ミヤマキリシマの大船山へ(今水登山口・東尾根)
- GPS
- 06:23
- 距離
- 9.4km
- 登り
- 1,022m
- 下り
- 999m
コースタイム
合計距離: 9.38km
天候 | 晴れのち曇り/ガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年06月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
・大船山への最短直登できる東尾根ルートは「山と高原地図」では破線(難路)とされていますが、はっきりした登山道でした。 ・下山後は黒川温泉の「山みず木」で露天風呂に。黒川温泉は500円で立ち寄り入浴できるところが沢山あります。http://www.yamamizuki.com/ |
写真
感想
先日ある会合で60代の先輩とお話をしていて山の話で盛り上がり「今度、一緒に大船山へミヤマキリシマを見に行こう」ということに。後日、50代の先輩とメールで「今度、大船山へミヤマを見に行くんですよ」と書いたら「ワシも行く!」と。さらに後日、ある会合で30代の若手が「僕も登山好きなんですよ、ぜひいつかご一緒しましょう」と。そんなこんなで、30代・40代(僕)・50代・60代の四世代の男4人で山歩きをすることに。
6月7日午前4時に起きて、待ち合わせ場所である瀬の本高原「三愛レストハウス」へ向かう。3時間しか寝ていないのに、山登りのときはナゼか早起きが出来る(笑)。天候は曇り後雨の予報だったが、現地に着く頃には青空が広がっていた。6時過ぎに駐車場に入ると見覚えのある車が。50代代表・W松さんだ。朝の挨拶をしてまずはトイレへ。「三愛レストハウス」のトイレはいつの間にかウォシュレットになっていて驚いた。
トイレから戻ると、30代代表のO木君も到着していてW松さんと談笑している。あれ?二人は初対面のはず。不思議に思っている内に60代代表のM本さんもやって来た。今日はM本さんが大船山までの最短直登ルート、今水登山口からの東尾根ルートをリードしてくれる。下りは米窪から風穴を経由して降りよう、とルート説明を受けた所で全員W松さんの車に同乗して登山口へ。
僕以外の三人は初対面なのだが、それぞれに経営者という事もあって既に車内は盛り上がり、今水へ行く道を通り過ぎてしまう。あやうく竹田まで行ってしまうところだった(笑)。そんな事もあって登山口へ取り付いたのは7時半過ぎ。駐車場にはすでに10台ほどの車があったが、何とかねじ込んだ。入山は7:45、初めてのルートにワクワクしながらスタートを切った。
これまで九重は長者原、大曲、牧ノ戸からしかアプローチをしたことがない。湿原と樹林を抜ける雨ヶ池ルートの穏やかさも好きだし、大曲ルートはダイナミックなスガモリ越が楽しい。展望のよい稜線歩きが続く牧ノ戸ルートも人の多さを除けば気持ちよい。さて、このルートはどんなかなぁ。…と思うまもなく、先導するM本さんのペースが予想以上に速い。60代の大先輩だから(失礼ながら)もっとのんびりしたペースと思っていたが、とんでもない。30代のO木君はともかく、50代のW松さんはこのペースじゃ音を上げるんじゃない?(笑)、なんて様子を見ると黙々と登ってるし。あれ〜?これじゃ僕が先にヘバるぞ?まだハードだと噂の東尾根にも取り付いていないのに、これで行っちゃうの?
