国道156号線のサカイ谷橋のたもとから送電線巡視路に入り,山行スタート。今年は雪解けが早く,登り出し時点では全く雪がない。
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国道156号線のサカイ谷橋のたもとから送電線巡視路に入り,山行スタート。今年は雪解けが早く,登り出し時点では全く雪がない。
こんな巡視路サインもあり,しっかりした道。しかし,巡視路が付いているのは鉄塔まで。
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こんな巡視路サインもあり,しっかりした道。しかし,巡視路が付いているのは鉄塔まで。
鉄塔を過ぎると急に道が悪くなり,獣道程度の薄い踏み跡があるだけの藪漕ぎ状態となる。今年の残雪の少なさをナメていた…。早く雪が出てこないかな。
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鉄塔を過ぎると急に道が悪くなり,獣道程度の薄い踏み跡があるだけの藪漕ぎ状態となる。今年の残雪の少なさをナメていた…。早く雪が出てこないかな。
標高1300mくらいで待望の雪がつながった。しかしこれ以降も,日照岳までは断続的に雪が切れている箇所があり,そうした箇所は深い笹藪漕ぎとなる。
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標高1300mくらいで待望の雪がつながった。しかしこれ以降も,日照岳までは断続的に雪が切れている箇所があり,そうした箇所は深い笹藪漕ぎとなる。
日照岳通過。ここからは雪がしっかりつながった。
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日照岳通過。ここからは雪がしっかりつながった。
月齢10.4の月と,満天の星明かりが導いてくれる。ヘッドランプは必要ないくらいの明るさだ(写真撮影時は光量の都合上ヘッデン点けてますが)。月面のように仄白く浮かび上がる別山東尾根は本当に幻想的で,夢の奥深くへ歩いて行くような歩行が続く。写真に撮れないのが残念なくらいだった。
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月齢10.4の月と,満天の星明かりが導いてくれる。ヘッドランプは必要ないくらいの明るさだ(写真撮影時は光量の都合上ヘッデン点けてますが)。月面のように仄白く浮かび上がる別山東尾根は本当に幻想的で,夢の奥深くへ歩いて行くような歩行が続く。写真に撮れないのが残念なくらいだった。
丸山(△1900.6m)を通過。この丸山が,ちょうど別山東尾根の中間地点。ここまでは2021年3月に歩いたことがあり,ここから焼滑(やけぞり,△2082.7m)までは未踏区間となる。といっても,まだ夜明け前で,残念ながら風景を堪能することはできない。帰路の楽しみに取っておこう。
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丸山(△1900.6m)を通過。この丸山が,ちょうど別山東尾根の中間地点。ここまでは2021年3月に歩いたことがあり,ここから焼滑(やけぞり,△2082.7m)までは未踏区間となる。といっても,まだ夜明け前で,残念ながら風景を堪能することはできない。帰路の楽しみに取っておこう。
焼滑(△2082.7m)の手前で,ようやく払暁の光に出会った。ここまで飽かずに見上げ続けてきた満天の星空と,月明かりに浮かび上がった夢幻的な稜線に別れを告げるのは少し残念な気もしたが,やはり夜明けの光は喜ばしい。
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焼滑(△2082.7m)の手前で,ようやく払暁の光に出会った。ここまで飽かずに見上げ続けてきた満天の星空と,月明かりに浮かび上がった夢幻的な稜線に別れを告げるのは少し残念な気もしたが,やはり夜明けの光は喜ばしい。
黎明の中,別山東尾根の姿が,次第に浮かび上がる。
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黎明の中,別山東尾根の姿が,次第に浮かび上がる。
行く手には,しらじらと南白山(△2168.7m)の姿が。
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行く手には,しらじらと南白山(△2168.7m)の姿が。
朝日に照らされて佇立する,一本のダケカンバ。
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朝日に照らされて佇立する,一本のダケカンバ。
ここまで暗闇の中,ひたすら歩いてきた稜線を感慨深く振り返った。
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ここまで暗闇の中,ひたすら歩いてきた稜線を感慨深く振り返った。
乗鞍岳の肩から,朝日が昇る。
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乗鞍岳の肩から,朝日が昇る。
モルゲンロートに染まる,南白山と別山。
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モルゲンロートに染まる,南白山と別山。
そして焼滑(△2082.7m)。地図上では無名峰でしかないが,なかなか堂々とした山体。
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そして焼滑(△2082.7m)。地図上では無名峰でしかないが,なかなか堂々とした山体。
焼滑から北東につらなる,白水湖東岸尾根。2020年の3月と4月に辿った,思い出深い尾根だ。
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焼滑から北東につらなる,白水湖東岸尾根。2020年の3月と4月に辿った,思い出深い尾根だ。
