大雪山 旭岳からトムラウシ山へ 縦走
- GPS
- 80:00
- 距離
- 49.3km
- 登り
- 3,007m
- 下り
- 3,444m
コースタイム
- 山行
- 7:10
- 休憩
- 0:50
- 合計
- 8:00
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 2:00
- 合計
- 11:50
- 山行
- 9:50
- 休憩
- 1:40
- 合計
- 11:30
北海道ではエキノコックスが心配なので生水は飲まないこととされていて、煮沸が基本です・・・
が、出会った地元の登山愛好家の方々は、本州から来た人は皆そう言うけれど、この時期の稜線上の雪解け水は何の問題も無いと口を揃えて言っていました。よほど動物の生息域近くの貯まり水でなければと。
科学的な根拠はわかりませんし、信じるかどうかは自身の判断ですが、僕は雪解け水はゴクゴクと飲んじゃいました。
豊富に水があり、美味しかった。
天候 | 19日 曇り時々晴 20日 曇り後晴 21日 快晴 |
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過去天気図(気象庁) | 2015年06月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
バス
飛行機
10時5分旭川空港発 旭川電気軌道バス「いで湯号」 11時10分頃旭岳ロープウェイ駅着 |
コース状況/ 危険箇所等 |
6月半ば過ぎの時期。今年は5月末まで雪が降った年だった。 道中、雪渓が何か所もあり出口がわかりにくいところもあった。視界が悪いと迷いやすいので注意が必要で、できればGPSで確認したほうがよいと思う。 軽アイゼンを持参。早朝のヒサゴ沼から稜線に戻るまでの雪の斜面で使用しました。 早朝の白雲岳直下の雪渓も凍っていましたので、できれば有ったほうが良いと思った。 そのほかは特に装着しなくても、対応可能。 登山道自体はよく整備されていて、歩きやすい。 稜線上の風は冷たいので、レインウェアは常に装着していました。 高根ヶ原から忠別岳の間は途中にヤブ漕ぎのような場所があった。 午前中は露に濡れるので、やはりレインウェアは着ておいたほうが良いと思う。 縦走路が長いので、体を冷やさない、濡らさないことを特に心がけました。 |
その他周辺情報 | トムラウシ温泉 国民宿舎東大雪荘 宿泊者はJR新得駅またはJR十勝駅まで送迎あり。 |
写真
装備
備考 | 持って行って良かった GPS(iPhone アプリ)、軽アイゼン |
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感想
昨年はじめて北海道の山(幌尻岳・後方羊蹄山)に登った時に、次は大雪山とトムラウシ山を縦走しようと思いました。
今年5月に登った巻機山で駅までピックアップして下さったお二人が、大雪山とトムラウシ山の縦走が良かったと言われていたので、早く行ってみたい気持ちに拍車がかかりました。
学生時代の友人と横浜の街で飲んだとき、6月は航空運賃が安いということを聞き、この時期に登ることにしました。
登り終えての感想は、6月のこの時期に縦走して大正解だったということでした。
ツアー客でごった返すこともなく、静かで、少ないけれど山登りを心から愛する登山者との出会いが山の味わいを濃いものにしてくれました。
また、ピークハントではなく、縦走にして本当に良かったと思いました。
北海道が地元なら別ですが本州からはそう簡単に何度もチャレンジできる訳ではありませんし、大雪山の主峰は旭岳ではあるものの、高さだけでなく眺望や山の風格が異なった峰々をめぐることで、この山域の魅力が味わえると思ったからです。
旭岳から白雲岳、忠別岳、化雲岳、トムラウシ山と巡ることで、この北海道の山の雄大さ、本州とは異なった山のスケールの大きさを感じることが出来ました。
■主峰・旭岳
初日、主峰の旭岳は低く垂れ籠めた雲に覆われ、山頂付近ではガスって何も見えませんでしたが、雲の切れ間からは時折青空も見え、視界不良ということはなかった。
旭岳の山頂付近は急登であるのの、旭岳を越えれば快適な稜線歩きとなります。
北海道の山の稜線は、北アルプスや南アルプスのような急峻で鋭い稜線ではありませんが、広大かつ優雅な稜線で本州の山にはない独特の優美さを感じました。
間宮岳から北海岳までの御鉢平は雪渓が見事でした。
途中、雪渓の出口で迷いましたが、GPSを携行していたので直ぐに修正できました。この時期の縦走は、雪渓で道を見失いやすいし、本州の山ほど目印が多くないので、GPSは持っていたほうが良いと思いました。
