延々13時間、ヘロヘロおじさん3人組が行く赤岳(↗天狗尾根〜↘真教寺尾根)
- GPS
- 13:02
- 距離
- 16.1km
- 登り
- 1,627m
- 下り
- 1,629m
コースタイム
- 山行
- 11:16
- 休憩
- 1:44
- 合計
- 13:00
天候 | 晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
自家用車
五町田交差点を左折して県道28号線を北進。 清里駅、清泉寮方面へ分岐し、そのまま直進する。 突き当りのT字路を左折して県道11号線を北進すると、美しの森駐車場があります。 |
コース状況/ 危険箇所等 |
<天狗尾根> バリエーションルートです。 しばらくは林道歩きですが、最初の堰堤を過ぎると道幅も狭くなり、本格的な 登山道となります。最後の堰堤を左側から越したとこにあった赤テープで道を 見失いましたが、ここはまだ沢沿いに遡上します。 出合小屋を過ぎ、赤岳沢分岐を過ぎると、急登が始まります。ここも、最初の 赤テープに誘われてミスルートしてしまいました。ここではなく、次に左手に 見えてくる急登から斜面に取り付きます。薄い踏み跡が、笹藪の左手にあります。 この先、尾根に乗ってからも急登続き。踏み跡はしっかりとあります。 第一岩峰と第二岩峰の最初のトラバース、大天狗とクライミング技術が必要な ところがでてきます。未経験者は、必ず経験者と一緒に行動することをお勧め します。その他の岩峰は、カニのハサミと小天狗の左側から巻く箇所以外は、 すべて右側から巻くことができます。 <真教寺尾根> 一般登山道です。とにかく長いコース。 赤岳から1時間以上、岩場と鎖場が続きます。3点支持がしっかりとできて いれば、鎖を使わなくても下ることができます。 扇山辺りからはダラダラとした下りとなり、2000mより下辺りからは、 笹藪歩きとなります。踏み跡はありますが嫌になりますね。 |
その他周辺情報 | 美しの森駐車場には、トイレ(夜間使用可)と自販機があります。 温泉は、甲斐大泉駅近くにある『甲斐大泉温泉 パノラマの湯』へ。 入浴料は820円。 天気が良くて澄んでいれば、露天風呂正面に富士山が見えますが、この日は見え ませんでした。 |
写真
感想
昨年の春、阿弥陀岳南陵から見えた鋭く尖った岩峰が気になり、夏に赤岳から
権現岳を縦走して近くを通った時には更に興味深くなった大天狗、小天狗。
今回は、時間と体力的に直登するまでの余裕がありませんでしたが、その岩峰を
真近で見ることができる天狗尾根を上りで、下りは真教寺尾根という初めての
八ヶ岳東面を、梅雨の合間の晴れた日に歩いてきました。
当初は、5名で計画していたこの山行、直前になって2名まで減るものの、
tokagessさんの参加表明もあって、最終的には平均年齢57歳というおじさん
3名での山行となりました。
前日、美しの森駐車場でテント泊し、翌朝4時に出発。しばらくの間は林道
歩きとなる。我々の少し前には、ツルネ東稜に向かわれる方が先行される。
数度の渡渉の後、最後の堰堤を過ぎた左手にある赤テープを見つけて笹藪に突入
するものの、すぐに踏み跡が不明瞭に。しばらく辺りを探しても何のマークも
見つけることができず、渡渉してしばらく沢を遡上していくと、対岸に赤テープ
があるのを見つける。何度渡渉したことだろうか?歩き出して約2時間ほどで
出合小屋に到着する。この先、赤岳沢に入ると、最初に左手に見える赤テープで
笹藪の急斜面に取り付くものの、少し登ったところでそれ以上進むとヤバそう
だったため、一旦沢まで下って、沢を遡上する。5分ほど進んだ左手に、再度
赤テープを見つる。笹藪の左端には踏み跡があり、その上部には赤テープも確認
することができたので、この斜面に取り付く。ここからは、延々と急登が続く。
それまでは何ともなく歩いてきたが、急登に入って尾根上に乗った辺りから
腰痛ベルトでお腹を絞めているために十分な呼吸ができず、先行するメンバー
から次第に遅れだす。途中の休憩時にベルトを外すものの時すでに遅し。全く
ペースが上がらない。やがて見えてきたカニのハサミから始まる岩稜帯は、
ルートを確認しながら慎重に進むため、余裕で付いていくことができる。この
先は、クライミングの経験がないとかなりヤバそうな斜面もある。大天狗の
肩部に向けて薄い踏み跡があるものの、フリーで登るにはかなりヤバそうだと
