水晶岳〜赤牛岳〜五色ヶ原〜薬師岳(雲ノ平⇒高天原温泉⇒雲⇒読売⇒奥黒部⇒五色⇒薬師 周回 折立 IN/OUT)
- GPS
- 45:30
- 距離
- 78.4km
- 登り
- 6,461m
- 下り
- 6,449m
コースタイム
- 山行
- 6:58
- 休憩
- 0:39
- 合計
- 7:37
- 山行
- 7:15
- 休憩
- 1:58
- 合計
- 9:13
- 山行
- 8:07
- 休憩
- 1:42
- 合計
- 9:49
- 山行
- 5:19
- 休憩
- 3:33
- 合計
- 8:52
- 山行
- 9:14
- 休憩
- 0:42
- 合計
- 9:56
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2023年08月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
|
写真
感想
昨年、天気に阻まれたコース。そして怪我をして踏んだり蹴ったり。
今回、1年ぶりに再チャレンジ。今回は少し計画を変え、折立を周回の起点にして挑む。
■Day1: 折立〜薬師沢〜雲ノ平
4:00 有峰林道ゲート前に並ぶ。ゲート横に駐車スペースとトイレがある。(助かります)
ゲートオープンの6:00まで、車列を作って待機。待ち行列は8番目。
5:50 ゲートオープンの予鈴が鳴り、あたりが次第に慌しくなる。
6:00 通行料2000円を支払ってGO!
折立キャンプ場駐車場はほとんど空いていない。前日入りの人でほぼ埋まるのだろう。ここが埋まると300m先の臨時駐車場となるので、かろうじて駐車できてラッキー^^
プーさんの気配はない。出てこられるのは怖いけど、怖いもの見たさもあるんだけど、、、
登りだして500mほど登ると目の前に太郎の稜線、遠方に劔が見える。雲が多く、午後からの天候悪化が不安だ。
それにしても、折立からの登山道は、早くから高地の稜線を眺めることができ、気持ちは盛り上がってくる。が、ゆるく延々と続く階段を一歩一歩詰めていく行為は修行だ、、、
太郎平小屋到着。試しにスマホの機内モードをOFFにしてみたら、いきなり仕事の電話!誰?見てたの??
で、そこから、連チャンで電話が2本。で、決裁処理、、、
太郎平小屋は、Softbankの電波は良好なようです。^^
気を取り直して、太郎平から薬師沢へ下る。せっかく上げた標高分だけ下って、また雲ノ平まで登り返す。これはつらいのだが、時折ひんやりとした風が吹き抜ける。自然の冷房。ありがたい。
途中で雨が降り始めた。雨はレインを着るほどでもないが、ザックカバーを付けなければと空を見上げた。
そして、迂闊にも不用意に足を踏み出してしまったその時!木道から足を踏み外し、突っ伏すように転倒。さらに重いザックが覆い被さってくるためリカバリ姿勢が取れない、、、幸先が悪い、、、こんな転倒の仕方は初めてだ。
これから続くロング山行に気持ちが昂っているのだろう。同じことを稜線の登山道でやっていたら命を失ってしまう、、、気を付けよう。
薬師沢小屋に到着。立ち寄る登山者で賑わっている。小屋は谷合の狭小スペースに建っているのでゆっくり腰を落ち着ける場所は余っていない。仕方なく美味しい水を補給してすぐに出発。薬師沢小屋の特徴、赤い吊り橋を渡り、大東新道分岐への梯子を下る。雲ノ平のテーブルトップまで急登はここから始まる。
雲ノ平に続く登山道は苔を纏った丸岩がゴロゴロしており滑りやすい。思うように進まない中、ようやくテーブルトップに到着。その頃には雨もあがり、雲は多いが隙間から青空も顔を覗かせている。
木道を進んでいくと特徴的な雲ノ平山荘が見えてきた。山荘とテント場の間の小高い丘に立つと薬師岳、黒部五郎岳、三俣蓮華岳、祖父岳、水晶岳が見渡せる。
綺麗だ。
テント場の水場は渇水状態。ペットボトル満水に約10秒。これだけあれば安心だが、、、
