自分のルーツを巡る旅、紅葉の立山三山縦走
- GPS
- 16:21
- 距離
- 20.4km
- 登り
- 2,030m
- 下り
- 2,044m
コースタイム
- 山行
- 6:22
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 6:57
- 山行
- 8:09
- 休憩
- 1:15
- 合計
- 9:24
天候 | 1日目晴れのち曇り、2日目晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
|
コース状況/ 危険箇所等 |
落石は気を付けましょう |
写真
感想
私の名前に雄がつく。
富山県生まれというのを知ったのは昔のこと。転勤族だった私は富山で生まれたものの物心ついた頃には富山県民ではなかった。
今は奥秩父をメインに活動している民。
自分の名前の由来は何度か聞いていた。富山にある立山の雄山から名付けたんだと。山に興味なんて無かった頃は、ふーんそっか。とだけ返事していたし雄山と聞いても何もピンとこなかった。
本格的な登山を始めて数年経つが、自分史上これまで執着した山はなかったと思う。
立山に登ろうと決めたのは昨年だった。と言っても実は2017年に雄山に父親と登ったがその頃は雨と風でとても寒く登山どころではなかったのだ。岩で滑って腰を打ったことも立山から自分を遠ざけていた要因だった。
けれど、親も歳をとり私も家庭を持った。すると、自分の名前の由来である雄山に登りたくなった。計画は一泊二日の立山三山縦走。今年のお盆に行くはずだったが、台風そして9月の三連休前半も台風で延期。季節はどんどん進んでいった。
その間も晴れた日の立山の写真はYAMAPで上がってくる。行きたい。今年何としても行きたい。晴れた立山にどうしても行きたい。
9月の三連休は最後の日だけ天気が良く私は至仏山に登った。次の週10/1,2の天気予報は晴れ。木曜日〜日曜日まで晴れ予報。気象庁、ウェザーニュース、Yahoo天気、windyなど各予報サイト全て晴れ。これは行くしかない。紅葉真っ盛り。行かなかったら一生後悔する。そして前に約束していた友人と予定を合わせてついに立山にテント泊をすることができた。
前置きが長くなりましたがそのレポートです。
金曜日の夜、友人をピックアップし中央道に車を走らせた。23:00だというのに昼間のような混雑だった。登山ではなくとも土日とも安定した晴れとなればどこか行きたくなるのが人間の常だと思う。車間距離もなかなか取りづらいのが辛いところだった。中央道も見すぎたこともありだいぶ飽きてきました。
安曇野インターをやっと降りても一般道が30キロ近くあることに驚きました。しかも後続車がどんどん私を抜いていきます。私は法定速度です。
真夜中の一本道を進んでいくと車の明かりがたくさん。晴れで尚且つ紅葉最盛期の立山とあれば駐車場は満車必至です。
無料は当たり前ですが有料もかなり埋まってました。
駐車次第仮眠を取ろうと思いましたが星空が綺麗なのでオリオン座や天の川も撮影し仮眠します。
この時期のアルプスは当たり前ですが車中泊でも寒いです。あまり寝れませんでしたがとりあえず無理矢理寝て朝を待ちます。
朝になると予報通りのピーカン予報。いよいよ立山登山。
扇沢駅からEバス、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスなど乗り継いで室堂へ。着いたのは9:30頃。結構時間かかりました。夏であればもっと早いらしいですが。
室堂では多くの観光、登山客。そして目の前に聳え立つ立山連山。あれが、雄山。山頂に小屋が見えます。明日はあそこに登る。自分のルーツを踏むことができる。テント泊のため荷物は重いのですが、足取りは軽く素晴らしい紅葉にシャッターが止まりません。家に帰っての編集が楽しみであります。
雷鳥沢には10:00くらいに到着しました。そこから手続きを済ませ、テントを張ります。この日のために安い一人用テントを買いました笑
普段はアライテントの3人用を使ってるのですが、一人で使うには重く大きいのでとりあえず寝泊まりできる一人用を買いました。
荷物を下ろしお昼を食べたらガスが増える前に登ります。なんて思っていたらあれよあれよとガスが増え山頂は真っ白に。
テンション駄々下がりですが、山ですから。別山まで登ります。ガスから時折漏れる太陽光が紅葉を輝かせます。
テントは置いてきたものの、乗り物を乗り継いできたせいか若干疲労が既にあります。あまり早く歩けません。剱御前の手前までは九十九折の急登を登り続け途中に見える開けた風景に癒されます。来てよかった。心から思える瞬間です。
ガスが抜けたり増えたり、山特有の天気に翻弄されながらも別山に到着。もちろん北峰もいきます。晴れていれば剱岳が大きく見えずははずですが...ガスで見えない....と思った瞬間ガスが晴れて大ボス剱岳が姿を表しました。その瞬間、私は感動で少し涙しました。試練と憧れ。いつの日か。
剱岳に感動しつつ真砂山まで歩きます。登り下りを何度か繰り返すたびにガスが抜けることが多くなり、傾いた太陽と岩肌がとても美しい風景を放っていました。視界に収まりきらない風景は感動の連続です。
真砂岳は大きな膨らんだ砂場のようでした。とても小さな山頂標識で完全に立山連山のモブキャラです。けれど、ここから眺める三山はとても美しいので価値があります。
帰りは雷鳥沢なので大走りです。ざれたりがれたり、お世辞にも歩きやすいのは言えない登山道ですが、雷鳥沢まで最短なので頑張ります。ガスもだんだんと切れて、青空も見えてくると光も豊富に回り立山はより一層輝きます。
