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Yamareco

記録ID: 480022
全員に公開
無雪期ピークハント/縦走
甲信越

古峰山−巻機山

2014年07月19日(土) ~ 2014年07月20日(日)
 - 拍手
体力度
5
1泊以上が適当
GPS
14:17
距離
16.0km
登り
1,922m
下り
1,629m
歩くペース
標準
1.11.2
ヤマレコの計画機能「らくルート」の標準コースタイムを「1.0」としたときの倍率です。

コースタイム

7月19日 
5:50 古峰山登山口 ― 6:30 古峰山 ― 7:10 南入沢コース分岐 ― 13:00 南入ノ頭(1730M)― 15:50 神字山(1880M 巻機大権現石柱) ― 16:15 割引岳 ― 16:55 御機屋 ― 17:20 牛ヶ岳 ― 17:52 御機屋 ― 18:10 巻機山避難小屋

7月20日
6:00 巻機山避難小屋 ― 7:40 桜坂駐車場 ― 7:50 威守松山登山口
天候 19日 曇り時々雨 気温 18〜28℃くらい
20日 曇り
日の出 4:37 日の入 19:03
過去天気図(気象庁) 2014年07月の天気図
アクセス
利用交通機関:
自家用車 自転車
古峰山台原登山口付近の林道路肩に駐車。
桜坂林道の威守松山イガシラ登山口に自転車をデポした。

イガシラ登山口の駐車スペースは無料だとばかり思っていたが、桜坂駐車場と同じ料金を示す看板が設置されていた。桜坂林道の路肩はすべて有料という看板もあった。自転車については無料でいいのかな。
コース状況/
危険箇所等
登山届

新潟県警察にメールで登山届を提出した。
http://www.police.pref.niigata.jp/osirase/sangaku/

今回のルート

古峰山(こがらさん)から尾根伝いに割引岳(われめきだけ)を目指した。そのルートは、かつて巻機権現の主要な登拝コースの1つだった。藤島玄『越後の山旅』によれば、巻機権現の本山は標高1880メートルの神字山。現在そのピークには「巻機大権現」と書かれた白い石柱がある。割引岳の祠に比べると新しく、近年運び上げられたもののように見える。尾根の両側には、金山沢、南入沢という名の知れた沢がある。おそらくそれらの沢登りの下山ルートに尾根が時々使われるおかげで、古峰山から南入ノ頭までの間には踏み跡がある。ただし、かなりわかりにくい。なお、今回のヤブこぎの核心は、南入ノ頭からどうやって神字山に到達するかというルート選択だった。

道の状況

■古峰山―南入ノ頭

台原登山口から古峰山山頂を経て南入沢に下る分岐点までは、歩きやすいハイキングコース。その先は廃道化しているが、標高1000Mくらいまでは道形がはっきりしている。ただし、下山するときには登るときよりも踏み跡がわかりにくいはずなので気をつけて進みたい。何ヶ所か岩場を越えるときにも、下るときのことを考えた方がよい。最近誰かが枝を折って進んでいた。枝についた葉がまだ青々としていた。私も余裕があれば枝を折った。特にはびこると厄介なシャクナゲの枝。たわめるとポキッと折れる。

標高1000Mくらいからしだいに尾根が広くなり、踏み跡がわかりにくくなる。時々古い赤テープが残置されている。ヤブで見通しが悪く、尾根筋がはっきりしない。引き返すことになったらどうしようと思いながら進んだ。こんな尾根を下山するのはすごいと思って沢登りの記録を検索してみると、やはり尾根をまちがってビバークしているケースがあった。滝だらけの南入沢をやむなく下って捨て縄が足りなくなった記録もあった。自分がこの尾根を引き返すとしたら、踏み跡も登りでの記憶も当てにならないので、数メートルごとにGPSの軌跡を確認しながらそろそろ下りるしかない。

休憩時間を除くと、およそ1時間あたり200M近いペースで順調に高度を上げることができた。しかし、標高1520M付近でヒノキの木立につっこんでしまう。ちょうどそこで土砂降りになったので、ツェルトをかぶって大休止をとった。結局そのヒノキの木立は南側から簡単に巻くことができた。そこに気をつけさえすれば、南入ノ頭までのヤブこぎにはそれほどきついところはなかった。巻機山のほかのヤブ尾根ルートのもっときつかったヤブと比較しての話だが。

■南入ノ頭―神字山

この区間は一度歩いているが、1850Mピークへのヤブこぎがきつかった。1781Mピークとの鞍部からすぐに取り付くと、ヒノキとシャクナゲが密生していてほとんど進めなくなる。これまでに経験したことのあるヤブとしては最悪のものだ。今回はそれを避けるため、1850Mピークの西斜面を巻いて稜線に上がろうとして試行錯誤した。その結果、まともに進めなくなるほどのヤブを避けることには成功したのだが、不本意なことに前回よりもだいぶ時間がかかってしまった。いつかもう1度挑戦して、もっとスムーズなルートを見つけたい。1850Mピークか神字山まで上がれればヤブを抜ける。

■神字山―割引岳

神字山から裏巻機新道分岐付近のピークまでは、切立った岩場の足元に注意しながらも気持ちよく歩ける。割引岳への登りは、刈り払いがされたばかりだった。ここが刈り払いされたということは、裏巻機新道の刈り払いも済んだということだろうか。

■割引岳―御機屋

途中で残雪を横切るところがあった。雪が固く、雪に乗るところと下りるところが傾斜していて危険なので、雪が平らになるところまで土の上から迂回した。

■巻機山避難小屋

すでにグループの3人とソロの1人が2階にいるところに加わらせてもらった。いずれも県外から初めて巻機山に来た人たちだった。お酒をご馳走になったが、私はこういう時に共有できるものを用意していなかった。トイレの協力金の目安は100円。これは用意してきた。前回利用した分を払うのは忘れていた。