テントを張り、日暮れまで黒部五郎岳を眺め、就寝。
夜中、時折吹きつける強風がテントを揺らしていた。雨も少しだけぱらついていた。
近くでペグを打ちつける音が響いている。「ペグ打ちはテント設営の基本だよ。」と呟きながら再び眠りの底へ、、、
■Day2: 雲ノ平〜高天原〜雲ノ平
今日は雲ノ平に留まり、周辺散策と温泉を満喫する日だ。6日山行なのでたまにはのんびりする日があってもよいと思う^^
朝起きて、温泉入浴の準備と水だけを持って祖母岳に登る。祖母岳から朝焼けの北アルプスパノラマを満喫。
5:55雲ノ平山荘前から東の空を見上げると、大きく険しい山容の水晶岳が逆光でより輪郭が際立って見える。そしてその頂点に太陽が眩しく光り、ダイヤモンド水晶岳になっている。綺麗だ。
朝日を浴びながら高天原温泉へ向かう。小高い丘陵にアンテナらしきものを発見。携帯電話の基地局か?帰りにチェックだ。
「今日は温泉に入るだけ」と言いつつ、温泉までは片道3時間www
常人からすると、「登山じゃん!」なのだが、「ちょっと遠いけど、軽いお散歩♪」と思ってしまうあたり、どうやら頭がおかしくなっているようだwww
高天原温泉「からまつの湯」に入る前に、その先の竜晶池へ向かう。竜晶池は風もなく、草木のざわめく音もない。無音。静かに池を眺める。
こういう時、腰を据えてコーヒーでもゆっくり、、、だが、コーヒーを沸かすのは煩わしい。朝沸かしてボトルに入れて運ぶ。これをやってみるか^ ^
温泉場まで戻り、白濁の温泉でゆっくり疲れを癒す。
今日は時間に追われることもないのでひたすらのんびりと時間を贅沢に使おうと、
男湯露天、野湯を満喫^^
温泉を出た後は高天原山荘に戻り、缶ビールでのどを潤す。
高天原温泉あたりの景色は、水晶岳と薬師岳に囲まれていて湿地帯とブナ林が広がり、日本らしからぬ風景だ。大好きな景色がまた一つ増えた^^
雲ノ平に戻る3時間の登山。なるべく汗をかかないようにゆっくり。ゆっくり。
そして朝に見つけたアンテナ傍でスマホの電波受信をオン。Softbankの基地局だったのか!?アンテナ4本。ここで、天気チェックと安否報告を実施。
天気予報の確認結果、台風は逸れそうだが、15日正午から大きく崩れる予報。
悩んだ結果、14日の黒部五郎小屋テント場予約をキャンセルし、ルート変更と共に日程を短縮し14日に下山することを決定。
お昼ご飯は雲ノ平山荘で台湾風チキンライス(大)を頂く。建物の中でテーブルとイス。どんぶりに盛られた温かいご飯とチキン。贅沢だ。美味い。
食後、水歩荷にチャレンジしようと思ったが運ぶタンクは20L。やめよう。腰を痛めそう^ ^
雲ノ平山荘は水場がないため、天水でまかなっている。そして、水不足の今年は、テント場から有志による水歩荷によって補充をしているようだ。
満水でなくても良いらしいが、満水でない場合、横揺れが激しくなり危ないらしい。
テント場の水場は昨日よりもかなり水量が減っている。ペットボトル満水に約30秒。日を追うごとに急激に細っている。心配だ。
夜中に起きて空を見上げるとまさに満天の星空。これを撮影できるカメラと腕前がないのが残念。
明日は、いよいよ読売新道。さぁ寝るぞ。
■Day3: 雲ノ平〜水晶岳〜赤牛岳〜読売新道
朝の水場はポタポタ状態。恐らく今日にも枯れるのだろう、、、
今日はテントを撤収し、奥黒部へ向かう。まずは祖父岳へ。
祖父岳はこのエリアで屈指の絶景がみられるスポット。周りを黒部五郎岳、鷲羽岳、水晶岳、薬師岳に囲まれ(包まれ)、遠くに剱岳、立山、槍ヶ岳、穂高岳、笠ヶ岳が見える。素晴らしい絶景だ。
祖父岳手前ではタケさん(昨年、常念岳〜蝶ヶ岳でお会いしたYAMAPユーザーさん)と遭遇し、沢山話をし、元気をもらった。
今日は良い一日になりそうだ^^
祖父岳を後にし、涼しい早朝のうちに先を急ぎ水晶岳を目指す。
