越年登山 赤岳と阿弥陀岳in南八ヶ岳
- GPS
- 34:26
- 距離
- 21.4km
- 登り
- 2,035m
- 下り
- 2,032m
コースタイム
- 山行
- 9:14
- 休憩
- 0:24
- 合計
- 9:38
天候 | 12月31日 晴れのち曇り 夕方より雪 1月1日 雪のち曇り 夕刻より晴れ間がちらほら 1月2日 晴天 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年12月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
美濃戸口〜行者小屋については、説明の余地も有りません、詳細に書かれた方のレコを参考にしてください。 行者小屋〜文三郎尾根分岐につきましても、他の方のレコを参考にしてください。 行者小屋〜地蔵尾根(地蔵の頭)につきましても同様にお願いいたします。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
雪はたっぷりあります。 買ったばかりのチェーンアイゼンを、美濃戸口〜行者小屋の間で使いましたら、それはそれは滑らないので楽ちんでした。 |
その他周辺情報 | 年末年始の休業を確認しておく必要が有りました。 |
写真
感想
年末年始は強い冬型の気圧配置に成り、山はもちろん麓でも大雪が心配される程の荒れようでした。
私の中では、「八ヶ岳はいつも誰かが歩いていて踏み跡がしっかりしている」と言う勝手なイメージが出来上がって居て、単独登山者にもラッセルと一人で立ち向かう必要の無い山に成っている。
2014年は、天気が悪そうと言っては山行を諦めて居た、それも山行日の3日も前から。
そんな自分が嫌で仕方なかったから、この山行はとにかく現地まで行く事が自身の課題でした。
天候はやはり悪くて、結果は良くありませんでしたが、とにかく出掛けると言う目標には届きました。
○12月30日 出発予定日
自宅の台所で嬉しそうに野菜を刻みながら、なにを思ったか発泡酒の缶のプルトップを引いてしまった。
なんの疑いも無く口に運んだ飲み口から「ゴクッ・・ゴクッ」って喉を鳴らしてふと我に返った。
今夜出発予定だった計画は早くも崩れてしまった、なんでアルコールが身近に有ったんだろう?
自宅から美濃戸口までは3時間弱の道のりで有るので、早目に就寝して未明には出発しよう。
12月31日 入山予定日
未明に自宅を出発する事が出来たけど、天候は思いっきり悪い様だ。
なんとか大晦日だけが晴れ間を期待できるかも知れない様では有るけど、午後には天気は崩れ始める予報なので、どれだけ手早く行者小屋にたどり着き、テントの設営を済ませるかが鍵に成る。
午前5時半美濃戸口に到着、すぐに装備をまとって出発。
美濃戸口の気温はマイナス10℃だった<私の温度計表示
時間を急ぐあまりにカメラを外付けのポーチに入れたままにしたら、すっかりカメラが冷え切って、電源が入らな状態に成ってしまった。
まぁ、カメラが動いて居ても気持ちに余裕が無かったから、画像は無かったとは思うけど。
午前9時15分頃に行者小屋の到着、ろくな休憩もしないで歩いて来たのでかなりばてているが、テントを設営する場所の選定に取り掛かった。
テント設営場所の選定条件は・・・
1:大人数の大型テントの近くは絶対に避ける事
2:人がひっきりなしに歩く通路になる場所は避ける事
3:積もった雪が落ちて来て痛いから木の下は避ける事、
そんなことに気を使いながら場所を決めて直ぐにテントを張り、昼ごはんも作って食べておく。
予報通りに昼近くに成っても大きな天気の崩れは無く時々青空が見える。
今日中に赤岳か阿弥陀岳のどちらかには登っておきたい気持ちに変わりは無かったので、バラクラバとヘルメットを被り、手にはストックとピッケルを持って文三郎尾根を登って行った。
12時25分頃文三郎尾根を上り詰め、赤岳と阿弥陀岳への分岐までたどり着いた。
さて、ここからどうしよう。
時々ガスが襲ってきて、阿弥陀岳への稜線を隠してしまうけれど、風は弱い。
上空の雲の動きも驚くほど速くは無く、阿弥陀岳に行くチャンスは今しかないかもしれない。
どうする、俺?
稜線つたいに歩いて行くのだから道迷いの心配は無いし、ここまで歩いて来た感じでは雪も締まって居て歩きやすかった。
しかし、ときどきはっきりと手に取る様に見える阿弥陀岳直下の急登は、私の様な初心者の手に負える物なのか?
暫らく考えている内にも、次々と登山者は文三郎尾根を登ってくる、しかし誰一人として阿弥陀へ向かおうとはしない。
北稜に取付く技術が無いのは分かっているが、夏道を歩く勇気も無いのか?
