切って隣の尾根に乗る。 隣の尾根に斜面を水平に横切る蓬新道が見えるが、斜面は急で道の各所に残雪がついている。 そのルートをたどるのは明らかに困難できわめて危険だった。 現在いる尾根あるいはその南側の沢を下るのも危険で、よくて行き詰まる可能性が高かった。 Aさんがピッケルを持っていないので雪の上をそれ以上進むという選択はありえなかったが、自分一人だったとしても蓬ヒュッテに引き返す以外にない状況だった。 もし自分一人だったら、危険なところまでつっこんで泣いていたかもしれない。 後で調べてわかったことだが、残雪期の正しいコースはシシゴヤノ頭の尾根上から蓬新道の尾根を下る。 ヤマレコには、同じような状況で茶入沢を下った記録があった。 http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-40069.html −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 蓬新道を断念して別コースで下山する場合、一番堅実なのは元来た道を引き返すことだろう。 しかし、私がAさんに提案して、大源太山から下山した。 できれば茂倉岳に登り返したくなかった。 大源太山のコースは1週間前に歩いて状態がわかっていた。 大源太山登山口の駐車場には携帯電話の通話が可能だという表示があり、付近には確かタクシー会社の電話番号の広告があった。 Aさんが携帯電話を持っているので、タクシーで茂倉新道の駐車場まで戻ろうと提案した。 Aさんはピッケルを持っていないので、シシゴヤノ頭の尾根から大源太山登山口あるいは蓬新道に下るという選択肢はなかった。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ■蓬ヒュッテ − 七ツ小屋山 − 大源太山 − 大源太山登山口(エスケープ) 七ツ小屋山−大源太山の間に雪の下りがあるので、ピッケルはあった方がよい。 大源太山の山頂直下のクサリ場は険しいが、しっかりした手がかりと足がかりが多いので、クサリに頼らなくても登れる。 大源太山からの下りはきつい。 Aさんはスパイク長靴で爪を痛めてしまい、急な下りでたいへん苦しんだ。 渡渉する沢は、日中の雪どけのため午後から夕方にかけて増水する。 下山してすぐの渡渉ポイントでは、ロープを伝って、靴に浸水することなく渡れた。 登山口に近い渡渉ポイントでは、ロープの5メートルほど上流の比較的浅く水流の弱いところを渡った。 膝まで水があり、行動中にスパッツのゴムが切れていた左靴は完全に浸水した。 スパッツがしっかりついていた右靴にも多少水が入った。 スパッツを併用していたAさんの長靴は浸水しなかったらしい。 私は手ぶらで渡渉したが、水勢の強さによる危険は感じなかった。 なお、夕方の増水した状態で岩に飛び移って渡るのは、常人には不可能だと思われる。 登山口駐車場では携帯電話の電波が届かなかったが、20メートルほど林道を下ると電波が通じてタクシーを呼ぶことができた。 ※地図上のルートについて 往路オキノ耳から復路一ノ倉岳手前までのルートは手入力した。 電池切れに気づかず、その区間のGPSログが記録されなかった。 |
ファイル |
(更新時刻:2014/05/25 18:29)
|
写真
装備
個人装備 |
ピッケル
アイゼン
時計
地理院地図/山と高原地図2011年版/コンパス
GPS デジタルカメラ
クマよけ鈴/スプレー
軍手
レインジャケット
レインパンツ
スパッツ
ヘッドランプ
水 2L
食糧 2日分
救急用品
ナイフ
防寒着
オーバーグローブ/インナーグローブ
シェルター
マット
シュラフカバー/インナーシュラフ
ザック 35L
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感想
谷川岳とそれに連なる山々。
何度か谷川岳に登ったがこれほど見晴らしがいいのは初めてだと、別々に出会った2人の人が同じようなことを言った。
そのすばらしさについての感想も吹き飛んでしまうくらい、今回は危うかった。
この時季の蓬新道についての下調べの不備が一番大きい。
予定したコースが安全に下山できないと判断するのも遅れた。
同じような残雪のパターンを最近の山行で経験しているのに、なかなかあきらめられなかった。
やはり楽観的な思いこみが強すぎる。
それでも同行者のAさんがいてくれたおかげで、いつもよりは慎重に行動した。
自分一人だったらとんでもないことをやらかしたかもしれない。
最低限のビバーク装備のおかげで、その日のうちに下山しなくてはという焦りはなかった。
ヘリテイジのエマージェンシー・ソロシェルターに2人寝ることが可能だとすれば、1人よりも温かいはずなので、緊急時にはかえっていいかもしれない。
Aさんは私の倍くらい体力がありそうだが、登山には慣れておらず、懐中電灯すら持たない軽装だった。
登山口にポストがなかったので登山届も提出しなかったそうだ。
今回温存した食糧
・カロリーメイト…2.5箱
・アミノバイタルゼリー…1.5パック
・板チョコ…1枚
・黒砂糖等…少々
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コメント
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shiremonoさん、こんにちは
茂倉岳の山頂で少しお話しした者です!!
