立山(雄山・大汝山・富士ノ折立周回)
- GPS
- 27:46
- 距離
- 11.8km
- 登り
- 1,083m
- 下り
- 1,091m
コースタイム
- 山行
- 0:39
- 休憩
- 0:02
- 合計
- 0:41
天候 | 6/6 小雨のち晴れ 6/7 晴れのちガス |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
ケーブルカー(ロープウェイ/リフト)
6/7 結構混雑で臨時便増発 |
コース状況/ 危険箇所等 |
縦走路は岩場ですので、基本技術を身につけてから臨みましょう。(自身の命のためだけでなく、安易に落石を起こして危害を加えないためにも) |
写真
感想
山スキーシーズンを締めくくるべく、立山に行ってきました。
このところ白山や富士山で残雪がどんどん減っていくのを目の当たりにしており、立山でも「滑れるところで滑れたらいい」という気持ちでいたのですが、いざ室堂が近づくとまだまだ雪がたっぷりあるじゃないですか。おーい、これでは山スキーシーズン締めくくれませんよ〜と思いながらも、室堂に着いたら悲しいかな小雨。
天気予報通りとはいえ、もしかしたら室堂は雲海の上で晴れている〜なんて妄想をクリアーに打ち破るようなガスと小雨。だから出発時刻を2時間遅らせたのですが、まあ予報通りなら夕方まで雨が残るので、室堂でボーッと待っていても仕方がないし、小雨の中幕営地の雷鳥沢キャンプ場に向かうことにしました。
もうこの時期の山スキーではシールを持っていかなくても支障はありません。歩いても沈まないからです。シールの重さと、スキーを担いで歩く重さの比較。そしてアプローチシューズと兼用靴を履き替える手間・・・を考えるとシールなしというのは現実的な選択です。そしてスキーにワックスも塗りません。ワックスがどうのこうの言う次元ではなくなっているのがこの「超残雪期」です。
さて、テン場に着いてもやっぱり小雨ですが、まずはテントを張ってお昼ご飯にすることにします。しばらくするとしっかり雨が降りだし、ああこの雨に当たらなくてよかったと安堵します。小雨は霧雨のようになりますが、もう少し時間をつぶすためにもお昼寝。最初は誰もいなかったテン場にも少しずつ他の登山者がやってきて、最終的には計4グループ6張となりました。
13時半くらいに雨が止んだので、雷鳥荘からの斜面を登ってスキーで滑ります。雪は硫黄で汚れ、縦溝もあるボコボコ状態ですが、まあOKでしょう。するとまた雨になったのでテントに戻ります。
16時前にまた止んだので、同じ斜面を2本登って滑ります。単なる運動ですね〜お腹空かすための。そこで早いですが夕飯にすることにします。
宴会していると外が明るくなってきたので覗いてみると、晴れ間が出てガスもどんどん晴れてきました。まさに天気予報通り。写真撮りまくり、嬉しいので隣の急斜面を登って一本滑りました。急斜面は縦溝も少ないのでとても楽しいです。
空は快晴となり、アーベントロートと星空を満喫して、翌朝に備えます。
2日目の朝は当然ですが雪は固め。当初は真砂岳から雄山に向かうつもりでしたが、雷鳥沢の急斜面が硬いと危険なので一ノ越から逆方向に回ることにしました。宿泊されていた方々が室堂から登られてきます。一ノ越で槍・穂高の眺望を楽しみながら、雄山への急登です。もちろんスキー背負ってです。テント泊装備をデポしておいたのは間違いなく正解で、この縦走路は軽量化するに限ります。ただ非常用の装備などは忘れずに。
雄山から見る御前谷は昨年の滑走を思い出させます。可能なら滑り込みたいところですが、今日はそんな計画ではありません。そのまま大汝山に向かいます。
大汝山から黒部湖に向かう斜面も下で御前谷に合流するのですが、ここもなかなか刺激的です。もちろん一般向けではありませんので不用意に入らないように。
そして最後は富士ノ折立。ピークには踏み跡程度ですが、岩登りができれば特に問題はありません。ただ、失敗すれば命に関わるのは変わりませんから、岩場慣れしていない方は眺めるだけにしておいたほうがいいでしょう。
富士ノ折立から大走への下山途中、内蔵助カールへの急斜面な雪渓がありました。登山道を歩いたほうが早いのですが、やはりこの斜度は滑らないとだめでしょう〜ということで斜面に苦労して取り付き、岩場で雪が窪んでいるところで何とかスキーを履きます。それ以外のところでスキーを履くのは極めて難しいくらいの斜度でした。
準備していたら、他の山ガールの方が「ここから滑るんですか?!」との声。それゃそうでしょう、滑らないのにここにいるわけがありません(笑)。「どうかしてるぜ!!」とは言われませんでしたが、溝もない美しい斜面、55度くらいでしょうか〜垂直にドロップして一気に〜と思ったら割れていたので減速して安全に滑走ルートを選びました。
今回はこの一本だけのために来た!と言ってもいいくらいよかったですね。時間にして10秒もなかったと思いますが(実際には30秒でした。笑)
時間が押していたので、真砂岳には向かわずに大走から下山します。しばらくすると雪が出てきたので、スキーに履き替えてスタートします。やや溝と凹凸があり、深い穴もあるので安全に滑るしかありませんが、広い斜面はなかなか楽しいところです。ただここは真砂岳の大走沢、1年半前に雪崩で多くの方々が亡くなられている場所です。地形的にドーンと新雪が積もった時に入るような斜面ではないことを実感しました。
溝がたくさんの斜面を、溝でぴょんぴょん飛びながらテン場に戻ります。天気がいいのでテントもシュラフも乾いて快適です。やはりベースキャンプ式が一番ですね。少し軽くなったザックを背負って・・・と思ったらやっぱり重い。これで雷鳥荘への急斜面の登り返し、室堂までの小さな登り返しですか〜とかなりゆっくりペースで登りの下山です。
ガスが増えてくると雷鳥が出てきて、都合三匹みました。歩いている時に突然隣で鳴き出すのでびっくりしました。
雷鳥は警戒心のない鳥です。普通の鳥は物音や動きを感じると俊敏に逃げるもので、そういう本能が敵から身を守ることができ、世代を継ぐことができる訳です。では雷鳥はなぜ?なのですが、雷鳥は晴れているとハイマツに隠れて出てきません。ガスが出て視界が悪い時だけです。それは雷鳥自身が考えてではなく、たまたま晴れて眩しいのが嫌いな遺伝子を持ったものが生まれ、それがたまたま外敵のいない環境と同じであったがために、警戒心がなくても子孫を残していけた・・・という訳です。
突然変異で晴れに出てくる雷鳥が誕生しても、すぐ外敵に見つかって食べられてしまうため、そのような遺伝子は残りません。逆に警戒心の強い雷鳥が誕生したら、それはそれで生き延びることができるでしょう。ただ人間にも警戒しますから我々の目に触れることなく、どこか山奥でひっそりと暮らしていることでしょう。
さてそんな雷鳥の遺伝子による摂理に触れながら、我が山スキーシーズンをここで終えるのか、まだ立山で滑れる間は行くのか、この判断を本能(遺伝子)に委ねることが、子孫を残せるかどうかに関わってくる・・・ってもう残すことはしませんって(笑)
内蔵助カール 富士ノ折立側斜面の滑降
雷鳥沢キャンプ場 急斜面滑降
雷鳥くん @雷鳥荘付近
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