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Yamareco

記録ID: 4617506
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲斐駒・北岳

19970823-24甲斐駒ヶ岳→鋸岳縦走、テント泊

1997年08月23日(土) ~ 1997年08月24日(日)
 - 拍手
GPS
32:00
距離
19.7km
登り
1,796m
下り
2,837m

コースタイム

1日目
山行
6:07
休憩
3:58
合計
10:05
7:38
80
8:58
9:08
34
9:42
9:52
35
10:27
11:05
23
分岐・摩利支天
11:28
12:36
86
14:02
15:32
33
16:05
16:15
54
17:09
17:21
22
熊穴沢ノ頭
2日目
山行
8:17
休憩
2:55
合計
11:12
5:26
37
6:03
6:27
58
7:25
7:52
37
8:29
8:30
23
小ギャップ
8:53
9:20
11
9:31
9:50
25
角兵衛沢のコル
10:15
10:37
37
11:14
11:47
30
角兵衛沢のコル
12:17
0:00
128
14:25
14:47
44
戸台川の河原
15:31
0:00
48
16:19
0:00
4
ゲート
16:23
0:00
15
戸台大橋近くの三叉路
16:38
戸台・橋本山荘
天候 二日とも晴
アクセス
利用交通機関:
バス 自家用車
北沢峠がスタート
  戸台大橋630=バス=711北沢峠
戸台・橋本山荘がゴール
予約できる山小屋
北沢峠 こもれび山荘

感想

 1997年8月も下旬の週末、南アルプス北部の甲斐駒から鋸岳の岩稜を縦走してきました。雄大な山容の山が多い南アルプスの中で、この岩稜は特異な存在で、以前より行ってみたかった山でした。簡単にUpさせていただきます。

8月22日(金)、23日(土)
自宅−戸台大橋−北沢峠
 22日(金)の夜、大阪を車で出発、吹田ICから高速に入り、伊那ICで一般道へ、戸台集落の橋本山荘前に駐車し仮眠。朝になって戸台大橋バス停まで荷物を置きに行き、又、橋本山荘前に車を置き、戸台大橋まで歩いていった。到着してすぐに南アスーパー林道の一番バスがやってきて運良く乗り込むことができた。運転手の軽妙なガイドを聞きながら峠に向うが、天気予報に反して雨が時々降っている。(後で聞いた話だと昨日も午前中はすっきりせず、昼から晴れたとのことだった。)北沢峠に着くがやはり天気ははっきりしない。そうこうする内にバスがたくさん到着し、みるみる人でいっぱいになってくる。少なくとも9台は来ていた。長衛荘で登山届けを出し、身繕いをして出発。

北沢峠−甲斐駒ヶ岳
 今回は双児山経由で甲斐駒を目指す。うっとしい樹林帯をひたすら登り、双児山に着く頃には雨もやみ天気が回復しつつあったがまわりの山はまだまだガスの中。駒津峰でも同様だった。しかし、登山者の数は多い。六方石からは巻き道をとり、摩利支天にも足を延ばした。だいぶガスが晴れてきたが時々甲斐駒が見えそうになる程度だった。摩利支天分岐からは一登りで黒戸尾根最上部に出て、甲斐駒に到着。やはりたくさん人がいる。睡眠不足で少し昼寝をしている内にも徐々にガスが晴れ、鳳凰三山方面が時々見えた。

甲斐駒ヶ岳−六合目−石室・水場往復
 だんだん雲が晴れてきていたがあまりゆっくりもしていられないので、たくさんの人のいる頂上から北西方向に伸びる尾根に向けて出発した。今までとうって変わってあまり人があるいていない様な道で、目印も少なく、注意していないと道を外れてしまう。ガスっている時は尾根を外さないよう要注意。一ヶ所、針金とロープが下がった岩場を下る所があったが特に問題無く展望の良い尾根を下っていった。振り返ると見慣れない角度の甲斐駒が大きく、行く手の鋸岳はそそり立っている。樹林帯に入り、宗教関係の石柱が立つ裸地を過ぎ、又樹林帯に入ると「六合目」の道標がある所に出る。アルペンガイドによると石室へはさっきの裸地から入るとのこと、水筒をデイパックに入れ、水汲みに戻ることとした。
 上から下ってくる場合、右にカーブする所が三叉路となって六合石室への道を分けていた。さっきはこの分岐を見逃したのだった。六合石室はアルペンガイドに書いてあるとおり、床はなく下は土、壁も一部崩れてシートが掛けてあった。天気が良ければ問題無いが風雨の時は雨が吹き込むだろう。小屋の前を通り過ぎて踏み跡を行き、ガレ沢に出てずっと下っていくと水場到着、石室から10分弱。最初はチョロチョロとした流れだが崖の手前ではなかなかの水量となり音を立てて流れていた。ここで大休止、南アルプスの天然水を堪能(^_^)。 石室に戻ると、男女4人パーティが来ていた。

