針ノ木岳 マヤクボ沢
- GPS
- 08:08
- 距離
- 9.5km
- 登り
- 1,382m
- 下り
- 1,371m
コースタイム
- 山行
- 7:30
- 休憩
- 0:00
- 合計
- 7:30
天候 | 晴れ 強風 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
無料もあるが、未明に着いた時には通せんぼされてて入れなかった。下山後みると、入り口があいてて車が止まっていた。 |
写真
装備
個人装備 |
長袖シャツ
長袖インナー
シェル(上下)
タイツ
靴下
グローブ
アウター手袋
予備手袋
マフラーかネックウォーマー
着替え
ブーツ
ザック
ビーコン
スコップ
ゾンデ
地図(地形図)
コンパス
笛
計画書
ヘッドランプ
予備電池
筆記用具
ファーストエイドキット
携帯
時計
サングラス
タオル
ツェルト
ストック
ナイフ
カメラ
ビンディング
スキー板orスノーボード
シールorスノーシュー
アイゼン
ピッケル
ゴーグル
ハーネス(or長めのテープスリング)
シュリンゲ3本
安全環カラビナ1個
下降器
|
---|---|
共同装備 |
GPSロガー(座標表示可)
マップポインタ
8mm30m
|
感想
●遊び場の選択理由
当初、爺ヶ岳南面や白馬栂池からアプローチする金山沢などを候補にしていたが、直近の雨で「爺は雪減ったやろな。金山沢は下部に雪なかったら下降が大変かも。」で、「雪が少なかったとしても比較的楽に降りてこれるであろう場所」ということで針ノ木の雪渓にした。最初からマヤクボ沢を滑ることに決めていたわけではなく、行ってみてよさそうなところからドロップしようと考えていた。
●家⇔取り付き の 行程
・行き
前夜 22:10 西宮市自宅発 → 22:40 mommomを拾う、mommom運転担当 → 中国豊中から高速 → 当日 1:20 中央道恵那峡SAで運転交代 → 長野道安曇野ICから下道 → 4:00 扇沢駅駐車場着
・帰り
14:30頃 扇沢駅駐車場発 → 葛温泉で一風呂浴びる → 15:45 葛温泉発 → お土産購入等 → 17:00 安曇野ICから高速 → 21:40 mommomさん降ろす → 帰宅
●お山メモ
未明4時に扇沢駅駐車場に着き、目覚ましを5時半にセットして車中寝袋で仮眠。目覚ましより先に目が覚めてしまい、朝が始まる。本日は快晴也、否応なしにテンションが上がる。駐車場で山への出発準備をしている人達を見ると、山スキーヤーっぽい人が多い。ボーダーも居る。ボーダーらしき若者男女が戯れているのを見て、オッサン二人組である我が身を嘆きかけるが、なんとか思い留まる。
Suuntoの高度計をエアリアどおりに合わして さぁ出発。ザックを背負うと意外に重く感じ、「こんなんで上まで登れるんやろか?」と不安になる。ザックにつけたボードの下端が歩くと ふくらはぎに当たり、ボードをつけなおす。ついでにアウターを脱ぐ。前には7人前後の登山者チーム。あと、中高年山スキー軍団も何人か居る。ザックのボードを付け直してたとき、中年女性山スキーヤーが「こっちでいいの?」とルートを確認してたのが印象的。失礼ですが、このかた、地図なんか見なさそう。「普通は こっちですよ。」と伝えた。
駐車場から ずっと雪が繋がってて切れることはない。登山者チームが沢のド真ん中で一息入れてたので、カ●ー●●ー●クラブの舎○さんなら声裏返して怒るやろな。」と思うが、「んーー、今は前とは違うのかも。」とも思う。
最初は堰堤を 左右の どっちから越えるかというのがポイントになるが、今回は迷うこともなく選べた。基本は右岸で、一度だけ左岸側から越えた気がするが、この左岸越えは別に左必須というわけではなかった。
高度計標高1710m(午前7:24)から時折 突風が吹き、細かい雪の粒が顔に当たる。数分すると風は一旦止む。
高度計標高1800mあたりから俺のスマホ(IIJ MVNO=Docomo data SIM)は圏外になる。
高度を上げるにつれ風がきつくなってくる。
暑いので上半身はmontbellのジオライン2枚重ね着だけで登る。落石があったらイヤやなと思うが、暑いのでヘルメットも被ってない。
いよいよ風がきつくなってきて、アウターを着たいと思うが、それなりに斜度があるので、安定した場所でと思い、巨大ブロック雪崩?の残骸の巨大角氷みたいなやつの風下側で着替える。ここにはスプリットボード男子が2名先着で居た。平らな場所にザックを置けたのは良かったが、風の通り道になっていて、素手になって100ms後に「お手手がチンチンする♪」状態で、着替えたりするのに往生しまっせ〜♪ mommomはココでアイゼンをつけた。俺はスノーシューのまま。
眼鏡が飛んでいきそうな気がして、それまでは眼鏡+グラサンをしてたが、ヘルメット+眼鏡+ゴーグル に替えた。
「スノーシューとアイゼンの両方を持ってこんでも、どっちかだけで良かったなぁ」と思うが、スノーシューはヒールサポートがあるし、岩が露出している稜線を歩くにはアイゼンのほうがいいし で結果としては どっちも持ってきて良かった。