逆光気味の山肌や紅葉は生き生きとして我々は風景と一体化しました。
キャンプ場に着くと、登山客はさらに増えて賑やかになっていました。
家族、友達、グループで楽しそうにご飯を食べたり歓談しています。
16:00近かったのでとりあえずご飯を食べます。カレーメシにお餅を入れて。そしてお味噌汁にもお餅を入れて今日失ったカロリーと塩分を補給し明日に備えます。夕陽に照らされた雄山を見ながら食べる夕飯は過去の山の中でも最高級に贅沢でした。明日はいよいよ主峰雄山。ご飯を食べる頃には日が沈んでいき急に寒くなったのでダウンを羽織る。寝袋も用意して少しうとうとすると気づいた時には月と星空が広がっていました。冬の天の川が見えます。夏に比べて控えめではありますが、しっかりと輝いていました。オリオン座もとても美しく、雷鳥沢プラネタリウムでした。
寒かったので、厚着しましたが足元が寒くてやっぱりあまり寝られませんでした。相変わらず寒さには苦手です。
午前2時、まだ星空輝く頃にふっと目覚めトイレへ行くと行列ができていました。とりあえず小を済ませ、白湯を飲み終わると再び寝袋の中へ。
4時前に目が覚め、寝袋や着替え、ゴミなどを片付け5時に出発します。雷鳥沢から室堂はそれなりに距離も高低差もあるので若干しんどいです。テントを帰りに担ぐのがとても面倒だとそのことばかり考えていました。この時間だとまだ人は多くなく、三脚を立てて朝焼けを狙っている人やホテルから出て散歩してる方が多かったです。二日目の日曜日は浄土山〜雄山を通り大走りでまたキャンプ場へ降りるルートです。テントを担いで登るのもアリでしたが、間違いなくしんどいのでこの選択は結果的に正解でした。浄土山登山口付近までは石畳ですが、そこから先は岩の急登です。展望台は白山や五色ヶ原もきれいに見えます。間違いなく良い天気になると思いました。浄土山登山口から三十分ほどすると肩まできます。昔建物があったような石のオブジェを後ろに、小高くなった道を越え左手を見ると雄山がどっしりと構えています。いよいよ主峰の登場です。東から登る太陽が雄山を照らしています。3000mもある山ですので森林限界はとっくに越えており岩山の様相です。浄土山へ登り展望の良い、龍王岳に登ります。ここは立山も室堂も富士山も白山、その他北アルプス全て見渡せるほどの展望です。時間があれば寄って下さい。
浄土山に戻り、雄山へ向かいます。一ノ越まで降り、そこから登ります。朝もまだ早めでしたのでそこまで人も多くなく主峰ならではの渋滞もありませんでした。この雄山、思っていた以上に山頂が遠い山でした。雄山は老若男女に親しまれている山ですね。山頂では子連れも多くいます。
私は珍しく、神社で手拭いと交通安全のお守りを買いました。石碑で記念写真を撮り山頂でお参りをして出発です。
父親が富山に住んでいた頃、とある企業の山岳部にいたこともあり立山は登ったことがありしかも大日岳も。私よりもたくさん登っていたのかもしれません。この時なぜ雄山から名前を取ったのかわかりました。登らないと魅力は分かりませんよね。富山生まれでその象徴である立山の主峰を名付けてくれたこと、とても感謝しています。
そういえば、浄土山から見た雄山は阿弥陀岳から見た赤岳にそっくりだと思いました。どちらも連山の主峰としてかっこいいですよね。
さて、大汝山と富士ノ折立へ向かいます。一応この山が立山を構成しており、立山三山は浄土山、雄山、別山だそうです。
適度なアップダウンを繰り返してサクッと登ります。左手には室堂を始めミクリガ池も大変美しく見えており、紅葉真っ盛り。富山県や富山湾も一望できる稜線でした。反対側も南アルプスや八ヶ岳、富士山も見える状態でした。天候に恵まれるとはまさにこのことだと感じました。
富士ノ折立は一度折り返す必要があるのでザックをデポして一気に登ります。標高は2999で、別山方面に見える剣岳と同じ標高です。このピークを登り終えると立山登山もいよいよ終盤です。後は降りて、テント回収し室堂まで帰るだけ。二度目の大走りを降りながら、紅葉を撮影。昨日とはまた違った光の当たり方のため何度もシャッターを切ってしまいました(早く帰りたいけど、後悔は一番したくないですから)
大日岳と奥大日岳、大満足の紅葉です。雷鳥沢に降りると貼ってあったテントも半分以下になり先日の賑わいは消えていました。仲間やグループもここで解散する人も多いのか、サヨナラの挨拶が交わされていました。逆に時間にあまり制約のないご年配の登山客はこの日からテント泊をするようでした。我々現役は日曜に発たなければなりません。仕事が待っています。
テントを担ぎ室堂まで向かう道はちょっとキツかったけれど、仕事も頑張れる気がしていました。心はとても朗らかで。一生忘れられない登山になったことは間違いありません。これまで台風で二回も流され、辛酸を舐めてきましたが10/1,2にて全てが報われた気がします。室堂へ着くといよいよ別れの時です。帰りもバスやロープウェイを乗り継いで扇沢へ。疲れてはいますが充実感のある登山客と一緒に。
立山、雄山、周りの風景。ありがとう。
自分のルーツである雄山への登山は喜びの連続でした。広がる青空、紅葉、山岳風景。どれをとっても過去最高の旅でありました。私はこれから奥秩父に帰りますが、雄山から名付けられた誇りを胸に健全な社会人、そして登山者として歩き続けたいです。
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