白川又川 水晶谷下降 奥剣又谷本谷遡行


- GPS
- --:--
- 距離
- 13.0km
- 登り
- 1,731m
- 下り
- 1,730m
コースタイム
- 山行
- 13:35
- 休憩
- 0:10
- 合計
- 13:45
・コースタイム
5:50 行者還トンネル西口→6:30 奥駆道出合→6:52 弁天の森→7:18 聖宝ノ宿→7:54 水晶谷 谷床 標高1265m→9:19 水晶谷出合(790mh)→10:34 口剣又谷出合(930mh)→11:30 二又(1060mh)→14:22 二又を右へ(1465mh)→16:00 ガレた本谷を詰めるのをヤメて右岸支尾根を目指す(1765mh)→16:20 右岸支尾根(1780mh)→16:50 明星ヶ岳(1890mh)→17:18 八経ヶ岳→17:40 弥山→18:23 聖宝ノ宿→18:44 弁天の森→19:06 奥駆道出合→19:35 行者還トンネル西口
過去天気図(気象庁) | 2008年06月の天気図 |
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アクセス |
写真
感想
https://plus.google.com/photos/117943995291961409408/albums/5212108014766992609
・前夜
30分遅れて21時半にTKMTさんを鶴見橋で拾う。「明日はホンマは癒し渓がイイんすけど。」などと のたまう。「今日、金毘羅山で岩登りして暑ぅてヘトヘト。前から約束で…。」だとか。明日はハードなんは分かってる筈やから、それなら「岩登りで あまり根詰め過ぎない。」か もしくは行き先の相談をしている時に「沢の前日 岩登り行くので、癒し渓にいきたい。」と言っておくべき。遠慮か俺が言い難い雰囲気を醸し出してるのか何か知らんが そのことを出発直後まで言えない というのは…。ま、でも、体力ある人やし、大丈夫やろ。いつものボヤキ 愚痴りモードやと思って聞き流しておこう。
24時過ぎに行者還トンネル西口に着き、テントを張って前夜泊。TKMTさんは「車で寝ます」と言っていたが、テントを張り出すと外に出てきた。
・沢日記
清々しい朝。ハイカーの視線を浴びながら用意を整え、6時前に ようやく出発。ほんまは4時半には発ちたかったけど、まぁええとしょー。
行者還西口トンネルから奥駆道出合までの急登、朝陽の木漏れ日が眩しい。今日は どんな一日になるのか。出合ではハイカーが よぉけ一服してて、俺らの姿を見たせいか何なのか、沢登りの人が遭難した話をしている。TKMTさんはハイペースや。マイペースで登っとったら、「大丈夫ですか?」て訊かれてもた。
奥駆道を聖宝ノ宿跡まで辿る。紅葉する木の葉っぱが よぉけ落ちてる。それも緑のまま。なんでやろ?
聖宝ノ宿跡から南南西方面へ下っていく。便意を催し、二人して糞をする。ごつい蝿が50匹ぐらい集まってきた。集客力あり。ロープなど使うことなく標高1265mで水晶谷谷床に降り立った。すぐ上流側に18mほどの滝が聳えていた。
苦労なく、水晶谷出合まで降りる。最後の三段の斜瀑は少し躊躇したが、左岸水際を辿ると簡単に降りれた。今日は晴れていて、ほんまに気持ちいい。4週間前、雨中で ここを遡行した時とは全く雰囲気がちゃう。雨は谷の雰囲気を変えることが出来る。もちろん、お日様も!
