【ロシア】遥かなるコーカサス、美しき真白き双耳峰・エルブルース5642m(ヨーロッパ大陸最高峰)へ
- GPS
- 21:39
- 距離
- 26.2km
- 登り
- 2,467m
- 下り
- 2,465m
コースタイム
- 山行
- 0:00
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 0:00
10:03 〜 10:22 アザウのロープウェー山頂駅 標高実測34500m 休憩 0:19
↓ (所要時間 0:52 )
11:14 〜 11:27 バレルス小屋 標高実測3700m 休憩 0:13
↓ (所要時間 1:47 )
13:14 〜 13:30 プリュート小屋 標高実測4050m 休憩 0:16
↓ (所要時間 0:27 )
13:57 〜 13:59 バレルス小屋 標高実測3700m 休憩 0:02
↓ (所要時間 0:16 )
14:15 アザウのロープウェー山頂駅 標高実測34500m
行動合計 3:53 (歩行 3:22 休憩 0:31 )
2014/7/28(月) 高度順応登山2日目 ロープウェイ&リフトでバレルス小屋へ登りプリュート小屋ピストンし、登山基地となるバレルス小屋に宿泊
12:23 〜 13:39 バレルス小屋 標高実測3700m 休憩 1:16
↓ (所要時間 1:28 )
15:07 〜 15:30 プリュート小屋 標高実測4050m 休憩 0:23
↓ (所要時間 0:26 )
15:56 バレルス小屋 標高実測3700m
行動合計 2:17 (歩行 1:54 休憩 0:23 )
2014/7/28(火) 高度順応登山3日目;バレルス小屋からパスツーコフ岩(標高4700m)ピストン
9:00 バレルス小屋 標高実測3700m
↓ (所要時間 1:04 )
10:04 〜 10:11 3975m 休憩 0:07
↓ (所要時間 0:19 )
10:30 プリュート小屋横 標高実測4050m
↓ (所要時間 1:01 )
11:31 〜 11:42 4325m 休憩 0:11
↓ (所要時間 0:59 )
12:41 〜 12:55 4550m 休憩 0:14
↓ (所要時間 0:38 )
13:33 〜 13:59 パスツーコフ岩 4680m 休憩 0:26
↓ (所要時間 0:36 )
14:35 プリュート小屋横 標高実測4050m
↓ (所要時間 0:30 )
15:05 バレルス小屋 標高実測3700m
行動合計 6:05 (歩行 5:07 休憩 0:58 )
2014/7/30(水) 標高5000mまで雪上車で登り、そこからエルブルース西峰5642mピストン
4:14 バレルス小屋 標高実測3700m
↓ (所要時間 0:25 雪上車 )
4:39 〜 4:49 標高5070m地点 休憩 0:10
↓ (所要時間 1:48 )
6:37 〜 6:56 サドル5370m 休憩 0:19
↓ (所要時間 1:45 )
8:41 〜 8:53 5575m固定ロープ上 休憩 0:12
↓ (所要時間 0:37 )
9:30 〜 9:42 エルブルース西峰 5642m 休憩 0:12
↓ (所要時間 0:21 )
10:03 〜 10:26 5575m固定ロープ上 休憩 0:23
↓ (所要時間 0:31 )
10:57 〜 11:14 サドル5370m 休憩 0:17
↓ (所要時間 1:45 )
12:59 〜 13:21 標高5070m地点 休憩 0:22
↓ (所要時間 0:09 スノーモービル )
13:30 バレルス小屋 標高実測3700m
行動合計 8:10 (歩行 6:47 休憩 1:23 )
2014/7/31(木) 10時;バレルス小屋からリフト&ゴンドラで下山後ふもとのホテルで休養
天候 | 27日;晴れのち雨 28日;行動中は曇り、夜は霰のち雪 29日;快晴れのち曇り、夜は雨 30日;快晴、午後は晴れ時々曇り 31日;快晴のち曇りのち雨 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト) 飛行機