■避難小屋の水場

南魚沼市公式ウェブサイトの「南魚沼市内登山道の状況」(2014年6月27日更新)には、「避難小屋前の水場は残雪のため使用不可」と書かれている。その雪渓がまだ残っていた。水の必要な人は手前の雪解け水を汲んでいた。

■虫など

ヤブ尾根に小さな虫は飛んでいたが、ほとんど刺されなかった。休憩で止まると数匹がまとわりつく程度だった。ヤブ尾根に入ってから、オニグモに何度も出会った。高度を上げるとオニグモの巣はなくなり、ドーム絹網と呼ばれるものに似た特徴的な巣が増える。息を強く吹きつけただけで吹き飛ぶくらい壊れやすい。そのクモは、隠れていたのか小さくて気がつかなかったのか、見あたらなかった。古峰山山頂の先のハイキングコースには、マムシのような模様をした、生まれたての小さなヘビがいた。胴体しか見えなかった。神字山の先の岩の稜線上には、うす茶色のアオダイショウがいた。

※ この記録では、南入ノ頭の位置を1730Mピークとする。神字山については、「巻機大権現」の石柱のある1880Mピークとする。
※ 巻機山、牛ヶ岳および井戸尾根の道の状況については省略する。
ファイル
(更新時刻:2014/07/21 13:16)
古峰山のたたずまい。
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古峰山のたたずまい。
この看板までは舗装された農道。登山口はここから徒歩1分足らず。
この看板までは舗装された農道。登山口はここから徒歩1分足らず。
古峰山台原登山口。コース案内板、登山ポストなどはない。
古峰山台原登山口。コース案内板、登山ポストなどはない。
古峰山山頂。巻機山から近すぎて主要なピークが見えない。右のとんがったのは黒岩峰か。
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古峰山山頂。巻機山から近すぎて主要なピークが見えない。右のとんがったのは黒岩峰か。
南入沢コースは赤テープのある左に下りる。右に尾根の踏み跡が続いている。
南入沢コースは赤テープのある左に下りる。右に尾根の踏み跡が続いている。
金山沢の見えるポイントがあった。水音も大きかった。
金山沢の見えるポイントがあった。水音も大きかった。
中央の三角が1781Mピーク。右端に割引岳。
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中央の三角が1781Mピーク。右端に割引岳。
金山沢。
目の前に神字山のピーク。奥に割引岳。
目の前に神字山のピーク。奥に割引岳。
神字山から割引岳と巻機山、牛ヶ岳の稜線。
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神字山から割引岳と巻機山、牛ヶ岳の稜線。
裏巻機新道分岐付近から。
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裏巻機新道分岐付近から。
割引岳からうっすらと火打妙高が見えた。
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割引岳からうっすらと火打妙高が見えた。
割引岳から御機屋の方へ。
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割引岳から御機屋の方へ。
割引岳を振り返る。
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割引岳を振り返る。
この残雪のことはレコを見て知っていたが、トレッキングポールすら持ってこなかった。雪が固く、手前が傾斜していて滑りそうだったので、雪が平らになるところまで土の上を通った。
この残雪のことはレコを見て知っていたが、トレッキングポールすら持ってこなかった。雪が固く、手前が傾斜していて滑りそうだったので、雪が平らになるところまで土の上を通った。

装備

個人装備
腕時計
GPS
カメラ
ヘッドランプ
予備電池
グローブ
地理院地図/コンパス
ラジオ/天気図用紙
5L
食糧/行動食/非常食
2.5日分
レインウェア/スパッツ
ツェルト/ポール/ペグ/細引き
ブルーシート/銀マット/エアマット
シュラフカバー/ウォームアップシーツ
防寒着/替靴下
アルコールバーナー・コッヘルセット
防虫ネット/ハッカ水
熊鈴/熊スプレー
ナイフ
ホイッスル
救急用品

感想

とにかく寒かった。天気がよくないことはわかっていた。数日がかりで長い区間を縦走するようなときに天気が悪くても進まなければならない場合もあるだろうから、その練習をしようと思っていた。天気予報通り、曇り時々雨だった。濡れたヤブをかき分けていると、足もとがずぶ濡れになった。靴の中には水がたまった。ヤブをこいでいても今にも震えが来そうだった。ビバークの装備は一応持っていたが、雨の中ずぶ濡れの状態で泊まった経験はない。13時に南入ノ頭に出てその日のうちに避難小屋に到達する目処が立ったときには安心した。その後一時薄日がさすと、それだけで体がだいぶ温かくなった。いい経験をさせてもらったといわざるをえない。ビバークの練習はまたの機会にしよう。

雨天対策の未熟さを別にすれば、このヤブ尾根の危険性は下山するときに尾根筋がわかりにくいということに尽きる。登る分にはヤブこぎにそれほどの困難はなかった。2回目以降なら、まず確実に1日で避難小屋まで到達できる。だとすればもう少し装備が軽量化できるので、スピードはさらに上がる。速い人なら日帰りも可能かもしれない。

沢登りの人たちのおかげでなんとか踏み跡が維持されている尾根の現状は、井戸尾根の混雑と比較すれば、かなり好ましいものだと感じる。一方で、沢登りの人たちは神字山などに寄り道することなく割引岳への最短ルートをとったり、南入ノ頭からすぐに尾根を下山したりすることが多いのではないだろうか。巻機山の好きなハイカーにとっては、登拝の歴史をもつ神字山を目指して登れることがこのコースの大きな魅力となるはずだ。

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