焼滑(△2082.7m)通過。
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焼滑(△2082.7m)通過。
焼滑の付近の稜線から見る御前峰は,端正な三角錐の姿で美しい。
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焼滑の付近の稜線から見る御前峰は,端正な三角錐の姿で美しい。
御前峰と,その東裾に広がる東面台地。夜明け前にヘッドランプの灯りが動いているのが見えたから,今日も誰か登って(そして滑って)いるだろう。
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御前峰と,その東裾に広がる東面台地。夜明け前にヘッドランプの灯りが動いているのが見えたから,今日も誰か登って(そして滑って)いるだろう。
たおやかな南白山が近づいてきた。
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たおやかな南白山が近づいてきた。
この南白山の手前付近から見る別山〜御前峰のパノラマが,蓋し絶景。別山東尾根随一の展望と言っても過言ではない。
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この南白山の手前付近から見る別山〜御前峰のパノラマが,蓋し絶景。別山東尾根随一の展望と言っても過言ではない。
大屏風から御前峰にかけて。
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大屏風から御前峰にかけて。
白山東面台地(写真奥)の手前に見える尾根は,地獄谷右岸尾根。昨年4月末,yamapの山羊さんは,いま私が歩いている稜線を辿られたあと,あの尾根を下山され,そこで遭難された。地獄谷右岸尾根を眺めながら,瞑目し,黙祷した。
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白山東面台地(写真奥)の手前に見える尾根は,地獄谷右岸尾根。昨年4月末,yamapの山羊さんは,いま私が歩いている稜線を辿られたあと,あの尾根を下山され,そこで遭難された。地獄谷右岸尾根を眺めながら,瞑目し,黙祷した。
南白山に向けて,歩みを進める。
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南白山に向けて,歩みを進める。
南白山(△2168.7m,点名・大峠)着。南白山はこれで3回目だが,いつ来ても時間が止まったような,良い意味で取り残されたような静寂の山頂だ。そして背の低いオオシラビソの群れと,素晴らしい展望に囲まれている。
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南白山(△2168.7m,点名・大峠)着。南白山はこれで3回目だが,いつ来ても時間が止まったような,良い意味で取り残されたような静寂の山頂だ。そして背の低いオオシラビソの群れと,素晴らしい展望に囲まれている。
御前峰方面の絶景。
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御前峰方面の絶景。
御前峰アップ。
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御前峰アップ。
これから向かう別山。南白山から見る別山はとりわけ美しい。どうしてもそこに向かって歩いていきたくなる。
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これから向かう別山。南白山から見る別山はとりわけ美しい。どうしてもそこに向かって歩いていきたくなる。
南白山の山頂風景。
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南白山の山頂風景。
さあ,別山に向けて最後の前進。
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さあ,別山に向けて最後の前進。
既に厳冬期の鋭さは失っているとはいえ,巨大な雪庇が残る稜線を辿っていく。
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既に厳冬期の鋭さは失っているとはいえ,巨大な雪庇が残る稜線を辿っていく。
左手には,一ノ峰,二ノ峰,三ノ峰,そしてその向こうには野伏ヶ岳や薙刀山,日岸山などの石徹白の山々。そういえば,3週間前に登った日岸山からも,別山と南白山が良く見えたっけなぁ。
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左手には,一ノ峰,二ノ峰,三ノ峰,そしてその向こうには野伏ヶ岳や薙刀山,日岸山などの石徹白の山々。そういえば,3週間前に登った日岸山からも,別山と南白山が良く見えたっけなぁ。
ちょっとした難所であるP2163mの東側の岩峰は,アップダウンによるタイムロスを避けるため,南側斜面を巻いてしまった。(もちろん,直登したほうが断然面白いので,初めての方はリッジ通しでどうぞ)
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ちょっとした難所であるP2163mの東側の岩峰は,アップダウンによるタイムロスを避けるため,南側斜面を巻いてしまった。(もちろん,直登したほうが断然面白いので,初めての方はリッジ通しでどうぞ)
巻いた後に,難所の岩峰を振り返る。
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巻いた後に,難所の岩峰を振り返る。
南白山と痩せ尾根の岩峰。南白山は,別山側から眺めたほうが美しい。
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南白山と痩せ尾根の岩峰。南白山は,別山側から眺めたほうが美しい。
