年末南アルプス縦走 聖東尾根〜上河内〜茶臼
- GPS
- 48:44
- 距離
- 46.3km
- 登り
- 5,195m
- 下り
- 5,237m
コースタイム
- 山行
- 7:56
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 8:06
- 山行
- 11:31
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 11:31
- 山行
- 7:16
- 休憩
- 0:17
- 合計
- 7:33
- 山行
- 6:12
- 休憩
- 0:38
- 合計
- 6:50
天候 | 26日:晴れ 27日:晴れ 28日:晴れ 29日:曇りのち晴れ(強風) 30日:晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2022年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
コロナやらなんやらで、数年ぶりとなる年末年始の縦走。
南アルプスの聖を起点としたプランと、北アルプスの表銀座から槍というプランで考えていたが、やはり年末年始に気候が安定する南アルプスに軍配があがる。
前日、1日かけてのんびり静岡に移動し、麓の温泉で。推し馬の有馬記念勝利を見届けて道の駅で沈。
26日 いざ畑薙からスタート
久方ぶりの畑薙ダム。「工事のため歩行を含め通行止め」という表示があったが、問題なく入山できた。
ここ歩くのは、同じく年末年始に赤石〜荒川三山を縦走して以来だ。
あの時は冬用の靴がプラブーツしかなく、それを背負ってアプローチシューズで歩いてなかなか大変な思いをし
たが、近年冬用の靴を新調し、そのまま歩いて行ける。
天気もよく、気持ちよく歩いて行ける。うまくいけば降りてくる吊り橋を横目に歩いていく。
ところどころ凍結箇所もあるが、チェーンスパイクなどが必要なほどでもない。
途中単独行の登山者とすれ違い。聞くと我々と同じく東尾根を目指していたが、ラッセルが深くジャンクションピーク手前くらいで引き返してきたらしい。多少覚悟はしていたが、やはりラッセルがあるようだ。
時折休憩を挟みながら4時間半、登山口に辿り着く。ちょっと手前で水も汲めた。
ここから登山道に入り、ぼちぼち雪の積もっている中、1500mくらいまで標高をあげ行動終了。
ドライなテントで沈。
27日 ラッセルとコンタ上げと
3時起床で5時に出発。今日は樹減まで標高上げ。
標高を上げるにつれて雪が深くなり、ツボ足からスノーシューに変える。
途中までは昨日引き返してきたであろう先行者のトレースがあったが、それがなくなるとスノーシューでも脛ぐらいまでしっかり埋まる。なかなか時間がかかりそうだ。
えっちらおっちら登っていくと、後ろから単独男性が追い付いてきた。なかなかパワフルで、一気にラッセルが楽になる。しかし、白蓬ノ頭が近づいてくると、今度はブッシュが濃くなってくる。漕ぐという感じではないが、絶妙な雪の量で、夏道もなかなか補足できず、踏みぬいたり、雪が上から降ってきたりとだるい感じ。
それでもなんとか、白蓬ノ頭の横に出る。単独の方は頭にアタックするようだ。
そこまでの気力はないので、適当にトラバースし始めるが、時折ブッシュがだるい。尾根上に復帰して進んで行き、2600m付近の尾根の南側の斜面で沈。尾根上に出ると電波が入る。明日も天気が良さそう
28日 東尾根から聖のっこし
いよいよ聖のっこし。夜明け前から歩き始める。
少し進むと富士山の方から空が白んできていい感じだ。昨日の単独行の方はすでに出発しているようですでにトレースがついている。特に雪も固くないのでスノーシューで2800mくらいまで引っ張る。足元はアイゼンに変えるが手元はストックのまま。
このあたりでちょうど日が登ってくる。朝陽を背に受けながら、赤く染まる聖を目指して登っていく。
2850mあたりに少し雪稜チックな箇所もちらほらある。雪が多ければ核心の一つとなるのだろうが、今回は緊張感はほとんどない。
奥聖の登りから斜度がきつくなるのでピッケルを出す。ちょうど先行者が引き返し来た。さすがに早い。
急とはいえ、雪も硬くないのでただただ踏ん張って登るだけ。
奥聖に立つと、頂稜が目の前に広がり、気持ちい感じ。ただ聖まで意外と距離がある。多少風を感じながらのんびり聖山頂へ。
赤石側に目をやると、何年か前に遡行した赤石沢が深く切れ込んでいる。ちょうど詰め上がりが百瞭兇里呂困世、めちゃめちゃ標高を下ろす。以前、赤石から悪沢に縦走した時に、千枚小屋で会った、聖から縦走してきたという方が聖〜赤石間はアップダウンが多くて本当に大変といっていたが、ここから見ると確かにうなずける。
