日向八丁尾根を歩き烏帽子岳まで、黄金の紅葉と鋸岳の眺望満喫
- GPS
- 12:59
- 距離
- 24.9km
- 登り
- 2,606m
- 下り
- 2,612m
コースタイム
天候 | 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大岩山からの下り、烏帽子岳前、が危険な場所です。あと、日向山に戻る直前の所でルートミスしやすいです。 |
写真
装備
個人装備 |
予備LEDランプ(1)
GPS NV-U37(1)
ガイド地図(1)
コンパス(1)
笛(1)
保険証
jRO会員証(1)
ティッシュ(1)
バンドエイド(1)
シップ
テーピング(1)
エマージェンシーシート(1)
雨具
カバー
ゴム手袋(1)
フリース
ジャンパー(1)
ストック
軍手(1)
カメラ(1)
水3L
おにぎり4個
パン
4本爪アイゼン
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感想
日向山エリアは、3年前から毎年、紅葉を見に訪れています。去年は鞍掛山まで、一昨年は雨乞岳とセットで、紅葉を堪能させてもらいました。今年は、前まえから歩きたかった日向八丁尾根を歩いたいと思います。2−3年前のレコでは、大岩山からロープで降りる難コースでしたが、七丈小屋の方のご尽力により整備され、去年からヤマレコでもレコを度々見るようになり、もっとも行ってみたいと思うコースの1つです。しかし、大岩山までもコースタイムは10時間半、さらにレコの時間を分析すると、烏帽子岳ならプラス5−6時間程度、コースタイム15時間レベル、私の限界ぎりぎりの超ロングになりそうです。折り返し時間を目標12時、遅くても12時半と定めます。
朝3時20分に起き、朝食を取り、サンドイッチを作り、3時50分出発。途中コンビニでコーヒーやおにぎりも購入し、4時40分立石口到着。他に車はなし。
4時50分出発、5時55分日向山到着。日の出の直前につけました。ただ、日の出はちょうど見えません。代わりに、紫に染まる、甲斐駒、八ヶ岳、富士山、地蔵岳、及び、赤く染まる日向八丁尾根を楽しみます。紅葉が朝日に映え、美しいです。
6時15分、八丁尾根に突入、いきなり紅黄色葉が黄金色と朱色に輝いています。すごい...しばし足を停めて見とれる。ぎざぎざの小岩群を乗り越え、20分で錦滝からの道と合流。結構ここまで時間掛かります。そこから50分で鞍掛山分岐手前の甲斐駒の眺望スポットで休憩。サンドイッチを半分食べる。
鞍掛山分岐をすぎ、黄色のカラマツ林に突入、黄葉を楽しみながら歩く。笹道、尾根道を歩き、大岩山の手前のピークで鋸岳の眺望が望めます。双眼鏡で鹿窓を探すが見つからず。大岩山には、9時5分に到着。ここまでコースタイム6時間ですが休憩込で4時間15分で到着。順調です。ただ、ここから3時間程度かかると見ているので、このぐらいのペースで来ないと烏帽子岳に12時目標は無理だと思ってました。標識には3時間半との記載がありますので読み通り。なお、大岩山への登りは、枯葉のせいか踏み跡がわかりません。赤い目印を頼りにらしいところを登ります。やはり点線ルート、歩く人は少ないと感じました。眺望もないのですぐに下り始めます。5分もすると眺望ポイントが。鋸、甲斐駒、富士山、八丁尾根が見える。ここから急な下りになるので、一旦休憩。サンドイッチ残りを食べる。
いよいよ本日のメインイベント、ロープ・鎖場に突入です。多分標高差は100−150m程度ですが、いままで経験した中で最凶のロープ・鎖場です。八ヶ岳最強の鎖場として真教寺尾根がありますが、あそこは最も下の垂直に近い鎖場を除くと、ほぼ正面を向きながらアスレチック的にバタバタ楽しく降れましたが、ここはほとんど後ろ向きに足場を確認しながら慎重に下ります。でないと危険。しっかり整備はされていますが、最低限と感じます。
・四つん這いで歩けるところ:ロープも鎖もなし
・なんとか最低限の足場があるところ:ロープ設置
・足場が不安定で手のちからにかなり頼るところ:くさり設置
・垂直に近く足場が取れないところ:ハシゴ設置
私の技能ギリギリです。
下から見るとわかりますが、なんせ元々崖ですので。でもここまで整備いただき、とても感謝します。もしこれを個人でやられたとすると、その資金と労力にとても頭が下がります。ありがとうございます。
ここの崖は本日一番の紅黄葉スポットでした。ここから八丁尾根歩きを楽しみます。標高は2200m程度。紅葉、鋸、甲斐駒、等の眺望もたまに楽しめます。赤い目印のしっかり木に巻きついています。この目印はテープではなく鉄板を木に巻きつけて赤スプレーしたものです。いままで見た目印で最強です。これも頭が下がります。烏帽子岳の手前にハイマツに囲まれた眺望エリアがあります。ここでおにぎり休憩。ここは360度の素晴らしい眺望が広がり、ここを折り返し地点としてもふさわしい場所ですが、まだ11時ちょいなので、烏帽子へ向かいます。
烏帽子の取り付きで道が迷ったとのレコがあるので、慎重に歩きます。何箇所かかなり急登の取り付きがあるので、そこをトラバース方向に行ってしまい迷ったのだと推測します。でも、よーく回りを見渡すと、木に巻いた赤い印があります。もし、見渡してもないようなら、ルートロスの可能性が高いです。急登を登り始めると、道が凍っています。氷柱もあります。岩場、ロープ場も出現。そして、岩場の小ピークに差し掛かります。これは左側が断崖絶壁で超怖かったです。ハシゴもあり、ビビリながら歩きました。ここはなぜか黄葉も綺麗。岩場は黄葉が綺麗なのか?
