天目山・ヨコスズ尾根・赤杭尾根《多摩百山》



- GPS
- 12:39
- 距離
- 22.8km
- 登り
- 1,706m
- 下り
- 2,068m
コースタイム
- 山行
- 2:52
- 休憩
- 1:30
- 合計
- 4:22
- 山行
- 7:01
- 休憩
- 1:16
- 合計
- 8:17
天候 | 1日目(3/20):小雨 2日目(3/21):晴れ |
---|---|
過去天気図(気象庁) | 2014年03月の天気図 |
アクセス |
利用交通機関:
電車 バス
下山:JR青梅線川井駅 |
写真
感想
1日目(3/20): 小雨
先月2回目の大雪は酷かった。日原へのバスは20日後の3月5日になって漸く運行再開した。鍾乳洞行バスは東日原から先、中日原・鍾乳洞へは今日も運休が続いている。中日原まで行きたかったが小雨のショボ降る中、短縮終点の東日原で下り、日原街道を歩いた。丹生神社の左手からヨコスズ尾根の先端に取り付いたが、踏み跡は怪しい。やがて何処からともなくしっかりした踏み跡が現れた。この尾根は過去2回歩いているが、途中にある滝入ノ峰(1,310m)に登らずに巻道を通ってしまっている。今回は何としても登りたい。標高1,000mの手前で尾根の東側を巻こうとする登山道を離れ尾根を忠実に辿った。下草は全くなくしかも微かに踏み跡もあるので安心して登った。
本格的登山は久し振りだと云うO崎さんは一寸遅れがち、ゆっくりペースで標高差700mを1時間50分掛けて滝入ノ峰に到着した。3等三角点「一原」があるが山頂を示す表示は何もなかった。山頂から北に500m程進んだところで巻道縦走路に合流するが結構急斜面を下った。合流点から見ると、相当険しそうな斜面が立ちはだかっており登山道が巻道になったのも頷けた。巻道登山道が尾根に上がって来ると傾斜は比較的なだらかになった。標高が増すに連れて残雪が目立つようになってきた。雪を踏み踏み歩いていると雲の中に建物が見えてきた。今日の宿、一杯水避難小屋に辿り着いた。
小雨が降り続いているが、もう一仕事天目山に登頂しなければならない。避難小屋の裏から尾根を辿り前衛峰を越えた下りは岩場で凍結しかなり危険、今日は気温高く雪も腐れているのでアイゼンは履いて来なかった。此処へ来て後悔するが慎重に下りるしかない。木の根など手掛かりがあったので無事に通過でき天目山本峰(1,576m)に辿り着いた。天気が良ければ展望が利きそうだが、ガスで何も見えなかった。おまけに3等三角点「日原」は雪の下、山頂標識だけは幾つも木に括り付けられていた。
帰りは西に下り直下の巻道を通ることにした。距離は少し伸びるが同じ道よりは新鮮だろう。結構雪が残り、壺足で20〜30冂世濆む所もあるが、凍結はしていなかった。15:07避難小屋に戻り、早くも夕食準備を始め全く飲めない尾崎さんは置いておき独りでウィスキーをちびちびやり、暗くなった18:30頃寝に着いた。
2日目(3/21):晴れ
一日降り続いた雨も上がり朝から快晴となった。5:30出発を予定していたが準備にもたつき出発は5:51になってしまった。長沢背稜の縦走路を東へと進んだ。まずは天目山の南を巻いて進むがトレースは全くなく気温が下がり雪は締まった。アイゼンが小気味良く効いている。稜線は地面が露出している部分もあるが、吹き溜まった所では1m程残り、2m以上の雪庇も見られた。P1449の南を巻く所は危険を感じる程の斜面でアイスバーン状態、強く踏み込まなければアイゼンの歯が立たない。ピッケルを持たず滑落防止手段がない。此処が正念場、一歩一歩慎重に進み危険地帯を無事通過することができた。この後の巻道は避けよう。
仙元峠(1,444m)は浦山に到る仙元尾根を分ける峠だが稜線のピークにあり、山名としてカウントした。小さな祠があり、南東方向に蕎麦粒山が優雅な円錐形の姿を見せていた。木の間越しで一寸すっきりしないが・・・。稜線を進み右手を見ると富士山が雪を纏って樹林の切れ目から顔を覗かせていた。蕎麦粒山(1,473m)は3等三角点「仙還」がある筈だが雪の下で確認できなかった。南東方向に目をやるとこれから向かう曲ヶ谷北峰と川苔山が双耳峰のように望めた。蕎麦粒山から南に鳥屋戸(とやど)尾根が分岐した。明確な道ではないが松岩ノ頭、塩地の頭、笙ノ岩山の3座がある魅力ある尾根で平成22年3月に登った。その時の蕎麦粒山の写真を見ると山頂には全く雪は無かったのだが・・・
此処からは幅10m程の防火帯が稜線に開かれ気持ちが良い。前後の見通しは利くが横方向は木が邪魔して富士山の姿は時折しか見えずもどかしさを感じた。登り返して桂谷ノ峰(かつらだにのうら1,400m)に到った。「峰」と書いて「うら」と読ませる。蕎麦粒山との鞍部の南側に始まる谷を桂谷と云う。90°向きを替えて東方向に防火帯の尾根を進んだ。仁田山・有間山方面への分岐を達した。4年前に鳥屋戸尾根を登った時に歩いた尾根だ。分岐を見送り少し進むと日向沢ノ峰(ひなたざわのうら1,356m)に到った。この峰も「うら」と読む。棒ノ折山からの尾根が合流した。この道は平成20年3月に歩いた懐かしい山域だ。
