白馬岳 梅雨の間隙をついた久々テン泊登山は強風下の鍛錬
- GPS
- 16:23
- 距離
- 14.1km
- 登り
- 1,648m
- 下り
- 1,712m
コースタイム
- 山行
- 7:03
- 休憩
- 0:35
- 合計
- 7:38
天候 | 晴れ(一日目は強風) |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
大雪渓はベンガラ沿いに進むと上部で下の雪解け水に落ちそうになる踏み抜き部分が生じています。雪面は日中かなり緩くなっていて、下りでは特に10本以上のアイゼン推奨(重くなりますが安全第一) 小雪渓のトラバース部でも雪の踏み抜き危険ゾーンあり(私は登山時に片足が落ちて斜面下方に逆さづりになりました) |
その他周辺情報 | テン場では携帯電波入りません |
写真
装備
MYアイテム |
sun_99jp
重量:0.35kg
|
---|---|
個人装備 |
長袖インナー
ハードシェル
タイツ
ズボン
靴下
グローブ
予備手袋
雨具
ネックウォーマー
靴
ザック
昼ご飯
行動食
非常食
飲料
水筒(保温性)
バーナー
調理器具
浄水器
ハイドレーション
シート
コンパス
笛
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ガイド地図(ブック)
ファーストエイドキット
保険証
携帯
タオル
トレッキングポール
チェーンスパイク
軽アイゼン
テント
寝袋
ランタン
|
備考 | 12本爪アイゼン |
感想
梅雨の間隙を縫う形で、久しぶりにテン泊装備で白馬岳に登りました。
重いザックを背負っての山行は1年半ぶりとなるため、今回のルートの連続斜面に挫けないように、とにかくスローペースで踏破して行こうと猿倉を後にしました。
今回はここ数日の天気予報とにらめっこしながら日程と行先を決めたため、まず小屋泊かテン泊か、そして今回必要となるであろう積雪路対応装備で悩み、直近の様々な方のコメントを見て、雪装備としては軽量化も考慮し6本爪軽アイゼン&チェーンスパイクでの山行を計画しました。事前のパッキングで水を除いたザックの重量は14kg。加齢による体力の低下を考えると、あと一歩軽量化したいところですが水補給には困らない山なので、水を少なめにしてこれで決行することにしました。
猿倉からスタートして白馬尻小屋までの長い林道区間+ハイキングルートはつい、いつも通りの日帰り軽量ザックでのペースで進んでしまいました。そのため既にじんわりと体にザックの重さが響いてきています。雪渓の登りは足回りの軽量化優先でチェーンスパイク利用と決めていたので迷わずそちらを装着。落石事故回避のヘルメットを頭に挑みます。雪渓の雪面はかなり緩くシャーベット状になっておりチェーンスパイクの短い爪ではほとんどグリップが得られない部分も生じていました。まして下山時の下りでは、軽アイゼンでも力不足、雪渓では避けなければならないスリップダウンもしてしまい、数メートル滑り下るというヒヤリとした場面も体験しました。やはり重量増を恐れず10本爪以上のアイゼンの方がまだましかと思われます。今回はピッケルも重量増を嫌って持ってこなかったためスリップしたときは本当にヒヤッとしましたが、実際そういった時を考えれば、1Kg弱の重量増はあろうがピッケルも持参すべきだとも思いました。
更に進み、小雪渓のでは更に難関に遭遇しました。ベンガラと雪切りされた跡を辿りますが石室側にあとすこしという岩が露出した部分で、十分な注意を払ったつもりの山側左足の一歩の足元が崩落。下を流れる雪解け水の水流に左足を突っ込む形で斜面下側に頭とザックを下に逆さ状態となりました。ソロ行です。下になったザックは重く腹筋だけでは持ち上がらず、周りには誰も居ません。このまま今倒れている雪面まで崩落したらどこまで滑落するのか!そんな恐怖が頭をよぎる中、何とかストックを崩落した雪面の角に引かけて体勢を立て直すことが出来ました。今考えてもゾッとする瞬間です。
ここもピッケルであれば、倒れこんだ瞬間にもう少し違った展開になっていたかもしれません。
小雪渓の出来事ですっかり体力と気力を消耗してしまい、登坂スピードはさらに遅くなります。しばらく進み石室で休息、そこの水場で浄水器を使って飲んだ雪解け水のまろやかで冷たさが体に染みました。
這々の体でテント場に到着すれば、こちらではものすごい勢い強風に襲われました。
ヤマテンでは風は次第におさまるとの予報でしたがとんでもない。雪渓を終えたあたりから治るどころかうねりを伴った突風の洗礼を受け、テント場での設営に大苦戦。通常の設営手順ではどうにもならず、まずは張り綱を固定した上で体で天幕本体を押さえ込みポールで自立させる対策で何とか完了。
通常の倍以上の時間と体力を浪費し、張り綱やペグを固定するための重い岩塊をいくつも移動する作業で指先を切ってしまいました。(必死の作業で手袋装着を失念)
完全に設営が終われば、山岳テントって素晴らしい設計がされているもので、安心してテント内でのある調理なども出来、就寝も何の問題も生じませんでした。
そんなこんなで白馬岳アタックは翌日に持ち越して無事登頂後、日が上り強風の治ったテン場で朝食後にのんびり撤収して下山しました。
下山時も相変わらず重い荷物は足にズンと響きます。緊張の雪渓が終わる頃には大腿四頭筋が悲鳴をあげ、頻繁に歩みを留め小休止を挟みながら猿倉までの道のりを辿り着きました。
自由な時間と引き換えに負荷の上がるテン泊登山はとても良いのですが、近頃の体力低下に合わせて控えていく必要があると痛感した山行でした。
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