水晶谷出合 標高790mで9:19。まぁ18:30までに奥駆道に出りゃ帰れるやろから、あと9時間で、高度差1100m、1時間あたり120m登ればエエゆうことやから まぁいけるやろ。
直瀑20mの下で写真を撮る。4週前と比べると めっさ水少なぁっ!やっぱ雨の日は増水するんやなぁと当たり前やけど実感する。ここの巻きルートはネットの記録を読むと「右岸ルンゼから行ったらガレガレで苦労した」っちゅうのが多かったし、昭文社 山と高原地図の小冊子の遡行図にも左岸巻きてなっとったから左岸巻きを選択。一旦 水晶谷出合まで戻り、すぐの斜瀑の釜の下流側にある水晶谷右岸ルンゼから巻き始める。5mほど上がると後は簡単に歩ける。なるべく本谷に近いようにトラバりながら巻いていくと直瀑20mが直下に見え、上流側へ斜めに下るバンドが見える。6mmのシュリンゲで3mほど懸垂して そのバンドに降り、とことこ下ると直瀑20mの次の滝の上側の川原に降りた。20分で巻けた。
両側壁のゴーロを過ぎると左の枝谷に35m滝があり、記念撮影。その後 ゴルジュの中のCS滝を幾つか よいしょよいしょと乗り越えると右岸がなだらかになり、見覚えのある滝。ネットで「しょんべん滝」とか書いてる人が居た、口剣又谷出合の滝や。なかなか見応えのある滝。
滝で 打たせ湯(水?)をして身体を冷やしてから口剣又谷に入ってすぐの左岸ルンゼから巻き始める。15mほど上がってから木の根など掴みながらルンゼを右手に抜けると15分で口剣又谷出合の滝上に出た。滝の見た目にしては楽勝の巻きや。
ナメ・CS滝・階段状瀑などを越え、ゴーロを過ぎると、またまた写真で見た覚えのある滝。あるネットの記録では「ペットボトル滝」と命名されていた滝や。立派で美しい。ここは右岸側のガレから簡単に巻く。次に連瀑を過ぎると間もなく標高1060m付近の二又。右又をとると八経ヶ岳、左の本谷は明星ヶ岳。TKMTさんは「なんとなく右又に行きたい。」と言うてはったけど、登山計画書には明星ルートを出していたし、チェックしたネットの記録や昭文社 山と高原地図の小冊子などは どれもこれも「右又の八経ヶ岳」となってたから、アンチメジャーっちゅうことで左の本谷を選ぶ。岩壁を避けることも考慮したが、TKMTさんは「地形図の岩壁記号はアテにならん」と言う。
左の本谷は やや水量が少なめやけど、両壁が立っていて廊下状になっていて、剣呑な雰囲気。廊下に入っていくと階段状の滝、結構 傾斜がキツいが水流左際を濡れながらいくとスタンス豊富でロープを使わずに済んだ。
その後、ガレガレゾーンを過ぎると 高い滝はあるにはあるが、めっきり水が減ってくる。この辺の滝で左のルンゼっぽいところから巻いた時、いやらしい箇所があってビレイをしてもらって登った。直上がカブり気味なので諦めて右の水流側のカンテに出ると あとは簡単に落ち口に出れた。立ち木を見つけ、そこまでロープを引っ張ってってセカンドビレイする。
ここから先はゴーロが出たり、連瀑帯が出たり、またゴーロが出たり、連瀑帯が…、ゴーロでは大体 水が切れてるが、また連瀑で水が出てくる。標高1500mを過ぎると水はチョロチョロしか流れてない。両側が壁で立ってるところがあり、水が流れてるところも岩が脆くて嫌らしい5m滝、ビレイしてもろて水流左際を突っ張りも交えて登りきった。30分ぐらいは時間かかったんちゃうか。剥がれ易い岩多し。その後はザレザレのガレガレで両側壁、めっさ嫌らしい。が、主稜線の雰囲気が漂ってくるし、両側とも支尾根に逃げ難い壁になってきてるから、そのまま直上する。めーーーーっさ落石おこりそうで嫌らしいところがあり、俺は よぉ登らなんだから横の支尾根へなんとかトラバることを考えてたが、TKMTさんが「行ける!」というので、紐引っ張って登ってもらう。スーパーのカゴほどの大きさの岩を3つ落とし、砂煙をもうもうと上げながら、TKMTさんは登っていった。おとろしい。上でハーケン2枚でフィックスしてもらい、登高器で登る。途中メインザイルが引っかかるが、なんとか外して、落石を起こさないようにして登った。はぁ〜。ここ、30分以上かかった思う。それに神経がスリ減った。TKMTさんはアドレナリン放出状態でイケイケになってもうてる。
