【黒河内岳(笹山)】 再び三人で白根南嶺!
- GPS
- 29:30
- 距離
- 15.2km
- 登り
- 2,068m
- 下り
- 2,061m
コースタイム
- 山行
- 5:36
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 5:46
天候 | ・1月10日 晴れ。午後から稜線は曇り。 ・1月11日 朝は晴れ。 その後段々と崩れ稜線は正午には完全に暴風雪。 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年01月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
奈良田バス停横の駐車スペースに駐車。 この日はガラガラで夏の喧騒が嘘のようでした(笑) |
コース状況/ 危険箇所等 |
・山と高原地図では破線ルートとなっていますが、僕の感覚では(当てにしないでください)マーキングの多さは実線ルートでも良いような感じだと思いました。 ・しかし、ルート上で標高が高い場所では赤テープが雪で埋まっていますので、自分でルートを見ながら適切なコースを選択する目が必要だと感じました。(単調な尾根なので大きなミスをしない限り上を目指せばいつかは稜線に辿り着きます) |
その他周辺情報 | コンビニは国道52号線には多数ありますので、そこで必要なものは購入しておかないと、県道37号(南アルプス公園線)に入ると夜間、早朝は自販機ぐらいしか期待できないので注意してください。 |
写真
感想
kuwaさんと正月休みに登る計画を立てていたのですが寒波にビビリ延期
この連休でチャレンジする事にしました。
この時期に標高2500m超の山はなかなか大変なのですが
ここは夏に一度歩いていて状況がわかっていましたし
尾根を忠実に辿れば迷う事は無いし東側斜面なので日もあたる
山頂直下まで樹林帯であり強風に煽られる心配も少ない
滑落するような箇所も無いので頑張りさえすれば大丈夫との判断
正月休みの後に雪が降ったので途中からはトレースが無いだろう
ここはラッセル隊長kaikaireiさんを誘うしかない(笑)
7日夕方
kaiさんにお誘いのメッセージを送るも他の山へ行く予定との事
当初の計画通りkuwaさんと二人で頑張るしかないなと思っていたところ
8日夜になって「気が変わりました、行きましょう!」との返事が
これは心強いです
9日
たくさんの鹿に歓迎を受けながら
夜中に奈良田にてkuwaさんと合流し車中泊
車が揺れる程の強風に翌日からの行程が心配になる
10日
早朝kaikaireiさんも到着し皆で準備
有り難いことに風はほぼ止んでいた
5時30分出発予定が気がつけば7時近くになってしまう
夏に来たときは幕営適地まで5時間30分程
正月に登った方のレコを見ると11時間位掛かっている
今回は10時間位はかかるだろうと思っていた
この時間だと5時か・・・汗
途中からは雪も深くkaiさんのラッセル跡を感謝しながら追う
(これが無かったら幕営地点まで行けなかったでしょう)
1900mを過ぎる頃下の方からkuwaさんの「おーい!」と言う声が
その後「もうテント張っちゃうかな〜!」と
「もうちょいだよ頑張ってね〜」と返事をする
30分位してまた「おーい!」
「どうした〜?」と言っても返事がない
たぶん自分は150m程上を歩いている
戻ろうかどうしようか悩むももう少しで幕営地だと思い登り続ける
とりあえずkaiさんに伝えてから戻ろうかと思っていた
(今思えばここで戻る判断をするべきだったか)
2265mのガレ場で時計を見ると3時
kuwaさんがやや心配になるが戻るも登るもギリギリの時間
自分は幕営地まで行くことにした
3時30分頃幕営地到着
結局9時間程掛かりました
kaiさんの隣にテントを張りようやく落ち着くが右足つま先が痛い
テント内でダウンシューズなどを履いてもジンジンする
手足の末端は弱いのだが今回程のことは今までなかった
コッヘルに湯を沸かし狭いテント内でまさかの足湯(笑)
暫くして痛みも収まったので湯たんぽで暖めつつ
隣のテントのkaiさんと楽しく話しながら夕飯
kuwaさんが気になりつつも8時過ぎに就寝
11日
朝5時頃に起床
kaiさんが「山頂行くけどどうします?」
自分はつま先がやはり不安だったので
「山頂はやめて明るくなったら先に降りるよ」と告げる
6時15分頃にkaiさんが出発
朝飯を食べていると30分位してkuwaさんが空身で到着
「昨日は疲れたから適当な所で幕営したよ」との事
心配無いとは思ってたけどホッとしました
「さてどうする?」と聞かれ下山すると言うと
「じゃあ自分もテント撤収して下山するよ」と先に降りていった
8時40分頃
幕営地を後にし下山
途中でkuwaさんに追いつき一緒に歩いていると
雪が無くなった頃kaiさんが追いついてきた
12時頃
3人揃って無事下山
奈良田の湯に入り飯食いながら
ああだこうだと反省を含め楽しい時間を過ごす
やはり足湯より広い温泉がイイです(笑)
今回は3人の行動がバラバラになってしまったのは失敗です
各自装備を持っているのでなんとかなるとは思うのですが
せっかくグループで登っているのだし
連絡が取れない程離れ過ぎてはいけなかった
今後は気をつけなきゃいけないと感じました
kuwaさん
kaiさん
お疲れ様でした 色々あったけど楽しかったです!