微妙にのっこている聖と百瞭兇隆屬鬚匹Δ笋辰橡笋瓩茲Δとぼんやり思いながら、写真をとってピークをあとにする。
というか、上河内側もめっちゃ標高下ろす。そもそも南アってこういうものかも。南斜面になるので、ことさら雪が少なく、だるいところはアイゼンを外したりして下ろしていく。
明日以降の天気を確認したいため、電波を探しながらアザミ平へ降りていく。風に飛ばされためか、標高を下ろした方が雪が多い。
こっちがわもトレースがあるなと思っていると、アザミ平手前にテントを張っている人がいた。
そんなこんなで、聖平小屋へ。扉があられず、一瞬入れないかと思ったけど、スライドのレールを除雪したりしたら入ることができた。立派な小屋でありがたい。
天気もいいので、シュラフを干したりして過ごす。昨日の夜もだったが、今日もペミカン。やっぱり美味しい。長期山行はこれに限る。
明日は冬型だが、南アならのっこしチャンスはあるかもということで、様子を見ながら進むことにする。
29日 気合の上河内のっこしのち爆風
今日は天気も芳しくなさそうなので、明るくなるのを待ってから出発
ガスガスかなと思っていたが、ガスは飛び飛びで時折、上河内が見える。少し回復傾向か。
樹林内は相変わらず雪が深いが、うっすらトレースが残っていてしめしめと思っていた矢先に、なくなって結局ラッセルとなる。
樹林限界に辿り着くころにはすっかりガスも飛んでピーカン。しかし、上部は風が強そうだ。
日陰かつ寒風が吹き付けなかなか寒い中、夏道を行ったり、雪の積もったハイマツの斜面を行ったりして標高を上げていく。
2702に辿り着くと、日向に飛び出し同時に風もなくなり、聖域のようだ。肩に続く稜線も相まって上河内はなかなかかっこいい。振り返れば聖もどっしりと構えている。のんびり休憩しがてら、アイゼンに履き替えて歩を進める。
雪も深いところも多く、足を取られながらも肩を目指して標高を上げていく。さすがに4日目で疲れも出てきた。
最後の小ピークはかわすようにトラバースして肩へ。ここに荷物をデポして、山頂アタック。空身だと羽が生えたかのように軽いが、ピークに飛び出すとなかなかの風。聖・赤石・悪沢と見えて気持ちいいが、ほどほどにして肩に戻る。
茶臼をアタックして茶臼小屋へと思い出発。このあたりの地形は、だだっ広くも凹凸がありなかなか面白い。
ここからはスノーシュートレースなんかもあって、適当に使いながら下ろしていく。地形図のお花畑あたりも沼みたいで真っ白で気持ちがよい。
夏道も補足できそうなので、2555はトラバースして巻くことにする。存外、ピンクテープなどで辿りにくく、うっすら残るトレースなども頼りにトラバースしていく。後半は白く抜けているところもあるので、間隔を開けたりもする。
ようやくトラバースも終わりと思って稜線に出ると突然の爆風に見舞われる。???局地風だろうか。
ここまでで結構疲れているのでなかなか堪える。こんなんが長く続くと疲労で動けなくて遭難するのかななんて思いながら分岐へたどり着く。当然茶臼アタックなんてできるわけもなく、逃げるように小屋方向に向かう。
幸い稜線から外れると、ほどなく風は弱まり、15分ほどで小屋に辿り着いて一安心。あー、しんどかった。
まだ1時半くらいなので、温かいものを飲んだりしてのんびりしていると、単独だったり、地元の山岳会だったりが小屋に上がってきて賑やかになった。茶臼小屋は早稲田の歩こう会や信大ワンゲルの夏合宿のポイントのようで、小屋ノートには学生の悲喜こもごもが記されており、懐かしい気持ちになる。
明日は冬型も緩みそうなので、茶臼リベンジをして下山を目指すことにして沈。
30日 快晴の茶臼から下山
茶臼山頂で御来光を見るべく、空が白み始めたくらいで小屋を出発。
昨日の暴風が嘘のように穏やかだ。ピークに辿り着いてほどなくして日が昇ってくる。
何回迎えても最高と思える時間帯だ。歩いてきた稜線とさらにその向こうの南ア南部雄が一望できる。
光岳方面は派手さこそないが、どこまでも山脈が続く、まさしく深山といった感じだ。
思い思いに堪能してピークを後にする。
小屋で荷物を回収して下山開始。トレースもばっちりあって、ルートには困らない。
雪もしっかりついているのであっという間に標高を下ろしていく。
横窪沢、ウソッコ沢とそれぞれ立派な小屋を横目に沢沿いの道を下ろしていく
地図で見てもヤレヤレと思っていたヤレヤレ峠はやっぱりヤレヤレ、というより越えてからの方がヤレヤレだった。
そんなこんなで大吊橋に辿り着く。高度も迫力もある吊橋で、山行の締めくくりとしていい感じだ。
車に辿り着いて、大井川鉄道沿いの鄙びた温泉で汗を流し、京都への帰路についた。
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