7/25 自宅6:30→成田空港12:00 SU261アエロフロート→モスクワ17:10 7/26 モスクワ→テレスコル(国内線&送迎車) 7/27 テレスコル2150m⇔(ロープウェイ&リフト)バレルス小屋3800m 7/28 テレスコル2150m→(ロープウェイ&リフト)バレルス小屋3800m 復路 7/31 バレルス小屋→テレスコル(リフト&ゴンドラ) 8/2 テレスコル→モスクワ(送迎車&国内線) 8/3 モスクワ24:00 SU262アエロフロート→ 8/4 →成田14:40→帰宅18:00 |
コース状況/ 危険箇所等 |
・バレルス小屋から上は全コース雪上です。 ・全ルート、トレースはしっかりしています。特に標高5000mまでは、雪上車やスノーモービルが行きかっていて、スキー場と変わりありません。実際、これらを使用して登り、スキーをしている人もいました。 ・雪は緩く、標高5000mまでアイゼン・ピッケルは不要でした。 ・標高5000mからの登頂では、アイゼン・ピッケルを使用。 ・サドルから上の急斜面にはフィックスロープあり、ハーネスとスリング・カラビナ を容易しましたが、ロープへはつながずフリーで登りました。 下りは高度障害でふらふらだったため、この部分は現地ガイドとアンザイレンして コンティニュアスで下りました。 ・山頂(西峰)付近は、平坦で、アイゼン・ピッケル不要でした。 ・午後は雪が腐って15cm位潜り、ラッセル状態でした。 |
写真
装備
個人装備 |
アイゼン(1)
ピッケル(1)
手袋(3)
ロングスパッツ(1)
ストック(1)
オーバーズボン(1)
オーバーヤッケ(1)
タイツ(1)
予備靴下(1)
ダウン上下(1式)
ハーネス(1)
カラビナ(1)
目出し帽(1)
ゴーグル(1)
冬用登山靴(1)
インナーソックス(1)
ヘッドランプ(1)
テルモス(1)
|
---|
感想
【エルブルース山】
たった一つのピークを踏むために、11日間も費やしたとても贅沢な登頂ツアーへ行ってきました。
エルブルース
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%82%B9%E5%B1%B1
は言わずと知れた七大陸最高峰(Seven Summits)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%83%E5%A4%A7%E9%99%B8%E6%9C%80%E9%AB%98%E5%B3%B0
の一つで、ヨーロッパ大陸の最高峰です。
ただし以前はヨーロッパの最高峰をエルブルースではなくモンブランとしたいたときもあり、世界初の五大陸最高峰登頂者植村直己はモンブランに登っています。
私自身のSeven Summitsは、アフリカ最高峰のキリマンジャロ5895mに次いで2座目となりました。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-181591.html
また、昨年の同じ日にモンブラン4810mにも登頂しているので、ヨーロッパについては、どちらも登ったことになります。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-328288.html
標高5000m越えは他に中国の大姑娘山(タークーニャン)5025mと合わせて3座目です。
http://www.yamareco.com/modules/yamareco/detail-246417.html
【準備、高山病対策等】
エルブルースは、昨年モンブランに登ったときに、自然に次の目標として上がっていました。
最初は、いつも海外登山ツアーでおせわになっているM社に会社の夏季休暇に合わせて個人ツアーを見積もりしてもらったところ一人100万円近くすることがわかり、日程がぴったりのA社(こちらも以前ツールドモンブラン、オートルートトレック等でお世話になったことがある)のツアーに参加することにしました。
エルブルースは標高5642mでモンブランよりも約1000m高く、高山病の懸念は高まりますが、キリマンジャロ5895mに登った時の経験からは何とかなるだろうと思われました。
ただ、キリマンは赤道直下の熱帯なのに対し、こちらは北海道とほぼ同じ緯度で、寒さが厳しく(高山病予防ですべての動作をゆっくりにするため、身体が暖まらず、キリマンでも登頂時はとても寒かった)高山病にもなりやすいことが心配されました(事前の情報では-20℃以下になることもあるとのこと)。
