3週続けて飯豊通い 飯豊本山へ(大日杉からの往復)(山形県小国町 飯豊町 福島県喜多方市 新潟県阿賀町)
- GPS
- 09:21
- 距離
- 25.9km
- 登り
- 2,449m
- 下り
- 2,450m
コースタイム
- 山行
- 8:45
- 休憩
- 1:39
- 合計
- 10:24
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
大日杉小屋はナビの検索で上がってこない場合があります。もし検索できないようなら、近隣の「岳谷つりぼり」(たけやつりぼり)で検索してみてください。岳谷つりぼりの脇に大日杉小屋へ至る林道と「飯豊山登山口」の道しるべがあります。林道へ入ると5kmほどで駐車場です。すれ違いに苦労するくらいの狭い道なので、ゆっくり進んでください。 道路は全区間舗装されていますが、若干ボコボコしているところもあります。駐車場は砂利。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
『山と高原地図 飯豊山』によりますと、大日杉〜切合小屋〜飯豊山頂のコースタイムは上り9時間45分、下り7時間5分です。全区間登山道は明瞭、滑落するような危険な場所はほとんどありません。ただしそれなりの長丁場かつ累積標高も2000mを超えてきますので、ある程度の登山経験としっかりとした体力が必要な山域といえます。 大日杉からのコースですが今回歩いてみて、あくまでも個人的にですが「あれれ?このコース意外とタフだぞ」という印象を持ちました。おそらく御沢野営場からのコースより大変です(大日杉コースは歩き慣れてないということもありますが)。累積標高は大日杉の方が250mくらい多いですし、距離もわずかに長いです。初めて飯豊本山に登るという方には、御沢野営場からをおすすめします。2回目以降に大日杉をチョイスするのがよいのではないかと。 【大日杉小屋〜地蔵岳】 大日杉小屋からスタートし、杉林の中を登っていきます。20分ほど上るとザンゲ坂。ここは上りではどうということはありませんが、下りは滑りやすいのでクサリでバランスを取ったり、必要があれば三点確保でじっくり下りてください。ザンゲ坂をすぎればあとは地蔵岳までひたすら樹林帯の上りです。そこそこな急登。一定のペースを守って進みます。今日は「長之助清水」は確認せず。 【地蔵岳〜御坪〜切合小屋】 地蔵岳から先は尾根歩きとなります。ですが尾根の最上部ではなくわずかに東側に道がつけられており、トラバースするような感じで進んでいきます。朝は直射日光を受けますので暑かったです。また細かくアップダウンあり、かなり長いので体力を削がれます。 ダケカンバが美しい御坪を過ぎると御沢分れ。ここは残雪期に直接切合小屋にアクセスできるルートがあるようなのですが、無雪期は種蒔山方面へ進みます。ここで小さい沢の渡渉があり、水を得ることができます(通称:素敵な水場)。切合小屋の水はぬるいことが多いので、こちらでなるべくたくさん水を汲んでおいた方がよいでしょう。 もうすぐ切合種蒔山分かれという地点、ここには例年7月半ばくらいまで雪渓が残っていて、雪が消えるまでは非常に危険なトラバースの道となります(雪渓を通過する場合はアイゼンピッケル必携)。雪装備がないときは雪渓を無理に渡るのではなく、雪渓の脇を最上部まで巻くと三国岳からのコースと合流するので安全に通ることができます。なお今日の時点でこのコースの雪はすべて消えていました。ここを過ぎれば切合小屋はもう間もなくです。 このコースの核心部は帰りの地蔵岳。長い長い尾根を歩いても歩いても地蔵岳がなかなか近づかず、やっと取りついたと思ってもニセピークが続いてかなりうんざりしました。「飯豊本山ピストンなんて余裕っしょ」なんて楽観してましたが、ここで一杯一杯になっちゃいました。いやー、苦しかった。だいぶきついポイントなのでゆっくり余裕を持って進むようにしてください。 地蔵清水は融雪水なので盛夏以降には枯れます。目洗い清水は今日確認しましたが水の流れはあるもののどこから出ているのか定かではなく、まったくアテにできません。