毛勝山[魚津っ子の生命の源を訪ねて](西北尾根ルート)
- GPS
- --:--
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,730m
- 下り
- 1,719m
コースタイム
- 山行
- 9:04
- 休憩
- 0:44
- 合計
- 9:48
天候 | 晴れのちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
<一般道>魚津IC→島尻(県道52号)→片貝第4発電所→片貝第5発電所・片貝山荘→僧ヶ岳・毛勝山登山口(県道132号) |
コース状況/ 危険箇所等 |
◆登山口について◆ ・僧ヶ岳登山口付近に駐車スペースがあります(10台程度)。そこから上流に向けて東又谷を左岸に渡り、車止めのゲートをくぐって5分程度林道を上ると左側に毛勝山登山口があります。 ・駐車スペースおよび登山口、登山道にはトイレはありません。車で20分程麓寄りに進んだところにある「片貝山ノ守キャンプ場」(24H利用可/水洗/ペーパー完備)が最終トイレです。飲料の自販機もあります。 http://www.city.uozu.toyama.jp/hp/svFACHP.aspx?faccd=B030201 ・コンビニは魚津ICから県道52号に出て右側に進み、国道8号線バイパスの手前にあるセブンイレブンが最寄です。魚津ICから登山口まではコンビニ等はありませんので、食料等の調達はここがおすすめです。また、GSもありませんので、燃料の補給が必要な場合は麓で済ませることをお勧めします。 ◆登山道について◆ 道は一貫して明瞭で、山頂まで特に迷うところはありません。標高差約1,700mを約6kmの距離で登り詰めるかなりの急登ですが、山容からも分かるように直登ではなくピークをいくつか越えながら徐々に高度を上げていきます。また、登山道上に道標や水場はないため、体力や状況に応じた判断力などが必要となる非常に硬派なルートです。水や食料に加え、ルート情報の収集など、事前の準備を念入りにされることをお勧めします。 ※昭文社 山と高原地図 33日本アルプス総図 に載っていますが、「----」破線ルート(難路)です。 <登山口〜尾根取り付き(標高1070m付近)> 最初は緩やかですが、すぐに垂直に近い斜面となります。トラロープや木の根っこをつかみながら登ります。手を使う場面が多いので、グローブがあると便利だと思います。しばらく進むと、東側の木々の切れ目に僧ヶ岳、駒ヶ岳の大きな山容が望めるようになります。 <尾根取り付き〜2023m峰> 樹林帯の中を尾根に沿って高度を上げていきます。立山杉の立派な樹勢に見とれているうちに三角点(標高1479.1m)を過ぎ、ブナやダケカンバ、シラビソ林を経て灌木帯となれば、桃アセ池のある2023m峰に間もなく到着します。一帯は「池原の草原」と呼ばれるところで、灌木や岩、池塘の点在する見晴らしの良い草原です。ほとんど独力で藪を刈り払い、西北尾根ルートを拓かれたという池原等さんにちなんだ名前でしょうか。 <2023m峰〜2151m峰> 二重山稜など変化に富んだ地形が見られます。泥濘に足を取られるところがありますので、スパッツ(ゲイター)などがあるといいと思います。一旦シラビソの樹林帯に入り、何度か小ピークを越えて、山頂手前の最後のピークである2151m峰に到着します。一旦高度を下げたらいよいよ山頂への最後の登りです。 <2151m峰〜山頂> 2151m峰から一旦下ったコルに通称クワガタ池があります。「大清水(しょうず)の草原」と呼ばれるところです。左右には草原が広がり、盛夏にはお花畑が見事なことと思われます。ここは東側に滝倉山や西谷ノ頭、ウドノ頭などの毛勝山東北尾根、その奥に黒部川下ノ廊下を隔てて朝日岳〜雪倉岳〜白馬岳〜不帰ノ嶮〜唐松岳、そして五龍岳と鹿島槍ヶ岳といった後立山連峰の見事な稜線美を望むことができます。まさにこのコースのハイライトといえるでしょう。そして、最後にガレ場の約200mの急登を登り詰めれば、いよいよ山頂です。 ◆標高グラフについて◆ システムのエラーなのか、標高グラフの最高地点は2159m以上が表示できていません。実際は2415mですので、累積標高差は1680mとなります。 またグラフの形状も頂上まで急登であることがわかります。 |
