常念岳と蝶ヶ岳 槍・穂の雰囲気を確かめに
- GPS
- 32:00
- 距離
- 15.7km
- 登り
- 2,010m
- 下り
- 1,999m
コースタイム
- 山行
- 7:55
- 休憩
- 0:55
- 合計
- 8:50
- 山行
- 2:34
- 休憩
- 0:31
- 合計
- 3:05
天候 | 8/30 曇りのち雨 8/31 曇り |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
・危険箇所は特にありません。 ・三股登山口から常念岳手前まで、ひたすら急登が続きます。ペース配分に気を付けましょう。 ・地図上の2592と蝶槍手前が急登になりますが、短距離なので疲れることはないと思います。怯まずに進みましょう。 ・蝶ヶ岳山頂は、ガスの発生等で視界が悪いと知らぬ間に通過してしまうかもしれません。 |
予約できる山小屋 |
蝶ヶ岳ヒュッテ
|
写真
感想
これまでに登った白馬方面から遠くに見えた穂高連峰。もう少し間近で見て雰囲気を確かめたくて、下山後に車を回収しに行かずに済む三股スタートに決定。第20回山行記念でもあります。
前線の停滞で天気予報がコロコロ変わる中、金曜日の夕方の時点で土日は結構な雨との予報。登山をやめてダイビングに変更しようにも、海の天気もよろしくない。自宅でおとなしくしているべきか悩みましたが、降雨時の練習を兼ねて挑戦してみることにしました。
予定したコースは三股〜常念岳〜蝶ヶ岳〜三股。皆さんのレコでは特に三股〜常念岳は急登続きでキツイとのことですし、山と高原地図のCTも宿泊予定の蝶ヶ岳ヒュッテまで11時間30分と長丁場。常念岳から蝶ヶ岳ヒュッテまでのCTは4時間10分なので、13:00までに常念岳に到着できない、体力の消耗が著しい、よほどの悪天候、の3つの場合には、常念小屋泊に変更とします。
週明けに上司に報告する資料にミスを発見して修正に手間どり、退社が遅くなったことに加え、電車が人身事故のためにしばらく足止めとなったので、帰宅が遅くなりました。このため、自宅を出発するが1:00となってしまいました。いつもは目的地までノンストップか1回休憩するのですが、今回は私にしては珍しく2回休憩。やはり疲れているみたいです。
上信越自動車道から長野自動車道への更埴JCTを過ぎたあたりまで大雨でしたが、安曇野IC手前から雨が上がりました。空を見ると、雲が切れて星が見えています。
安曇野ICで下りたとき、以前は豊科ICだったよな?(10年前に母親の希望で黒部ダム・雪の大谷に連れて行った)なんて思いながら車を走らせ、三股駐車場に到着したのが4:40。本当は5:30スタートを予定していましたが、徹夜で臨むわけにもいかず、既に出発に向けて準備をしている方がいる中、ひと眠り。目覚めたら良い天気でした。
天気予報が悪かったせいか、私が出発する時でも駐車場は1/3程度しか埋まっていませんでした。多くの方が出発済みなので、静かな山歩きとなりそうです。6:45に出発し、駐車場から800mほど歩いたところにある補導所にて登山届を提出しました。
さて、蝶ヶ岳と常念岳の分岐を過ぎたところに、他の方もアップされてる「体力に自身のない方はルート変更をしてください」の注意書きがあります。寝不足だし、大丈夫かな?