山頂からの展望は素晴らしく、富士山を始め左の方には大山、丹沢山塊、奥多摩三山の大岳山、御前岳、三頭山、奥多摩石尾根の六ツ石山、鷹ノ巣山、そして雲取山から続く今日歩いて来た長沢背稜の天目山、蕎麦粒山が堪能できる。此処から見る天目山は3つのピークが明瞭で、別名の“三ッドッケ”の由来が納得できる。景色も良いので大休止を取って腹拵え。
進行方向が南に変わり下りだすと岩場の急斜面が現れた。長沢背稜にもこんな険しい所がある。雪は全くない部分でアイゼンが邪魔になるが残雪部分がまだ2/3以上あるので外す訳にはいかない。下りきった処は踊平(1,175m)で大丹波川への下山路が分岐するが真新し看板に「登山道崩落通行禁止」の表示、しっかりした看板でこの先長期間復旧する見込みがないことを示しているようだ。西に飛び出した処に川苔丸山(1,221m)があるが間の谷は深い。一度訪れてみたい山だ。横ヶ谷の北を回り込むように進みピークに立つと曲ヶ谷北峰(1,340m)で赤杭尾根が始まる。尾根を下る前に飛び出している川苔山(1,363m)をピストンした。嘗て小屋のあった鞍部から登り返して山頂に到ると富士山西方面の展望が素晴らしかった。2等三角点「火打石」がある筈だが雪の下で確認できなかった。山頂標識には「川乗山」の表示もありどちらも通っている。
曲ヶ谷北峰に戻り、赤杭尾根に入った。鞍部が稜線の北東に流れる曲ヶ谷の源頭で、直ぐ南側の小ピークが曲ヶ谷南峰(1,325m’)となっている。昭文社の登山地図には北峰しか記されていないので見落としがちだ。鞍部の少し手前に「狼住所」と記された所があり「オオカミスンド」と仮名書があった。「狼の居る所」と云う意味に取れるが狼岩に到る「狼新道」が訛ったのではないかと云う説も説得力があった。
赤杭尾根を一路下る筈だったが残雪の為知らず知らず、なだらかに右に反れて登山道を外してしまい、何時しか東北東方向の真名井北稜に入ってしまった。標高1,200m位まで下ってしまい、もうし少し早くコンパスを確認していたらと思った時は後の祭り、登り返しのリカバリーは虚しい。元の尾根に戻り南南東に正しく赤杭尾根を下った。やがて鞍部に達し下山路が北側を巻く地点に達すると直線方向に上りの斜面がある。此れがエビ小屋山への登りで、10年前に歩いた時は登山道をそのまま歩いてしまい通らなかったので今回はどうしても行かなければいけない。特に何の表示もないが薄い踏み跡を40m程登り返すとエビ小屋山(1,147m)山頂に到った。展望は無く、木に巻かれた黄色テープにマジックで書かれた表示しかなく一寸寂しかった。大休止を取り栄養を補給し、気温が上がって来たので防寒のためずっと着ていた雨具を脱ぎアイゼンも外した。
分岐に戻ることなく下草のない南東の稜線を下り900mの鞍部で北側を巻いて来た登山道と合流した。雪があるが林道のようでやがて北側に去って行った。1匱綽覆爐950m程のピークがあり登山道は西側を巻いている。“日本山名総覧”に赤久奈山の標高は950mとされていたので此処が山頂だと思っていたが現地には何の表示もなく、山頂部は鹿除けネットでガードされていた。ネットの向こうには西方向の展望が開け素晴らしい。そして赤久奈山は登山地図にあるように924mの3等三角点「大渡」のある地点だった。登山道は北側を巻き分岐点にしっかりした指導標が山頂方向を示していた。現地にはエビ小屋山の山頂にあったと同じ黄色テープにマジック書きの表示だけがあり、展望も得られなかった。
東に伸びる尾根の先端で登山道に合流し尾根通しの道となった。P809の東を巻いて標高690m地点で古里へ道が分岐するが先月の大雪による倒木で通行止めとなっていた。倒木位ならかわすことができそうだがどんな状態なのだろう? 次のズマド山も登山道は東側を巻いている。2.5万図では分岐から400m弱行って巻道と分岐し尾根道を取るようになっているが古里分岐からそのまま巻道になっており逃してしまいそうなので途中で斜面を取り付いた。ズマド山は双耳峰でまず北峰(721m)に到った。山頂には「721m峰」と黄色いテープに書かれているがその上にボールペンで「ズマド山北峰」と書かれていた。ここも展望は得られなかった。250m程先には南峰(690m)がありこちらには3等三角点「小丹波」が置かれ「ズマド山」のプレートも設置されていた。やはり此処も展望は得られなかった。
南東尾根の急斜面を下り、巻いて来た登山道に合流すると直ぐ南の谷間に小丹波集落に下る点線道が2.5万図に描かれているが、其れらしい道は発見できなかった。P558で進路は南に変わり川井集落に突き出した尾根の先端に向かった。何時しか東に進路を導かれ水道設備の横から階段を下り、割烹“花あそび”の辺りに下りてきた。車道は大丹波川を渡るため大きく迂回し青梅線の鉄橋を潜り、コースタイムより1時間超過し川井駅に到着した。青梅線の河辺で途中下車し河辺温泉“梅の湯”に立寄り汗を流した(入浴料840円)。温泉は駅前のビルの中にあり登山者が結構立寄り繁盛していた。
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