■白雲岳
初日は時間の都合で通り過ごした白雲岳でしたが、翌朝4時に避難小屋に荷物を置いて空身で白雲岳の山頂を目指しました。晴れていれば旭岳の展望が望めるのと、幻の湖を見てみたいと思ったからでした。
時折、山頂付近にはガスが掛っていましたが、登頂すると雲が晴れ、目の前に旭岳の雄姿が現れました。こんなに近くで大迫力の光景が広がっていて感動的でした。
白雲岳を通り過ごさずに、登って良かったと心から思いました。
幻の湖は雪渓がまだ溶けきっておらず、湖面に水を湛えるという状況ではありませんでしたが、白雲平の荒涼とした感じの光景はこれはこれで素晴らしいと思いました。
■忠別岳
忠別岳へ至るまでの高根ヶ原では、丁度雲がかかってしまい、ガスって展望は何も望めませんでした。シャクナゲが群生していたり、ウルップソウが咲いていたりしましたが、花の時期はまだ少し早かったのかもしれません。
驚いたのは忠別岳からの眺望でした。
忠別岳の山頂から、目の前に巨大な山が現れました。丁度、地元の方がいらっしゃったので「あの山は何ですか?」と聞いてみたら「あぁ、あれは名も無い尾根だよ」と言われて驚きました。
「あれが、名も無い尾根!」とビックリした様子でいると、察してくれたのか、忠別岳から見える峰々を丁寧に説明してくれました。
僕が驚いたのは化雲岳から小化雲岳を経て天人峡へ下る尾根でした。
忠別岳は西側が切りたった絶壁となっていて、向かい側の天人峡へ至る尾根との間の渓谷がこれまた素晴らしく美しい絶景でした。旭川の源流域で名の由来となった忠別川の渓谷は一見の価値があると思いました。
また、南側の尾根には五色岳、ヘソのような突起が特徴の化雲岳が一望でき、時々雲の晴れ間からトムラウシ山が姿を見せる様子は一言では言い表せない、大パノラマでした。
こんなに眺望が素晴らしいとは、忠別岳に登るまでは全く知りませんでした。
■五色岳
五色岳までくると、目の前にトムラウシ山が望めます。
東側は沼ノ平、200名山の石狩岳、ニペソツ山、西側には化雲岳が望めます。
■化雲岳
化雲岳にいたるまでの高原は池塘があり、「神の遊ぶ庭」と呼ばれています。
なんて贅沢な遊び場なんだろうと思いました。
化雲岳はへそのように突起した化雲岩が特徴です。
近づくまでは、オベリスクに次いで登ってやろうと思いましたが、思いのほか大きな岩で高度感が半端なくあるので、やめときました。
晴れていればトムラウシ山はもちろん、旭岳から歩いてきた縦走路が一望できる展望スポットで、ちょっとゆっくりとここで時間を過ごしてしまいました。
■ヒサゴ沼
ここはもう日本じゃない気がした。
写真とかで見る北欧のような光景が広がっていました。
避難小屋も小さいながらも、よく整備されていて、ここでゆっくりと過ごすのもいいと思えました。あぁ、北海道に住みたい・・出来るならと。
■日本庭園からロックガーデン
これまでの山の稜線とは違った風景が広がっています。
庭石のような岩が適度に散らばり、沼や築山などもあり、自然が形作った偶然なのですが、なるほど日本庭園のようでありました。
岩岩したロックガーデンも、ひとつひとつの岩をクリアしつつ、高度を上げていくと後ろには大雪山が一望できました。この日は雲がほとんどない快晴で、本当に来て良かったと心から思いました。
■トムラウシ山
いよいよ憧れのトムラウシ山へ
北沼は澄んだ水を湛えており、湖面に映えるトムラウシの山頂と、大雪山のパノラマが何とも言えません。
トムラウシ山の山頂からは目の前に十勝岳の峰々が、これもまた風格のある山だと思いました。
トムラウシ山から十勝岳へ縦走することも考えましたが、主峰・十勝岳の前に立ちはだかるオプタテシケ山も手ごわそうな急斜面でそびえ立っているのが印象的でした。
トムラウシ山から望む大雪山。旭岳から白雲岳、忠別岳、化雲岳と歩いてきた縦走路が一望でき、南側には日高山脈が見え、去年はあの幌尻岳を登ったんだなぁと感慨もひとしおでした。
気が付いて見たら、約1時間も山頂で過ごしていました。
縦走を終えて、憧れの大雪山、トムラウシ山を無事に縦走できて本当に良かった。
またもう一度、いつか登りたいと思いました。
出会った方々、山行がより濃密なものになり、本当に素晴らしい思い出となりました。ありがとうございました。
また、好天で素晴らしいコンディションで迎えてくれた大雪山、トムラウシ山のカムイに感謝です。ありがとうございました。
ヒサゴで一緒だったものです。
お互い素晴らしい天候に恵まれた、タイミングバッチリな山行でしたネ!