9時頃、少し、休憩することに決めた。雪が硬くて、調子よく登り過ぎてて、このままのペースで行くと、上に着いた時には上部は雪がカチカチで、緩むのを待たないと板にのって降りてこれない気がしたから。風が よりキツそうな上でジっと待つよりも 標高低めのところで待ったほうがいいな ということで、9:15頃〜10時の間は、ツェルトを被って座っていた。
登り再開。ここからはピッケル片手、ストック片手で登った。間もなく マヤクボ沢と針ノ木峠の二又に着く。先行の山スキーヤー3人は針ノ木峠方面に向かっていて、ツェルトで待ってる間に抜いてったスプリット男子組はマヤクボを登っていた。登山者チームは針ノ木峠には向かわず、針ノ木ピークの やや東南側の岩が露出しているところを目指してるようやった。針ノ木峠のほうが風が弱そうに見えたが、mommomさんが「ワイは猿や、プロゴルファー猿やっ♪」ばりに、「ワイはピークハンターや。針ノ木ピークに行こや。」というので、ピークに行くなら距離が短いのはマヤクボだということで雪煙の渦巻くマヤクボのコル方面を目指す。が、雪煙が上がってないほうを目指していった。
ここまでの雪は あまり沈むこともなかったが、ここからはスノーシューの俺でも時折、脛まで埋まる。吹き溜まってるところが点在している。風は主に針ノ木峠方向から吹いていた。
やがて、ノールを越え、マヤクボのコルや主稜線が見えた。風はきついが下から雪煙を見て想像してたほどには強くなかったし、日射の影響もあり、寒くはなかった。
ここいらで単独のスノーボーダー男子が追いついてきた。
マヤクボのコルに着くと、物凄い強さの風。ココで凧を揚げたら、人間も飛べると思う。
黒部湖の湖面が灰色に見える。ツルギも雄山などの東面の全体像を初めて見た気がする。そういえば、前に来た時は主稜線までは上がらなかったし、そもそも視界が無くて遠くは見えなかったな。写真をとりまくる。
ほんまに風がきつくて飛んでいきそう。
登山者やスプリット男子達がピーク方面からマヤクボのコルに降りてきて、「風がきつくてトラバースのところがいけなくて引き返した」と言っている。
「写真も撮れたし、風もきついし、早々にドロップすっか。」と思っていると、mommomが「ワイはピークハンターや。針ノ木ピークに行こや。」というので確保できるように、ハーネスをつけ、カラビナやシュリンゲをすぐ使えるように用意し、10年前に買ったジオラインのバラクラバを被って、アイゼンを装着し、マヤクボのコルに板などを置いて突風の中の稜線歩きにトライ。
風にとばされそうに感じる場所があり、よつんばいでしがみついて登っていったりしてたが、mommomは どんどん先行していく。呼子を吹いて待ってもらおうとするが、雪が詰まって鳴らない。何度か大声を出してると止まってくれた。そうこうしてしばらく登っていったが、風がきつすぎてピッケルをぶっこんでても 本当に身体ごとピッケルごと とばされそうに感じた場所があり、mommomに「ビレイしてくれないと これ以上いけない」というと、「ビレイしてたら寒いから降りよう」とのことで、SUUNTOは2820m、目視的なピークまでの標高差は15mかなってところで引き返した。ここでトラバース箇所を向こう側から登山者チームが向かってきてたので彼らはピークを踏んでおられると思われる。
マヤクボのコルまで引き返す途中、稜線の左右の絶景を見ながら降りるわけやけど、とばされないように、滑って落ちないようにという思いで一杯で、景色を見てる余裕なんか全く無かった。今まで「稜線から滑落して遭難。」とかニュースで聞いても、「なんで登山道から落ちるんや」との考えが いつも心の隅にあったが、ここにいたって「俺自身が そのVictimになるかも。」と心底そう思った。
マヤクボのコルの板のデポ地点まで帰ってこれて、「はぁ〜〜〜、生きて帰れるー」と一安心。パンをぱくついてからドロップする。
コルから標高差400mぐらいは締まった柔らかい雪で気持ちよかったが、
そのあと、風でたたかれて硬くなった雪と、吹き溜まってやわらかい雪が交互にあらわれて、バックサイドではエッジが抜けてしまい対応に難儀した。エッジ研いどかなくっちゃ♪
標高2250m地点ぐらいからは雪が緩んできて気持ちよくターンできた。絶景の中のターンで ご満悦。デブリをよけるのに苦労するというようなことは無かった。
最後の扇沢までの標高差100m少しというあたりで ひたすら右岸トラバースの区間があり、足がめちゃめちゃ痛なった。
扇沢駅が見えても、トレースは籠川の右岸側のまま。mommomが どこにいくのか分からないスキー跡を辿るのに耐え切れなくなり、比較的降り易いところで石の上を歩いて渡渉したが、実は扇沢総合案内センターの裏手に人工の立派な橋があった。見て確かめてはいいひんけどトレースは そこに繋がってたんやろと思う。
温泉は葛温泉の温宿かじか。
大町駅近くで自家製味噌や白馬大雪渓を買って帰途に着く。
あ、mommomは白馬大雪渓の特別純米と純米吟醸の味の違いを試飲して確かめていた。
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