切合小屋、あるいは種蒔山の沢(通称:素敵な水場)など、水は他の信頼できる水場でしっかり汲んでおくことをおすすめします。 【切合小屋〜草履塚〜御前坂〜飯豊本山】 切合小屋からしばらく進んだところにある草履塚ピーク。ここは7月中は切合小屋側で雪渓が残りますが、この日の時点で登山道上に雪は皆無でした。雪渓が残っていても斜度は大したことないので6月以降なら雪装備不要です(5月以前はどうだかはわかりません)。雪道に慣れない人はお守り代わりに軽アイゼンかチェーンスパイクあっても。 草履塚から下り姥権現を過ぎて御秘所(おひそ)の岩場、ここは両側が切り立った断崖ですが、手がかり足がかりが非常に多いので、それほど難所でもありません。ちょっと注意するくらいで十分でしょう。 御秘所を過ぎればあとは御前坂(おまえさか)。これが飯豊山登山の最難関です。疲れきった最終盤に訪れる高低差300mの急登。苦戦する登山者は多いです。もし飯豊本山ピストンなら、御前坂の下に貴重品と飲料以外をデポして荷物を軽くすることも一考。またこの御前坂は浮き石が多く、下りもなかなか気が抜けません。慎重に下ってください。 御前坂を上りきって一の王子を通過し、本山小屋に到達すればあとはウイニングロード。傾斜の緩い稜線を15分ほど歩けば飯豊本山山頂です。心ゆくまで飯豊の絶景を堪能なさってください。なお飯豊本山で折り返して登山口へ戻る場合、下山といっても上り返しのある長丁場の道のりとなります。じっくり体勢を整えて下山へ進むようにしましょう。 |
その他周辺情報 | 飯豊山登山口 大日杉小屋(だいにちすぎ ごや) https://www.town.iide.yamagata.jp/012/dainichisugikoya.html 日本百名山のひとつ飯豊山。その登山口には大日杉登山小屋があります。 この登山小屋は、年間を通して屋外トイレとピロティーを登山者に開放しています。さらに、管理人が滞在するときは、電気やシャワー(有料)などを使うことができます。山好きなら一度は憧れる百名山登山。もう登った方もこれから登る方も、山好きが集う大日杉登山小屋をご利用ください。 【利用料金】 登山小屋を利用する際は、管理人在・不在に係わらず利用料金をお支払いください。なお、食事の提供はしておりません。 ・宿泊(素泊まり) 大人(16歳以上)2,000円、子ども1,000円 ・休憩 4時間以上500円、4時間以下250円 大日杉小屋、駐車場周辺は携帯電話の電波が皆無でした(ドコモ)。繋がらないと考えておいた方がよいです。 |
写真
感想
先々週は大日岳、先週は朳差岳。それらに続いて今週は飯豊本山(2105m)に行ってまいりました。3週連続の飯豊連峰詣りでございます。いやー、なんだかんだいっても飯豊は近いし空いてるしで良いんですよ。気が向いたらフラッと出かけられる範囲ですし、駐車場の心配もほとんどないですから。
とはいえ今回はちょっとひねって、山形県飯豊町の大日杉小屋からのルートをチョイスしてみました。ここは5年前に一度歩いたきりなので、久々に使ってみようかと。ちなみにそのときは御西岳避難小屋泊まりで大日岳まで行ったのですが、地蔵岳からの長大な尾根でバテバテになるわ両足が吊るわでものすごく苦しい登山になったことを憶えています。
前日夜に駐車場に到着し朝4時起床。まだ暗い中、ヘッデンなしで月明かりをたよりにスタートします。ザンゲ坂を登りきった辺りで東の空が明るくなりはじめ、その後樹林帯を上りながらの御来光。うーん、これヘッデン点けて3時くらいに登り始めてたら地蔵岳でモルゲンロートに染まる飯豊本山を拝めたかもしれないな〜。
地蔵岳に到着し、ここから切合小屋へ向けての長い尾根歩き。ここのアップダウンは体力削がれます。私は御沢野営場から登るときの三国岳〜切合小屋の稜線が苦手なのですが、それがさらに長くなってる感じなのできついポイント。それでもまだバテるには早いのでそれなりのペースで進み、「素敵な水場」で水を補給しつつ切合小屋に到着。大日杉小屋からのルートだと御沢野営場からに比べて所要時間を多少短縮できるのでは?と考えたのですが、3時間30分。うーん、ほとんど変わりないか。いや、時間は同じですが大日杉コースの方がきつい。アップダウンの尾根歩きが長い分、累積標高が嵩んでしまいます。