明るい樹林帯の横移動に変わったところで我々は小休止に入った。そこでM本さんに、「あの〜、かなりハイペースですね〜。今日はこのペースなんですか?」と恐る恐る尋ねると、「そうかな?いやいや東尾根に入ればもっとゆっくり行くよ」とのこと。「ですよね〜、いやぁM本さん、健脚すぎですよ。ちょっとアセリました」と話す僕の横で、ほっとしたW松さんの顔を僕は見逃さなかった。そうは言うものの、その後もサクサク登るM本さん…。
東尾根の「前セリ」から急登だと聞いていたが、一向に尾根筋に出ないまま進んでいると「あれ?これは東尾根の分岐を過ぎちゃったな。米窪に向かう道にはいっちゃってるわ」とM本さん。ということで、このまま予定変更、東尾根は下山で使うことに。黒岳との分岐で小休止していると下山してくるパーティがいた。「随分と早い下山ですね、御来光で大船山に登ったんですか?」と聞けば、「いえ、昨日法華院に泊まっったんです。これから黒岳へ向かって白水鉱泉まで行くんですよ」とのこと。おー、これまたマイナーな縦走ルートですね。
ルート変更のため、風穴はスルーして段原をめざし登っていると、ようやく米窪の縁に出た。でも、ガスって大船山は見えないし、期待したミヤマキリシマもあまりない。それでも縁に沿って段原へ向かうと徐々にミヤマが現れてきた。すると段原の手前でふいに視界が開けた。そこには一面のミヤマキリシマが!キターッ!これは美しい…。そしてなぜか登山者は僕ら以外にはいない。この空間だけ見事にガスが晴れていて、人っこ一人いない楽園を独り占め(あ、四人占めか)してしまった。
M本さんによれば、これでも例年より咲いていないようだ。これはキシタエダシャクという虫のせいらしい。近年では2009年が「当たり年」だったらしいが、過去においてはキシタエダシャクの大発生で花が咲かないこともあったようだ。虫といえば、その後の昼食時にO木君の周りに大量のハエがたかっていた、なぜか彼の周りにだけ(笑)。やはり独身のフェロモンは我々の加齢臭と違い、ハエをも呼び寄せるのだろう。まあ羨ましくはないが(笑)。
段原まで登ると北大船山への稜線がこれまた見事な色に染まってた。対して大船山はガスに覆われている。昨年8月に登ったときもガスで眺望がなかった。北大船山に登りたいなぁとも思ったが、あまり時間もない。サクっと大船山に行って、東尾根を下りましょうということに。山頂で記念撮影をし終わると、周囲の方からカメラマンを頼まれるO木君。ひっきりなしにお願いされ、なかなか出発できない。他の三人は声をかけられないのだが、O木君はよほど頼みやすい顔をしているのか、それともフェロモンのせいなのか(笑)。
山頂から振り返ると段原はガスの中だった。フェロモンはともかく、我々は強運は持っているらしい。「いやぁ、段原の手前からミヤマの一番の見どころでガスが切れて良かった。これもW松さん以外の僕らの日頃の行いが良いおかげだ」と僕が軽口を叩くと、何も言い返さずニヤニヤするW松さん。やはりヤマシイところがあるらしい(笑)。ともかく山頂を後にし、昼食を済ませ下山することにした。
東尾根は確かに急だった。しかも黒土の登山道は滑りやすくて仕方ない。「これはルート変更して良かったですよ、こんな登りじゃきつかったでしょうね」とO木君が言う。「いや、きつい坂は登りで行き 下りは緩い道を、ってのがルート設定のセオリーじゃない?」と僕が答えると、誰もそんな事は聞いたことがないという顔をする。「あれ?だって人生もそうでしょ?苦労は若いうちにしとけってさ」と続けると、誰も反応を返さない。…この下りがきつくて返事する余裕もないらしい。
それにしても、確かにこの下りは足にくる。木の根を踏むと滑って尻餅をつきそうだ。と思っていたら、O木君がズルっと滑った。皆で笑っていたら、次はM本さんが滑った。「う〜ん、ここはヤマレコのネタのためにもW松さん、ひとつ盛大に滑って下さいよ。できれば前のめりにイッて生き様を示して欲しいですねぇ」なんて話していたら、僕がズルッ!!(笑)。「ホラホラ、こういうのは言い出しっぺがやるんだよね〜」と憎らしいことを言うW松さん。
4人のうち最後まで尻餅をつかずに降りきったW松さんを何とか陥れようと画策するも、叶わぬまま全員無事下山。今水駐車場からほどなく下ったところにある「今水炭酸水」を汲んで、三愛レストハウスまで戻ることにした。車を走らせると雨が降り出してきた。いやいや、まったく今日はラッキーだった。雨にも遭わず、ミヤマキリシマの群生地ではガスが晴れ、素晴らしい山行だった。車内でそう語り合っているとW松さんが、「そうそう、君以外の三人の日頃の行いが良いおかげだよね〜」なんて言う。…まったく返す言葉もございませんでした。くっそう、来週の福智山縦走ではなんとかリベンジしてやろう(笑)。
ほんとに山はいい。
頭がからっぽになって、心がいっぱいになる。
今日はお尻が痛くなったけどね。
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