烏帽子岳、野口五郎岳、湯俣温泉
- GPS
- 56:00
- 距離
- 32.7km
- 登り
- 2,737m
- 下り
- 2,509m
コースタイム
七倉山荘駐車場5:36発→6:46高瀬ダム→7:13裏銀座登山口
→9:31三角点(2208m)→10:48烏帽子小屋11:53
→13:01烏帽子岳山頂13:27→14:31烏帽子小屋
22日
烏帽子小屋5:26発→7:07三ツ岳山頂→9:04野口五郎小屋
→9:25野口五郎岳山頂10:02→10:40真砂分岐
→11:32南真砂岳山頂→12:58湯俣岳山頂→15:03湯俣温泉
23日
湯俣温泉7:06→8:15名無避難小屋→8:40林道終点→9:20高瀬ダム
天候 | 3日間快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年09月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
タクシー 自家用車
前夜19:00自宅発〜R163〜名阪国道〜R1〜R23〜名二環〜R19〜安曇野アートライン他〜七倉山荘着3:00頃 (復路) 高瀬ダム〜(タクシー)〜七倉山荘10:00発〜安曇野アートライン〜松川道の駅(食事、おみやげ)〜R19〜道の駅ならかわ(おみやげ、大休憩)〜名二環〜東名阪道〜名阪国道〜R163〜自宅着19:30 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ブナ立て尾根〜縦走路は、標識や整備も行き届いていた。竹村新道は急勾配で一部ガレ、ザレ有り。湯俣〜高瀬ダムは気持ちの良い遊歩道 |
その他周辺情報 | 出発前、湯俣温泉で朝風呂。 信州は秋収穫の季節で、道の駅はリンゴブドウ等々たくさん出ていた。 |
予約できる山小屋 |
七倉山荘
|
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
Tシャツ
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
防寒着
雨具
日よけ帽子
着替え
靴
ザック
ザックカバー
サブザック
行動食
非常食
調味料
飲料
ハイドレーション
ガスカートリッジ
コンロ
コッヘル
調理器具
ライター
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
日焼け止め
ロールペーパー
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ポール
テント
テントマット
シェラフ
ラジオ
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感想
雨天ばかりの今夏の私のアルプス山行だったが
今回はようやくお天気に恵まれた。
9月21日
前夜自宅発で午前3時頃、七倉山荘前に到着。
駐車場は8割方埋まっていた。
飛び石連休の2日目だが、何台かは車の中で仮眠中の雰囲気である。
空は数え切れないほどの星で埋まっている。
とにかく仮眠した、2時間足らずで目が覚めた。
様子を探りに車を出てみるとダム管理道は6:30開門とある
それまで1時間タクシーを待ちきれず荷を背負った
20分かけて長いトンネルをようやく抜けた時
はるか稜線はモルゲンロートに染まっていた。
この後いくつかの短いトンネルを抜け
見上げるとロックフィル式の高瀬ダムが居座っていた
登山地図にはダムに配電図のコイルのような道が描かれ
現場に来るまでどのように道があるのか想像できなかったが
巨大な岩を積み上げたダム壁面そのものに道が付いていて
何度もジグザグを切りながら登っていくものだった。
ここを登るだけで20分近くかかり
結局タクシーに追いつかれてしまった
青空と稜線に囲まれたダム湖は
エメラルドグリーンの水をたたえていた
さらにトンネルを抜け、吊り橋を渡り砂地のダム湖岸を歩くと