そこで防寒対策として、キリマンジャロのときよりも格段に進歩した雪山装備(下着や上下のダウン、冬用ジャケット・オーバーズボン等と、冬用の登山靴)で臨みましたが、靴は2重構造のもではなかったので、アルミの中敷きや足用カイロも導入しました。
また、国内での事前の高所&雪上歩行トレーニングとして、5月と6月に富士山へ登りましたが、直前の北岳での幕営による高所滞在は天候不良で中止となり、若干の不安を残しました。(昨年のモンブランのときには事前にこれらを実施して、全く高度障害なく登山できました。)
しかしながら、今回は本格的な高所登山として、登頂前に3日間かけて登っては降りる高所順応を繰り返すため、大丈夫だろうと思っていました。
【ロシアについて】
エルブルースの登山については事前にネットで調べましたが、とても情報が少なく、詳細が全く分かりませんでした。かなり僻地で不便、人も少ないというイメージでしたが、実際に行ってみると、スイスアルプスほど観光地化されてはいませんが(整備されていない)、登山基地であるバレルス小屋付近までスキー場として開発されていて、リフトやロープウェイ、ゴンドラが営業中で観光客も登ってきて、バレルス小屋から上へも登山者以外に観光客も雪上ハイキングしていたり、これらの人々をより高所へ運ぶことを商売にしている雪上車やスノーモービルが走っていたりと、そこそこ開けてにぎやかなところでした。
登頂を狙う登山者も、小屋利用以外にテント泊の人も多く、多い日には100人以上とそこそこ大勢でした。
ふもとの町は”一応”リゾート地という感じで、ちらほら観光客がいて、快適ではないにしても小ぶりのホテルがたくさんあり、露店(バザール)のような土産屋も軒を連ねていました。
初めて行くロシア、モスクワは人口1500万人でとても大きな都市でした。改革後急激に豊かになったらしく、とても広い道路(片側6車線の所も!)は高級車で溢れていました。
それでも赤の広場周辺は古い帝政ロシア時代の街並みが残っていて、私の好きなロシア文学やロシア音楽の雰囲気を感じることができました。
モスクワは緯度が高いですが、とても暑く、日中33℃、夜もあまり冷えず、ホテルも冷房の効きが悪くて室温が28℃以下にならず、たいへん暑い思いをしました。
モスクワからはロシア国内便でミン・ボディへ行き、そこから送迎車でエルブルースのふもとのテレスコルへ向かいましたが、飛行機からの眺めも、送迎車からの眺めも、
平地部は延々と続く大穀倉地帯の大陸風景。北海道でよく大陸的風景といいますが、ここは本場の大陸でした。
山間部に入ると、斜面は牧草地で、牛が横切る道路を送迎車は80km/h以上でかっ飛ばしていきましたが、ミン・ボディは田舎だからかモスクワと違って車が古く、登りになるとオーバーヒートで冷房が暖房になり、車中が34℃とこれまたとても暑くて疲れました。
________________________________________
【山行記録】
天気はそれまでずっと良かったそうですが、テレスコルに入った日から下り坂となりました。
7/27の登山初日、高度順応の1日目は、ロープウェイで上に登ると晴れていましたが、山頂は見えず、歩き始めて間もなく曇りから雨に変わりました。
ロープウェイからバレルス小屋まではリフトは使わず、富士山のブル道のような林道の登りでした。
バレルス小屋からはオール雪道です。緩やかな斜面で午後になって雪も緩く、壷足で多くの登山者や雪上車の通った跡を登ります。
標高が高いため、登りはゆっくり登りました。雨は時々降ってきましたが、下りになってバレルス小屋へ戻った頃には本格的になり、雷も鳴って、ゴンドラ駅(ロープウェイと並んである)についたころには土砂降り状態になりました。さいわい、この日はテレスコルへ下ってホテル泊だったので、濡れたものを乾かすことができました。
翌日(登山2日目)も朝から曇り、再びロープウェイで登ると、昨日よりも悪い天気で予報通り下り坂でした。
この日は登山基地であるバレルス小屋へリフトで入り、そこから前日と同じプリュート小屋まで高度順応にピストンしました。
全く展望は得られず、バレルス小屋へ戻ると同時に雨が降り始めましたが、濡れることがなくラッキーでした。
高度順応は順調で全く問題ありませんでしたが頭痛持ちなので、常時鈍痛がしていました。高山病というよりも、長旅の疲れだったと思います。
登山3日目、
この日は朝、とても良い天気で、初めて美しい双耳峰のエルブルース山頂と対面しました。前日の雪化粧で真っ白になったモルゲンロートのエルブルースはとても美しく、これが見れただけでも恩の字だと思いました。アザウの谷を挟んだ対岸のコーカサス山脈の山々も朝日に輝いて美しく、とても感動的でした。