また懲りずにご一緒して下さいな
白根南嶺...。
僕が北岳に初めて行った帰りの車で「北岳・農鳥岳の南だって高い山はあるんだろうなぁ...」程度でまさか自分が登る事になるとは思っていなかった。
当時は100名山・200名山・300名山と言うような格式?が僕の中で大きな意味を持っていたのですから。
一応【黒河内岳】も「山梨百名山」「百高山」には入っているらしいが今の僕はそのような飾りに全く興味が無くなってしまった。
そして、数年前に残雪期の西岳〜戸隠山の縦走を終えた後に気になった尾根「本院岳ダイレクト尾根」を調べても出てくるのは「黒河内岳ダイレクト尾根」ばかり...。
お呼びじゃね〜よ! などと思っていたのですが、まさか今年は自分が「黒河内岳ダイレクト尾根」を調べ登る事になるとは... 先の事なんて分からんものです。
そして、今週の連休は土曜・日曜は山行きの許可が下りたので「南アルプスの鋸岳」の周回を一泊で行くつもりでいましたがtcraft925さんから黒河内岳のお誘いをいただいた。
しかし、この季節で自分の岩稜通過能力の確認と厳しさがどの程度か確かめたかったので一度はお断りしたのですが迷っている僕に嫁に「せっかく誘ってもらったんだから行けば」と言われ、今回のお二人は僕がSHCという会に入るきっかけになった「白根南嶺・笊ヶ岳で遭遇して意気投合」特別な方々ですので行ってみよう!!!という事になり「黒河内岳ダイレクト尾根」に決めました。
五時半に奈良田バス停に集合して、一度登山口への吊橋近くに行きパッキング。
吊橋近くの駐車スペースは車は落石の恐れがあるとの事、もう一度奈良田バス停へと戻る時に犬の散歩をしているオッサンに呼び止められ「登山計画書は?」といきなり言われた
よ〜く見ると「農鳥オヤジ」ではないですか
冬はこんな生活してるのね まだ子供の甲斐犬が可愛かったなぁ
計画書を渡し、少し談笑をしているといつの間にか7時近くになっていました。
吊橋を渡り「笹山」登山口へ。
登り始めは土が出ている部分と雪が解けて凍った部分が混じりとても滑りやすい斜面。
僕はノーアイゼンで行きましたが、ここはアイゼン付けた方が安全でしょう
この尾根は下りが一切なく登り一辺倒のまさに「ダイレクト尾根」。
1300〜1400m辺りからしっかりとした雪が出てきた。
ここからは滑る事は無くなり一安心するとともに斜面もキックステップで軽快に登って行けるようになった。
そして水場への分岐過ぎからトレースは消えて(恐らく正月山行のトレース)自分のトレースを付けられる状態になった。
悪く言えばノートレースでルーファイ・ラッセルを自分でこなさなければならないが、良い見方をすれば、この尾根を自分で見極め(赤テープはしっかり有るので見落とさなければ2500mくらいまではOK、その後は赤テープが雪面の下に隠れてしまっている)ラッセルの訓練になる!!!
