北ア・槍ヶ岳 初槍!&東鎌尾根(表銀座)縦走
- GPS
- 56:00
- 距離
- 35.6km
- 登り
- 2,820m
- 下り
- 2,790m
コースタイム
- 山行
- 7:50
- 休憩
- 1:55
- 合計
- 9:45
- 山行
- 7:05
- 休憩
- 2:20
- 合計
- 9:25
天候 | 7月27日(日) 中房登山口〜燕山荘:曇りのち大雨・ガス 寒冷前線が11時頃に燕岳上空通過の為、第三ベンチから先は大雨 http://www.tenki.jp/past/2014/07/27/chart/ *1週間前からヤマテンで予報確認し、寒冷前線の通過後の27日 12時以降は、強風の可能性あるが、急速に晴れると判断し縦走へ。 燕山荘〜大下り:曇りのち晴れ 安定した張り出し高気圧へ 7月28日(月) *梅雨明け後、10日の安定した天気へ。 大下り〜槍ヶ岳〜上高地:快晴 時々ガス |
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過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
*マイカー陸送サービスを利用 (沢渡しもまきドライブインへ安曇タクシーが回送。費用:9500円/台 税込) http://www.azumikanko-taxi.co.jp/2011/04/040-11.html *但し別途、沢渡でのドライブイン駐車代500円/台必要 送迎バス代 穂高駅〜しゃくなげ荘〜中房温泉(乗合バスに途中乗車)@1400円 上高地バスターミナル〜沢渡(大橋終点) @1250円 http://www.alpico.co.jp/access/kamikochi/sawando/ |
コース状況/ 危険箇所等 |
コース上の道の状況 (1)中房登山口〜合戦尾根〜燕山荘〜大下り〜大天井ヒュッテ〜ヒュッテ西岳 登山道は良く整備されてます。縦走路上、崩落個所、道迷いしそうな場所はありませんでした。ただし大下りは滑りやすく、大天井岳山頂方面と大天井ヒュッテ方面への分岐後の巻き道と下りは、スラブ板と鎖が出てきますので慎重に。 (2)ヒュッテ西岳〜東鎌尾根〜槍ヶ岳山頂 登山道は良く整備されています。ロープ、鎖、マーキング、橋げた、鉄はしご等、崩落・危険個所はありません。一部表示をみつけにくい個所がありますが、「X」のついているほう側に回りこまず、「〇」と「→」を探して進めば、3点支持でかわせる場所ばかりです。ヒュッテ大槍から槍ヶ岳山荘へへ槍の直下をトラバースして、山荘につきますが、ここは切れ落ちた細い道に注意しながら、頭上からの落石に気を付けて進まないといけない場所、ヘルメット着用が望ましいです。 槍ヶ岳の山頂へは、登攀人数が減る山小屋の朝食時間を狙って登りました。ハーネスを着装しましたが幸い使う機会はありませんでした。ヘルメットは、途中なんどか頭上の岩に頭がぶつかる個所があり、役立ちました。 夏の時期、特に中学校・高校の林間学校で、登山初級者の表銀座縦走が設定されています。今回、3団体ほどの生徒さんと会いました。特に、槍ヶ岳山頂に登る学生団体があるときは、団体の行動スケジュール(食事、登攀時間、下山時刻、トイレ使用)等を把握しておくと、自身の登山計画への影響を回避できるかもしれません。槍ヶ岳山頂は、20〜30名ほどしか、滞留できるスペースがなく、怖いと感じる方が動けなくなると、上り下り同じルートが途中にあるため、30分片道のところ、往復2〜3時間かかると先輩から教えられます。団体と同一行動にならぬよう、山小屋のスタッフ等に聞いて調整した方が、よいでしょう。 (3)槍ヶ岳山荘〜殺生〜槍沢ロッジ〜横尾〜上高地 下りの縦走路ですが、崩落個所、道迷いしそうな場所はありませんでした。 7月末現在、4つの雪渓個所が残っています。槍ヶ岳方面から下ってくると、 トラバースが2か所、下りの雪渓が2か所です。軽アイゼン無しでも下れますが、4番目の雪渓は約150m程を下るので、登りの登山者がいる場合、軽アイゼンを着用したほうが安定して速く下ることができます。 |
その他周辺情報 | (1)下山後の温泉 沢渡大橋:バス終点、梓湖畔の湯の真向かいに、しもまきドライブインがあります。 手打ちそばが有名で、とろろ、天ぷら等おすすめです。 あまり知られていないのですが、ヒノキ風呂の男女別の温泉があり穴場です。 @500円(駐車場とセットだと割引あります) (2)登山計画書ポスト 中房・燕岳登山口:日帰り温泉前にポスト。(登山届) 横尾山荘前、上高地ビジターセンター前:ポスト。(下山届) (3)山小屋混雑状況 夏のピークシーズンの為、連休と土曜日宿泊を外しました。基本、梅雨明け10日が最も安定しているといわれるので、天気から宿泊日を設定しました。燕山荘は、縦走以外の登山者宿泊も多いので、慢性的な混雑。今回は、宿泊ルートから外しました。 (4)参考 今回の山小屋メモ(あくまで主観です) 「大天井ヒュッテ」(正式にはだいてんじょうヒュッテ) 槍ヶ岳山荘系列。定員100名で、小部屋対応の相部屋割り振り。 朝食・夕食:5時(消灯20:00) 支配人:小池さんは、とても優しいサービス精神旺盛の方。 スタッフの対応:素晴らしいです。 食事:夕とんかつ、朝しゃけ おいしいです 組布団:掛布団が表と裏で保温機能が異なるものを採用。 