樹林帯の急登が続きます。木の根による大きな段差があったりと、一部歩きにくい部分もありました。途中で3組の方に道を譲っていただき、その際、どこまで行くのか尋ねると、皆さん「常念小屋まで」でした。私が蝶ヶ岳ヒュッテと答えると、「蝶ヶ岳まで行くなら、4時には出発しないと。15時ころから雨の予報だし、蝶ヶ岳は明日の方がいいのでは」と言われ、心が揺らぎました。とにかく、常念岳山頂まで行って判断しよう。
途中で空は曇り、ガスが出てきてしまいました。直前まで雨だったせいか、涼しいのか蒸し暑いのかわからぬままひたすら登り、梯子(脚立)がでてきました。これを登ると、今度は岩場の急登がひたすら続きます。
前回は青年小屋手前で足を滑らせて負傷したので、今回は気をつけなきゃ…なんて思いつつ、無理な体勢で岩にしがみついたとき、またもや足を滑らせてしまいました。
前回は、股までズボッと落ちましたが、今回はザックで引っ掛かる程度まで落ちたので、右肘を強打。骨に異常はなさそうですがかなり痛かったです(あとで確認したら、服の上から擦り剥いて血が出ていて、大きなアザができていました)。
う〜ん、自分の学習能力の無さが情けない。お勉強が嫌いな性格(血筋です)がこんな時に発揮されます。今回も痛みを堪えながらとなりますが、キレットよりはマシか…と開き直りました。
右肘を庇いながら石室に到着。想像していたよりも小さいですが、避難小屋として十分に使えそうです。中を覗くと、ゴミが散乱していました。明らかにマナー違反ですね。
少し休憩して先に進み、今は廃道となった常念小屋への分岐で、前常念岳を過ぎてしまっていたことを知りました。あれ?どこだったのだろう?そういえば、三角点があって朽ちた棒が突き刺さっている場所があったな。あそこだったのかな?
常念小屋と常念岳の分岐手前からなだらかな道となります。常念岳山頂方面からは、多くの方が下山してきます。少しザレた道を登り、常念岳山頂に到着です。
常念岳山頂は狭く、一人分のスペースがある程度。年配の方が山頂の祀りものの真横でお弁当を食べていたので移動していただき、後から登ってきた方に写真を撮っていただきました。
さて、ここで昼食とし、蝶ヶ岳ヒュッテまで行くのかどうかを決めねばなりません。13:00到着予定が11:30到着だったし、16:00には蝶ヶ岳ヒュッテに到着するはず。明日の天気が良いとは限らないし、高速道路の渋滞を避けて早めに帰宅して少しでものんびりしたいから、今日頑張ろう。
蝶ヶ岳への道は、ザレた道を一気に下ります。これだけ標高を下げるということは、やはり登り返しがあるということ。蝶槍のあたりがキツイとのレコが散見されますが、なんとなく納得できました。
途中でハートやにこちゃんのペンキマークに心が和みながら進むと、二人の男性が立ち話をしていました。一人は、三股スタートで蝶ヶ岳に登り、常念小屋泊。私と逆のコースです。もう一人は、兵庫県から来られていたNさんで、扇沢スタートで6泊7日で上高地まで行かれるとのこと。今日は蝶ヶ岳ヒュッテ泊とのことで、Nさんと一緒に歩くことになりました。
長期縦走をされている方とお会いするのは初めてだったので、歩きながら色々と教えていただきました。特に、ザックの軽量化についてが興味深かったです。Nさんは、前回は扇沢から日本海(親不知?)まで縦走したとのことで、流石に健脚で歩く速度が速く、これに合わせると息切れしてしまうので、私の歩く速度に合わせていただきました。このおかげか、地図上の2592と蝶槍は急登になりますが、特に疲れませんでした。
蝶槍に到着すると、狭いスペースに避雷針のようなものがあるだけで寂しいのですが、岩に「TOP」と書かれています。NさんのGPSだとここが山頂のようです。先に進むと、だだっ広い場所に出て、奥に三角点があり、岩に「頂上」と書かれています。三角点は山頂にあるとは限らないし、今回はGPSを信じてみよう。
横尾分岐に差し掛かると、後ろの方が明るくなりました。ん!?と思って振り返ると、朝以降はずっと曇っていたのに、雲が切れて槍ヶ岳が見えました。ちょうどこの部分だけ雲が切れたのです。この偶然に、思わず「おぉっ!」と叫んでしまいました。蝶ヶ岳ヒュッテは目前なので焦る必要もなく、雲がかかって槍ヶ岳が見えなくなる10分間、ずっと眺めていました。まさに奇跡の10分間でした。