切合小屋でひと息入れてリスタート。今回も先々週と同様「早め(9時まで)に飯豊山頂に到着したらあわよくば大日岳」という考えをちょっとだけ持っていたのですが、歩いているうちにだんだんと面倒くさくなり、大日岳へ行かない理由を探しながら進んでいました。そして切合小屋で目にしたのは雲にすっかり覆われた大日岳の姿。「うん、これは大日岳まで行く必要はないな」とあっさり断念。実はこれでだいぶ安心しました。日帰りで大日岳まで足を伸ばすのがデフォルトになったら今後がきつくなっちゃうwww
草履塚のピークを越えて、姥権現、御秘所の岩場、御前坂と次々と進んでいきます。このあたりは高山植物が豊富でお花畑が広がっております。もう早々と下山してくるトレランの方々がいるんですが、この人たちはいつ頃スタートしてどれくらいで山頂まで行くんやろか?御前坂を上って、一ノ王子、本山小屋を通過。山頂への稜線までたどり着くと、げっ、ガスガスだ……。ダイグラ尾根や北股岳の方向は多少景色があるのですが、御西岳や大日岳方面はまったく展望なし。うーん、まあ仕方ない。登山やってりゃよくあることだ。そして飯豊本山山頂(2105.1m)に到着。ここんとこ安定して4時間台で登れるようになってきました。だいぶ速くなった。最初の頃は日帰り装備でも7時間近くかかってたもんなあ。
山頂でボケーッとしたり、登山者のみなさんと情報交換したりして1時間あまりを過ごし下山を開始。大日岳をやめたので時間も体力も余裕ありますから、帰りは道草食いながらいきましょう。本山小屋の水場で冷たくて美味しい水を補給したり、お花を撮影したり、草履塚から大日岳方面を眺めたり、比較的のんびりと進みました。
切合小屋から先は地蔵岳へつづく尾根に乗ります。史跡「飯豊山の穴堰」を見学し、「目洗い清水」を視察したり、道草食いまくり。それにしてもこの尾根は長いうえに細かいアップダウンがあって気力体力削られます。下山中にスライドしたお父さんなんか「生ける屍」みたいな顔になってたもんなあ。私も5年前にここでとっても苦しい登山をしているので事情はよーくわかります。
長い尾根を歩いて歩いてなかなか近づかなかった地蔵岳もようやく取りつくところまできました。ですがここでも再三にわたってニセピークに騙されます。かなり一杯一杯になっちゃいました。御沢野営場からだと「飯豊本山日帰りなんて余裕余裕」という感じなのですが、大日杉コースだとこの地蔵岳への上り返しはかなりきつかった。もう完全に余力無かったですもん。歩き慣れてればまた違うのかもしれませんが。
地蔵岳でひと息入れ、本日最後の飯豊本山の姿を拝んで樹林帯の下りを開始。下り一辺倒だとかなり楽。軽快に駆け下り、ザンゲ坂は滑りやすいので慎重に通過して大日杉小屋に無事下山です。汗だくになったので着の身着のまま沢で水浴び。そして関川村の道の駅併設温泉でお風呂に入って帰りました。15時頃にかなりのスコールがあったのですが山の上は大丈夫だったのかなあ?私は良いタイミングで下山できたけど……。
今回5年ぶりに大日杉からのコースを歩いてみましたが、思いの外タフなコースという印象を持ちました。地蔵岳〜切合小屋のアップダウンが長くてきつい。特に帰りの地蔵岳はかなりの難所となります。これしばらくはこのコース使わないでおくかな……。飯豊連峰内でも自宅からいちばん遠い登山口ですし。
あっ、そうそう。ついにダイグラ尾根の吊り橋が通れるようになったそうですね。今期アタックできるかな!?挑戦するとしたら周到に準備しないといけないな〜。
距離もさる事ながら行動力に圧倒されます。
登山後の水浴び儀式(^^)
病み付きになりますね(笑)
飯豊は冬が訪れるのも早いですから、登れるときになるべく登っておこうと通いつめております。水浴びは気持ちいいんですが、着替えがネックなんですよね。人目がなければいいんですが……。
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