携帯:docomo:受付付近のみ、 WiFi(故障中) トイレ:和式・様式、紙有、定期的にヘリで汚物処理をしています。 水:500m下の沢から引き揚げている水 予約:山小屋が小さいため、5人以下でもできれば予約連絡要とのこと グッズ:バッジ、オリジナルTシャツ 売り:北アルプス中随一と言われる、槍と北鎌尾根の絶景ポイント、牛首展望台 へ徒歩片道登り15分のロケーション。 「槍ヶ岳山荘」 定員:約700名 本館、新館等いくつかの棟に分かれます。 朝食・夕食:5時(混雑時は、150人ごとに40分間隔で入れ替え制) (消灯20:30) スタッフの対応:フレンドリーです。売店の名物おばちゃんもお元気です。 携帯:各社、売店横に携帯・電池充電器3台あり(200円) トイレ:和式・様式、紙有、使用後、有機処理(ボタンスイッチ有) 水:雨水(天水) グッズ:バッジ、オリジナルTシャツが最も豊富(漫画家鈴木ともこさんとの コラボTシャツやバンダナも人気)、マッチ(槍沢では未販売)、ワイン他 売り:キッチン槍のクロワッサン(朝6時くらいから焼き立て販売)と入れたて コーヒーが美味(もちかえりもOK) ビールサーバーでの生ビール ※ただし、高山の為、酔いに留意 なんといっても、夏季槍ヶ岳山頂まで30分、360℃の眺望、星空も秀逸です。 |
写真
装備
個人装備 |
ヘルメット
ハーネス
安全環カラビナ3枚
軽アイゼン
ゴミ袋
エマージェンシーシート
スリング(60と120)
食料
ハイドレーション
携帯
SUNNTO
保険
保険証
Montbellカード(槍ヶ岳山荘でのコーヒー券)
防寒着(ダウン)
雨具
着替え
ストック
嗜好品
日焼け止めクリーム
サングラス
帽子。ヘッドライト
*東鎌〜槍ヶ岳山頂間では
ハーネスをアンザイレン・セルフビレイように着用したものの
積極的に使う機会はありませんでした(安心料でした)。8月上旬までは
下りの軽アイゼン着用が速く確実に下れると思います。
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共同装備 |
地図(1/25000
1/50000)・コンパス
ストーブ(プリムス153と寒冷地用)
水
調理器具
武器
救急セット
ロープ8.5?X10m
ツエルト(ARAIスーパーライト2)
|
備考 | アームウォーマー:微妙な天候でのレイヤー時に、着脱のみで半袖長袖自由自在。 薄手軽量のウインドブレーカー(MontbellやNorthの軽量のやつ):暖かいです。 UVクリーム(虫よけ入り):こまめな塗布で匂い消しにもなって必需品。 |
感想
<恐怖心と運 −槍登山の前提条件−>
誰しもが登ってみたい山、そして誰もが登れるわけではない山、それが「槍ヶ岳」
なのかもしれません。それは、一部の選ばれたクライマーだけが登れるという意味
ではなく、運もタイミングも味方するという意味でです。
今回、朝4時半から中学生男女40人が先生、ガイドに引率され全員頂上を極め、
無事に降りてくるという林間学校に会いました。全員脱落せず降りてきた中学生も
素晴らしいのですが、引率の方々も、その責任たるや相当な負担であったと、
想像し難くないです。中学生は登山歴がベテランのはずもなく、女子生徒に限って
は、経験値はさほど高くなかったのに登れた。穂先の梯子手前で、一度は立ち往生
した女子生徒もいながら、なぜ登れたのか。それは、リスクを減らす登山だった
からかもしれません。
天気:快晴、無風。荷物:全員なし。時刻:4時半はすでに日の出前であるが
明るく、ヘッドライトがいらない。他の登山者、20名程度と少なかった。前日が
夕刻まで好天だったこともあり、宿泊した多くの人がすでに頂上を極めていた。
全員、高山病を発症しておらず、体調が良好であった。
実はこの前提条件だけでも、恵まれた登山だったことがわかります。ひとたび、
風雨濃霧が伴えば、なんでもない山でも牙をむきます。また、気象条件が恵まれ
ていても、大渋滞が起こり、長時間岸壁や、岩での待機を余儀なくされたら、
彼らの登山はもっと違ったものに、いや諦めざるを得なかっただろうと思います。
その意味で、肩の小屋まで来られた方々で、たとえ、槍の頂上を極めることが
できなかったとしても、大きな差はないでしょう。
しかし、山を志すものであれば、山頂に立ちたいと思うのは、自然な願望です。
前提条件が整っていたとしたら、もちろんある程度の技術は必要ですが、槍の肩
まで登って来られた方なら、山頂を極める力もあるし、邪魔するものがあるとす
れば、それは誰しもが持つ「恐怖心」なのかもしれません。多かれ少なかれ、
登っている男女ともに、恐怖は感じています。どうしても怖ければ、無理に登る
必要もないですが、「下を見ずに、上や正面に集中して上り下りをする(下方を
みると怖くなる)」、「登っている人同士声を掛け合い、みんなで登っている
ように行動する」ことで、かなり気持ちが楽になるのかもしれません。槍の穂先
は登りも下りも、足場も、手がかりもちゃんとあります。思ったほどの勾配では
ありません。みな楽しく、登って降りてくるのが一番ですが、登りたいと思う
人は、リスクを減らし、この恐怖心をいくばくかでも和らげることで、最後の
100mに打ち勝てるのかもしれません。その価値がある素敵な山でした。
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