感じたため。そこから右手に回り込むようについているトレースをたどって進む
と、回り込んだ先には背丈を超えるハイマツの藪漕ぎ。10分ほど格闘すると、
肩の部分に到着する。その左手には、新しいクサリのビレイポイントがある。
このコル部からは真教寺尾根を歩いている登山者も見える。小天狗を左から
巻くと、いよいよ権現岳から赤岳への縦走路に合流。最後の急登は文三郎から
登ってきた登山者と合流するため、さらにペースダウン。予定よりも遅れは
したが、11時50分に赤岳山頂に到着する。
実に、7時間40分。山頂はかなり混んでいたが、何とか記念撮影を済ませ、
頂上小屋まで歩く気力もなく、南峰直下の岩の間で昼食タイム。隣で食事を
されていたご夫婦と話をしていると、我々が大天狗と小天狗のコルから見えて
いた真教寺尾根にいらっしゃった赤と白のウェアーの方で、あまりの偶然に話が
弾む。ご夫婦は県界尾根を下られるとのことだったので、真教寺尾根の情報を
いただき、下山を開始する。
下りだして1時間半ほどは、鎖場もある急な岩場の下りが続く。3人とも、
この下りで足の疲労がピークを迎えたのか、全くスピードが上がらず、コース
タイム通りに歩くことさえできない状態に。特に、2000mを過ぎた辺りから
始まる笹藪は、歩いていてもかなり滅入ってしまう。予定では16時に下山
できると思っていたが、駐車場に到着したのは17時過ぎ。予定よりもかなり
オーバーし、ちょうど13時間に及ぶ長い山行となった。
この日、ザックに入れて行ったもののほとんどがクライミング道具とザイル。
最終的には、ただのお荷物となってしまい、
とにかく、疲れた〜。
今回の山行では、2月に投入したアプローチシューズ、5・10のガイドテニ―
ミッドにSuperfeet(緑)のインソールを入れて歩きましたが、先回は靴擦れ
で苦しんだのも改善され、13時間の長丁場にも耐えることができました。
これで、夏の山行はこのセットで決まったが、このシューズの弱点である防水性
がないため、雨が降らないことだけを祈るだけ。
【今回の山行で感じたこと】
近年、北アルプスの岩場のあるルートでは、ヘルメットを着用される方の姿を
多く見かけるようになってきましたが(GWの奥穂&北穂は、装着していないと
涸沢から先へは登らせてもらえなかった)、岩場の多いここ赤岳では、ほとんど
見かけることがなかった。まだまだ、安全に対する意識が薄いのかな?
※帰路、皆さんにわがままを言って、「清里ミルクプラント」でお気に入りの
牛乳を購入しに行くものの、17時半の段階で閉店していました。半ば諦めて
いましたが、以前に八ヶ岳PAの下りの売店で購入した覚えがあったのので、
立ち寄ったところ、ありました。お目当ての牛乳とカチョカバロ。
翌日には、すべて美味しくいただきました。
コメント
この記録に関連する登山ルート
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Kameさん、皆さんお疲れさまでした。
登るのに7時間半とは、流石に赤岳のバリルートは手強そうですね。
大天狗とか小天狗、私も真近で見てみたく思いました。
それにしても13時間の山行は大変でしたね。
higurasiさん、おはようございます。
途中の道間違いや、ルートの確認のための偵察、記録にはない休憩など
かなりのんびりと歩いていましたので、このような時間になってしまいました
ルートは事前に調べては行きましたが、記録にないわかり難い箇所や、景色も
変わりますからね。
いきなりこのルートを歩くのはハードルがかなり高いですので、まずは、赤岳
から権現岳の縦走路からも確認できますよ
kameさん、そして平均年齢57歳?(マジですか?)素晴らしいです。未知との遭遇??高い山って本当にすごいところなんですね!
kameさんのの記録って、いつみても記録の書き方が素晴らしくわかりやすくて、尊敬申し上げます!とてもいけませんけど、、楽しく、そして興味深く拝見させて頂いています! +
itooさん、おはようございます。
我々の会社の同好会のメンバーで、バリエーションを楽しんでいるメンバーの
年齢は、だいたいこんな歳の者ばかりで、その中でも、私は若手(?)の部類に
入っています
ここ2、3年で、20歳代の子も入ってきましたが、バリエーションを楽しむ子は
ほんの一握りで、ほとんどの子が一般路縦走目的ですね
私の記録の書き方なんて、まったく参考になりませんよ。
kameさん、こんばんは!
