ヨモギ山-越後駒ヶ岳


- GPS
- 80:00
- 距離
- 21.6km
- 登り
- 2,274m
- 下り
- 2,266m
コースタイム
越後三山森林公園駐車場 6:15 - 高石沢渡渉 7:40 - ヨモギ山 10:07 - P1036M 10:50 - BP1210M付近 15:20
2日目
BP1210M付近 7:03 - カネクリ山 7:37 - アオリ 9:15 - 池ノ塔 13:13 - BP1380M付近 15:00
3日目
BP1380M付近 5:55 - フキギ? 13:15 - BP 15:00
4日目
BP 6:00 - 越後駒ヶ岳 7:35 - グシガハナ 8:20 - 十二平 10:30 - 越後三山森林公園駐車場 11:10
天候 | 25日(土) 快晴 無風 26日(日) 快晴のち曇り 無風 27日(月) 曇りのちガス 小雨 日没頃から雪 風あり 28日(火) 風弱まる 下山するにつれてガスから曇り |
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過去天気図(気象庁) | 2014年10月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
キャンプ場入口の先で道路工事をしているが、歩行者は通行できる。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
ヨモギ山 今回は北西尾根からヨモギ山に登ったが、前回よりもはるかに楽だった。取り付いた杉林の尾根は登りやすかった。ブナ林に変わると、はっきりした踏み跡が断続的にあらわれた。ヤブで眺望のきかない山頂部では、三角点を見つけるのに手こずった。 1036Mピーク ヤセ尾根の岩場の下りや、きついヤブの中の急登がある。しかし、その先の尾根の困難からすればまだたいしたことがない。ピークに到達すると見晴らしのいい小岩がある。 カネクリ山 急な斜面を鞍部まで下った後、ヤセ尾根をたどっていく。カネクリ山までには、大源太山の北尾根並みのヤブこぎの急登もある。両足の腿が順番に攣る中、やっとのことでよじ登った。カネクリ山手前にヤブが薄く平らな小ピークがあったのでビバークをした。翌朝、数メートル切れ落ちている尾根のギャップを渡ったりしながらようやくカネクリ山に到達した。 アオリ カネクリ山とアオリの鞍部までは険しい地形が連続する。尾根筋のわかりにくいところもある。鞍部からアオリまでは比較的楽に登れる。アオリにあるはずの三角点を確認するのを忘れた。 池ノ塔 アオリの先の広い湿地帯は、距離が短くて楽そうな南側を巻いた。ツルがはびこっていて手こずった。池ノ塔の登りは比較的楽だった。手別山の尾根が合流すると踏み跡もあらわれた。池ノ塔に近づくにつれて北側に雄大な眺望が開け、岩稜のヤセ尾根を歩いたりもするようになるが、絶壁の縁を通過するというような意味での危険箇所はなかった。ヤブはきつい。 フキギ 池 ノ塔とフキギの鞍部に至る手前の小ピークのヤブの中でやむをえずビバークをした。その先の鞍部に下る地形は、手前から見て心配したほど険しくはなかった。ヤブはきつい。鞍部からフキギまで、長いだけでなだらかな登りに見えるが、ヤブがきつくてピッチがあがらなかった。部分的には、針葉樹やシャクナゲの密生した尾根を避けて斜面をトラバースできる区間もあった。途中の岩に三山岳友会による書き込みがあった。平成24年に家ノ串尾根の刈払いをしたとのこと。家ノ串尾根というのは、その付近で合流している桑ノ木沢と金山沢の間の尾根のことでいいのだろうか。オツルミズ沢が南にカーブするあたりからは、尾根が広がって比較的には登りやすくなる。 駒ノ小屋 フキギらしきピークを過ぎ、駒ノ小屋に向けて登りはじめたあたりでビバークをした。そのまま小屋まで忠実に尾根をたどろうとすると、針葉樹やシャクナゲのヤブがきついだけでなく、針葉樹をかわすために北側の絶壁の際をすり抜けなければならない箇所が出てくる。その晩の低温と降雪のせいかオツルミズ沢側の斜面のササが寝て進みやすくなっていたので斜面をトラバースし、そういう危険箇所はほとんど回避することができた。オツルミズ沢の源頭部をたどっても小屋に着くはずだが、地面が薄く雪におおわれていて足もとが悪いので、すでに滝がなく水量も少ない源頭部ではあっても沢に下りたいという気持ちが起きなかった。駒ノ小屋の裏手にはササの尾根にダケカンバの木立があって目印になっている。小屋は雪囲いがされてドアは施錠されていたが、玄関のはしごで2階から出入りできるとのこと。 http://www.city.uonuma.niigata.jp/kankou/infomation/tozaninfo.html 越後駒ヶ岳山頂、グシガハナ-十二平のコース状況については省略。 |
