神室連峰・東稜〜北稜周回(軍沢岳〜神室山〜前神室山、小屋泊)
- GPS
- 13:26
- 距離
- 20.0km
- 登り
- 1,595m
- 下り
- 1,772m
コースタイム
- 山行
- 7:39
- 休憩
- 1:09
- 合計
- 8:48
- 山行
- 3:10
- 休憩
- 1:23
- 合計
- 4:33
天候 | 4月25日(土):晴れ 4月26日(日):快晴 |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年04月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
【到着点】役内口、西の又&パノラマコース登山口への林道入口の鳥居 ※パノラマコース登山口への車の乗り入れについて 鳥居から夏の登山口まで2キロほどありますが、現在のところ、車で行けるのは鳥居から1キロ程度(林道沿いの左側に祠があり、その先、同じく左側を流れる川に堰堤がありますが、おおよそその地点まで。数台程度の駐車スペースあり。)までのようです。相当の悪路ではありますが、夏タイヤでも問題ないかと思います。ただし、その先については、林道に雪が残っていたり、倒木が道を塞いでいるため、車種に関わらず進入できない状況となっています。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
●鬼首道路から軍沢岳へのルートへのアプローチ 「かもしか橋」の宮城側のたもと、宮城側を背にして左側の防鹿柵(フェンス)の一部がたまたま破損している箇所(この先修繕されれば利用不可!?)があり、そこから外に出て側溝沿いに道路の法面をよじ登り、今回辿った尾根に取り付きました。 ●上記から軍沢岳まで おおよそ標高850mまで藪こぎ。その先は山頂まで締まった雪の斜面が続きます。 ●軍沢岳からP1115.4まで 締まった雪の斜面のアップダウンが続きます。さほど危険箇所はありません。少しだけ踏み跡がありました。それにしても、P1115.4から仰ぎ見る神室連峰は圧巻です! ●P1115.4からP1160まで 雪面が続きますが、P951を過ぎた辺りから、痩せ尾根になってきます。途中でアイゼンを装着しました。痩せ尾根の急坂をほぼ直登しなければならないこと、また、厳冬期であれば立っていたであろうナイフリッジが既になくなっている代わりに、尾根を塞ぐ形で密度が濃く深いブッシュがむき出しになっている箇所があり、回り込むにも両側に切れ落ちた急な斜面をトラバースしなければならないなど、我々の技量不足もあるかとは思いますが、ルートファイティングとそれらの通過に相応の苦労を要しました。 ●P1160から神室山まで P1160で根ノ先沢口(十里長峰)からの夏道に合流します。7割方夏道が出ていて比較的安心して歩けました。ただし、小又山分岐の直下の道(ロープがある急登箇所)が崩れかけていること、また、山頂直下にナイフリッジが立っていて、通過に注意を要しました。 ●神室山〜パノラマコース〜役内口 第1ピークから上部ではそこそこ雪が残りますが、だいぶ夏道が出ていました。所々雪庇・雪堤の崩落が始まっているので、注意が必要です。 ◆<補足>軍沢岳から神室山へのルートについて ルート上の融雪の進み具合や雪堤・雪庇の崩落具合等、全体的なコース状況を踏まえれば、今回がギリギリのタイミングであったかと思います。よって、以降のこのルートを使用した山行は個人的にはお勧めできません。やはり、十分な積雪がある時期限定のルートかと思います。 |
写真
感想
神室連峰の東稜〜北稜の一泊二日(神室山避難小屋泊)の周回山行です。
まずはじめに、今回の山行を計画するにあたっては、tooleさんやzappa223さん、yamasoneさんを始め、多くの皆さまのレコやブログを参考にさせていただきました。ついては、無事に踏破できたもの、皆さまの貴重なご経験に基づく有益な情報があったからこそと思います。この場をお借りして感謝申し上げます。ありがとうございました。
<1日目>
好天に恵まれた中、鬼首道路から軍沢岳のピークハントをした後、P1054のジャンクションピークから西へ連なる稜線を進み、神室山・避難小屋に至りました。
行程中は、我々のパーティ以外誰一人ともお会いすることのない、静かな山行となりました。
