剱岳 (別山尾根)
- GPS
- 53:50
- 距離
- 14.6km
- 登り
- 1,670m
- 下り
- 1,660m
コースタイム
13日:雨で停滞
14日:剱澤小屋5:00-5:30剣山荘-5:50一服剱-6:45前剱-8:25剱岳頂上8:55-11:55剱澤小屋12:30-13:15別山乗越-14:10雷鳥沢-15:20室堂
天候 | 12日:快晴 13日:雨 14日:曇り/晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2008年09月の天気図 |
アクセス | |
コース状況/ 危険箇所等 |
・室堂ターミナルに登山ポストがあるらしいが見過ごした。 ・剱澤小屋までは特に危険個所なし。 ・この時期は剱澤小屋〜剣山荘に雪渓の横断はなかった。 ・前剱の登りは足場が悪く急。ゆっくり慎重に。 ・前剱から頂上までは間断なく緊張を強いられる。 ・下りの横ばいとそれに続く梯子がこのルートの最難関と思われる。 |
予約できる山小屋 |
|
写真
感想
2008年の最大の目標だった剱岳登山。
いろんな資料を調べてシミュレーションを繰り返し、それでも「ほんとに登れるだろうか」と迷い続けてこの日を迎えた。
扇沢に車中泊し、室堂に着いた朝は最高の快晴。
雷鳥平を抜け、雷鳥沢の長い登りを耐えて別山乗越の剱御前小屋に着くと、目の前に後立山連峰を背後に従えた剱岳の全容が現れる。
ついに来たぞ、という感じ。
剱澤小屋に着き、雲ひとつない空をバックに剱岳の姿を暫く眺めているとそれだけで幸福感が満ちてくる。
こんな良い天気の日に登って下りてきて、ここでずっと登った山を見ていられると最高だろうな、と思う。
(実際、この日はそんな幸せそうな人が小屋の前にいっぱいいた)
次の日はあいにくの雨。決行する人、諦めて帰る人、様々の中で悩んだが一日小屋で停滞することにした。
この日は結局一日降り止まなかった。
翌朝も曇りがちだったが、予報では晴れてくるとのこと。小屋のオーナーの佐伯さんも「大丈夫」と言うので出発。
足慣らしの一服剱までが終わる頃に朝日が射してきた。目の前に立ちあがる前剱の壁のような登りにちょっと怯む。
一服剱で一緒になったご夫婦について足場の悪い道をゆっくり登る。このお陰で前剱頂上までの疲労はとても少なかった。
いよいよ核心部が始まる。
が、前にも後ろにも人がいて声をかけながら進んだので、細い橋を渡った後のトラバースや、平蔵の頭からの垂直下降も意外と安心して通過。
知らない人同士なのに共通目標があるので、連帯感や達成感の共有が生まれるのが面白い。
カニのタテバイは15分待ちくらいの渋滞。ちょっと腕力に頼った箇所もあったが難なく通過。
少し足に疲労感を感じながらついに頂上に到着。
残念ながらガスが湧き良い展望は得られなかった。30分くらい待ってみたが改善しないので下山開始。
ヨコバイの前でまた渋滞。ここは上下の登山道が合流するところなのでなかなか進まない。
ヨコバイの取り付きに向かって下降していく部分は普通のケースだと相当怖いはず。渋滞しているおかげであまり感じないのかも知れない。
ヨコバイへの取り付き方は沢山の方の山行記を読んで研究したので結構うまくいった。
ただ、ここが別山尾根ルートの最難関であることは間違いない。
ここを過ぎ、平蔵の頭を登り返してケルンのあるテラスまで戻って来るとやっと一息できる。
周りの人達の顔にも安堵の笑みが漏れる。
前剱頂上を巻き、一服剱へ最後の慎重さで一歩一歩下りる。
一服剱に着くとほぼ安心。眼下の剱沢平の景色を眺めながらゆっくり下る。
剱澤小屋に戻り、お昼にうどんを作って貰い、荷物をまとめて帰路につく。
頂上付近のガスの切れない剱岳を見返しながらゆっくりゆっくり別山乗越へ登る。
乗越で室堂の小屋に泊れないか電話をしようとしたが携帯が繋がりにくい。
方針変更して扇沢まで下りてしまうことにする。最終のバスに間に合うように急いで雷鳥沢を下る。
雷鳥平から室堂のターミナルまでは標高差200mの登り。
今日の行動時間は既に8時間以上に達し、この最後の登り返しがとてもキツイ。
観光客がスタスタ歩いて行くのを横目に20メートル登っては休み、を繰り返してやっとのことでターミナルに到着。
何とか扇沢まで戻れる時間のバスに乗ることができた。
剱岳は少年時代に郷里の実家から正面に見えた山。
その頃は登ってみたいと考えたこともなかったが、山を始めていつかはここへ来たいと思うようになった。
完璧の体調、完璧の天候という訳にはいかなかったが、自力でこの山へ登れるレベルになったことは自分では満足しても良いと思っている。
いいねした人
コメントを書く
ヤマレコにユーザー登録いただき、ログインしていただくことによって、コメントが書けるようになります。ヤマレコにユーザ登録する