いよいよ別山が近づいてきた。でもこの最後の急登が,キツイのなんの。地形図上ではわずかな登りにしか見えないのだが…。
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いよいよ別山が近づいてきた。でもこの最後の急登が,キツイのなんの。地形図上ではわずかな登りにしか見えないのだが…。
右手に御前峰の素晴らしい展望を眺めながら,急登を喘ぎ登っていく。
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右手に御前峰の素晴らしい展望を眺めながら,急登を喘ぎ登っていく。
来し方を振り返る。
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来し方を振り返る。
石徹白道の稜線と,その向こうの石徹白の山々が美しい。残雪期の最後の輝きだろう。
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石徹白道の稜線と,その向こうの石徹白の山々が美しい。残雪期の最後の輝きだろう。
箱谷源頭の,美しい雪斜面。
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箱谷源頭の,美しい雪斜面。
急登を登り切り,ついに別山山頂が目の前に。これまで別山東尾根を歩きながら眺め続けてきたあの遠い小さな頂が,いま目の前にあることがにわかに信じられない。
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急登を登り切り,ついに別山山頂が目の前に。これまで別山東尾根を歩きながら眺め続けてきたあの遠い小さな頂が,いま目の前にあることがにわかに信じられない。
別山山頂に到着。御母衣湖畔を出発してから約9時間後の到達だった。
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別山山頂に到着。御母衣湖畔を出発してから約9時間後の到達だった。
様々なルートから,幾度となく登っている別山。しかし,今回の山頂はまた特別なものだ。
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様々なルートから,幾度となく登っている別山。しかし,今回の山頂はまた特別なものだ。
歩いてきた別山東尾根を遠望する。これまで遙かな憧れをもって眺め続けてきたこの稜線を,ようやく全区間歩き通すことができた。スタート地点の日照岳は,既に小さな点にしか見えない。
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歩いてきた別山東尾根を遠望する。これまで遙かな憧れをもって眺め続けてきたこの稜線を,ようやく全区間歩き通すことができた。スタート地点の日照岳は,既に小さな点にしか見えない。
石徹白道方面の眺め。
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石徹白道方面の眺め。
御前峰方面の稜線。誰か歩いているかと思ったが,結局,別山の山頂では誰にも会わずじまい。
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御前峰方面の稜線。誰か歩いているかと思ったが,結局,別山の山頂では誰にも会わずじまい。
お宮にお参り。帰路もよろしくお願いします。
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お宮にお参り。帰路もよろしくお願いします。
さあ,帰ろう。南白山,焼滑,丸山,そして日照岳といったこれまで越えてきたピークのあまりの遠さに,改めて気が引き締まる。
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さあ,帰ろう。南白山,焼滑,丸山,そして日照岳といったこれまで越えてきたピークのあまりの遠さに,改めて気が引き締まる。
同じ山でも,登るルートによって心理的な遠さが全く異なる。別山東尾根からの別山は,確かに遙かな山であった。
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同じ山でも,登るルートによって心理的な遠さが全く異なる。別山東尾根からの別山は,確かに遙かな山であった。
何度も振り返ってしまう。別山よ,さようなら。
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何度も振り返ってしまう。別山よ,さようなら。
南白山の展望ともお別れだ。
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南白山の展望ともお別れだ。
別山東尾根の特徴の一つは,小ピークの多さ。帰路は帰路で,往路とほぼ変わらぬアップダウンを容赦なく畳みかけてくる。行きは,この美しい尾根がずっと続けばいいのにと願ってしまう天国的な長さだが,帰りはその同じ長さが試練と化す。
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別山東尾根の特徴の一つは,小ピークの多さ。帰路は帰路で,往路とほぼ変わらぬアップダウンを容赦なく畳みかけてくる。行きは,この美しい尾根がずっと続けばいいのにと願ってしまう天国的な長さだが,帰りはその同じ長さが試練と化す。
往路より足取りは確実に重い。それでも,往路は夜明け前で風景を堪能できなかった焼滑から東の区間は,時々息を整えるために立ち止まりながら,ひとつひとつの風景を心に刻むように,じっくり眺めながら歩いた。ここは何度も来られる区間ではないのだ。
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往路より足取りは確実に重い。それでも,往路は夜明け前で風景を堪能できなかった焼滑から東の区間は,時々息を整えるために立ち止まりながら,ひとつひとつの風景を心に刻むように,じっくり眺めながら歩いた。ここは何度も来られる区間ではないのだ。