裏銀座登山口の標識が見えた
テン泊荷でアスファルト道を1時間歩いて
既に足裏は熱を持っている感じ
ここでタクシー組数名に簡単に抜かれてしまう
ブナ立尾根は、北ア三大急登の一つ
確かに長時間登り一辺倒だが
手足を駆使してよじ登るような箇所は少なくて
よく整備された登山道という印象
ただ、食欲がなくて朝食が食べられず
途中からシャリバテ状態で足が上がらなくなってしまった
11時前、烏帽子小屋に着いた。
ほとんど誰もいないテン場の中で
三ツ岳に向いた展望がよい場所を物色するが
一番良い場所には既にテントが張られていた
そこにはご夫婦連れがいたので
良い場所にテント張られましたね、と声をかけると
今から撤収するところだからよろしかったらどうぞ、とのこと
聞くと、昨夜はテン場がいっぱいになるぐらい人がいて
ほんとは小屋に近いところに張りたかったが既に埋まっていて
ここに設営したのだという、でも確かに展望は良かったね、と
撤収の間、話をしながら待っていた
そのご夫婦は今日野口五郎小屋泊で、明日は湯俣温泉と
私と同じルートを私より1日多くかけて歩くようだ
また湯俣で会いましょうと、彼らを見送ってテント設営し
12時前、烏帽子岳を目指して出発した
何とか、カレーパン半切れとお菓子は食べられたが
フラフラして足が出ない
烏帽子がどんな形の山か知らなかったので
小屋から見えていたニセ烏帽子にまんまと騙されてしまった
いよいよ鎖場という時に足元にクロマメノキを見つけた
口に含むと美味しい、わずか数粒だが
力がよみがえって来る気がした
烏帽子山頂(2628m)からの展望は素晴らしかった
針ノ木、蓮華から奧に続く後立山も良いが
烏帽子のお膝元、眼下に広がる池塘帯は素晴らしかった
蓮華岳〜烏帽子の間は船窪小屋が人気と聞いているが
個人的にあまり興味がなかった。
しかし美しい稜線と池塘帯を目にして
いつか針ノ木からここまで縦走してみたいと思った
テン場に戻って夕景を待ったが
南から一列になった雲が稜線を覆いながら流れていた
その上空には西から東に雲が流れている
上層下層で風の方向が違う時は天気は下り坂と聞いたことがある
結局、日の入りを見ることはできなかった
翌朝3時目が覚めた、寒い、フライが凍りついてる
ベンチレーターからのぞくとすごい星空だった
うれしい予想はずれ、私の観天望気もまだまだなようだ
5時半頃出発、程なく朝の風景が広がりはじめた。
東の方向、大町の盆地は雲海の下に沈んでいて
残念ながら地平雲から顔を出したご来迎だったが
赤牛、薬師、立山、針ノ木、蓮華がモルゲンロートに染まった
少し歩くと斜面の左側から、ひょっこり槍ヶ岳が姿を現した
登山道は三ツ岳山頂を巻いていて山頂標識もないという
昨日、烏帽子小屋で三ツ岳の最高峰は左ですか、真ん中ですか
と聞くも誰も知らなかった。一つずつ確かめるしかないのか--
最初のピークには黒部側に道が巻いていたが
踏み跡らしきものがあったので登ってみた
このピークで一番高そうな岩場に登り写真を撮った
登山道に戻ると展望コースと花畑コースの分岐があって
ここで今日初めて人に会った
やはり三ツ岳の最高地点は知らなかった
展望コースを登ってみて初めてわかったのが
さっきのピークがテン場から見て左側のピーク
この展望コース上にあるのが真ん中のピーク
そして、真ん中のピークから北西に見える
少し低めのピークがテン場から見て右側のピークということだった
だから最高地点(2845m)はさっきのピークで合っていたのだ。
そして加藤文太郎が有名な薬師〜烏帽子の冬山行で
道を違えたのは真ん中のピークから低い方のピークに
下りてしまったのかな、と思った。
この付近で2人に追いつかれたが
2人とも今日は湯俣温泉で泊予定という。
昨日のご夫婦連れもそうだった。
マイナーと思っていた竹村新道だが
実は結構踏まれてるのかなと感じた。
9:00頃野口五郎小屋に着く、バッチ購入
小屋の女将さんらしき方と話す
今シーズンは25日で閉めるらしい。
また竹村新道に下りる方もそこそこいるようだ。