下山ルート、大変だったのですねー
的確な判断、勉強になります
武能岳の山頂で出会ったスパイク付長靴のAさんとも茂倉岳の山頂でお話ししました!
たぶんこの日、茂倉岳の山頂に1時間も居座ったのは私だけでしょう(笑)
ヤマレコでは、はじめまして!
茂倉岳では楽しいひとときをありがとうございました。
谷川岳ですれちがったときのお顔は厳しく、茂倉岳の山頂ではとてもにこやかで、すぐには同じ人だと気がつきませんでした。
せっかくの出会いの後で後味の悪い思いをさせかねなかったことを反省しております。
「その人とは茂倉岳の山頂で会って話をしました」とyama59さんが目撃情報を提供することになるみたいな。
Aさんにしても、余力は十分あるのに爪が痛くて思うように下れなくなるなど、コース計画のまちがい以外にも計算ちがいがいろいろあったようです。
2人の運がよかったことを感謝しながら、失敗の経験を生かそうと思います。
こんばんは。
これ、日帰りですか・・・・
すごい健脚ですねぇ、尊敬します。
lizhijpさん
おはようございます
いまは日が長いですからね。
何事もなければ、計画したコースが歩けてしまうのです。
しかし、当然体力はほぼ使いはたします。
不測の事態に直面した今回はえらいことになりました。
shiremonoさん、こんにちは。
その大源太山から一緒に下山したというAさんですが、実は私の山の仲間です。Aさんは「マラソン」をしていると話していませんでしたか?
あの山行の後、Aさんは私のところに来て「あやうく山中でビバークするところだった」と話していました。Aさんはマラソンランナーだけに体力はかなりありますが、登山経験はまだ少ないため、今回はいろいろな面で不安を感じたそうです。shiremonoさんにはだいぶ感謝していましたよ。いい経験になったと申しておりました。無事に下山できてよかったです。
今度機会がありましたら、ぜひAさんも含めて登山に行きましょう!
こんにちは
実はForest21さんの新保岳の記録にコメントをさしあげたことがあります。
最近の守門岳の記録も、いいなあと思いながら拝見しました。
Aさんの話に出てきた先輩がForest21さんであるということは、Aさんからも今朝メールで教えていただき、驚いていたところです。
今回は、2人がたまたま一緒だったことがいい方向にはたらき、それがなかったらそれぞれが遭難してもおかしくない状況だったと考えています。
ほかにもAさんと話をして思ったことがあります。
私はなるべく登山の頻度や難度をあげて体力をつけようとしていたのですが、それだとブランクをつくらないための登山をするという本末転倒が生じたり、体力的に余裕のない登山になってしまうという問題があります。
それで、私もジョギングのような日常的な運動がしたいなあと。
Forest21さんから登山に誘っていただけるのはありがたいことです。
夏にでもご一緒できたらと思います。
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