時折,オオシラビソの森がぽっかり開けて,雪原状の広間が広がるところもある。夏は高山植物の花咲く池塘の草原か,それとも一面の深い藪か。どちらにしても,今日のように人間がとことこと横切っていくことは,まれな出来事だろう。
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時折,オオシラビソの森がぽっかり開けて,雪原状の広間が広がるところもある。夏は高山植物の花咲く池塘の草原か,それとも一面の深い藪か。どちらにしても,今日のように人間がとことこと横切っていくことは,まれな出来事だろう。
いくつもの名もなき小ピークを越えて,ようやく中間地点の丸山(△1900.6m)が近づいてきた。これだけ歩いてもまだ中間までしか戻れていない。別山東尾根の長さが痛感され,少し心細くなる。何とか日没までには巡視路まで戻りたい。自分の脚を信じて動かし続けるしかない。
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いくつもの名もなき小ピークを越えて,ようやく中間地点の丸山(△1900.6m)が近づいてきた。これだけ歩いてもまだ中間までしか戻れていない。別山東尾根の長さが痛感され,少し心細くなる。何とか日没までには巡視路まで戻りたい。自分の脚を信じて動かし続けるしかない。
丸山の牧歌的な山頂。なーるほど,丸山は,西側から見たほうが印象的な山なんだなぁ。
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丸山の牧歌的な山頂。なーるほど,丸山は,西側から見たほうが印象的な山なんだなぁ。
この立派な枝ぶりのダケカンバが,丸山のトレードマーク。(山頂の南側斜面に立っている)
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この立派な枝ぶりのダケカンバが,丸山のトレードマーク。(山頂の南側斜面に立っている)
そして,丸山から見る別山方面の眺めが,別山東尾根のナンバー2の絶景。(往路は夜明け前だったので,この眺めが見られませんでした)
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そして,丸山から見る別山方面の眺めが,別山東尾根のナンバー2の絶景。(往路は夜明け前だったので,この眺めが見られませんでした)
目路の限りうねり続く別山東尾根のオオシラビソ並木,そしてその向こうに,焼滑,南白山,そして別山などの山々が遠く連なっている。この稜線を辿ってあの峰々まで行ってみたいという,別山東尾根が掻き立てる憧れを一望のうちに要約したような眺めだ。
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目路の限りうねり続く別山東尾根のオオシラビソ並木,そしてその向こうに,焼滑,南白山,そして別山などの山々が遠く連なっている。この稜線を辿ってあの峰々まで行ってみたいという,別山東尾根が掻き立てる憧れを一望のうちに要約したような眺めだ。
御前峰も,さようなら! 白山東面特有の,猫の耳のような御前峰&剣ヶ峰。一つ一つの風景に別れを告げながら,とぼとぼ引き返していく。
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御前峰も,さようなら! 白山東面特有の,猫の耳のような御前峰&剣ヶ峰。一つ一つの風景に別れを告げながら,とぼとぼ引き返していく。
別山東尾根の仄暗い通奏低音であるオオシラビソの森も,ゆるやかに高度が下がるにつれて,その黒々とした密度を増していく。
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別山東尾根の仄暗い通奏低音であるオオシラビソの森も,ゆるやかに高度が下がるにつれて,その黒々とした密度を増していく。
やっと近づいてきた日照岳。しかしこの山は,近づいてからが遠い…。山頂手前にゆるやかな小ピークが連続し,穏やかで美しい地形ではあるのだが,疲れた脚には最後の試練だ。
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やっと近づいてきた日照岳。しかしこの山は,近づいてからが遠い…。山頂手前にゆるやかな小ピークが連続し,穏やかで美しい地形ではあるのだが,疲れた脚には最後の試練だ。
やっと日照岳まで戻ってまいりました。
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やっと日照岳まで戻ってまいりました。
あとは下るだけ…。しかし,往路でも思い知った通り,日照岳から下は残雪が切れかけており,急斜面にへばりついた雪庇の残骸を恐る恐る辿ったり,藪漕ぎになったりと,これまた難儀。
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あとは下るだけ…。しかし,往路でも思い知った通り,日照岳から下は残雪が切れかけており,急斜面にへばりついた雪庇の残骸を恐る恐る辿ったり,藪漕ぎになったりと,これまた難儀。
眼下にやっと見えてきた御母衣湖。その残照に輝く湖面へと,落日と追いかけっこするように駆け下っていった。
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眼下にやっと見えてきた御母衣湖。その残照に輝く湖面へと,落日と追いかけっこするように駆け下っていった。
お久しぶりです! やっと歩き通せました。雪が切れてる箇所、時々藪の背が低くて草原状のところもあったりして、全区間激藪ってわけでもないんだなーと興味深かったです。まあ、そんな区間は全体の1割にも満たないんでしょうが…
やっぱり別山まで行ってみたくなりますよね〜。稜線の南北の谷も入ったことがないところばかりですし、別山東尾根はまだまだ楽しめそうだなと思っています。
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