10年ぶりの白峰三山リベンジは天空の苦行
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- GPS
- 18:12
- 距離
- 27.5km
- 登り
- 2,712m
- 下り
- 3,395m
コースタイム
- 山行
- 4:47
- 休憩
- 1:01
- 合計
- 5:48
- 山行
- 8:35
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 9:25
天候 | 初日 曇のち雨 2日目 曇り一時晴れのちガス(暴風)3日目 晴れ〜 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年07月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス 自家用車
|
コース状況/ 危険箇所等 |
道はいいですが、大門沢の下りに倒木多し |
その他周辺情報 | 下部温泉 不二ホテルは9時から日帰り温泉可能、800円。冷泉が気持ちいい |
写真
感想
この夏は 10年前に途中敗退に終わった白峰三山制覇!と目標を決めておりました。有給休暇を取り、前回北岳山荘に泊まったので今回は肩の小屋(奈良田発のバスが遅いこともあり)と大門沢小屋を予約し、休暇を取っていざ!キタダケソウが見れるかギリかと思ってましたが、直前でウッドさんとアヤちゃんさんがレコを上げてらしたので、花の場所とか名前調べるの助かる~と。yamazazenさんのレコも参考にさせていただき準備万端!なはずでしたが・・・
9日 奈良田の駐車場はがらーんと空いています。1台ただいま登山中と思しき車の他は時折来ては去っていく車のみ。8:35発のバスに乗ったのは私だけ!こんなことあるの?天気イマイチだけど北岳だよ!
広河原についても登山者の気配なし。お一人来られた方に話をすると「やめて下りてきたところです」と。やっぱり天気が悪いからね~と自分を納得させ、出発。
しばらく歩くとやはり暑く、しばらくTシャツで歩きますが下りてこられる方は皆雨具着用。上は降ってるんだな~と思いつつも「今」の暑さでなかなか雨具を着ないでおりました。これが失敗の原因となります。
途中雨が降ってきましたが樹林の中だとなんとか行けると、少し木々が変化してきたところでようやく雨具着用。すぐに御池小屋に出たので昼食を取り(ここのカレーはおいしかった~値段に躊躇しましたが頼んでよかった!)、水を汲んで大樺沢二股を目指します。ここから肩の小屋を目指すのがおすすめと小屋のHPにあったので。
二股へ出ても当然ですが誰もいません。そもそもスタートが遅かったので登りでお会いした方は御池小屋泊りのようだし、自分が最後かな~と思いながら花ロードに挑みます。ところが登り始めてすぐにまあまあの降雨が。この道は雨を避けるような木もなく、ただ濡れるのみ。せっかくの花ロードもカメラを向ける気にもならずただひたすら登ります。雨はやむことがなく、必死の思いで小太郎尾根分岐に出ますが、この先は尾根の強風にさらされます。普段風はあまり気にしないのですが、今回は中が濡れているためどんどん冷えてきます。「早く着かないとやばい」と足を出しますがそのうち手がしびれてきます。「こうやって人は危機にさらされていくのか」と実感しました。それでも何とか小屋着、「助かった」と中に入るとかなりの人が。おそらく芦安からのお客様だな~それにしても多い、という印象。チェックイン前に服を乾燥室に入れて着替えますが体が冷えていてガタガタ震えます。乾燥室もナノイーの機械が一台あるだけで「これでは乾かない」という状況。震える手で帳簿をかいて暖を取ろうと思いますがグループが1台しかないストーブを「占拠」していて割って入ることができません。仕方なく自分の番号のところに行って横になりますが背中の震えが止まらず「これが低体温症かな?」と。しばらくたってストーブを見に行きますが相変わらず占拠状態。しかも話している言葉が・・・
食事で暖かい味噌汁を飲んでようやく震えが止まり落ち着きましたが、向かいに座った方の話では今日は韓国からのツアーが入っていて、30人近く泊まっている、日本のモラルは通用しないと。隣にもストーブがあると聞いて見に行きましたが、隙なく彼らのグループに占拠されておりました。 結局名ばかりの「乾燥室」では何も乾かず、翌日はずぶぬれのパンツの下半分を外して歩くことに。
小屋がないと命の期間が迫るところでそういう意味ではとても感謝しているのですが、ルール(モラル?)の徹底は行ってほしいなと思いました。
10日 朝5時の朝食をさっさと平らげて、例のグループより早く出ようと5:15分ごろ出発。あいにくのガスガスで、パンツ半分で肌寒い状況でスタート。北岳へは強い風の中30分ほどで到着。やはりガスで眺望なし。北岳山荘でテン泊していた若者グループと少々会話をして晴れ待ちしますが、開けるとまではいかず先に出発。
花が多い八本場のコル方面に下りて、ふと前を見ると富士山がほんの一瞬見えました。写真を撮りそこなって「うわーやっちまった!」と思いましたがその後急にガスが抜けて青空が広がりました。「やっぱり悪いことあればいいことあるなー」と写真を撮りまくりますが、キタダケソウはわかりませんでした…残念。10年ぶりに北岳山荘をみて(何が変わったんやろう?)中白峰あたりで雷鳥を発見、今日はいい山歩きになるぞ~と思った刹那、正面の間ノ岳に大きなガスがかかります。
結局このガスが抜けることなく間ノ岳到着、北岳どちらも10年前の状況より悪化してしまいました。そして、ここまではまだ北岳山荘から間ノ岳ピストンの方にお会いしましたがこの先は誰も来ませんいません。ただ、農鳥小屋の手前で一人の外国人の方が座って食事中。Where come from?と国を聞いたつもりが「Daimonnjigoya.」と^^;)
ただこの先どう?の質問は「No Good」と。やっぱりなー。
農鳥小屋は今年は管理人さんがおらず寂しい状況、その後の西農鳥、農鳥岳ともに強烈な風にさらされ、体が浮くほどに。先日の那須岳もすごかったけど、こんな日本一の稜線でこんな目にあっている私って???