六合目−中ノ川乗越
 明日の行程を考え、石室には泊まらず先に進むこととした。樹林帯の道ははっきりしているが枝がうっとしい。三ツ頭の手前から三ツ頭頂上は展望良好、駒津峰・双児山の稜線尾向こうに北岳、塩見岳方面が見えていた。三ツ頭から下った鞍部から道は巻き道となるが、薮がうるさく倒木が多く目印も少なく道はか細く、距離が短い割に大分時間も体力も消耗して熊穴沢ノ頭手前の稜線に出た、と見ると尾根上に立派な道があった!アルペンガイドをよく見ると巻き道には入るな、という風な感じで書いてあり、稜線上のルートが正解か?熊穴沢ノ頭は樹林で覆われ展望無し。少し先から急降下するがここで第二高点が目の前に現れ、大変な迫力をもって屹立している。どうやって登るのか、といった感じである。中ノ川乗越の一段手前にテント場が有り、そこに設営。乗越自体は岩礫に埋まっている感じだがそのそばにも二つテントサイトを見つけられた。テント場からは夕照の仙丈岳が美しく、夜は満点の星空で明日の好天が期待できた。

8月24日(日)
中ノ川乗越−第二高点
 朝日を満身に受けた第二高点に向かって岩礫がゴロゴロしたルンゼを登って行くが見た目以上に道はしっかりしていた。途中、第二高点でビバークしていた男性単独行者とすれ違った。第二高点からは朝の光の中、まさに360度の展望(^_^)。 八ヶ岳、奥秩父、甲斐駒、北岳から悪沢岳、塩見岳、恵那山から中央アルプス連山、御岳、白山、乗鞍から北アルプス、そして屹立する第一高点、眼前には第三高点、美ケ原・霧ヶ峰の奥にうっすら見えるのは妙高方面か?浅間山らしき影も見えていた。頂上の直前にテントサイトがある。

第二高点−鹿窓・第三高点
 展望を楽しんだ後、頂上手前からテープの目印に従い、右に尾根に沿って下っていく。5分程下ると右に踏み跡が分岐するが、そこから大ギャップからのルンゼには到底降りられそうになく元の分岐に戻る。数分のロス。ルンゼの源頭を越えたところから右に一気に下っていく。ここには古い道標も置いてあった。道はルンゼの左側を下り、大ギャップからのルンゼに降り立った。ここにもテープと古い道標がある。降り立ったところの直ぐ下方に斜上するバンドが見え、そこまで下り、荷物を置いて偵察にバンドを登っていくとルンゼに出て遥か上方に鹿窓が見え、このバンドが正しいルートとわかった。ルンゼを直上していくのかと思いきや道がルンゼの右側に着いており、ルンゼ内に出るのはかなり登ってからだった。ちょっとした岩登りだがこの辺りは岩は結構しっかりしていてホールドもスタンスも落ち着いて見るとちゃんと有る。古い固定ロープの下がった所を登るとそこが鹿窓。この岩のトンネルはいったいどうやって出来たのだろうか?
 鹿窓に荷物を置いて、第三高点まで行ってみた。空荷で数分である。短いが快適な岩尾根。第三高点からは第二高点がすぐ目の前に聳え、頂上には昨日会った4人組がはっきり見えた。大ギャップへは崖となって落ち込んでおり、ここを降りようとすれば懸垂下降しかなさそうに見えた。尚、第三高点の大ギャップより直下にもテントサイトがあった。