この日はプリュート小屋よりも高いパスツーコフ岩4700mまでのピストンで高所順応でした。グーテ小屋からモンブラン山頂までとあまり変わらない標高です。登山道そのものは雪の斜面をただただ登るだけで特別面白わけでもなく、ただひたすらエルブルースへ登るために3回目の登り下りをくり返しました。日本では考えられない登山です。
天気は相変わらず午後になると雲が湧いて、小屋につく直前にぽつぽつ降り始めましたが、雨具を使わずに済みました。
高度順化は順調、軽い頭痛以外は問題ありませんでした。
登山4日目;頂上アタック
いよいよアタック日です。天気予報ではこの日は回復し明日また少し悪くなるとのことで、好天を期待しましたが、期待通りのの最高の天気となりました。
もとの計画では標高4700のパスク−コフ岩まで雪上車で登る予定でしたが、現在(今年から?)では5000mまで上がれる(費用は倍とられるそうですが)ようになっており、1時間以上の短縮となりました。
山頂付近は急斜面のトラバース&上り下りがあり、早朝で雪が固いため、小屋の前でアイゼン、ピッケル、ハーネスを装着、上はとにかく寒いとのことで、防寒着もフル着用して雪上車に乗り込みました。雪上車から降りると、すぐに東峰のトラバースに入ります。現地ガイド、妻、私の順で歩きましたが、東峰と西峰の鞍部であるサドルまではまずまず順調に進みました。途中次第に夜が明けてきて、今まで上に見えていたコーカサスの山々が足下に広がり、これらが朝焼けする光景は富士山から見た南アルプスとは比べ物にならないほどスケールが大きく感動的でした。
サドルから西峰へは思った以上に急でした。先行者のトレースをたどってジグザグに登りますが、妻が遅れ始め、少し歩いては妻が登ってくるのを待つのを繰り返しました。この段階では体調は特に問題なかったのですが、その後、山頂の肩になっている平坦部について、荷物をデポして山頂を目指し始めてから、急にふらふらしてバランスをとることが難しく、足にも力が入らなくなりました。その他は特になんともなく、疲れも頭痛もなく快調そのもので、この感じは今までになったことがありませんでした。
登頂に際しては、ロシア音楽であるチャイコフスキーの交響曲第5番や、ショスタコーヴィッチの第5番の第4楽章のクライマックスを頭の中で奏でていて気分を盛り上げました。
最後は平坦な雪原から少しだけ突き出したピークへ登りつめ、ふらふらしながらもとうとう登山者でにぎわう狭い頂上へ登頂しました。
山頂には写真を撮りながら10分程度いましたが、高山病でふらふらしていたため、ゆっくり楽しむ余裕はなく、とにかく早く下らなければという気持ちが先行ました(高山病は標高が下がらないと治らないため)しかしながらフラフラで足元がおぼつかないのと、妻の歩調がさらに遅くなって(妻も高山病でした)登りよりも遅い状態、サドルからはしばらく水平な巻道ですがここも止まっている方が長い状態で、私のフラフラもさらに悪化、苦しくもなく疲れてもいないのにとにかく辛く、早く下りたい、でも妻が遅くて一向に下れないで、しまいには私も妻もガイドに荷物を持ってもらって(自分で持てると主張したのですが現地ガイドに強引に持って行かれた)状態となりました。このトラバースの下りは正面右からの日差しが強く、雪面からの照り返しが強烈で、とても暑く、ダウンパンツの上にオーバーズボン、ハーネスをしている身では少し熱中症気味だったかもしれません。荷物をもったガイドが先に降りて行ってしまい、水もなく、日焼け止めもありませんでした。すぐ下に、標高5000m地点が見えていて、そこに雪上車が待っていたのに全然近づけません。妻がもうこれ以上歩ける状態ではなかったので(有償で)乗せてもらおうとおもったのですが、そうこうしているうちに、その雪上車も下って行ってしまい絶望的でした。朝4時に出発してからほとんど何も食べていないので、お腹が空いてきて胃が痛くなってきました。