ただ降下点から下は西からの風がぴたりと止み、無事に小屋にたどり着くことができました。時間的に奈良田まで下りれるな〜とは思いましたが流石にキャンセルは失礼なのと、とてもいい雰囲気でしたので。もちろん宿泊は私一人、と見込んでいましたが奈良田から登って来られたテントのカップルさんと、山形から初アルプスです、というご婦人お2人組がいらっしゃいました。このご婦人にはコーヒーを淹れていただき色々お話しさせていただきました、ありがとうございました。
※なお、この日大門沢小屋には例のグループの予約が入っていたそうですが強風のためキャンセルして下山されたそうです。小屋には悪いけど心底「よかった~!!!」と。ここであの状況はきつすぎる・・・結局この日 私の後ろを歩いて大門沢小屋まで来られた人はなく、そりゃあの風なら当然の判断と皆様の決断力の高さに感服するばかりでした。
11日 この日は快晴、7時半に第一発電所から奈良田駐車場までバスに乗りたい!と5時の朝食を少し早くしてもらって(今回食事付が私だけ)出発。いくつもの徒渉を経て下りますが、誰一人登って来られないですね。まあきつい道です。
振り返るとあまりの好天に「一日ずらせば・・・」となりますが、まあ無事に歩けていることに感謝せねばと急ぎます。ところが第一発電所に着いたのが7:15、バスが来るのが7:39。管理されている人の話では「歩く方が早いよ」「・・・。」
頑張ったのが仇となり、トボトボ歩きます。暑いです。ちょうど奈良田のバス停あたりで私をバスが抜き去っていきます。「やはりバスが早着かあ」予想通りの展開なので悔やむこともなく、バス停の自販機でジュース買って駐車場へ。
すると、なんということでしょう。めっちゃ車停まってます!
やはり天気って大事なんだな~。
所感:今の小屋のシステムからしてあまり早く予約するとキャンセル料かかるし、払いたくないからと悪天でも無理をする人も(私かっ!)出てくると思いますので基本状況を鑑みての直前の方がいいのでは?と思いました。
それで予約がいっぱいの日は登らない、くらいの覚悟が必要。あと、異国のツアーが入っていないかは確認事項になりました^^;)。
花の写真全然ない!
※今回着用したワークマンの👖3900円が「雨具兼用」が可能と踏んでいたのですが、やはりアルプスでの使用は厳しい結果になりました。
膝下着脱可能と言う時点で水は入りますし、認識の甘さを痛感しました。
広河原に降りてくる直前で雨も上がったので、今日登る人はいいなぁと思ってましたが、なかなか大変でしたね。蒸し暑い中、カッパを着て歩くのは苦行ですが、風に吹かれるとやはり危険なんだとわかりました。無事に下山できて良かったですね。
今回、登山開始から下山までほぼ雨の中だったので、やはりほとんど写真を撮らすに降りてきてしまいましたが、いろいろ良い経験になりました。またチャレンジします。
目的次第では雨でも楽しめるのですが、危機にさらされないようにするのが必須でした。 八ヶ岳楽しんでください!
変わらず、楽しく過酷な登山日記、楽しませていただきました。
しっかり体力維持できてるってことですね。
うらやましい限りです(^^)
10年の時を経てのチャレンジは相変わらずの展開となりました。成長ないなと。登山はやはり体力勝負と痛感しました。レコの更新お待ちしております(^o^)
いやぁ〜中々厳しい山行でしたねぇ〜!
私がアルプス縦走に行きたいけれど二の足を踏んでいる理由がレコに満載されてて益々一歩の踏み出しが躊躇してしまいます・・
やっぱり小屋の予約と天気の読みが難しく、私もはるひよさんと同じく小屋の直前キャンセル狙いが一番良いと思ってますが・・なかなか休みと天気がマッチしないのでモヤモヤしてますが・・
遠征は日程が限定されますし、多少悪天でもやめる決断が出来ない心の弱さを感じました。「そんなん行ってから対応したらいい」のスタンスが崩壊し始めました…
でも今が一番若い!と思って行くしかないですよね(^_^;)
ウケケケの農鳥の親父さんは今年は居ないそうですね!
しかし天候が安定せず大変だったでしょう
私も南は6年足が遠退いています!
関西からの遠征はやっぱり遠いですし、日程の変更がしにくいのがネックですね。農鳥小屋は寂しいものでした。まあ風雨には慣れてると思ってましたが、やはり日本一の稜線は違いました〜。是非あそこを走ってください(^o^)
そう言えば北岳肩の小屋で隣になった方は奥武蔵ロングトレイルコース沿いにお住まいで走っている人を見ていたと。その中にいらしたのでしょうね〜
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