この後すぐにガスが発生してしまい、周りは再び真っ白。今にも雨が降り出しそうです。そのような中先に進むと、うっすらと建物が見えてきて、蝶ヶ岳ヒュッテに到着です。少し休憩したいところですが、Nさんが「雨が降り出す前にテントを設営しよう」とのことでしたので、受付を済ませてテント場に向かいます。平らな場所が多くて助かりました。天気予報が悪かったためか、10張程度しかありませんでしたが、皆さん平らな場所を余裕で確保していました。
テントを設営し始めた矢先に、雨が降り出しました。Nさんはさっさと設営を終え、中に避難。一方の私は、まだ半分程度の設営段階。Nさんから「もっと早く設営できるようにならないとね」とのお言葉を頂戴しました。
その後、雨が上がったので、Nさんと食事をしながらお話しました。Nさんは、来年は西穂高岳〜槍ヶ岳までのジャンダルムと大キレット超えに挑戦するとのこと。何故だかわかりませんが、初心者の私のことを気に入っていただけたようで、「(私が穂高連峰を縦走できるようになったら)一緒に歩こう」と連絡先をいただきました。日本屈指の難易度を誇るコースですので、私が挑戦するのは当分先のことですが(←オイオイ、挑戦するのか?)。
しばらくお話をしていたら、強い雨が降り始めたので解散。寒かったこともあり、早々に寝てしまいました。
夜中に雨と風で何度も起こされましたが、あとは下山するだけなので、いつもより遅い5:30起床。外を確認してもガスガスだったので、のんびりと朝食と撤収をしました。
そうこうしてるうちに、安曇野側が晴れてきたので、期待を胸に槍・穂側が見える場所に向かいます。しかし、30分程度粘ってみましたが、結局絶景は拝めず。周りの皆さんも残念そうでした。昨日の10分間よ、ありがとう!
この間に、安曇野はこれから雨になるとの情報を入手します。下山途中から雨かな?
Nさんは1日余裕を見て上高地からのバスを予約しているため、今日はのんびりで良いとのこと。長塀尾根で徳澤経由で上高地まで下山し、どこかで泊まるそうなので、一緒に昨日はガスの中で場所がわからなかった蝶ヶ岳山頂に向かい、ここでお別れしました。
さて、あとは下山のみです。最初はなだらかな道ですが、すぐに歩きにくい道になります。雨が降っていなくて良かったな。まめうち平の手前まで、しばらくこのような道を下ります。
まめうち平に到着すると、団体さんが休憩されていて、時間はたっぷりあるのに、のんびり休憩できず。大福を食べて先に進みます。
ここから先は、階段等が非常に整備されていて、歩き易い道になります。途中で有名なゴジラみたいな木があり、ウルトラマンに出てくる亡霊怪獣シーボーズに似ているなと思ったのは私だけでしょうか。あとは、力水で喉を潤し、下が透け透けで揺れる橋を通過し、結局雨に降られずにゴールしました。
天気予報が180度変わった今回の山行。山の天気は難しいなぁと実感しました。また、今回のコースは、CTが14時間50分のところ日帰りで…という方もいるようで、どれだけ健脚なの?と思っていましたが、朝早くにスタートできるのであれば、よほどの悪天候ではない限り日帰りも十分に可能だということがわかりました。いつか狙ってみようと思います。
kenboさん、こんばんは。
常念&蝶ヶ岳、お疲れ様でした!
槍ヶ岳が見えるとなんだか嬉しいですよね。
私も蝶ヶ岳から見えた槍に大興奮でした♪
蝶ヶ岳のテント場は平らで過ごしやすいし、晴れていれば絶景なので、私もまた泊まりたいなと思っています。
てっきり雨の2日間だと思って、何も見えないのは覚悟していました。
でも、心のどこかで「一瞬でも晴れてくれないかな?」なんて念じていたのです。
そんなわけで、10分間だけでも間近で見えた槍ヶ岳は最高でした!
蝶ヶ岳のテント場は、とても気に入りました。
今回は欲張って常念岳経由で到着が遅くなり、すぐに雨が降ってきてしまったので、満喫できなかったことが心残りです。
次回はのんびりとした計画にして、周辺の散策とかも楽しみたいと思います。
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