とても長く感じたトラバース下りがようやく終わり、10数名が休憩している5000m地点にたどり着くと、スノーモービル(流しのタクシーのようなもの)が2台客待ちをしていました。ここで軽く行動食を食べましたが、カロリーメイトのような乾き物はほとんど喉を通りませんでした。フラフラは相変わらずで、疲れたのか体もだるく、私もここからさらにバレルス小屋まで歩いて降りる気力が全くありませんでした。妻はもう一歩も歩そうになく、待機していたスノーモービルに二人でのることにしました(私は荷台のザックの上!)。急斜面は少しスピードを落とすものの、少し緩やかになると猛スピードで下るスノーモービルに必死でしがみついてあっという間にバレルス小屋に到着。料金はなんと2人で8000ルーブル(約29000円)!!それでも登頂できた(妻も頑張って登頂してくれた!)ご褒美として、特に悔いなく快く支払うことができました。
3700mのバレルス小屋まで降りると、さすがにふらふら感はなくなり、普通に歩くことができました。ただちょっと強い頭痛が残り、いつも持ち歩いている頭痛薬を飲んで直しましたが夜になって目がごろごろちくちく痛いことに気が付きました。どうやら軽い雪目になったようでした(雪山やスキーを長いことやっていますが初めてでした)。また目の両側の日焼けがひどく、2日後に皮がむけました。妻は、小屋まで降りてきても歩くことができず、小屋前の2〜3mのわずかな登りでも10分以上かかって、小屋に入るなり寝込んでしまいました。
この日は山に入って初めて、午後になっても雨が降らず、ピンポイントで一番良い天気に恵まれとても幸運でした。
その晩はあまり食欲がありませんでしたが、小屋に入ってから初めてぐっすり眠ることができました。翌朝もご来光とモルゲンロートのエルブルースを拝むことができ、別れを告げることができました。
今回、懸念していた高山病が強いふらふら感となって発症し、予想外の苦戦を強いられました。標高5500m以上は人が住めない高さとのことですが、まさにその通りでこの標高を越えたところから厳しい登山となってしまいましたが、好天に恵まれて後遺症なく何とか無事に登頂でき、時間と大金を費やしてはるばる遠くまで行ったことが報われました。
【8/12追記】
登頂時に予想外の高山病になったことについて、原因を考えてみました。
一番の原因は、水分不足だったと思います。一般的に高山病対策としては水分の補給(下界の2倍以上必要とも言われている)が有効と言われていますが、今回、登頂日は9時間行動しましたが、その間わずか100cc程度しか飲んでいませんでした。高所では喉の渇きを感じるのも鈍くなるとのことで、その影響だったと思いますが、意識して飲むことも忘れていました。また、下山時は荷物をガイドに先に持っていかれてしまったため、手元に水分が無く、喉が渇いても飲むことができず、さらに悪化したものと思われます。
また、今回は登頂日に限らず、小屋入りしてから全体的に水分補給が足りてなかったようで、それが登頂日にも影響したようです。
以前ここよりも標高の高いキリマンジャロへ登った時は、入山時から高山病対策によいといわれているダイアモックスという薬(利尿剤、本来は緑内障の治療薬)を毎日飲んでいましたが、今回は入山後の高山病の症状が軽い頭痛程度だったので、市販の頭痛薬で済ませていました。それほど喉が渇かなかったので、強いて水分を取ることもせず、夜中にトイレにいったのも小屋入りした最初の晩だけだったことを考えると、のどの渇きを感じなかった段階ですでに軽い高山病だったのかもしれません。私は普段の登山でも行動中はあまり水を飲まず(多分普通の人の半分以下)、入山前後にたくさん飲んでおくタイプなので、これも災いしたかもしれません。
その他、今回は登頂の前の入山後の3日間、毎日標高4000m以上まで高所トレーニングし、休憩が無かったことも影響していると思います。高所についたら最初はあまり運動しない方がよいとも言われています。ツアーによっては、登頂前には1日休養日を設ける会社もあります。
以上あくまで私見ですが、もし高所登山をされようとしている方がいましたら、参考になれば幸いです。
コメント
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shigetoshiさん、エルブルースおめでとうございます
奥様も頑張りましたね。高山病は辛いですよね。一歩一歩が鉛の様に重い感覚で全然進まないから、ちょっとした距離なのに時間がとってもかかりますね 何度かなった事が有るので良く分かります。酷くなると下山しても後遺症が残りますが奥様は大丈夫でしたか。
ネパールトレッキングでこの位の標高だと何十万しますかね〜。ロシアの方が物価が高いし情報が無いので費用はかかりそうですね。考えた事も無かったのですが、言葉の問題も有ってなかなか日本からは行けないと思います。