1600mの水場分岐から「先にラッセルして2300mの幕営地まで行っていますね!」と言って先行させてもらう。
水場を過ぎて1800m位からツボ足では膝上まで潜る事が多くなったのでパンを一つ食べてワカンを装着。
これでだいぶ楽になり、ノンストップで幕営適地の2300mまで踏み抜きを別にすれば膝下で済んだ。
しかし、標高が上がるにつれて雪が深くなっているのは確かしたので、テントを設営して荷物を突っ込んで直ぐに明日の為にトレースを作りに再び登る。
テン場から100m位登ってテン場に戻るとまだ二人は到着していないようなので水を作りながら待つ。
そしてtcraft925さんが到着。 かなり疲労が溜まっている感じでしたが元気に到着!
しかし kuwaさんが、途中で(2000m地点くらい)テントを張るという事した。
二泊分の装備、食料(豪勢な鍋(笑))を担いで登って来たので疲労が溜まったのでしょう。
夜は隣にテントを張ったtcraft925さんとテント越しに二時間くらい話をしながら就寝。
窪地になっているのでこの場所は影響を受けませんでしたが、風が強い夜でした。
翌朝、5時前に起きてtcraft925さんに「どうします?」と聞くと脚の調子がイマイチだからkuwaさんの所まで下りるとの事でしたので一人で山頂まで行く事にしました。
予想通り雪は更に深くなって時間は掛かりましたが何とか2時間程で【黒河内岳・南峰】に到着。
風が強かったので北峰に行こうか迷いましたがせっかっくなので行く事に。
こちらはしっかりと森林限界を超えていましたが、北岳方向、蝙蝠岳・塩見岳方向もガスが濃くその姿を見る事は出来ませんでした
予報では午後から崩れて荒れるとの事で、北岳の方は既に雪が降っているのが分かりましたので、こちらも時間の問題ですので急いで下山に取りかかる。
テントに到着し直ぐにパッキングして下山。
何とか二人に追いつこうと頑張り、1400mくらいで追いつき二人と一緒に下山し温泉でわいわいと楽しくご飯を食べて本当に楽しいひと時でした
そして山梨から静岡に帰ると、今日はSHC(静岡・変○・クラブ)の新年会で参加。
本当なら下山がもう少し遅くなる予定で2次会から参加の予定でいたのですが早く帰ってきたので一次会から無理やり参加させて頂きました (kennpapa、無理言ってごめんなさい)
新年会は山好きの集まりですので、いろんな山の話題で盛り上がる!!! 特に静岡県は「南アルプス深南部」を抱えている県ですのであの深い山の話しは僕を含め好きな方は多い。
inaminさんのかなりチャレンジングな計画や、ittaさんの積雪期限定ルートのお誘いなど興味深い話も多かった
また今年も何かとお世話になると思いますがよろしくお願いします。
そして最後に今回の山行について。
僕は水場から自分の体力にものを言わせひたすらラッセルをして幕営地まで突き進みましたが、後ろにいる二人の事をそれ程考えずにノンストップで登り続けました。
その結果、別々の行動と言うような事になってしまいました。
同じパーティでの山行という以上は見える距離でラッセルをするべきでした。
これは全て僕の勝手な思い込みと安易な行いが起こしたものでしたので反省しなくてはなりません。
コメント
この記録に関連する登山ルート
この場所を通る登山ルートは、まだ登録されていません。
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三連休、なかなかハードでしたね
昨夜は楽しい時間をありがとうございました
雪の上にテントって自分にとっては・・・あ〜恐ろしい
単独登山でのリスク。パーティーでの連携。
どちらも考えなくてはなりませんね。
自分にとっても勉強になる話でした。
ありがとうございます
yamayoさん、こんばんは
今日は仕事が一時間早く終わったのに、帰宅後子供と妖怪ウォッチを笑いながら見てしまいトレーニングをしていないという始末...。
こんな時は自分が嫌になります。
単独とパーティー。
安全なのは圧倒的にパーティーなのですが大人数でも全てにおいて安全と言う訳ではありませんので僕はもう少し慎重に行動するべきでした。
僕はパーティーの間隔が長くなるのは危険な事と言うのを常日頃言っている人間なのにこのような事をしてしまった事は猛省しなければなりません。
仮にこれがラッセルがない道や、二人ならば間違いなく同じペースで行動しましたが、3人という事と、若い自分が道を作らなければ!という事で少し僕の中で意識が変わったのでしょう。