すこし下り、再度急登。この辺もルートロスしやすいので注意。最期、斜度が緩やかになりハイマツの間を歩き、頂上についた!と思ったら、サブのピークでした。この辺は岩岩で歩きずらく、落ちたら死ぬような怖いスリットもあり、あまり歩きたくないところですが、あと5分程度なので気力を出してとなりのメインのピークへ。
烏帽子岳には12時10分到着。最高の眺望でした、甲斐駒のほか、仙丈、北岳、間ノ、そして目前には憧れの鋸が、さらに釜無、八つ、北アルプスの遠望も。ゆっくりしたいところですが、眺望の写真を取り、自分撮りをして、12時25分、名残を惜しみながら下山開始。ここまで誰とも合わず、このコース本日私一人です。怪我をしたら即遭難です。一歩一歩慎重に、でも迅速に帰ります。
大岩山手前まで快調に飛ばします。ときどき小走り。崖の登りもやはり大変でした。ほとんど垂直にちかいところも多々あり、足場、手場を確保しないと、ロープや鎖があっても上れません。登りも下りも30分程度かかりました。
大岩山についてほっと一息ですが、ここの下りでルートミス。左へ30度ほどずれた方向に降りてしまいました。ただ、踏み跡があり、なんと(ビニールの)赤テープも何箇所かあり、昔使っていた道と思われます。ただGPS記録の来たルートからどんどん外れてゆくので、まずいと思い必死にトラバースして復帰。GPSがあってよかった!ここからも小走り交え快調に飛ばします。ただ、日向山の手前で何度かルートミス。行き詰まったにもかかわらず強引突破(数mの崖を下る)を1回。行き詰まったら戻るべきだ、つまらないリスクは負うべきではないと後で反省。
日向山で本日初めて人に会う。夕日に陰る眺望を楽しんでいるようです。私もしばし楽しんでから下山。6時10分には暗くなり灯をつける。6時40分、車へ戻る。
本日は、烏帽子岳や途中で最高の眺望を楽しめ、大岩山の崖や各所で紅黄葉を楽しめ、大岩山の崖や烏帽子手前ではスリリングなロープ・鎖・岩場にビビリ、今シーズンを締めくくるにふさわしい最高の山登りでした。
大岩山の崖は、登った人は下りたくないと、下った人は登りたくないと書いてますが、私の感想は、両方ともいやでした。
P.S.
今回の良かった点:
・烏帽子岳で迷いそうなポイントでは、しっかりルートファインドして迷わなかったこと。
・12時半前に、予定通り折り返せたこと。ただし、それでもギリギリ。
・人のいないルートだったが、転倒等リスクもなく危なげなく歩けたこと。
今回の悪かった点:
・大岩山からの下りで、わかりづらいとわかっていたにもかかわらず、方向を見定めず不用意に下り始め迷ったこと。
・日向山直前の笹薮で、道を間違え谷に下りそうになったこと。下れなくて思いとどまったが、上りで使った記憶がない道に行ってはいけない。
・日向山直前の岩岩で3mほどの崖を無理に降りたこと。行きで使っていないルートは下ってはいけない。違うと思った時、ほんの3分戻る気持ちを持てなかったこと。無理に突っ込み途中で、行くも戻るも難しい状況になったこと。
風雪のビパークという本を読みました。このルートを歩いた人が言及していることの多い本です。戦前戦後の時期に活躍した登山家である松濤氏の冬季の初縦走が、戸台−北沢峠−甲斐駒−烏帽子岳−大岩山ー日向山でした。興味深い点が1つ、大岩山の崖は松濤氏の力量をもってしても跳ね返され、右下の谷を通って大岩山右手のコルに出たようです。当時の夏道はそこを通っていたようです。とても通れるようには見えませんでしたが、次回行ったら要チェックです。なお松濤氏は、冬の北鎌尾根で亡くなられており、その時の詳しい手記が風雪のビパークとなっています。
コメント
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いや、ついに行きましたね。八丁尾根。しかもこんないい天気の日で最高ですねえ。
200枚以上の写真数には最初驚きましたが、これはどれも割愛できないですね。
烏帽子岳までで往復12時間!ほぼ私の黒戸尾根と同じです。
しかし大岩山の下り・上りを考えると黒戸尾根よりハードそうですね。
このレコを見るとなんだかビビってしまいます。
でもその一方、ここからの甲斐駒や鋸、そしてなんとの北岳、間ノ岳。これは見てみたいですねえ。
4本爪アイゼン、なるほどtotoroさんらしい発想です。もし歩くことがあったらこのアイデアも使わせて頂きます。
ついに行きました八丁尾根。去年からずっと行きたかった尾根です。
これまで黒戸尾根のレコ写真150枚が最高記録でしたが、今回は200枚で記録更新。
コースタイム的には、黒戸尾根レベルの15Hクラスです。大岩山の崖は、いままで歩いたコースで最高難度です。握力/腕力が弱く背の低い女性登山者の場合、ここは登れない可能性があります。
しかも、この長いコースを、天気の良い休日にもかかわらず一人ぼっち。でも、烏帽子岳の眺望は、それだけの価値がありました。最高でした。本当ならヤマレコの猛者の皆さんのように、甲斐駒の黒戸尾根含め日帰り周回できればいいのですが、コースタイムは20Hレベル、烏帽子岳から甲斐駒への稜線を見て、烏帽子までで力を使い果たした私にはとても無理と悟りました。
ここのピストンだけでも、とてもハードです。
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