レコを見ると難易度的には前回のモンブランの方が難しそうですね。でもこちらの方が標高が高いので高山病のリスクが大きいですね。こちらの方がその分はきつかったでしょうか。
なんにしてもお二人ともご無事で何よりでした。
Futaroさん、こんばんは。
ありがとうございます。11日間と大金をかけて行ったので、登頂できて良かったです。もしだめだったとしても、リトライすることは無かったかもしれないので。
いわゆる高山病になったのは今回が初めてでした。今までは頭痛程度だったので。頭痛は下界でも普通にしているので、今回のふらふらする高山病は、未経験の症状で参りました
お気遣いありがとうございます 、妻はその日は何も食べずに寝ていましたが、翌朝には回復しました。高山病と共に疲労の影響も大きかったようです。
言葉は、ロシアの空港やホテルでは英語が通じますが、田舎に行くとほとんど英語も薬にナチません。私たちはツアー参加だったので、英語ができる現地ガイドがずっと着いていたので、問題ありませんでした。モスクワでは日本語ガイドが観光案内してくれました。
山の難易度は、モンブランのような岩場や鋭角的な雪稜が無く、新斜面も少なく、あっても雪が緩かったので、モンブランより優しいと思います。ただ、1000m高いので、高山病と寒さ対策が必須で、登頂の確率トントンでしょうか。モンブランでは午後の天気の悪化を心配して、早く歩くことを要求されますが、こっちはそういうことはありません。そもそも標高が5000mを越えると、モンブランのように早く歩けないことが分かりました(体調や人にもよりますが)。
shigetoshiさん、こんばんは。
別世界の登り方に別世界の景色。
何か、テレビの特集でも見ている気分で記録を拝見しました。
コーカサス山脈を見下ろす山なのですね。はんぱない山々の
広がり、写真で少し共有できたでしょうか。(実際に見るのとは
大きな違いですよね)
それにしても、ここまで高山になると空の色が群青色というか
すごい濃い色になりますね。
最後は5000メートルまで雪上車ですか。先立つものがあれば
行ってみたいですが、宝くじでも当たらないとありえない
感じです
高山病、ちょっとこわいですね。富士山とはわけが違うでしょうから。
2,3メートル上がるのに10分かかる状態、想像ができません。
私も、クラシックは好きで、きれいなメロディラインを探す方
なので、チャイコフスキーは大好きな作曲家です。高校の時に
ムーティ&フィラデルフィア管弦楽団の交響曲6番を生で見たのですが
これが今だに忘れられず、今でもチャイコフスキーの交響曲
1,4,5,6番はよく聞きます。脱線でした。。。
長旅、お疲れ様でした!
youtaroさん、こんばんは。
ありがとうございます。でもテレビの特集とはちょっと言い過ぎでしょう
エルブルースは黒海とカスピ海の間に東西に延びるコーカサス山脈から少し北に外れた独立峰で、しかもコーカサス山脈のどの山より高いので、山頂からは遮るものの大展望が得られます。逆に、山頂からは見る対象が無くなってしまうのが欠点ではあります。
群青色、確かにそうでした。ロシアについた瞬間に、たいへん澄んでクリアで。空気の違いを感じましたが、さらにエルブルースは標高が高いので空気が薄くて日差と紫外線が強くてたいへんでした。
たいへんな僻地だと思っていたのですがロシアでも人気の山ではあるようで、文明の利器で便利に登れるようになっていました。ただ高山病対策のためにはやはり事前の順応訓練は必要なので、ちょっと行っていきなり雪上車に乗って日帰りで登頂、とは行かないようです。他の高山に登ったあとならそれも可能ですが
youtaroさんも高校時代からのクラシック好きでしたか 。私も高校〜大学時代は主にクラシックを聞いていました。チャイコの5番は、震災直後に八王子のオリンパスホールで西村智実がロシア交響楽団を率いて演奏したのを聞きに行き、好きな曲になりました。それまではチャイコと言えばピアノ協奏曲の1番だったのですが。youtaroさんとはやはりいろいろ好みが合うようですね
shigetoshiさん、こんばんは
登頂お疲れ様でした。
アタック日は天気も申し分なく、遠征の買いがありましたね
一方で、5000mを超える標高というのは想像が尽きませんが、
一筋縄ではいかないのですね。
私は4100m台までしか行ったことがありませんが、