水晶岳からの景色も綺麗。前回来た時はガスが酷くて眺望はなく、岩場の高度感も感じられなかったが、今回は良かった。でも、高度感はさほどでもない。
水晶岳から鷲羽へ続く稜線や雲ノ平を見下ろし、裏銀座の稜線をじっくりと眺め、これから進む赤牛岳を眺める。
赤牛岳までの稜線に日影はない。覚悟して進む。
本当に日影がない、、、それでも岩の影を探してむりやり体を押し込んで2回ほど休息。これは苦行だぞ、、、
赤牛岳が近づいてきた。そして赤牛岳の全景を赤牛の身体に見立てながら「背中?、腰骨?、肩甲骨?」など想像しながら歩く。
山頂でしばし休憩。但し、日影はない、、、
下山直下はザレ場が続くので慎重に進む。
途中の岩場エリア。疲労からか注意散漫になり足の置き場を誤る。そして、転倒。膝と両手指に擦り傷。しまった!と思った瞬間にザックが上半身にのしかかり、またしてもリカバリ姿勢がうまく取れない。
今回山行2度目の大きなミス、、、反省。
2500mまでさがると、次第に樹林帯へ。黙々と下る。
2000mあたりからはアスレチック状態。木の根っこに翻弄されながら、上ったり下ったり。
読売新道(奥黒部〜赤牛岳)は1500m近くの標高差を一気に上げる難所だと思っていたので「ここを通るなら下りで」と決めていたが、下りもなかなかしんどい。
奥黒部ヒュッテに到着し、テントを張って一休み。
ここは、お風呂もある。ありがたい。順番待ちの列に並び短い時間で二人ずつ順番に汗を流す。ゆっくり湯船につかって、、、なんて余裕はない。
それでもありがたいし、とても気持ちがよい。お風呂上りは小屋前で山談義。知らない方々と山のいろんな情報を交換し夜が耽っていく。楽しすぎてビールロング缶を3本。今夜はよく眠れそうだ^^
明日、平の渡船は1便が6:20。2便が10:20。いずれも微妙だが3時起き4時出発はちとしんどい。
ということで2便で渡ることに。
■Day4: 奥黒部〜五色ヶ原
朝ぼらけの中起床。テント泊者の多くは1便を目指して早朝出発したようだ。残っているテントは4張ほど。山行中の朝でこんなにのんびりするのは初めてだ。
沢沿いのテント場なので、朝露でテントはしっとり。そして羽虫が大量に付着、、、
幸い、10:20の便で、8:00までに出発すれば良いので、時間的余裕は十分。
羽虫を取り除き、フライシートを裏表綺麗に拭き、軽く乾燥。それでも時間を持て余す。
で、事件発生、、、ちょっとのんびり川を眺めようかと川に向かったところ、、、
蜂の攻撃に遭う。左足膝あたりに蜂アタック‼️
すぐさま逃げ帰って状況を整理。
蜂?アブ?ん?ウエストにしっかりくびれがあったし、ハチだ。黒に白い線。
(あとで画像で確認したところ、クロスズメバチと思われる。)
刺されたわけではないのか?その後ピリピリはするものの腫れはわずか。
アームカバー、グローブ、レッグカバーはしっかり太ももまで伸ばし、手拭いをほっかむりにし、万全装備で通過。
しかし!またも蜂アタック!今度は右足ふくらはぎ。レッグカバーの上からでも容赦なし!
あとで聞いたのだが、丸太橋の付近に蜂の巣があったらしい、、、
渡渉ポイントに来ると蜂が気になり、ビクビクしながら、平の渡場へと進む。
奥黒部から平の渡船着場までは、細い廊下を歩いていく。途中は梯子、丸太橋が連続する。まるで下の廊下(?知らんけど。行ったことないけどwww)。
これまで2回転んでいるので、慎重に慎重に進む。
平の渡船着場に到着。ゆっくり歩いたのだが、それでも100分で到着。船着場でぼぉっと2時間。
まぁ、こんなのんびりした時間も悪くない。
龍王岳が美しい。湖面に映る緑や青空も美しい。素敵な時間。ここもコーヒータイムだったなぁ。
結局、渡船待ちは20名。2便に分けて運んでくれるようだ。
渡船は10名乗船できた。(もう少し乗れそうだ)
乗船時間は約5分。到着したら半強制的に平の小屋まで直登www
平の小屋でネクター350mlをがぶ飲み。そして、五色ヶ原に向けてGO!