次回は7月?9月?
私これからも、変わらず大雪徘徊してます♪
また大雪でバッタリ会えるのを楽しみにしています☆
お疲れ様でした!
こんにちは
いろいろとお話をありがとうございました。
お会いできたこと、お天気が良かったことは運が良かったと思います。
お写真、綺麗ですね。
今度は朝焼けのモルゲンロートをこの目で見てみたいと思いました。
もう大雪山に住まれてますね。
人間とお話しするウサギちゃんのようでした。
毎年6月、9月は北海道の山を目指したいと思います。
勿論、大雪山・トムラウシももう一度登りますよ〜。
またお会いできるといいですね。
ありがとうございました。
こんにちは。興味深く拝見しました。大変参考になりました。
こんなに貴重な情報を得られてとてもありがたいです。
というのもこの週末から同じような行程で入るからなのです。
わたしはさらに富良野まで予定しており、体力・天候・アクシデント等との相談で、エスケープを常に頭に入れつつですが、完走できたらいいなと思っています。
なによりもお天気に恵まれていらしてほんとーーーにうらやましいです。
そして文章やお写真のコメントからお人柄が感じられ、読んでうれしい記録でした。
もう一度ありがとうございました。
peaks100
こちらこそ、ご丁寧にありがとうございます。
途中で分かれて十勝岳方面に行ったメンバーや、地元の愛好家の人の話によると、
十勝岳方面に行かれるのでしたら、オプタテシケ山の登りが最初の難関で、かなり苦労するそうです。また雪渓の状況によっては難易度が変わるそうです。
テント場はテント場以外でもビバークで数張りできる場所が何か所かあるそうです。
天候にもよりますので、視界不良で気温が下がるようでしたら、無理はなさらないほうが良いかもしれません。
道中、地元の登山者の方に出会ったら、積極的に状況を聞くようにしてみるといいと思います。このコースに詳しい人がいると思いますので。
お天気が晴れでしたら、体力次第のようです。
ぜひ、完走されると良いですね!
無事の山行を願っております。
ありがとうございます。
そうなんです、難易度ではオプタテシケが肝みたいですね。トムラウシまでで充分とおもっていたのですが、だんだん欲がでてきて、10本爪に軽量ピッケルまで購入してしまったので・・。
わたしは雪岩氷沢と多少経験はあるのですが、同行者がやや不安なので、様子を見ながら危険と判断したら絶対引き返します。御心配ありがとうございます。とても心強いです。
おかげさまで週間予報では全部晴れマークが・・・・♪
神様、お願いという気持ちです。
十分気を付けて行って参ります!
一度も投稿したことがないので、今回は帰ったら投稿しようと思っています。
お気持ち、よくわかります。
十勝岳、富良野まで一気の縦走は夢がありますね。
僕も行ってみたかったけど・・・、トムラウシ温泉への下山も結構長かったです〜。
雪渓は滑る怖さよりも、出口を迷う怖さのほうですかね。
晴れていたり、GPSが有れば修正可能ですが、ガスって地図だけが頼りだったりすると、迷うみたいです。
パーティのお仲間も心強いですね。よく話し合われて楽しい山行にしてくださいね。
晴れの山行を願っております。
ご投稿の記事も楽しみにしております。
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