5000m辺りに大きな壁があるのでしょうか。
shigetoshiさんのことなので準備は万端にされたと思いますが、
荷物を持った雪上車が先に行ってしまうなど、
ハプニングを乗り越えての無事帰還良かったです
それにしてもご夫婦で登頂とは素晴らしいです。
奥様は感想を読む限りはかなり辛そうですが、
それでもあきらめることなく頂を踏むとは、ドラマチックですね。
モンブランに行った時から今回の計画を立てていたとのこと、
既に次回の目標は定まったのでしょうか
hirokさん、こんばんは。
アタック日が一番天気が良くて、ラッキーでした
登頂できてこその遠征でしたので、無事に登頂できて本当に良かったです
そうでなけければ、3日もかけて高度順応登山をしたのが報われませんから
雪上車は荷物は持っていかなかったのですが、もうすぐ着いて乗せてもらえると思ったので、実際には前に進めずもうすぐのはずがなかなかで、とうとう行ってしまったときには、妻はどう思っただろうかと、心が痛みました。
それで、スノーモビルがいたので、金銭云々ではなくとにかくこれに乗って
妻を下へ降ろそうと思いました。
次の計画はいまのところ無いのです。妻はもう高い山はこりごりと言っています。
私もしばらくはいいかなあ・・・なんて思っています。
でもしばらくするときっと行きたくなるかもしれませんが、今のところ次は山スキーかなあなどと思っています。
それから、ロングも先日の奥秩父80kmのあと、しばらくはいいかなあと言う感じがしていて、ちょっと燃え尽き症候群のような感じです
shigetoshiさん、こんにちは
11日間の長旅お疲れ様です。
いろいろと情勢がおかしくなっているロシアなので気になっていましたが、旅行するだけなら特に問題なさそうだったんですですね。良かったです。赤の広場は一度は見てみたいですですね。ちょっとメルヘンチックな教会があったと思いますが、どんな感じだったのでしょうか?お聞きしてみたくなってしまいました
お二人でのエルブレース登頂、おめでとうございます
さすがにshigetoshiさんといえでも5000mを超えると高山病に掛ってしまうのですね。全然体が動かない状態とかなってしまうとパニックを起こしそうで怖い現象ですね。ただこの景色を見るためにはある程度覚悟が必要ということなんでしょうね。youtaroさんのコメントにもあるように、空の色がだいぶ違います。
ロシア料理にキュウリは良く出るトッピングなんでしょうか?何枚かキュウリが入った料理がありますね。昨日、道端でキュウリの無人販売を見てしまったので気になってしまいました
aottyさん、こんばんは。
ロシアについては出発前には多少の心配はありましたが、行ってみると別にどうということもなく、平和なものでした。
赤の広場の聖ワシリー大聖堂ですね。ディズニーランドのシンデレラ城みたいでした。
もうひとつのロシアのレコに写真等あげておきましたのでご覧下さい。(もう見ているかな)
順応はうまくいっていると思っていたので、予想外の度障害には参りました。
疲れた感じとは違って、とにかく足上がらず、だるくて身体が言うことを聞かない感じでした。
空の色は自分でもあとで写真をみて驚きました。いつもと同じモードで撮っていたのですが。
空気が薄いためでしょうか。晴れてめちゃくちゃまぶしかったこともあると思います。
きゅうりは、スープにも入っているし、肉料理にはピクルスが付いてきます。
トマトと共に毎回のように出ました
shigetoshiさん、こんばんは
今更ながらのコメントなので、気づいてもらえないかもしれませんが
とても感動しました。
山容も、見える景色も素晴らしいし、奥様を気遣うshigetoshiさんの優しい心にも
ジーンとしちゃいました(^^)
時々、このレコにお邪魔させて頂きます
pippiさん、こんばんは。
すこしご無沙汰でしたね
鳥海山や朝日岳等、東北へ遠征していたのですね
コメントありがとうございます。
感動していただけたら、詳しく書いた甲斐がありました
天気にも恵まれて登頂できて妻と二人で登頂できて本当に良かったです。
昨年のモンブランのように私一人登頂では喜びも半減どころ、むしろ気まずくなってしまいますし
それにしても日本のこの夏の天気、何とかならないですかね。
青空の山が懐かしい・・・
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