また昨日のMY観天望気がはずれた話をして
小屋で働いてたらわかりますかと聞くも
なかなかわからないですよ、とのことだった。
9:30頃野口五郎岳山頂(2924m)
もう山を下りたくなくなるような展望
https://youtu.be/j-vPcfhBiIY
水晶岳とそのカールの色合いは涸沢のような派手な紅葉ではないが
ブラウン系で落ち着いた秋のイメージ
鷲羽、ワリモの方向には双六岳と双六小屋への滑り台
その後ろにピラミッドのような笠ヶ岳が重なり合う景色は
他の惑星に来たような感覚だ
赤茶けた荒涼感の硫黄尾根の後ろには槍ヶ岳が大きくそびえ立つ
振りかえると、一の越を挟んで、浄土山と大汝山が並んでいる。
針ノ木、蓮華など後立山連峰は
雲海の波に洗われているが依然として健在。
雲まみれでうっすらだけど富士山もいた
この場に居合わせた私を含めた幸運な6名は
なかなかこの場を動くことはできなかった
真砂の分岐に向かう道すがら
湯俣川から沸き立っているのか
硫黄の匂いが漂っている
徐々に対向する登山者が増えてきた
真砂分岐は真砂岳ピークからの分岐だと勘違いしていた
道が延々山を巻いていたので
道を誤って既に水晶三俣方向に向かっているのだろうか
と思いはじめた頃、斜面に立った分岐標を見つけた
ここまでの裏銀座登山道が高速道路とすれば
竹村新道は手は入れられているが地方国道というイメージ
ザレた急勾配やハシゴ道が連続する
灌木に隠れて気づきにくいが
ヤセ尾根や岩場が南真砂岳の鞍部まで続いた
南真砂岳は一部紅葉も混じり緑豊かなイメージ
ピーク手前で登山道は南真砂岳を左に巻いている
灌木の間の道をまっすぐ登り返し
山名標識もない南真砂のピーク(2713m)を踏んだ
槍ヶ岳と硫黄尾根の大きさと荒涼感はさらに迫力を増して
このピークは格好の展望台となっていた。
次のピーク湯俣岳は南真砂同様豊かな緑の山
ピークに近づくにつれ高木も増えてきた
下りが続いた後で湯俣岳への登り返しは結構きつかった
高度が下がるにつれ日差しも強くなるし気温も高くなる
展望のない三角点の設置された湯俣岳ピーク(2379m)では
さっと写真を取っただけ。
あとは展望のきかない950m余りの下り
高度計を何十回とのぞき込みながら長い下りを耐えた
こちらが登りでブナ立尾根が下りだったら大変だっただろうと思う
森に入ってから途絶えていた硫黄臭が戻ってきた
見下ろすとエメラルドグリーンの川が流れてる
あれが湯俣川か!高瀬ダムの水と同じ色
きれいな色だがきっと魚など住めない川なんだろうと思う
午後3時、湯俣温泉晴嵐荘に着いた
野口五郎岳山頂からだと標高差1700mを下りてきたことになる
テント受付を済ませて500ml缶を飲み干した
このテン場は幕営料500円+入浴料500円で何回でも入浴できる。
昨日のご夫婦連れは既に入浴して食堂で一杯やってた。
湯船は3人も入ったら一杯、洗い場も含めて6人くらいが限度か。
お湯の色はやはりエメラルドグリーンで硫黄臭がする
車では来られない秘湯だから温泉マニアも来るんでは、と
風呂中で話をしたら、私がそのマニアです、と言われた方もいた。
外は日が当たらないと結構冷える気候だったが
このお湯はすごく温まって保温効果があった
翌朝、4時頃目が覚める
すぐに朝食、今回はアルミホイルを持ってきたので
テントの中で焼き網でモチを焼いてしょう油をかけて食べた
汁も良いがやはりモチは焼いてしょう油かけたら美味い
食事のあとは朝風呂、いつもの山なら考えられない贅沢だ
7時過ぎ幕営地を出発した
後で聞いたら噴湯丘という
温泉成分が盛り上がったものがあったらしい。
また、北鎌尾根の標識もあったらしく
知っていれば見に行きたかった
高瀬ダムまでは河岸沿いの
ほとんど勾配もない気持ちの良い森の中を2時間15分歩いた
帰りは例のご夫婦と三ツ岳から抜きつ抜かれつの方と乗り合わせて
タクシーで七倉山荘まで下りた。
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