13時間もの長い山行、本当にお疲れ様でした!
自分にはバリルートは無理ですが、真行寺尾根か県境尾根を登って下る周回ルートは
いつかトライしたいと思っているんですが、なかなか実現できません
今年こそは!!!
daishohさん、おはようございます。
真教寺尾根から県界尾根を歩くコースは、以前から狙っていたのですが、
このルートのほうが先に実現できちゃいました。
そして、実際に歩いてみて感じたのは、距離の長さですね。真教寺尾根の
扇山から美しの森までのダラダラとしたコースは、歩いていても嫌になる
区間でした
daishohさんでしたら、十分日帰りで歩けるコースですので、ぜひチャレンジ
してみてください
八ヶ岳、例年ですと、
まだ多少雪が残ってる
時期だと思うのですが、
今年は雪解けが
早いですね。
新緑がきれいですし
夏の花も咲き始めてて、
すっかり夏山の雰囲気で。
ハイマツの藪コギ、
残雪時期の御嶽山の
下りで体験しましたが、
大変歩きづらいですよね。
今回上りでとは、ご苦労が
しのばれます。下りでも再び
今度はササとは。
虫の多い時期のヤブコギは
なるべく、ご勘弁願いたいものですね。
インソール、靴と足になじんで
何よりです。現在、購入模索中の
ため、大変参考になりました。
今年は、このルート上では登山道近くに1箇所残雪があった程度で、
他では全く見ることがありませんでした。ですから、花が咲き出す時期も
かなり早くなってきてますよね。
この調子でいくと、紅葉 は早まるのでしょうかね ?
ハイマツの藪漕ぎ、枝が下を向いていて、それを目がけて登ることに
なりますので、掻き分ける作業だけでも大変でした
そして、その後の笹薮。これだけ標高が高いとダニはいないのでしょうか?
注意深くチェックしながら歩いてましたが、結局は一匹もいませんでしたよ。
インソール、最近は色々とありすぎて、逆に選ぶのに迷っちゃいますよね。
Superfeetの緑は、少し硬めです。膝に多少なりとも弱さがあるようでしたら、
青の方がいいと思いますよ
またしても家事都合で見送ることとなってしまいました…残念です。
どうも今年はこんなのが多そうです
梅雨の合間の晴れ間ということで、またしても晴れ男の威力が発揮されましたね
それを考えるとやはり行きたかった…
くどくてすいません(笑)
でも行きたかった…
私も、出張の関係で7月はほとんど予定を入れることができてませんが、
ひそかに出張先での山登りを計画中です
ふっ 、ふっ 、ふっ
今年(4月以降)の私は晴れ男
今回の山行での疲労は半端ではなかったので、しばらくの間、八ヶ岳東面からの
登りはないと思うよ
おはようございます kame, siro-kikun, tokagessさん
平均年齢にも驚かされ、こわ〜すご〜とひやひやしながら読ませていただきました。私なんかこんなところを登ったら、途中でビビッて動けなくなるかも?それともすぐに諦めて一般ルートを歩くでしょう。あんな壁を登っているときは、好きな方はランナーズハイのような状態になるのでしょうか?
それに写真を撮っている余裕もあるので、日ごろの鍛錬の成果ですね。
見たことない八ヶ岳のコースを楽しませていただきありがとうございました。
花のこと
43 ミヤマキンポウゲのような気がします。高山で、葉の形が少しことなるような 感じです
92 葉の形がわからないので難しい。アブラナ科のイヌナズナ属、ハタザオ属の名 はいつも困ってます。クモマナズナかな??
97 ミヤマダイコンソウとは葉の形が違うような?小さそうだしミヤマキンバイに 似ているような気がします。
137 葉が映っているので、マイヅルソウでしょう。
貴方らの写真で図鑑とにらめっこ、いつも勉強の機会を与えていただ出でます。間違えることが多いので参考までに、ご自身でも調べてみてください。
いつもいつも、ありがとうございます。
ミヤマキンポウゲやミヤマキンバイは、いつも7月〜8月に見る花だと思って
いましたので、この時期の黄色い花と言えばミヤマダイコンソウだと思い込んで
いました。今年は、かなり花が早いようですね。
ちなみに、今までご教示いただいたものなど、自分なりに植物辞典を作って
います
確かに、ランナーズハイのようなもの(クライマーズハイかな?)はありますね。
この年寄り連中、普段は歩くスピードは遅いのですが、岩場に入った途端に登る
スピードが早くなってしまいますよ
私も、高所恐怖症でしたが、クライミングウォールをしているうちに、克服できて
しまいました
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