剱岳・剱尾根主稜~チンネ左稜線~早月尾根


- GPS
- 56:00
- 距離
- 17.5km
- 登り
- 3,191m
- 下り
- 3,183m
コースタイム
- 山行
- 12:29
- 休憩
- 0:26
- 合計
- 12:55
- 山行
- 13:50
- 休憩
- 1:45
- 合計
- 15:35
過去天気図(気象庁) | 2022年07月の天気図 |
---|---|
アクセス |
利用交通機関:
電車 自家用車
|
写真
装備
個人装備 |
Tシャツ
ソフトシェル
ズボン
防寒着
雨具
靴
ザック
アイゼン
ピッケル
行動食
非常食
飲料
地図(地形図)
トポ
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
GPS
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
ツェルト
ナイフ
シェラフ
クライミングシューズ
ハーネス
ヘルメット
チョーク
確保機
ロックカラビナ
カラビナ
|
---|---|
共同装備 |
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
ロープ
クイックドロー
スリング
セルフビレイランヤード
カム
ナッツキー
ギアスリング
タイブロック
捨て縄
ボールナッツ
|
感想
剱で本チャンに行ってくれるパートナーを探していたところ、富山のワタル(以下、W)が「この日程なら行ける」と言う。直前ではあったが、頑張って日程を確保して木曜の仕事終わりで荷物を抱え新幹線に乗る。久しぶりの電車登山、息子を差し置いて「かがやき」に乗る罪悪感はなかなかだったが、とても快適な旅だった。富山駅で拾ってもらってW宅で準備して就寝。富山は案外近かった。
計画はWがかねてより行きたかったという池ノ谷から剱尾根主稜のラインに、自分が行きたかったチンネ左稜線を足した欲張りプラン。ダメなら途中でどちらかを捨てればよろしい。行くしかない。
2022年07月29日(金)
・馬場島~小窓尾根~池ノ谷~剱尾根主稜2600mまで
W宅から馬場島へ向かう車窓から剱の稜線がクッキリ見えている。いわく、夏にこれほどはっきり見えることは少ないという。番場島に車をとめ、しばらく林道歩き。オロロやブヨの集団に取り囲まれてツラい。林道終点から作業の足場を登り、足場が途切れた後少しだけ悪い斜面をトラバースすると、登山道に出た。標高千mを超えるとオロロはいない。沢に下りてすぐに裸足で渡渉。水はとても冷たい。直後に飛び石で再度渡渉してから小窓尾根に取り付く。しばらく急坂を耐えると、尾根から池ノ谷が見える。まだ残雪は豊富。
降り立った池ノ谷出合は天国のような場所だったが、先を急ぐ。途中雪解け水を補給してR10からコルEへ。ここは足場が崩れやすかった。その後、しばらく藪漕ぎ。最初の岩場でロープを出し、Wリード。その後、Ⅳ A1のピッチをリードするが、ルーファイとプロテクションに迷い消耗してテンション。体感10c/dくらいだったが、宿泊装備を背負ってなのでよくわからない。無念。気を取り直して登り、最後は左に逃げてピッチを切る。次のピッチはWが藪を抜けて初日の岩は終わり。
無計画に「行けるところまで」と思っていたら、日没前に2600m付近で2人寝るのに適したスペースを発見。ここは最高の展望台で、小窓の王や明日向かう「門」がよく見えた。少ない水を節約しながら夕飯を済ませて就寝。
2022年07月30日(土)
・剱尾根主稜2600m~長次郎ノ頭~池ノ谷ガリー~三ノ窓~チンネ左稜線敗退~三ノ窓
3時半起床、5時前出発。朝一の核心ピッチはWがリード。フォローしたが、なかなか豪快で楽しいピッチだった。出だしに残置スリングが多し。続くちょっとした岩場も露出感があるのでスタカットで行く。その後は歩いたり、ロープ1本でコンテしたりしながら長次郎の頭へ。稜線から約4ヵ月ぶりに見た長次郎谷はまだ雪がたっぷり残る。雪渓からしたたる水で喉を潤した。北方稜線は3月に一度歩いたことがあるのみだが、その時はほぼ稜線通しだった。夏は巻きが多く、ルーファイがより複雑な感じか。池ノ谷ガリーもひどいガレで夏の方がしんどい。
三ノ窓に宿泊装備をデポして左稜線へ。既に昼前だが、天気さえもてば時間内に抜けられる算段だった。が、4P目の草付きの歩きを終えたあたりで土砂降りになり、続行不可能に。懸垂中には雷も鳴り出して撤退。最初の懸垂でロープが回収できず、1ピッチ分登り返した(ロープは岩の間の石に引っかかっていた)。3回の懸垂で取付きに降り立ち、びしょ濡れのまま三ノ窓に戻る。その後は晴れてくれたので、幸いにも装備はだいたい乾いた。濡れた服を脱いで、全裸で眺める富山湾は最高であった。
2022年07月31日(日)
・三ノ窓~チンネ左稜線~チンネ~池ノ谷ガリー~剱岳~早月尾根~馬場島
3時半起床、5時出発。再びチンネ左稜線の取付きへ向かう。昨日ずぶ濡れになった時はそのまま帰りたがっていたWだったが、服が乾いてモチベーションを取り戻した。昨日とリードピッチを交換して、奇数ピッチをリードすることに。草付きのリッジ歩きまで順調に行き、その後も簡単で長いピッチを登る。リッジクライミングを経て核心の「鼻」へ。ここはWがリードする巡りあわせに(昨日だったら自分だった)。13を登るWなら楽勝だろうと思っていたが、思っていたよりも慎重でルーファイにも時間をかけていた。どんどんガスが湧いてきて焦るが、無事オンサイト。
あとは主にリッジの歩きと時々登攀。一部プロテクションが悪くて個人的に怖い箇所があったが、それ以外は順調に進み、無事チンネ登攀終了。池ノ谷ガリーは懸垂をセットしてW先頭で下りたが、歩けそうということで自分は歩いて下り、その後、Wもクライムダウン。一箇所誘導をミスった。稜線で再び雪渓から水分補給。剱の山頂には14時過ぎに着くも既に誰もおらず。あとはひたすら長い早月尾根を下る。早月小屋から下でバケツをひっくり返したような土砂降りに。他に人がいなかったので、スマホでyoasobiを流したり、雨で頭や顔を洗ったりしながら下山。その後、途中何人かの登山者を追い抜いた。
W宅でシャワーを浴び、濡れた装備をビニール袋に突っ込んで富山駅まで送ってもらうと、あとは再び快適な旅(帰りは「はくたか」)。色々あったが、富山民のおかげで素晴らしい旅になった。久しぶりに完全燃焼である。
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