写真
装備
個人装備 |
帽子
腕時計
GPS 予備電池
カメラ 予備電池
地形図/コンパス
レインウェア/スパッツ
グローブ
水 5L
食糧/行動食/非常食 5日分
ツェルト/ペグ/細引き/ポール
ブルーシート/銀マット/エアマット
シュラフ/シュラフカバー
防寒着/ウール手袋/フリースバラクラバ/替靴下
救急用品
アルコールバーナー/コッヘル/アルコール
ICレコーダ/ラジオ 予備電池
ナイフ/ホイッスル
熊よけ鈴/熊スプレー
ヘッドランプ 予備電池
予備ライト
スリング
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感想
高校時代に登山部で越後駒ヶ岳に登ったときのこと、顧問の先生が郡界尾根を指して、大学時代にあの尾根を歩いたのだと教えてくれた。大学ではワンゲル部に入っていたという新採用の先生だった。当時はそれほど気にとめなかったが、それから30年ほどたって自分も郡界尾根が歩いてみたくなった。インターネットで検索しても郡界尾根の山行記録はほとんどみつからない。無雪期については、若い頃の山行を回想して後から書かれたらしいものが1つあるだけではないだろうか。結局コースの長さの感覚がつかめないまま、希望的観測にもとづいて2泊の計画を立てた。これが根本的な失敗で、それに連なるようにして大きなミスや小さなミスが書き切れないほどあった。
最初の2日間は、日中の気温が20℃に達した。レインジャケットを着てヤブこぎをしていると暑くて水を余計に消費した。持参した5リットルで足りなくなることは明らかだった。1日目に両足の腿の裏が攣って思うように進めなかったのも計算違いだった。3日目にようやくフキギの手前に到達した。そこでかんたんに沢に下りて給水できるのを期待していたのだが、思いのほか地形が険しく、ガスで視界が十分にきかなかったこともあり、給水を断念した。水はその晩ツェルトの周りに積もった雪を溶かしてつくった。そのフキギの手前では、GPSを紛失した。その付近で最後にGPSの表示を確認した後、ショルダーベルトのポケットに入れようとして落としたのではないかと思う。紛失に気づいたときはすでにかなり歩いた後だったので、引き返して探すのを断念した。フキギから駒ノ小屋までの尾根は沢と絶壁にはさまれた登りで地形がわかりやすいので、ガスでもどうにかなるだろうと思って進んだ。その3日目は、午後からガスの中に入り、どんどん寒くなっていた。冷たい雨風の中でツェルトをかぶってレインウェアの下に重ね着をしたが、手は指先がむきだしの夏用のグローブでがまんした。冷たいのが耐えがたくなってからようやくグローブの下にウールの手袋をつけた。そのせいか、今でも指先の感覚がおかしい。GPSを落としたのも、指先の感覚がなくなっていたことに関係がありそうだ。フキギの先で15時になり、明るいうちに駒ノ小屋まで到達する自信がなかったのでビバークをした。予定外のその3泊目のビバークでは、気温が完全に氷点下まで下がった。びしょ濡れの靴下やズボンを身につけたまま寝る着干しをしようとして、シュラフをすっかり湿らせてしまった。氷点下くらいの気温なら十分快適に寝られるはずのシュラフでとても寒い思いをした。
1日目に私がカネクリ山を目指していたころ、グシガハナからの下山路では不幸な事故が起きていた。ヘリコプターが十二平あたりに出入りするのを見て、てっきりその辺りの沢で事故があったのかと思った。それが一般登山道での滑落だったことは下山してから知った。自分の今回の山行は実力不相応な難コースで、それなのに見通しが非常に甘く、振り返ってみればかなり無謀だった。無事に下山できたことがだんだんと不思議に思われてきた。
コメント
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初めまして。
凄いルートを歩かれましたね。私もこの尾根は考えていましたが、籔を考慮すれば残雪期ですがゲジゲジマーク密集のため雪があるとヤバそうだしどうしようと考えていました。今でも悩むところですが無雪期でも可能性を見いだせて選択肢が広がりました。
今年は9月に荒沢岳登山道から荒沢岳東尾根の花降岳、本城山を7時間かけて往復してヘロヘロになったのに懲りて新潟の籔漕ぎはやっていません
はじめまして