自分の経験上、これまで神室連峰を東側から眺める機会と言えば、主に虎毛山や高松岳・山伏岳の山頂からのものでしたが、今回踏破した稜線からの眺望は、これまで目にしてきたどんな眺めよりも素晴らしいものに思えました。まだ多くの雪が残る神室山から天狗森、小又山に至る主稜線が徐々に眼前に迫ってくる様は、何とも言い難い迫力で、何度足を止めて見とれてしまったか分かりません。本当に素晴らしいものでした。
しかしながら、絶景を堪能できた一方で、行程の後半はルートの難しさと相まって、不覚にもシャリバテ気味?になり全く足が前にでないような感覚に陥ってしまい、何とか数歩足を進めては膝に手をついて立ち止まってしまう状況で、友人にはかなり迷惑をかけてしまいました。大袈裟かもしれませんが、よもや一人では心が折れてしまいそうになるような状況にあって、友人にはいろいろとフォローしてもらい、本当に心強い存在でした。
山行でこれほどまでにバテたのは初めての経験でしたが、当たり前のことではありますが、行動中の早めの栄養&水分補給の大切さを改めて思い知らされました。無事に下山した後だから言えることではありますが、今回の経験は今更ながら良い勉強になったと思います。
※そういう意味では、今回のコースタイムに関しては、かなりのスローペースであるため、全く参考にはならないかと思います(仮に友人だけであれば、もっと早いタイムになっていたと思います‥。)。
それでも、何とか小屋に到着し、一休みした後は無事に体調も回復。友人と適度に!?酒を酌み交わしながら、夕日や星空、眼下の夜景を堪能しつつ、快適な山小屋での時間をゆったりと、そして楽しく過ごしました。
寒さに関しては、深夜から早朝の外の気温は氷点下を下回っていたと思いますが、持って行った寝袋(モンベルの#3)にダウンを羽織って潜り込み、更に小屋備え付けの毛布をお借りすることができたおかげで、朝まで寒さを感じることなくしっかりと眠ることができました。
<2日目>
前日以上の好天、快晴に恵まれたこの日は、朝4時半前に起床し、神室山頂でご来光を待ちました。栗駒山の右肩から登る朝日と、その朝日を浴びて変わりゆく周辺の山々の表情を堪能した後は、小屋に戻って朝食。
この日は歩き慣れたパノラマコースを下ることにしていたこともあって(当初、帰路はピストンの予定でしたが、状況を踏まえて、歩き慣れたパノラマコースへ変更)、しばし小屋でゆっくりとした後に出発しました。
山頂では、早くも日帰りで登ってきた方にお会いするなど(偶然にも、友人の知り合いの方で、これにもびっくり)、他の登山者の方々がいらしたことにそれとなく安心感を感じながら、所々で絶景に足を止めつつ、スローペースながらも無事下山に至りました。
それにしても、特に初日に辿った神室連峰の東陵からの眺めは本当に素晴らしいものでした。
自分の今の技量的には、条件として多少厳しめのルートではありましたが、また是非辿ってみたい‥心からそう思えるルートです。いろいろとトラブルもありましたが、これを糧にスキルアップに励み、また来期に挑戦してみたいと思います。
神室連峰は、標高こそ高くありませんが、いろんな切り口、楽しみ方があって、懐の深い、本当に良い山域だと改めて実感しました。まだ少しかじりかけたばかりではありますが、その魅力にどっぷりとハマりそうです。
[15.4.28登録]
コメント
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Odentosさん、yoshi03さん、東側からの神室、登頂おめでとうございます
すばらしい写真、そして文章からも感動が伝わってきます
疲れの出てくる後半、ブッシュが出ていて雪が中途半端に残るやせ尾根の急登は大変だったのではと拝察します。
夕景と早朝の写真もいいですね
すばらしいレコ、ありがとうございました
コメントいただき、ありがとうございます。
東稜からの神室連峰の眺め、話には聞いていましたが、これほどまでに素晴らしいものとは思いませんでした
それなりに難儀もしましたが、それを補っても余りある、印象深い山行となりました。
それにしても、行程中、相方の友人は何度もkamadamさんのことを話しておりました(すっかり「師匠」とお呼びしていました )。先日の出会いとその後の偶然がよほど衝撃的だったのだと思います
kamadamさんは、神室連峰に関してもいろんなルートを踏破されているご様子、今後もレコを参考にさせていただきながら、更に素晴らしい山歩きを堪能できればと思います。
