【九州随一のロング縦走】傾山〜祖母山
- GPS
- 56:00
- 距離
- 37.0km
- 登り
- 3,416m
- 下り
- 3,433m
コースタイム
- 山行
- 8:50
- 休憩
- 1:20
- 合計
- 10:10
天候 | 1日目 雨のち止む・強風 2日目 ガスのち晴れ 3日目 快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年11月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
縦走路通して岩場が多く、気の抜けない区間が続く。大障子岩前後が一番大変。またアップダウンが半端ないので出来れば荷を軽くして望みたい。 |
その他周辺情報 | 緒方町の道の駅原尻の滝のレストランはオススメ。 |
写真
感想
休日出勤の連続だったので、代休をまとめて取る事にした。南ア深南部の2泊を計画していたが、天気がかなり荒れそうだった。回復したとしても、藪漕ぎしたらずぶ濡れになるに違いない。どうしたものか悩んだが、思い切って天候回復の早い九州まで遠征することにした。祖母山は20年近く前に登っているが、ガスで全く様子がわからなかったし、傾山との縦走コースは九州では珍しいテント泊が出来るルートで一度行ってみたかった。ちょうどいい機会である。前日、名古屋から夜行バスに乗り九州上陸した。
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■1日目 11/23(水) 雨のち止む・強風
九折登山口〜三つ尾〜傾山〜九折越避難小屋△
豊後大野市の傾山登山口まで、レンタカーを借りた中津から3時間弱もかかってしまった。同じ大分県なのに道路事情が悪くてとんでもなく時間がかかる。歩き出すまでに天気も回復するかと期待したが、雨は止まない。仕方なくカッパをつけて出発する。
しばらく登ると観音滝という細い一直線の美しい滝があるが、その落ち口の近くで川を横切る。思わず滝を覗き込みたくなるが、誤って落ちて亡くなる方が多く、絶対に覗かないようにとの看板があった。
三つ尾という乗越から明瞭な尾根道になるが、メインルートは岩稜線を避けて東側を巻く。途中で沢に降りるが、その原頭で湧き水が取れるので水筒を満タンにした。今日の宿泊予定の九折越は近くに水場がないため十分準備しておく。
雨はやんだが、傾山頂上が近づくと風が尋常でなくなってきた。ガスも濃く、進むのも躊躇するほどだ。なんとか山頂まで到着したが、白濁であまりにも寒い。休憩もせず先に進む。
山頂部の足元の悪い岩場を慎重に越え、ダラダラした斜面を下ると今日の目的地の九折越だった。だだっ広い草原がありテントは気持ちよさそうだが、この天気である。小屋を覗いてみると誰もいない。がっしりした作りで中も綺麗だ。今日はここにお邪魔することにする。
出発が遅れたため、小屋到着も遅くなった。食事の支度をしているとすぐに暗くなってきた。ガスから抜けず、木々が結露して水が滴るので雨と変わらない。風も弱まらないので非常に寒い夜だった。何もすることも無く、バスの疲れを取るためにすぐに寝た。
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■2日目 11/24(木) ガスのち晴れ
九折越〜本谷山〜古祖母山〜障子岳〜祖母山〜9合目避難小屋〜池の原△
今日から晴れのバラ色の縦走になるはずだったが、天気の回復が極めて遅れていた。九州は夜明けが遅く、真っ暗のガスの中で迷いながら進むハメになった。登りは良いが、下りは尾根の派生方向がわからず、軌道に乗るまでは試行錯誤になる。あまりにもルートを失うので、明るくなるまで待とうかとも思ったが、止まっていると非常に寒い。仕方なく慎重に前進する。
6時半を過ぎるとようやくライトなしで歩けるようになる。本谷山というピークを超えて、鞍部まで降りるとようやくガスを抜けた。ちょうど縦走の中間地点の看板があった。ガスで様子がわからぬまま半分歩いてしまったことになる。やれやれだ。
ここから天気は急速に回復し、祖母山にかかっていた雲も徐々に取れて稜線の全貌がわかってきた。祖母山は颯爽としてカッコいい山だった。その手前の障子岳の稜線も屏風を並べたように切り立ち、迫力があった。
古祖母山、障子岳と順調に進んだ。この区間は宮崎県側が緩やかな斜面になっており、おおらかな景色で気持ちよかった。祖母山の最後の登りは鎖とロープの連続で思わぬ緊張だった。一度登った神原のルートからとは大違いのロッククライミングで山頂に到達した。
山頂からの絶景は言わずもがな。傾山はものすごく遠くなった。歩いてきた稜線を振り返り感慨にふけった。これから歩く稜線もなかなかの難路に見える。明日は大障子岩のガキンガキンの稜線は無事に超えられるだろうか?
九号目小屋まで降りて水筒を満タンにする。今日は予定より早く進んでいるので池の原まで進んで幕営することにする。池の原のピークは三角点があり、テントが張れる平地もあったが、南側が絶壁である。よっぽどのことがなければ転落することはないだろうが、何となく気持ちが悪くて少し降りた尾根上の平坦地にテントを張った。
風は微風まで収まり、最高の一夜になった。場所が良いのか、鹿もイノシシも全く出ず、新月のせいで星が良く見えた。西から東にかかる天の川もくっきりで、夜中に一度起きてしばらく眺めていた。
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■3日目 11/25(金) 快晴
池の原〜大障子岩〜前障子岩〜上畑〜九折登山口[下山]
昨日は夜がなかなか明けなくて苦労したので、今日は30分ほど出発を遅らせた。しかしそれでもルートを何度か失い、戻ったりすったもんだしながら進んだ。大障子岩近辺は道は非常に悪い。アップダウンが酷く、体力がとても必要だった。
大障子岩手前でご来光。7時過ぎだった。冬の九州の日の出の遅さは全く尋常でない。朝日の当たる祖母山の東壁と、遠くの阿蘇山が印象的だった。
前障子岩で最後の雄大な眺めを見納め。急なルートを転げ落ちるように下り、上畑の集落に降り立った。一度泥の斜面ですってんころりんと転んでしまい、思いっきり左手を突いて痛めてしまい焦った(ごく軽傷です)。
最後は40分ほど車道を歩いて車までたどり着いてこの縦走を無事に終えた。前半天気が悪く苦労もしたが、後半はこれでもかと言うほどいい天気で祖母傾縦走を十分に満喫出来た。九州一素晴しい縦走路だと思う。
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この日は大分市に住む高校時代の先輩にお会いして美味しい食事と酒にありつけた。泊まった別府のゲストハウスは温泉付きで、旅の疲れを取るには最高だった。
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