私の好んで読ませてもらっているどなたかの日記で、toradangoさんのコメントもしばしば拝読していたように思います。あらためてプロフィールのページを拝見し、山行記録の少なさに衝撃を受けました。もしもtoradangoさんがすでに郡界尾根を歩いていたとしても、その山行記録は公開されていない可能性が高そうですねww
ところで日記にお書きになっているダニのことですが、7月に駒ノ小屋からフキギ方面を偵察したことがあり、おそらくそのときダニ2匹に食いつかれました。それまではヤブこぎをしてもダニに食われずにすんでいたのでショックでした。ご参考に。
引き続き失礼します。
今のところ新潟の藪山はほとんど残雪期しか登っていないので新潟でダニにやられたことはありません。ヒルの被害もありません。ようやくそのどちらもいなくなる時期になってきましたが、今度は雪が・・・・。藪+半端な積雪は非常にイヤな思い出しかありません。
私の場合、個人のHPがあってそちらに書く記事の作成時間だけで平日1週間を使いきって次の山に入る生活なので、ヤマレコで別に記録を作成する時間的余裕がありません。HPのリンクだけ貼りつける手抜き記事も可能ですが、ヤマレコを個人のHPの宣伝に利用するような使い方はやりたくないので
HP開設後10年経過しており、たぶんここ7,8年は全ての山行記録を公開(後悔?)していますので、その数は約1300件もあります
新潟に限らず関東近郊の藪山はかなり登っていますので、マイナーな山名で検索をかければどこかで私のHPが引っ掛かると思います。特に山梨県の山は地形図記載の山は全部登っています。新潟と違って積雪が少なく根曲竹や根曲灌木藪が無いので残雪期に限定される山は皆無です。
「マイナーな山名」で検索するまでもなく、toradangoさんがどなたかわかりました。
ごあいさつできて光栄です。
たとえば私の装備の中にICレコーダーが入っているのは、toradangoさんの影響です。
http://www.gekiyabu.sakura.ne.jp/public/kaisetu/ic_recorder.htm
私がICレコーダーを使うようになったのはつい最近で、今回が初めての悪天候でした。ビニール袋の防水が不完全で濡らしてしまい、途中で電源が入らなくなりました。家で乾かした後も調子が悪いです。これも今回おかした多くのミスの1つでした。面目ない次第です。
shiremonoさん、こんにちは。ご無沙汰しております(^^)
shiremonoさんのエキサイティングな山行記録には、常日頃から瞠目させられておりましたが、とりわけ今回のレコはその凄さが際だっており、日が経つにつれてじわじわと「これは恐るべき山行記録だ」ということが分かってきました。
同じ新潟県人として、「新潟にはこんなにタフですばらしい登山をする人がいるのだ!」ということを、私は誇りに思います。
ずっと以前からお聞きしたかったことがあります。shiremonoさんにとって「ヤブ山」「道無き道を行く登山」の魅力とは何ですか?
Forest21さん
おはようございます。
昨日巻機山に挑戦しました。登りながらご質問についても考えました。膝上の腿の筋肉がひどくつったので、六合七勺で引き返してきました。
私にとっての「ヤブ山」は、気に入った山にいろいろなコースで登ることの一環です。登山道のないヤブ尾根を、私は登山コースの一種とみなしています。ルートといった方が正確かもしれませんが、バリエーションという用語は不適切だという気がします。
「道無き道」という表現は、2重の意味で正しいと思いました。踏み跡のないことが多いという意味ではたしかに「道が無い」のですが、昔からそのコースが歩かれているという意味では原始的な「道」なのです。だから、今までにどんな人が歩いたのだろうと想像しながら歩いていることが多いですよ。
こんにちは。ご回答いただき、ありがとうございますm(_ _)m
「気に入った山にいろいろなコースで登る…」というのは、「その山のことをもっと知りたい」ということの表れなのでしょう。「山への愛情」とも言えるのかもしれません。
shiremonoさんの文章を読んで、私はそんな風に感じました。
『新潟の低山藪山』の著者である羽田寿志さんが、「道のない山に一人で登ると、ふだん見えないものまで見えてくる…」と書いておられました。
きっとshiremonoさんも羽田さんも、単純な私などとは違った醍醐味を味わいながら山歩きをされているのでしょう。私がその域に達するのは、いつになることやら…
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