その他周辺情報 | 下山後の温泉は、「満天の湯魚津店」を利用しました。近隣にアピタ魚津やセルフGSなどがあり、休憩にも便利です。 http://www.manten-yu.co.jp/uozu/institution/ その後、「8番ラーメン魚津店」に寄りました。富山県のみならず北陸三県の県民の胃袋をガッチリ掴んでいる老舗です。 http://www.hachiban.co.jp/noodle/shop/toyama.html#city3 |
写真
感想
毛勝山 北西尾根ルート
どの山でもそうであるけれども、事前に計画を立てないといけない。
せめて、ルート・高低差ぐらいは。
今回私ははじめて国土地理院地形図にルート表示のない尾根道を歩きました。
いままで、昭文社・山と高原地図のコースタイムにどれだけ依存していたかを感じました。
また、山への思い入れの強弱の差が疲労度に結びついているとも感じました。
なんというかこの毛勝のバックグラウンドを少しでも知っておいたほうがよいかと。
私の場合、その情報収集が足りなかったです。ガイドブックがないなら事前に先達のレコードを読んでおくべきでした。
二百名山であるからとか、後立山、剱立山の展望を期待してとかそんな安易な考えはいけませんね。
毛勝。
とにかく無骨。
それでいいのだ。
残雪期の雪渓を登りつめるには技術と体力と勇気が必要。
夏の西北尾根は、標識・水場・小屋のない破線ルートのままで、万人を寄せ付けず。
冬は大量の雪を湛え、その雪渓は標高1500メートルでも万年雪であるという。
富山湾は見えているが、その反対側は山深いのだろう(ガスで残念でしたが)。
このように毛勝はロマンが詰まっていると思います。
この山の水で育ったlynx殿のバックボーンを垣間見ました。
また、今回は行動食についても不見識であったと反省しています。
相当の体力を使います。炭水化物をもっと持っていくべきでした。
ちょうど講談社ブルーバックス『山に登る前に読む本』を山から下りてきて読み始めており、
運動生理学からみた登山法というもの学んでみたいと思っています。
3日経っても疲労が完全に取れません。
いろいろ勉強になった山行でした。
執念で連れてきたlynx殿と、ルートを拓き守っている魚津岳友会のみなさんに感謝します。
今回はまともだ(自分で言うな)
◆流れる水に魚津の生命の源を求めて◆
登山を始めた時から、いやその前、幼少の頃から毛勝山はいつも念頭にありました。
魚津に生まれ、魚津で育った人は等しく毛勝山に見守られ、そこを水源とする片貝川の水に育まれて成長します。蛇口をひねれば、真夏でも手がちぎれそうなくらい冷たい水があふれ出てきます。それが当たり前だと思っていました。
人、生活、歴史。魚津を語る上で、片貝川とその源頭にある毛勝山は欠かすべからざるとても大きな存在なのです。
可能ならばぜひ登りたい、訪れて実際に自分の目にその姿、佇まいを焼き付けたい。
憧れのそのまた先の山だった毛勝山に、やっと登ることができました。積年の願いが叶い、感無量です。
日本二百名山にその名を連ねながらも、永らく毛勝山は阿部木谷〜毛勝谷という限られたルートで、初夏の限られた時期にのみ登ることを許された山でした。山頂までは急峻な雪渓を詰める必要があり、経験と熟練に裏付けられた判断力と体力を併せ持つ者にしか扉は開かれていませんでした。そこに2001年に魚津岳友会、とりわけ無雪期に富山県境の稜線を初めて踏破されたという池原等さんのご尽力で北西尾根をルートとする登山道が拓かれ、無雪期にも登ることが出来たと聞き、いつかは、と情報を集めながら準備を進め、今回の山行に到った次第です。
歩いているときも、下山してからも、ずっと心の中には感謝の気持ちが満ちていました。こんなに辛いのに、後悔は全くありません。
そこは、予想を上回る別天地でした。
林の中で圧倒的な存在感を放つ立山杉、山頂部に広がる開放感溢れる草原とお花畑。
サンナビキ山や滝倉山などの魚津・黒部の奥山の荒々しい山容。
後立山の優美な稜線。
登りも下りも辛いところですが、その先に山の神様はとても素晴らしいところを用意してくださいました。
毛勝山さん、ありがとう。
また、あなたのもとに帰ってきます。
最後に、遠路はるばるこんな酔狂な山行に付き合ってくれた師匠に感謝します。
本当にありがとう!
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