鹿島槍ヶ岳
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- GPS
- 16:53
- 距離
- 26.7km
- 登り
- 2,660m
- 下り
- 2,666m
コースタイム
- 山行
- 6:39
- 休憩
- 0:58
- 合計
- 7:37
- 山行
- 7:49
- 休憩
- 1:31
- 合計
- 9:20
過去天気図(気象庁) | 2022年08月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
鹿島槍ヶ岳 後ろ立山の百名山で唯一未踏だった山。
いつも一緒に山にいっている友人はみんな登頂済みなので、お誘いしてもいまいち反応が良くなく・・・一人で行くのもなんだかな〜とおもって行き損ねていた山。
このままだといつまでたっても行けなくなりそうだったので、今年こそは一人でも行ってみよう、と思い、かなり以前からテント場やバスを予約していた。もともと二泊三日のテント泊を予定していたが、お盆があけて、仕事の都合やバスの都合でスケジュールを再調整せざるを得なくなり、また今年も見送りか??という事態になったが、いや、あきらめてはいけない、と思い直し、一泊二日の小屋泊行くことにした。
前回一人で北アルプスに入ったのはいつだったろうか。多分もう数年前のことだろう。今年は山小屋がコロナで一時閉鎖したり、事故や遭難のニュースも多く、改めて山はやっぱり怖いところという思いが募っていたこともあり、小屋泊とはいえ、久しぶりに大きな山に一人で入るのにはちょっと勇気が必要で、出発前から少々緊張していた。
天気予報は相変わらずおちつかなかったが、とにかく「今年こそは何が何でも鹿島槍」とおもっていたので、最悪なんにも景色が見えなくてもかまわないという思いで山に入った。
一日目
4:30 登山口に到着。真っ暗。身支度をしながらすこし明るくなるのを待って出発。以前種池山荘まではあがったことがあるので柏原新道は経験済み。単調な登りなのでリズムを整えつつ淡々と登った。
種池山荘〜爺が岳〜冷池山荘までは視界は悪くなかったが、ガスがかかっていて眺望なし。楽しみにしていた劔・立山方面の景色は何にも見えず、一番近い針の木さえも見えず、引き続き淡々と登るしかないかと思っていたが、フレンドリーなご夫婦や、ユニークな山おじさんなどに話しかけていただき、トークで気を紛らわせ、元気に登ることができた
その後、爺が岳を抜けてから小屋までが意外と長く感じられ、やれやれ、といった心持で小屋までひたすら歩き続けた。スタートが早かったので小屋にはほぼ一番乗り。荷物を整理してから、テント場を偵察に行ったり、同室の女性と山の話でひとしきりもりあがり、ゆとりの時間を楽しんだ。
夕方になると雲が上がって景色が見えてきた。外のベンチに集まってきた方々と夕食の時間までビールをのみながら談笑。ガスガスの道をここまで歩いてきた人はみな同志みたいなもの、地元長野の方が多く、いろいろとお話しを聞かせていただきとても楽しかった。(会話はマスク着用のままだったけど。)
ちなみに山荘のコロナ対策は非常によく行き届いていて、ぜったい感染者をださない、という気合を感じた。従業員の方も無駄なおしゃべりは一切なし、ちょっと緊張感ありすぎかと思うくらだったが、マスク越しにこぼれた笑顔はつつましくも暖かで、ああ、ちゃんと気持ちのゆとりがあるんだなと思って安心した。部屋やトイレもコロナ対策でプライベート空間を保つ工夫や、衛生面への配慮がうまい具合に実施されていた。
アフターコロナもこの快適さと空間のゆとりを保ってくれるとありがたいと思った。
消灯とともに爆睡。寝心地の良いお布団でとてもよく眠れた。
二日目
登頂の朝。夜中に降った雨があがり、見事な快晴となった。
未明に小屋を出発、月あかりの下、雲海に北アルプスの影が島のように浮かび、なんとも幻想的な風景。徐々に明るくなっていく景色を堪能、荷物が軽いので足取りも軽かった。至福の時間。
山頂までの道はよく整備されているし、厳しい岩場もないので不安はないが、長年思いをはせた山の道でもあり、とうとうことまで来たかと思うと胸がどきどきしてきた。気持ちが高ぶって変なところで転ぶといけないので、ゆっくり丁寧に、一歩一歩踏みしめて登った。
あとちょっと、あとちょっと、とぶつぶつ言いながら、上り詰め、南峰頂上に到着。たどり着いたときは数年越しの思いがかなった喜びで、「あ〜やっとたどりついた〜」とガッツポーズ。
山頂から眺めた360度の展望はまさしく天上の景色だった。
劔、立山、薬師、黒部五郎、槍、遠くに笠ヶ岳、近くには針の木。角度をかえると五竜、白馬までつづく後立山の山並み・・・と北アルプスほぼ全山が雲の上に浮かんでいた。遠くには八ヶ岳、うっすら富士山の影もみえた。
あまりにも大きすぎて広すぎて、パノラマの写真でも収まらない大展望。ここ数年で見た中で一番すばらしい眺望だったのではないかなあ。
本当にここにこれてよかった!がんばってきてよかった!あ〜〜〜いつまでもここにいたい、と心から思った。
すこし気持ちを落ち着けてから、さて、北峰はどうしようか、と岩場をのぞいてみたところ、かなり険しそうな様子。私のメンタルと技量ではコースタムでこの岩場を抜けるのは無理、と早々に見合わせを決め、時間の許す限り南峰で絶景に浸ることにした。
いつまでも景色を眺めていたかったが、帰りのバスがきまっているのであまりゆっくりはしていられない。前回の空木岳に続き標高差1500Mを一気に下山、
長い道のりだったが、うまい具合に下山途中からガスってきたので、景色に気を取られることなく、時計とにらめっこしながらがんばった。
がんばった甲斐あって予定より30分ほど早く下山でき、一本早いバスで薬師の湯へ。温泉でまったり、生ビールをいただきながら余韻を楽しんだ。
さらに帰りの長距離バスがプレミアムシートにアップグレードされているというおまけもついて、最後までついている山行となった。
念願の鹿島槍、最高の景色を楽しめたことだけでなく、自分らしい登山ができたことにも満足。大変よき山行でした。
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