僕はあまり人の入らない雪山でも単独で入る事が多々ありますが、「ここで骨折ったら...」などという事を良く考えます。
その答えは不本意でも慎重な行動をとる事でしか解決できないと思っています。
フリークライミングからアルパイン・登山と推移していったのは「頂上に立つ」という事が何よりも僕にとって幸せな瞬間でしたので、特にコメントはしていませんが、ピークに到達出来ない時は叫びたいほど悔しくて自分の力量、天候に頭にきているというのが本心です。
しかし、それを含めて登山ですし、すべてが自分の思うようにはならない事が登山と言うスポーツにのめり込む要因なのでしょうか...。
この先も好奇心と葛藤の連続を楽しみなら登りたいと思います。
お疲れさまでした。
この時期のダイレクト尾根行ったことがなかったのでとても興味深かったです。自分は残雪期に北峰あたりで幕営しましたが、あの360度の光景には感動を覚えました。
このルートは急登でこの時期のラッセルは大変だったのではありませんか。
パーティーでの行動は難しいですね。経験も体力もその日のコンディションもバラバラでしょうから。
自分も最近いろんな方とパーティーを組ませていただいていますが、お互いに気遣いあったり、気をもませているような気がしますが、そこは山を愛する仲間なので大丈夫だと信じてます(笑)。
ただ、体力差、ボッカ力の差はCLがうまくコントロールできるのが理想ですよね。なかなか難しいですけれど。
全然関係ない話ですが、このダイレクト尾根のレコでtailさんとも仲良くなりました。自分にとって、このルートは山好きの方との縁をもたらしてくれるルートの様です。
ところで、単独北岳行かれますか?kaiさんの体力なら余裕でしょうね
metaさん、こんばんは
行く前にmetaさんと、tailさんの記録はもちろんチェックしていきましたし、この山に登ろうと思った要因でもありました
山頂でテントが張れる天候で朝日を迎える事が出来たら凄い展望なんだろうと容易に想像できました
ラッセルですが、正月に登られた方がいらっしゃいますのでノートレースながら、その方と同じコースを歩けば膝下で止まるのですが外すと腿まで埋まりますので、楽をする為のコース取りが自分の中では楽しいゲームのような感覚でした(笑)
metaさんのような経験豊かな方でしたら僕のようなミスはしないのだろうと帰宅後に考えました...。
でも、信頼できる方々との山行は楽しみはもちろん苦しみも良い思い出になるものですので、今後はもう少し経験を積みながらまたご一緒出来たら...と考えています
単独北岳>来年の正月か、今年のGW付近で行こうと狙っています。
僕のような「にわか」は正月に計画していた「聖岳東尾根」など厳しい登山になる事が分かっている場合、少し自分の中で迷いや躊躇が出るのですが、経験豊かなmetaさんはそのような気持ちは全くありませんか?
体力的には問題ないと思っていますが僕は支点の取り方やロープワークなどまだまだ未熟ですのでこの先も勉強する事ばかりです。
レベルこそ違えど、同じような山行を好む方ですので今後も参考にさせてもらいますね
kaikaireiさん、tcraft925さん kuwa75さん、お疲れ様でした
kaikaireiさんのレコはちょくちょく拝見していましたが、流石ですね!
このダイレクト尾根をこの時期に登るなんて 化け物?ですか
自分が登った時は梅雨明けでしたが風雨で全く展望もなくしょうもない山行でしたが・・・
それなりに展望も多少あったようですし、本当にお疲れ様でした
またSHCでご一緒できるとうれしいです
daishohさん、こんばんは
SHCにご入会されたという事を先日の新年会で伺い「あ〜、あの方が... 」とみんなが驚いていましたよ。
そして偶然にも昨日「鳶ノ巣山」の記録を探していてdaishohさんの記録を拝見していました
あまり「○名山」とかいうのは興味ないのですが、地元静岡の百山くらいは登っておきたいなぁ〜なんて考えるこの頃です
今回の笹山ですが、幸運な事に膝上のラッセルは少なくワカンで標準コースタイムくらいで歩く事が出来ました
この雪の状況って行ってみないと分からないのですが、今回の場合に限って言えば日帰りも可能だったと思います。
では、今度の飲み会でお会いできるのを楽しみにしていますね
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