私もいつか山(神室で!?)お会いできれば幸いです
Odentos さん、こんにちは。
昼休みに拝見しています。
いゃー・・・良いですね。
地図を見ては・・・いろいろと検討していたコースでした。
やはり、良かったですね。
途中の1115mピークからの眺め・・・何とも言えない感動ですね。
積雪期の神室連峰は夏の姿とはまた違った姿を魅せてくれるようです。
1300m足らずの標高なのに・・・2000mに匹敵する急峻で厳しい峰々が連なり・・・まさに東北のアルプスと言っていいと思いますね。
特に・・・神室、天狗、小又、火打・・・と連なるあの稜線・・・
白い稜線に憧れますね。
写真も綺麗で・・・また感動してしまいました。
肉離れがなければ・・・行っていたかもしれません。
もう一つ検討していたコースは西ノ又から三角石山を経由するコースでした。
それに・・・鳥海山・・・秀麗無比なる秋田の誇りです。
(山頂は山形ですが・・・(涙))
すばらしい山行でしたね。
ご苦労様でした。
いつもコメントいただきありがとうございます。
神室連峰は、これまで西の又とパノラマのルートしか辿ったことがありませんでしたので、また違った表情がとても新鮮で、すっかり感動してしまった次第です
ふるさとの山の魅力、再発見ですね
(といっても、こちらもピークのほとんどが山形県ですが…(泣))
地図を見ていますと、確かに山頂から先、西ノ又分岐から窓くぐりを突っ切って三角石山に至り、西ノ又川の右岸側に沿って鳥居の先の林道に出られそうな気がしますね。
以前kamadamさんが5月に踏破された、西ノ又コースの滝の先の雪渓を詰めるというルートも(残雪の状況にもよりますが)あるようですし、楽しみが広がりますね
お怪我された足の調子をみながら、だとは思いますが、750RSさんのふるさと山行レコ、お待ちしております
Odentos君、この間の食事の際は色々ご馳走様でした。
そしてあの素晴らしいルートの記録を参考にさせて頂いた方々に、この場を借りて私からもお礼申し上げます。ありがとうございました。
p.1115.6から先の薮漕ぎ、急登、急斜面のトラバース、ナイフリッジは今まで経験のない難ルートだったけど、そんな事を忘れさせる位の神室連峰の山々の美しさに魅了された二日間だった気がするなぁ~(^Д^~)
是非来シーズンもあの景色を見に行こうな(^.^/)))~~~
お疲れさまでした
そういえば、小屋での宴!?の写真、一枚も撮っていなかった…
いろいろと深い話もできて、なかなか有意義 な時間でしたね
それから、疲労困憊の状況写真などについては、意図的に排除しておきました
それにしても、今回はいろいろフォローしてもらって、ありがとう!
次は5月、山開き前に、火打〜小又〜天狗森〜本神室の縦走かな
その前に体を鍛えねば
この週末は素晴らしいお天気でしたね。
ちょうど反対側の分水嶺を歩いていて、きっと神室の稜線は絶景だよねと思っていたところでした
秘密のテラスの大展望も楽しまれたようで
写真を拝見してあの日の大パノラマを思い出していました。
それにしても写真27のポイントをよく突破されましたね
あそこが一番の難所だったと思います。
僕もこのコースは秘蔵中の秘蔵でありまして、またそのうち登りたいと思っています。
コメントいただき、ありがとうございます。
今回の山行にあたっては、特に2年前のtooleさんのレコを、隅から隅まで"熟読"の上、参考にさせていただきました
ありがとうございました!
それにしても、本当に素晴らしいルートですね。「秘密のテラス」からの眺望も最高でした
ただ、私の技量不足もあるのですが、なかなか難しいルートでもありました。
なかでもご指摘のとおり、27番目の写真の箇所が最難関でした。山頂に向かって左側の斜面をトラバースして通過しようとしたのですが、滑落の危険を感じたので、途中から無理矢理深いの藪に入り込んだところ、藪の反対側にかろうじて踏めるだけの雪が残っており、何とかそこをつないで突破することができました
当初ピストンの予定でしたが、このポイントを通過後、下りの際の状況も考えて、帰路のルート変更を決めた次第です。
素晴らしい景色に出会えたことはもちろんですが、それ以外にもいろいろと得るものが大きい山行でした。スキルアップに励みつつ、是非また挑戦してみたいと思います
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