鹿窓−小ギャップ
 鹿窓からは山梨県側に付けられた道を行き、ルンゼの源頭を越えたところで左手の岩尾根を乗っ越すのだが、ここで直進する踏み跡に惑わされ、迷いまくり、20〜30分のタイムロス(;_;)。 岩尾根の向こう側に道を発見した時は、ホッとしたというより疲れがドッと出たという感じ。ここからは短いが急な斜面をつづら折れて、眼下の小ギャップの底に降り立つ。ここも岩屑があり、狭い。

小ギャップ−第一高点−角兵衛のコル
 小ギャップからの登りにも古い固定ロープが下がっている。急だが、スタンス、ホールドともしっかり有る。最初は凹角を登り途中で右側の稜に出て上の尾根に抜けた。登り着いた尾根にも何とか幕営できそうだった。ここまで来ると第一高点は近い。岩っぽい尾根を登り切ると鋸岳最高点、第一高点である。ここも展望は最高!登山者カードを入れる錆びた金属製の小さな箱が置いてあり、ついついYAMAYAMAも手帳をちぎって入れて置いてしまった(^_^;)。
 ここから角兵衛のコルまでは最初はやせ尾根、途中から急な下りで、一気に降り立つことができた。

角兵衛のコル−三角点P往復
 角兵衛のコルは幕営可能と岳人7月号の記事にあるがテントを張るにはちょっと狭い感じ。ここにザックを置き、三角点ピークを目指した。最初のピークが角兵衛沢ノ頭、振り返ると第一高点が聳え立っている。そこからちょっとしたピークを二つ越えると樹林帯に入り、横岳峠への分岐を過ぎて1〜2分で樹林の中の三角点に到着。展望は無い。三角点の手前に幕営できそうなところがあった。横岳峠への分岐付近の大きい岩のピークは展望良好。北側には横岳峠から釜無山、入笠山方面まで樹林の尾根が見渡せた。戻る途中、次のピークで第一高点を正面に眺めて休憩、名残を惜しむ。コルに戻って荷物をまとめて下山開始。

角兵衛のコル−戸台川
 道は直ぐに岩塊の斜面に消え、適当に下りやすい所を下るが一歩ごとに石が動き、歩きにくい。左へ左へ行くようにすると、踏み跡が出てきたがここもガラガラで歩きにくいことには変わりがない。下り初めて半時間ほどで大岩下の岩小屋と思われる付近を通過、更に約20分岩屑の斜面を下るとテープの目印が有る所で左の樹林帯の中に入っていった。一度岩がゴロゴロする所に出るが直ぐにまた樹林帯に入った。樹林帯の道はあまり踏まれていないがテープがたくさんあるので迷うようなことはない。倒木もあるが苦労するほどのこともなかった。かえって踏まれていない分、落ち葉のクッションがあり疲れた膝には優しかったみたいだ。どんどん下り、傾斜が緩くなると涸れ沢を左岸に渡り、そこから10分余りで大きなケルンが二つある河原に下り着いた。戸台川は簡単に渡れ、対岸に渡った所で休憩。見上げると鋸岳が遥か上方に聳えている。2時間40分前まであの稜線にいたとは信じがたいものがある。

戸台川−戸台
 戸台川左岸の道に上がるとわずかに上流側に新しい道標が立っていた。後はひたすら左岸の道或いは河原を辿ると堰堤の手前で右岸に渡り堰堤を越えると林道終点。強い日差しの中、もう一つ工事中の堰堤を越え、ゲートと広い駐車場を過ぎると舗装道となった。戸台集落への分岐を見過ごしたみたいで、更に行くと尾根を回り込んで橋を渡り、またゲートを過ぎると戸台大橋近くに出てきた。仕方ないので歩いて戸台まで戻ったが、これなら最初から車を戸台大橋近くの公衆トイレのある駐車場に止めておくべきだった!少し遠回りしてやっと橋本山荘に帰着、ここのおばさんに、今度からは登山口の駐車場に車を置くよう言われてしまった(^_^;)。

 一番最初だけ雨に降られたものの、核心部は天候に恵まれ、甲斐駒〜鋸の縦走を完遂することができました\(^_^)/。 甲斐駒までは凄い人でしたが、そこから六合石室方面に下り始めると人影はなく、会ったのは2パーティのみ、静かな山を楽しめました。ただ、その分、ルートファインディングが必要で、特にガスられるとルートがわかりにくいでしょう。又、この山稜は、思っていた以上に花も多くみかけました。やはり、入山者が少ないから多く残っているのでしょうか?

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