この嫌らしいところを過ぎたところで ようやく左の壁が低くなってきたんで、ザレザレを登って支尾根へ。立ち枯れた木、そこに生えた苔、独特の雰囲気。倒木の枝を持ち、あるいは振り払いながら登り、木の密でないところをたどる。谷の対岸には大きなクラ、あんなとこ絶対のぼれん。地形図にも岩壁記号が出てる。TKMTさんはアテにならんといってたが、ここは地形図どおりや。少し登ると、やはり地形図どおりに岩壁が頭上に出現。TKMTさんは左に巻いて奥駆道に出ることを主張するが、それまで「ピークに直登がイイ」といってたTKMTさんの本当の欲求を叶えるため?!左に逃げずに岩壁の切れ目を探す。案の定 切れ目があり、細い木をバキバキいわしながら登ると ようやく斜度が緩くなり、植生も疎になってくる。TKMTさんは「明星は もひとつ向こうちゃうか、ここは別のピークか」と言っていたが、この平地の中で一番 高いところに向かうと「明星ヶ岳」の看板が二つついてた。おめでとう。明るい内に奥駆に出れたやんっ。TKMTさんと握手を交わす。んで、座ってパンなどを食す。明るいし、景色はエエしゆうことないが、下山が待っている。余韻に浸る間もなく、奥駆道を北上。立派な道や。向こうには頂仙岳なども見える。TKMTさんが、何度か この辺に来たことがあるそうで、ガイドのように その時の様子を教えてくれる。何度か鹿よけ網のドアをくぐり、きつい登り返しに耐えて八経につく。てくてく歩いて弥山。明星、八経、弥山、どれもこれも俺にとっては初めての山。山頂に着くゆうのも なかなか気持ちええな。これからはピークハンターになろかなぁ。
弥山でピークを踏みに行く間、TKMTさんに電話しにいってもらう。弥山小屋の黒電話が使えるらしいが、「食堂混雑のため30分待ってくれ」と言われ、待たずに下山することにする。明日の件で なるべく早ょにOKMさんと連絡をとらんとあかんねん。
初めての道、立派な階段をテクテク下り、やがて見覚えのある聖宝の宿。今日の無事を感謝し、特にガレガレ登りで落石に巻き込まれて死ななかったことに感謝し、50円を賽銭箱へ。あとは お日様との競争。どんどん陽が落ちてくる。弁天の森付近では黄色の鮮やかなテントがポツネンと1つ張られていた。ここと比べて弥山はテントだらけで賑やかやったなぁ。奥駆出合から下っていくうちにどんどん暗くなり、ヘッドランプを点灯。30分ちょい下って、ようやく行者還トンネル西口に着く。TKMTさん、ありがとうございました。
・その後
OKMさんと連絡をとらんとあかんから大急ぎで着替えを終え、R169方面へ急ぐ。「攻めますねー」と言われながらガンガンとばしてR169へ。薬師の湯のところで ようやくOKMさんと連絡がつき、明日の待ち合わせ場所を道の駅 海山とする。下山連絡も入れて、筋肉痛でロボットのように歩いて風呂に向かうと薬師の湯は既に受付終了。8時までに着かんとあかなんだ。
風呂には入りたいので、次に きなりの湯へ。9時に着くと「あと30分だけですよ」と念押しされるが、入れてもらえた。9時半過ぎからは爆睡のTKMTさんを助手席に乗せ、R425をとばして尾鷲へ向かう。尾鷲のジャスコは10時で閉まっていた。鍋の野菜とかを買ぉたろ思たぁったのにぃ。仕方が無いので ホカ弁に入る。夜遅ぉまで開いてるのはありがたかったが、チキン南蛮のチキンの揚げかたはイマイチやった。サークルKで明日の食料などゲットしてからOKMさんとのランデブーポイントの道の駅へ。道の駅でTKMTさんのボヤきを30分ほど聞きながら手羽元&椎茸鍋を炊いてると、OKMさんがやってくる。昔話などしながら鍋をつつき、1時半頃にテント張って寝た。ごっつハードな一日が ようやく終わった。はずが、車の行きかう音と、4日ぐらい前からの首の寝違えのせいで あまり寝れなんだ。
・まとめ
八経方面 と 明星方面 とを分ける二又までは文句のつけようのないスムーズな遡行。その後、ロープを1度だけ悪場で使ったが、ガレガレの恐怖の落石エリアまではスムーズに行った。ルンゼ直登、ピークにダイレクト!にこだわり、ガレガレを頂上直下まで詰めたが、標高1500〜1600mあたりで左の尾根に逃げたほうが 落石に神経をスリ減らさず、また時間的にも早くピークに出れたはず。最後に岩壁にブチ当たる可能性もなくはないが、左右どちらかに逃げれば済むだけの話。ガレガレのクライミングは緊張感があり、おもろかったが、またしたいとは思わない。TKMTさんはガレガレが好きとゆうか、乾いた岩が好きなのか、とにかくガレガレで燃えまくってガンガン登ってくれたので とても助かった。TKMTさんが居なければ あのルートはたどれなかった。
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