2時までに阿弥陀岳のピークを踏めなければ撤退しようと自分に言い聞かせて歩きはじめる。
分岐からはいったんかなり下って、阿弥陀岳の手前に有る中岳に登り返す事に成る。
中岳と阿弥陀岳の間は細い稜線が続くが、雪が締まっているおかげでピッケルの効きが良く、アイゼンも一歩一歩雪を掴んでくれる。
それにしても、時々見上げる阿弥陀岳の急登に気が滅入る。
途中に鉄の梯子が見える、その下側も上側も私には途方もない斜度に見えるだけで、落ちたら死ぬんだろうな?って思う事度々、いやそれしか思わなかった。
中岳のコルにたどり着き、いよいよ私にとっての核心部、北稜を登る人にとってはどって事無いかも知れないだろう斜面に取付いた。
登りながら時々振り返ると「やっぱり恐ぇ〜」、だからと言って下りる勇気も無いのだから、上に行くしかない。
北稜からのルートが交わる寸前で、北稜を上がってくる一人の登山者を発見。
時間は1時55分、阿弥陀岳のピークは、稜線の向こうに成って見えないがGPSのマップを確認すると直ぐそこに有る。
偶然にも北稜からの登山者と同時に登山道上に居た、「お先にどうぞ」と道を譲って先に登ってもらった。
その方のお連れの2人はすでにピークにいらしたのだった。
私を含めて4人が頂上に立っている。
ガスが飛んで諏訪湖や諏訪盆地が見渡せた、振り返ると山梨県側の街が見下ろせたが、待ちの名前は分からない。
登り切ってしまえば、案外簡単に登ってしまった。
恐ろしく見えた急登も、アイゼンとピッケルの効きが良く不安は無かった。
私のピッケルは、なにも分からないうちに購入したシャフトが真っ直ぐなタイプなので有るけど、実際に使用しながら思ったのは「はたして湾曲したシャフトが使いやすいのか?」と言う事だった。
所々表層から10cm当たりの所が氷化して居るのか、ひと振りではシャフトが刺せない所が有った。
湾曲したシャフトでは刺しにくいのではないかって思ってしまったので有るけど、次に来る時は曲がったシャフトのピッケルも一緒に試してみたい。
北西の方角から分厚い雲が近づいて来て居るので、ちょっとの滞在時間で下山に移った。
中沢から、真下に見える行者小屋に向かって、時々尻で滑りながら一気に下った。
1時間少々で行者小屋のテントに戻れた。
天気が崩れる前に眺望の有る阿弥陀岳に登る事が出来て良かった。
○1月1日 起床時(午前5時頃)テント内気温マイナス12℃
夜明け前の午前5時ころにテントの通気口から空を見上げたら、満点の星が広がっている、どぅいう事?
午前2時過ぎに見た時は、雪が降って居てまったくもって悪天だったんですけど。
もう一度シュラフに潜り込んで目をつぶって見たけれど、先ほど見た星空の事が気に成って再びは眠れない。
うだうだ悩んでいる内に時間は過ぎて行く。
外が騒がしくなって来て寝てられなくなり、トイレに行きついでに水も汲んで来て朝ごはんを作った。
うだうだし過ぎたおかげで7時半近くの出発に成ってしまったが、初日の出はもう見られないし、今日は赤岳に登るだけなので急ぐ理由が無かった。
行者小屋から1時間以上かかって地蔵の頭に上がった。
来た道を振り返ると次々と登山者が上がってくる、私の前には誰も見えなかったのだが。
それでも、赤岳展望荘で御来光を拝んだというラッキーな登山者数名にすれ違ったおかげで、トラックはしっかり踏まれているから歩きやすいしルートに迷いが無いのは大助かりだった。
昨年は地蔵の頭から行者小屋に下りるルートが見えずに、30分以上も道迷いしていたのだから。
昨日に続いて今日も風は弱くて助かった、ただし地蔵の頭での気温はマイナス18度で寒かった。
登山者はみんな凍りついていたし、ザックの中のサーモスに入れた水が半分凍ってしまい手を焼いた。
無時に赤岳のピークも踏んで、文三郎尾根を利用して下山を開始した。
この頃から雪が強くなった、
行者小屋のテントへ帰ると、またテントが埋もれかけて居る(ちょとオーバーです)し、降り続く雪は勢いを増している。
すっかりやる気の無くなった私は、昼に下山を決定。
昨年に続いてまたも1泊2日の八ヶ岳に成ってしまうが、今回は原村の友人宅でグラスを傾けるので、もう1泊して行く事に成り、計画通り2泊3日の越年登山に成るのだった。
○1月2日 原村の朝の気温マイナス12℃
一年ぶりに、美濃戸口から車で10分の所に住む友人にも再会でき、その友人の子供たちにも「お年玉」を手渡す事が出来て、「年に一度岐阜から来る良いおじさん」に磨きをかける事が出来ました。
3日目に食べる予定だった食材を、友人の子供たちに振舞ったら、それはそれは大喜びでした。
ちなみに内容は・・・
大根、玉ねぎ、しめじ、油揚げ、鶏もも肉を「鍋キューブ」の味付けで煮ただけの普通の鍋でした。
テントでそんなに美味しい物を食べてたんでしょうかね?わたし・・・。
graveltrekさん、明けましておめでとうございます、今年もよろしくお願いいたします。
越年登山ですか、どえらい寒さのようでしたね。雪山歩きがあの時の蝶ヶ岳で決定的に嫌になり、今年は如何にして雪のない山歩きを通年楽しむか、という課題に取り組んでいる私。レコの写真が白いだけで寒くなり、感想を読んで身震いしてしまいました 地蔵の写真が映画「シャイニング」に出てきたジャック・ニコルソンの凍死シーンに見えてまた違った意味でも身震いしたのは言うまでもありません。
阿弥陀の急登、夏に登った私はこの季節にアタックした graveltrekさんのパワーに感服致します。マイナス18℃を乗り越え、赤岳のピークも無事に踏んで…素晴らしいじゃあないですか!
こんな大絶賛の私にもお年玉を下さ…ゴホゴホッ、無事に2泊3日の越年登山、お疲れ様でした
bo-tyu-zaiさん、コメント深謝です。
阿弥陀岳には夏に登られていたんですか?
あの急登はドエライ坂道ですよね、見上げて心が折れる事しきりでした。
雪を嫌わずに、せっせと山に通ってください、bo-tyu-zaiさんの行動力なら絶対大丈夫でしょう!
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