立山から五色ヶ原を通り船窪に繋がる道は、その昔佐々成政が通った道として有名らしい。厳冬期に越えた。とか、徳川家康の待つ浜松城に援軍に行ったとか。色々逸話はあるらしい。
そして、その登山道が黒部ダム建設により湖底に沈んだことで、以降、関西電力が拠出して、渡船を維持しているとのことだ。
1400mから五色ヶ原2450mまでの登り、下部は樹林帯だが気温も高く、暑い。上部は低木樹林帯となり、日陰が少なく暑い。
五色ヶ原の景色は、個人的には雲ノ平より好きだ。テント場から広い平原が見渡せる。
五色ヶ原テント場の水場は枯れている。片道20分の木道登りを経て、山荘で水を分けてもらう。
■Day5: 五色ヶ原〜薬師岳〜薬師峠
日の出前に行動開始。朝日を浴びて浮かび上がる劔・立山が美しい。
鷲山近くで雷鳥の鳴き声。耳を澄まして声のする方をじっと眺めていると、、、いた。でも距離がちょっと遠い。その瞬間、雷鳥さんが飛んだ。
ムービー撮影しておけば良かった、、、
薬師へ向かう道は思いのほかUP/DOWNが大きく、急下りが多いことも体力が削られる要因と思われる。
スゴ乗越と越中沢岳の間で山友とすれ違い。山行計画からすれ違うことは分かっていたが、こうやって途中で仲間と会えると元気が注入されてありがたい^ ^
それにしても五色ヶ原からスゴ乗越小屋までのアップダウンは、なかなかに手強い。
スゴ乗越小屋で手拭いを購入^ ^
ここまでで、標準タイムを予定通り30分ほど短縮できた。
スゴ乗越でTJAR戦士の中野選手に遭遇。太ももとふくらはぎの筋肉量がすごいなあ。と感心。
小屋を先に出たので、中野選手があとから追いかける格好に。後ろを気にしながらペースアップ。中野選手の姿を捉える。どこまで粘れるか、勝手に競走開始。あえなく間山手前で追い抜かれる。
そこから先は、、、登り坂を懸命に登り、見上げると中野選手は遥か彼方。間山のピークでは、中野選手はさらに先のピークへ。
そりゃそうだwww
それにしても、スゴ乗越から薬師岳までの標準タイム設定は厳しすぎないか?
いつもと同じペースで歩いても全然タイムが縮まらない。
岩場エリアでは縮まるどころかどんどん遅れる。
北薬師岳から薬師岳までの間が30分!?無理やで〜
北薬師岳の手前で、恐らく目に障害を持たれていると思しき方に出会った。
前後に登山ガイド各1名、伴走者のザックに取り付けられた短いロープを握りながら空身で登っている。伴走者は一歩ずつ足の上げ具合、角度をガイドしている「右12時」といった感じ。
山登りとはなんだ?絶景を眺めること、達成感、、、人それぞれが持つ思い。
はっきりとした何かを感じたわけではないが、ぐっと考える一つのきっかけにはなった。答えはないが。
薬師岳登頂.そこには待ち合わせしていた山友が。予定よりも1時間遅れたが、待っていてくれた。
終わった〜!達成感に満たされた^ ^
「遠足は帰宅するまでが遠足です。」
「登山は下山するまでが登山です。」
でも、いいんだ〜。薬師岳山頂で今回のロング山行は一つの区切りがついた感じ。
あとは、薬師峠テント場まで、ビール!コーラ!の掛け声で下山。
テント場で山友からのプレゼント。みかんゼリー!!!
最高の美味しさ。
山行中のあんなこと、こんなことを話しながらご飯を食べ、コーヒーを飲み、楽しい時間を過ごす。
夕方、雨が降ってきた。
明日は黒部五郎岳ピストンの予定だが、天候、体力、下山時刻を考え、そのまま折立駐車場に下山することに。
■Day6: 薬師峠〜太郎山〜折立
最終日は、テント場でゆっくりして太郎山に散歩をして、折立へ下山。
今回の山行は、結果5泊6日78kmの旅となった。
途中、高天原温泉、奥黒部ヒュッテで入浴ができ、程よくゆとりがある山行となった。
雲ノ平テント場で会話した福井県からの3人組さん、たけさん、オクさん、奥黒部ヒュッテで山談義にお付き合い頂いた皆さん、スゴですれ違ったBOSSやん、TJAR戦士の中野さん、薬師山頂で1h待ってくれたこぅくん、素敵な笑顔のとまとさん
最高の山行、ありがとう^^
赤牛岳はいつか行ってみたい山です⛰️
プーさんも怖いけどBEEさんも怖いですね🐝
こんなに好天が続いたのはとてもラッキーでした。
赤牛岳、是非行ってみてください。船窪起点で「表銀座⇒水晶⇒赤牛⇒奥黒部」という周回は、私もやってみたいかな^^
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